【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期累計期間における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大・縮小を繰り返す状況であるものの、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る方針の下、新たな行動制限や経済活動の制限は行われず、経済社会活動の正常化が進み景気は持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢等による原材料・エネルギー価格の高騰や、世界的な金融引き締めに伴う金融資本市場及び為替市場の混乱を背景に、全国企業短期経済観測調査(短観)において製造業の業況判断指数が4四半期連続で悪化する等、景気の先行きは今後も不透明な状況で推移すると思われます。
当第2四半期累計期間における当社の属するソフトウエア業界は、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた事業構造の変革や競争力の強化を狙う製品開発や設備投資のデジタル化(DX)の動きは継続し、SDGsの関心の高まりと合わせて今後も大きく増加する傾向にあり、関連する当社事業分野におけるソフトウエア開発に係る需要は、当第2四半期累計期間末まで旺盛な状況を維持しております。当社は今後も経営を取り巻く環境の変化を注視しながら、国内企業のシステム投資意欲の高まりを商機と捉え事業の拡大を目指して参ります。
当第2四半期累計期間における各事業分野の事業の状況と取り組みについて、以下に記載いたします。
1)組込み関連事業につきましては、大手自動車メーカーが掲げるソフトウエアファーストの推進や国際的なカーボンニュートラルの流れを受けて、車載向け組込み関連開発の需要が順調に拡大を続け、自動運転、AUTOSAR、モデルベース等の技術を活用した開発案件の売上は引き続き堅調に推移しました。今後もCASE(繋がる車・自動運転・カーシェア・電動化)分野を中心に更なるスキル習得と開発体制強化を進め、主要顧客の開発計画や予算の執行状況等に十分な注意を払いながら業績拡大を目指して参ります。民生・産業機器に係る組込み関連開発においては、機器メーカーの新製品開発や製品改良、製品開発の計画に前期以降の慎重な姿勢があったものの、企業の中長期の競争力の要である製品力強化を目的とする製品開発・改良に係る開発需要は回復の兆しが一部で見られるため、車載向け組込み関連開発と同じく、顧客の開発投資の動向に十分な注意を払いながら、開発体制を強化し業績拡大を目指して参ります。
2)製造・流通及び業務システム関連事業につきましては、生産管理パッケージソフトウエア及び製造実行管理パッケージソフトウエアの関連開発の売上を中心に当該関連開発の売上は順調に推移しました。また、国内製造業の競争力強化を目的とした事業のデジタル化のためのシステム投資は引き続き活発な状況にあり、産業系システム関連開発の売上は堅調に推移いたしました。今後は、事業のデジタル化とSDGsの関心の高まりによる企業の取り組みは加速し、加えて本事業分野の製品開発においても競争力の強化を目的としたソフトウエアファーストの考え方が浸透すると思われます。当社は現在の事業環境を商機と捉え、DX支援ソリューション「+FORCE」の活用等、提案活動の強化と、当該関連開発の開発体制の強化と集中により、業績の拡大を目指して参ります。
3)金融・公共関連事業につきましては、前期から継続中の採算性の低い案件により収益性が一時的に低下したものの、引き続き公共関連開発を一次請けする国内大手SIerと当社の良好な関係を軸に、大型案件の機能強化や改修を積極的に受注したことにより、開発案件の売上は堅調に推移しました。今後は既開発案件の改修・改造に加え、2021年9月に新設されたデジタル庁が推進する「行政のデジタル化(デジタル・ガバメント実行計画等)」の関連案件を視野に、顧客やパートナー企業との信頼関係を築きながら安定的・継続的な受注・売上を確保して参ります。
4)全社的取り組みにつきましては、システム開発が複雑化・大規模化する中で業績拡大や付加価値の向上が期待される反面、トラブル発生時の損失リスクの拡大も懸念されることから、品質管理手法の更なる進化と品質管理体制の強化を行い、トラブルの再発防止・未然防止に努めて参ります。また、ソフトウエア業界の明るい見通しの一方で懸念されているのがIT人材の不足であります。労働集約型の産業であるソフトウエア業にとって人材の確保は不可欠であり、当社では人材を資本と捉え、持続的成長を支える人材への教育投資、また人材確保のための新卒・中途採用やM&Aに対する投資を強化して参ります。加えて、人材確保や人材育成のためには社員が仕事に集中できる環境の整備が重要と考え、当社は2022年12月にインフレ対応特別手当を支給いたしました。今後も社員のライフスタイルやニーズを捉えた就業環境や福利厚生を整備し、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上と業績拡大を進めて参ります。
なお、当社はソフトウエア開発事業の単一セグメントであるため、当社事業区分別の経営成績について、以下に記載いたします。
<組込み関連事業>
車載向け組込み関連開発は堅調に推移しているものの、民生・産業機器関連開発における投資計画の慎重姿勢継続の影響により、組込み関連事業の売上高は、1,295,065千円(前年同四半期比2.6%減)となりました。
<製造・流通及び業務システム関連事業>
国内の製造・流通業における設備投資や関連する製造関連業務システム開発は、引き続きメーカーを中心とした積極投資により堅調な状況を維持し、製造・流通及び業務システム関連事業の売上高は、1,911,893千円(前年同四半期比5.5%増)となりました。
<金融・公共関連事業>
公共関連開発に係る受注及び売上はコロナ禍においても堅調を維持し、受注・開発体制も適切に対応できた結果、金融・公共関連事業の売上高は、560,536千円(前年同四半期比21.4%増)となりました。
この結果、当第2四半期累計期間における経営成績は、売上高3,767,494千円(前年同四半期比4.5%増)、営業利益399,973千円(前年同四半期比22.1%増)、経常利益399,413千円(前年同四半期比25.5%増)、四半期純利益266,387千円(前年同四半期比24.9%増)となりました。
(資産)
当第2四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ202,486千円減少の7,608,960千円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が398,022千円増加した一方、現金及び預金が590,511千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べ418,765千円減少の3,310,249千円となりました。これは主に、未払費用が73,374千円増加した一方、未払法人税等が99,132千円減少、長期借入金が143,953千円減少、流動負債のその他に含めて表示している未払消費税等が234,725千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産合計は、前事業年度末に比べ216,278千円増加の4,298,711千円となりました。これは主に、四半期純利益の計上により利益剰余金が266,387千円増加、その他有価証券評価差額金が8,238千円増加した一方、配当金の支払いにより利益剰余金が75,907千円減少したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ590,511千円減少し、1,291,245千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間において営業活動の結果使用した資金は、359,470千円(前年同四半期は519,099千円の収入)となりました。これは主に、未払消費税等の減少額234,725千円、法人税等の支払額238,523千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間において投資活動の結果使用した資金は、15,460千円(前年同四半期は47,867千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,369千円、無形固定資産の取得による支出10,504千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間において財務活動の結果使用した資金は、215,580千円(前年同四半期は223,669千円の支出)となりました。これは主に、長期借入による収入が30,000千円、長期借入金の返済による支出が167,802千円、配当金の支払額75,806千円があったことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は、2,585千円であります。
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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