【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、景気は緩やかに回復しましたが、原材料価格の高騰、金融資本市場の変動、長期化するウクライナ情勢などの地政学的リスクによる世界経済への影響も不安視され、先行きは不透明な状況が続いております。
当社の主要事業である賃貸住宅市場においては、エネルギー資源や建築資材高騰などの影響を受けてはいるものの、全国の新設貸家着工戸数及び当社の事業エリアとなる東京都の新設貸家着工戸数は、当第1四半期連結累計期間を通じて堅調に推移しました(出典:国土交通省「建築着工統計調査」)。
・全国の新設貸家着工戸数
2023年
3月
4月
5月
当第1四半期
連結累計期間
戸数
32,585戸
28,685戸
28,695戸
89,965戸
前年同月比
+0.9%
△2.8%
+10.5%
+2.6%
・東京都の新設貸家着工戸数
2023年
3月
4月
5月
当第1四半期
連結累計期間
戸数
8,302戸
6,282戸
6,326戸
20,910戸
前年同月比
+1.7%
+6.0%
+10.1%
+5.4%
このような環境の中、当社グループは、“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”の企業理念のもと、日本の未来を担う若者に住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献すべく、事業を展開してまいりました。
東京圏・若者・鉄骨造アパートに絞り込み経営資源を集中するニッチ戦略を基本に、“アパート経営の専門店”を掲げるアパートメーカーとして、土地有効活用のコンサルティングから、自社開発物件の組成、建物の設計・施工、自社工場での構造部材の製造、入居者の募集、建物のメンテナンスといった賃貸経営までワンストップで行うニッチトップ企業として、持続可能な安定的成長を目指してまいりました。
各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(賃貸住宅事業)
賃貸住宅事業におきましては、東京圏において生活にこだわりを持つ25歳から35歳の若者を中心に「最高の笑顔 と感動を届け続ける」をテーマに、基幹ブランドである「My Style vintage」を軸としたアパートの企画、設計、施工等の請負事業を行い、未だ確立されていない「住まいの選択肢」を増やすことに注力してまいりました。
当第1四半期連結累計期間における営業活動につきましては、競合の少ない優良紹介先の開拓(金融機関、コンサルタント、士業、不動産業者等)に努め、より多くの顧客の引き合いが可能な優良物件の見学会を促進したほか、顧客の獲得に向けた新規情報源の開拓に注力してまいりました。
また、資源高の影響による原価高騰への対策として、工法の改善や工期短縮、工場の効率改善による生産性向上に努めたほか、新規取引先を開拓し、購買先の多角化による原価低減、賃貸経営事業との協力による賃料への適正な価格転嫁の実施などにも注力してまいりました。
新商品販売に向けた取り組みとしては、新たな空間設計による付加価値と独自性を高めたアパートの開発・研究を推進したほか、“若者の暮らしを豊かにする”という当社テーマの実現に向け、若者の思考・居住性・多様性や利便性について共立女子大学とアパートの暮らしをテーマとした共同研究、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上についての共同研究を引き続き行ってまいりました。さらに、SDGsの持続可能な開発目標に賛同し、脱炭素社会に貢献できるよう、省エネルギー性能を強化したアパートの商品開発にも継続して注力してまいりました。
加えて、アパート建築に使用する部材を自社製造している千葉工場では、品質マネジメントシステム(Quality Management System)の国際規格である「ISO9001」の認証を取得しており、更なる品質向上と付加価値の創造に努めてまいりました。
さらに、中長期的な成長のために、優良な技術者の確保や若手営業コンサルタントの増員など、人員増強と人財育成にも積極的に取り組みました。
以上の活動の結果、当第1四半期連結累計期間における引き渡し実績は24棟(計画24棟)、着工棟数の実績は21棟(計画18棟)となり計画比で増加したものの、着工棟数が好調であった前年同期並の水準には至らなかったことから、売上高は2,075百万円(前年同期比17.3%減)、セグメント利益は85百万円(前年同期比61.7%減)となりました。
(賃貸開発事業)
賃貸開発事業におきましては、『土地の資産価値』に重きを置いた新たな収益不動産の選択肢を提供することで、富裕層における豊かな資産承継の一助となるよう取り組んでおります。
生き方にこだわりを持つ当社のゲスト(入居者)が住みたい街であり、かつ資産価値の高い城南・城西にエリアを絞り込み、駅からの距離・規模・見栄えを合わせた4つの要素にこだわった希少性の高い土地の選定を行い、その土地に以下の特長をもった各商品を企画・設計・施工して販売を行ってまいりました。
・『ワンルームを1LDKへ』という発想で設計された「Feel」に収納量の増大とリモートワークを可能とする書斎機能を追加した「Feel+1」
・設備仕様のすみずみまでこだわったパワーカップル向け商品「Fwin」
・基幹ブランド「My Style vintage」に門柱門扉等の高級感あふれる外装を施した最上級グレード「Ex Class」
当第1四半期連結累計期間における営業活動につきましては、更なる付加価値提供による利益率向上に向け、既存ブランドの設備仕様や外構計画を見直すとともに、賃料設定の見直しに取り組みました。
