【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度(2021年11月1日~2022年10月31日)における我が国経済は、2022年7-9月期のGDP成長率が、前期比で実質△0.2%(年率換算△0.8%)と2四半期ぶりのマイナス成長となりました。国内においては、新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、ウィズコロナの新たな段階に移行してはいるものの、第8波到来への懸念が高まりつつあります。また、ウクライナ情勢の長期化によるエネルギーや穀物価格の高騰及び円安の進行による物価上昇等により、景気の先行きが懸念される状況となっております。
このような環境の中、情報・印刷事業におきましては、デジタル印刷は、ECサイト経由の受注が増加していることもあり堅調に推移しました。一方、チラシやフリーペーパーの印刷は、人流抑制策の緩和によって各種イベントや観光需要は回復傾向となったものの、広告宣伝媒体のネット移行が進んだ影響により受注が減少したため、セグメント売上高は8,269百万円(前年同期比11.2%減)となりました。利益面においては、販売価格の見直しや人件費を含む経費削減及び多能工化による生産効率の向上を図りましたが、用紙代等の上昇、電気料金の高騰等によるコスト増を完全にカバーするには至らず、セグメント利益は404百万円(前年同期比39.6%減)となりました。今後は、ECサイトの充実及び拡大にさらに取り組み、デジタル印刷の受注拡大を図るとともに、オフセット印刷とデジタル印刷の最適組み合わせにより顧客における印刷物の廃棄ロスの最小化を図った実績の紹介を展開し、顧客におけるSDGs活動を積極的にサポートしていきます。また、顧客の販促活動を紙媒体のみならずHP作成支援等を総合的にサポートできる営業体制の構築を図るとともに、製造コストの削減を進め、収益拡大を目指してまいります。知育事業につきましては、新型コロナウイルス感染防止関連商品の需要が一巡したことにより同商品の売上高は減少しましたが、新たに投入した商品が動き始めたこと及び出版事業において刊行した書籍が課題図書に選定されたこと等が売上高及び利益に寄与しました。コスト面では売上原価の低減に努め利益率の向上を図り、更に広告宣伝費、物流費及び人件費等の見直しにより、販売費及び一般管理費を削減した結果、セグメント売上高は976百万円(前年同期比23.8%減)、セグメント利益は6百万円(前年同期は29百万円の損失)となりました。なお、当連結会計年度より「メディア事業」のセグメント区分を廃止しております。これは、前連結会計年度において、当社の連結子会社であった株式会社関西ぱど及び株式会社アクティの全株式を譲渡し、同事業から撤退したことによるものです。これにより、当連結会計年度より「情報・印刷事業」と「知育事業」の2つのセグメント区分になっております。(前連結会計年度の「メディア事業」のセグメント売上高は334百万円、セグメント利益は10百万円の損失でした。)また、7月1日付で笹岡薬品通販株式会社の株式を取得し連結子会社化したことに伴い、当連結会計年度より報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」を追加しておりますが、連結業績への貢献はこれからとなります。当該株式取得に伴いのれんが11百万円発生致しましたが、当連結会計年度において一括償却したため、翌期以降のセグメント損益への負担はありません。その他セグメントの売上高は9百万円、セグメント利益は24百万円の損失となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は9,033百万円(前年同期比15.4%減)、営業利益は62百万円(前年同期比80.1%減)となり、持分法による投資利益及びものづくり補助金により、経常利益は132百万円(前年同期比57.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は113百万円(前年同期比57.4%減)となりました。
② 財政状態の状況(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ223百万円(前連結会計年度比3.2%減)減少し、6,820百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金の減少576百万円、現金及び預金の増加357百万円などによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ97百万円(前連結会計年度比1.7%減)減少し、5,716百万円となりました。これは主として、建物及び構築物の減少59百万円、投資有価証券の増加275百万円、リース資産の減少266百万円などによるものです。この結果、当連結会計年度における総資産は12,537百万円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ502百万円(前連結会計年度比12.4%減)減少し、3,554百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金の減少419百万円などによるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ63百万円(前連結会計年度比2.1%減)減少し、2,983百万円となりました。これは主として、リース債務の減少319百万円、長期借入金の増加263百万円などによるものです。この結果、当連結会計年度における負債合計は6,538百万円(前連結会計年度比8.0%減)となりました。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ245百万円(前連結会計年度比4.3%増)増加し、5,999百万円となりました。これは主として、利益剰余金の増加10百万円、その他有価証券評価差額金の増加200百万円などによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ357百万円(前年同期比9.8%)増加し4,005百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、513百万円(前連結会計年度比300百万円の減少)となりました。これは主として、減価償却費419百万円、売上債権の減少577百万円、仕入債務の減少462百万円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、124百万円(前連結会計年度比25百万円の増加)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出102百万円、無形固定資産取得による支出47百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、34百万円(前連結会計年度比592百万円の減少)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出769百万円、リース債務の返済による支出216百万円、長期借入れによる収入1,000百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況 a.生産実績当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
