【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、雇用情勢に改善の動きがみられる等、景気は緩やかに回復しましたが、原材料価格の高騰、世界的な金融引き締めに伴う影響、中国経済の先行き懸念、長期化するウクライナ情勢等の地政学的リスクによる世界経済への影響も不安視され、先行きは不透明な状況が続いております。
当社の主要事業である賃貸住宅市場においては、建築資材の高騰等の影響を受けてはいるものの、全国の新設貸家着工戸数及び当社の事業エリアとなる東京都の新設貸家着工戸数は、当第2四半期連結累計期間を通じて概ね堅調に推移しました(出典:国土交通省「建築着工統計調査」)。
・全国の新設貸家着工戸数
2023年
3月
4月
5月
6月
7月
8月
当第2四半期連結累計期間
戸数
32,585戸
28,685戸
28,695戸
30,112戸
30,170戸
29,364戸
179,611戸
前年同月比
+0.9%
△2.8%
+10.5%
△0.6%
+1.6%
△6.2%
+0.3%
・東京都の新設貸家着工戸数
2023年
3月
4月
5月
6月
7月
8月
当第2四半期連結累計期間
戸数
8,302戸
6,282戸
6,326戸
6,380戸
5,807戸
5,180戸
38,277戸
前年同月比
+1.7%
+6.0%
+10.1%
+12.9%
+5.4%
△7.8%
+4.5%
このような環境の中、当社グループは、“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”の企業理念のもと、日本の未来を担う若者に住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献すべく、事業を展開してまいりました。
東京圏・若者・鉄骨造アパートに絞り込み経営資源を集中するニッチ戦略を基本に、“アパート経営の専門店”を掲げるアパートメーカーとして、土地有効活用のコンサルティングから、自社開発物件の組成、建物の設計・施工、自社工場での構造部材の製造、入居者の募集、建物のメンテナンスといった賃貸経営までワンストップで行うニッチトップ企業として、持続可能な安定的成長を目指してまいりました。
各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(賃貸住宅事業)
賃貸住宅事業におきましては、東京圏において生活にこだわりを持つ25歳から35歳の若者に対して「最高の笑顔 と感動を届け続ける」をテーマに掲げ、旗艦ブランドである「My Style vintage」を軸としたアパートの企画、設計、施工等の請負事業を行い、未だ確立されていない「住まいの選択肢」を増やすことに注力してまいりました。
当第2四半期連結累計期間における営業活動につきましては、競合の少ない優良紹介先の開拓(金融機関、コンサルタント、士業、不動産業者等)に努め、より多くの顧客の引き合いが可能な優良物件の見学会を促進したほか、顧客の獲得に向けて新たなパートナーズ組織を発足し、新規情報源の開拓に注力してまいりました。
また、資源高の影響による原価高騰への対策として、工法の改善や工期短縮、工場の効率改善による生産性向上に努めたほか、新規取引先の開拓による購買先の多角化、新型式の運用開始による原価低減、賃貸経営事業との連携を強化し賃料への適正な価格転嫁を実施しました。さらに、脱炭素社会の実現に向けて東京都が推進する取り組みに賛同し、高い断熱性能の断熱材や省エネ性能の高い照明等を取り入れた「東京ゼロエミ住宅」仕様の採用を推進し、併せてその付加価値を考慮した販売単価の見直し等にも注力してまいりました。
新商品販売に向けた取り組みとしては、新たな空間設計による付加価値と独自性を高めたアパートの開発・研究を推進したほか、“若者の暮らしを豊かにする”という当社テーマの実現に向け、若者の思考・居住性・多様性や利便性について共立女子大学とアパートの暮らしをテーマとした共同研究、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上についての共同研究を引き続き行ってまいりました。さらに、SDGsの持続可能な開発目標に賛同し、脱炭素社会に貢献できるよう、省エネルギー性能を強化したアパートの商品開発にも継続して注力してまいりました。
加えて、アパート建築に使用する部材を自社製造している千葉工場では、品質マネジメントシステム(Quality Management System)の国際規格である「ISO9001」の認証を取得しており、更なる品質向上と付加価値の創造に努めてまいりました。
さらに、中長期的な成長のために、優良な技術者の確保や若手営業コンサルタントの増員等、人員増強と人財育成にも積極的に取り組みました。
以上の活動の結果、当第2四半期連結累計期間における引き渡し実績は35棟(計画35棟)、着工棟数の実績は45棟(計画40棟)と計画比では増加したものの、引き渡し数及び着工棟数が好調であった前年同期並の水準には至らなかったことから、売上高は4,085百万円(前年同期比18.8%減)、セグメント利益は179百万円(前年同期比56.7%減)となりました。
(賃貸開発事業)
賃貸開発事業におきましては、『土地の資産価値』に重きを置いた新たな収益不動産の選択肢を提供することで、富裕層における豊かな資産承継の一助となるよう取り組んでおります。
生き方にこだわりを持つ当社のゲスト(入居者)が住みたい街であり、かつ資産価値の高い城南・城西にエリアを絞り込み、駅からの距離・規模・見栄えを合わせた4つの要素にこだわった希少性の高い土地の選定を行い、その土地に以下の特長をもった商品を企画・設計・施工し販売を行ってまいりました。
・『ワンルームを1LDKへ』という発想で設計された「Feel」に収納量の増大とリモートワークを可能とする書斎機能を追加した「Feel+1」
・設備仕様のすみずみまでこだわったパワーカップル向け商品「Fwin」
・旗艦ブランド「My Style vintage」に門柱門扉等の高級感あふれる外装を施した最上級グレード「Ex Class」
当第2四半期連結累計期間における営業活動につきましては、更なる付加価値の提供による利益率向上に向け、外部設計事務所を起用し、新規仕入物件における空間設計仕様、外観・外構計画を改善し、賃料設定の見直しに取り組みました。
また、人材紹介会社との関係強化による優れた人財の獲得や、適切な研修・評価の実施による人財の育成、販売実績のある紹介業者との関係強化による優良顧客の早期顕在化等、社内外における組織力の強化を図りました。
加えて、脱炭素社会に向けて「東京ゼロエミ住宅」仕様を全物件に採用し、高い断熱効率を実現したことにより好評を博しました。
その他、中長期的な営業活動のため、富裕層が好む資産価値・希少性の高い角地にターゲットを絞り込んだ仕入活動及び販売手法の見直しによる資金効率の改善に取り組みました。