また、人材紹介会社との関係強化による優れた人財の獲得や、適切な研修・評価の実施による人財の育成、販売実績のある紹介業者との関係強化による優良顧客の早期顕在化など、社内外における組織力の強化を図りました。
その他、中長期的な営業活動のため、富裕層が好む資産価値・希少性の高い角地にターゲットを絞り込んだ仕入活動に取り組みました。
以上の活動の結果、前期に契約済の物件の引き渡しが第1四半期に集中したため、当第1四半期連結累計期間における売上高は2,635百万円(前年同期比450.4%増)、セグメント利益は460百万円(前年同期比439百万円増)となりました。
(賃貸経営事業)
賃貸経営事業におきましては、ストック管理戸数増加を目的とした管理物件の受託営業活動を積極展開するほか、管理オーナーさまに対しては、会員組織「セレパートナーズ倶楽部」によるサポートサービスを提供しております。併せて一括借上や家賃集金代行等によるゲスト(入居者)の募集、入退去管理、家賃回収、レポーティングといった賃貸管理業務、日常の建物点検、清掃等の建物管理業務といった賃貸オペレーションを担うプロパティマネジメント業務を行っております。
当第1四半期連結累計期間におきましては、前期から引き続き受託営業活動を強化した結果、当第1四半期連結累計期間末の管理戸数は12,107戸(前期末比64戸増)となりました。
また、新たな管理メニュー及びオーナーさま向け新サービスの開発を引き続き進めるほか、オーナーさま目線での資産価値向上の積極的な提案を行う等、オーナーさまとの対話を通して信頼関係の構築に努め、リピート受注や賃貸管理のリプレースによる管理戸数の増加を目指してまいりました。
加えて、引き続き専任の賃貸仲介協力業者の組織「セレリーシングパートナーズ」(2023年5月末で16社)及びメンテナンス協力業者の組織「セレメンテナンスパートナーズ」(2023年5月末で10社)と、入退去関連の新たな情報共有の仕組みを導入する等連携を強化し、ゲスト(入居者)及びオーナーさまの満足度につながるサービス面の維持・向上に努めた結果、高水準の入居率(2023年5月末で97.5%)を維持することができました。
以上の活動の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は2,334百万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益は299百万円(前年同期比30.9%増)となりました。
当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上高は6,877百万円(前年同期比46.6%増)、営業利益は653百万円(前年同期比211.3%増)、経常利益は655百万円(前年同期比210.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は434百万円(前年同期比302.2%増)となりました。
財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は19,649百万円であり、前連結会計年度末に比べて132百万円減少しました。これは主に現金及び預金が賃貸開発事業における物件売却を主要因として538百万円増加したものの、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が396百万円、未収還付法人税等が190百万円減少したこと等による影響です。
固定資産は2,742百万円であり、前連結会計年度末に比べて104百万円増加しました。これは主に有形固定資産の建物及び構築物(純額)について、佐倉市内で建設していた戦略新商品物件の完成等により201百万円増加したこと等によるものです。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末の資産合計は22,392百万円となり、前連結会計年度末に比べて27百万円減少しました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は3,008百万円であり、前連結会計年度末に比べて168百万円減少しました。これは主に賞与引当金が61百万円増加したものの、工事未払金が84百万円、未成工事受入金が82百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
固定負債は435百万円であり、前連結会計年度末に比べて17百万円減少しました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末の負債合計は3,443百万円となり、前連結会計年度末に比べて186百万円減少しました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は18,948百万円であり、前連結会計年度末に比べて158百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益434百万円の計上、及び配当金の支払277百万円を計上したことにより、利益剰余金が157百万円増加したこと等によるものです。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性についての分析に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、10百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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