情報・印刷事業
8,048
△11.2
(注) 1 金額は販売価格によっております。2 知育事業及びその他事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績を示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
仕入高(百万円)
前年同期比(%)
情報・印刷事業
45
83.9
その他事業
10
-
(注) 1 知育事業は提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
2
「その他事業」は、当連結会計年度において、笹岡薬品通販株式会社の株式を取得し、連結の範囲に含めたことに伴い追加となった報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、通信販売事業になります。
c.受注実績当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
情報・印刷事業
7,955
△12.9
1,503
△5.8
(注)
知育事業及びその他事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
d.販売実績当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
情報・印刷事業
8,047
△11.2
知育事業
976
△23.8
その他事業
9
-
合計
9,033
△15.4
(注) 1 相手先別販売実績については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はないため、記載を省略しております。2 セグメント間取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容売上高につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」と「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④生産、受注及び販売の状況」に記載のとおりであります。(売上原価及び売上総利益)当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ1,251百万円(前連結会計年度比14.7%減)減少し、7,278百万円となりました。当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ392百万円(前連結会計年度比18.3%減)減少し1,754百万円となり、売上高に対する売上総利益の比率は0.7ポイント悪化し19.4%となりました。(販売費及び一般管理費及び営業利益)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ142百万円(前連結会計年度比7.8%減)減少し、1,691百万円となりました。主な増減は、荷造発送費の減少65百万円、従業員給料手当の減少42百万円などによるものです。当連結会計年度における営業利益は62百万円(前連結会計年度比80.1%減)となりました。(営業外損益及び経常利益)当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ48百万円(前連結会計年度比60.9%増)増加し、128百万円となりました。主な増減は、持分法による投資利益の増加24百万円、補助金収入の増加22百万円などによるものです。当連結会計年度における営業外費用は、前連結会計年度に比べ19百万円(前連結会計年度比25.4%減)減少し、58百万円となりました。主な増減は、持分法による投資損失の減少16百万円などによるものです。当連結会計年度における経常利益は132百万円(前連結会計年度比57.9%減)となりました。(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ58百万円(前連結会計年度比75.8%減)減少し、18百万円となりました。主な増減は、関係会社株式売却益の減少63百万円などによるものです。当連結会計年度における特別損失は、前連結会計年度に比べ99百万円(前連結会計年度比91.2%減)減少し、9百万円となりました。主な増減は、投資有価証券評価損の減少82百万円などによるものです。当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は113百万円(前連結会計年度比57.4%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループは、運転資金については自己資金で賄うことを基本方針としております。また、設備投資を含む投資資金については金融機関からの長期借入金で調達することを基本方針としております。緊急時の資金需要については換金性の高い普通預金で運用し流動性の確保を図っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内において合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 具体的には、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。当社グループは連結財務諸表の作成において、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
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