以上の活動の結果、前期に契約済の物件の引き渡しが第1四半期連結累計期間に集中し、さらに第2四半期連結累計期間における営業活動も計画を上回り推移したため、当第2四半期連結累計期間における売上高は3,726百万円(前年同期比121.3%増)、セグメント利益は602百万円(前年同期比168.5%増)となりました。
(賃貸経営事業)
賃貸経営事業におきましては、管理戸数増加を目的とした管理物件の受託営業活動を積極展開するほか、管理オーナーさまに対しては、会員組織「セレパートナーズ倶楽部」によるサポートサービスを提供しております。併せて一括借上や家賃集金代行等によるゲスト(入居者)の募集、入退去管理、家賃回収、レポーティングといった賃貸管理業務、日常の建物点検、清掃等の建物管理業務といった賃貸オペレーションを担うプロパティマネジメント業務を行っております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、前期から引き続き受託営業活動を強化した結果、当第2四半期連結会計期間末の管理戸数は12,263戸(前期末比220戸増)となりました。
また、新たにオーナーさま向けのステータス別新サービスの運用を開始し、オーナーさまの満足度の向上に努めたほか、外部の賃料AI査定システムを活用しオーナーさま目線での資産価値向上の積極的な提案を行う等、オーナーさまとの対話を通して信頼関係の構築に努め、リピート受注や賃貸管理のリプレースによる管理戸数の増加を目指してまいりました。
加えて、引き続き専任の賃貸仲介協力業者の組織「セレリーシングパートナーズ」(2023年8月末で16社)において、委託契約の内容見直しにより協力業者との関係強化を一層図り、さらにメンテナンス協力業者の組織「セレメンテナンスパートナーズ」(2023年8月末で10社)の協力のもと、スピーディーな修繕対応を実現する新定額精算商品「セレスマートリペアシステム」を販売開始する等、ゲスト(入居者)及びオーナーさまの満足度につながるサービス面の維持・向上に努めた結果、高水準の入居率(2023年8月末で97.6%)を維持することができました。
以上の活動の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は4,636百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は565百万円(前年同期比22.7%増)となりました。
以上の結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間における売上高は12,162百万円(前年同期比19.0%増)、営業利益は956百万円(前年同期比51.1%増)、経常利益は974百万円(前年同期比50.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は655百万円(前年同期比54.4%増)となりました。
財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は20,184百万円であり、前連結会計年度末に比べて403百万円増加しました。これは主に販売用不動産及び仕掛販売用不動産が売却により1,212百万円、未収還付法人税等について還付を受けたことにより2,694百万円減少しましたが、現金及び預金が4,294百万円増加したこと等によるものです。
固定資産は2,733百万円であり、前連結会計年度末に比べて95百万円増加しました。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末の資産合計は22,918百万円となり、前連結会計年度末に比べて498百万円増加しました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は3,314百万円であり、前連結会計年度末に比べて138百万円増加しました。これは主に賃貸住宅事業における着工件数が前連結会計年度に比較して少ないことにより工事未払金が123百万円減少しましたが、未払法人税等が301百万円増加したこと等によるものです。
固定負債は429百万円であり前連結会計年度末に比べて23百万円減少しました。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末の負債合計は3,744百万円となり、前連結会計年度末に比べて114百万円増加しました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は19,173百万円であり、前連結会計年度末に比べて384百万円増加しました。これは主に利益剰余金において、配当金の支払いにより277百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益655百万円を計上したこと等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,294百万円増加し、18,516百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は4,943百万円となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益974百万円を計上したこと、賃貸開発事業において不動産の売却が進んだことを主要因として棚卸資産が1,188百万円減少したこと、法人税等の還付額2,695百万円を受けたこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は271百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出176百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は377百万円となりました。これは短期借入金の純減少額100百万円、配当金の支払額277百万円を計上したことによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第2四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性についての分析に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(8)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、22百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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