【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限や入国制限の緩和により持ち直しの動きがみられるものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰を背景に、世界的金融引き締め下における為替市場の急激な円安進行など、インフレ拡大や景気後退に対する懸念が広がっており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
国内の食品業界は、外食産業、観光産業向けの需要は緩やかな回復の兆しが見られ、加えて、オンライン販売やデリバリーサービスなど、非接触での販売・サービスが拡大しております。一方で、物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まり等により、自宅内消費を引き締める傾向が強まっており、引き続き、業界全体で厳しい経営環境が続くことが予想されます。
このような状況下において当社グループは、「中小企業支援プラットフォーム」による傘下企業の業績向上支援、および国分グループ本社株式会社をはじめとした提携先との協業を推進するとともに、M&A案件の検討および実行を強化することで、企業価値の向上に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績につきましては、販売面においては新型コロナウイルス感染症への規制が緩和したことで海外子会社の売上が回復したことに加え、新たにM&Aによりグループ企業が増加したこと等により増収となりました。利益面においては、原材料価格やエネルギー価格の継続的な高騰に加え、M&A取得関連費用238百万円を計上したこと等によりコストが増加したものの、売上高の増加や、継続的な生産効率改善効果が現れたことで、前期比は若干の増益となりました。なお、外国為替相場の変動により為替差益を計上したこと等により経常利益は大幅に増益となりました。
a.経営成績
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は34,937,944千円(前期比19.3%増)、営業利益678,915千円(同3.6%増)、経常利益1,323,423千円(同33.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益613,432千円(同22.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
イ)製造事業
製造事業につきましては、M&Aにより国内および海外事業の拡大を図るとともに、「中小企業支援プラットフォーム」の各機能による支援により、取引先の新規開拓や新商品の開発、生産効率化等の取り組みをおこなってまいりました。
こうした中、国内製造子会社は、M&Aにより新たな企業が加わったことや、価格改定等を実施するとともに、生産体制の効率化を推進することによって増収増益となりました。また、海外製造子会社は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の規制が緩和されたことでホテル、飲食店向けの販売が回復し、増収増益となりました。その結果、売上高は26,243,927千円(前年同期比20.7%増)、利益は910,493千円は(同15.5%増)となりました。
ロ)販売事業
販売事業につきましては、「中小企業支援プラットフォーム」による情報網等を活用し、既存取引先への深耕および企画販売の強化に努めてまいりました。
こうした中、国内販売子会社は、積極的な営業活動により主に産業給食向けの売上が増加し、増収増益となりました。また、海外販売子会社は、新規販売先の開拓等により売上は増加したものの、原材料価格の高騰の影響を受け、増収減益となりました。その結果、売上高は8,370,209千円(前年同期比11.0%増)、利益は373,464千円(同0.0%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8,040,005千円増加し、31,855,267千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,504,706千円増加し、22,005,220千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,535,298千円増加し、9,850,046千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,639,596千円増加し、4,519,427千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は79,599千円(前連結会計年度は1,320,020千円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益1,287,066千円、仕入債務の増加額1,135,217千円、減価償却費588,622千円、およびのれん償却額425,173千円等の増加要因に対し、主にシンガポール子会社の業績が回復したことによる棚卸資産の増加額2,202,524千円、売上債権の増加額518,781千円、および法人税等の支払額481,573千円等の減少要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,021,111千円(前連結会計年度は1,168,598千円の使用)となりました。
これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,424,672千円、および有形固定資産の取得による支出490,794千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は3,491,404千円(前連結会計年度は1,938,625千円の使用)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入6,745,552千円、および長期借入金の返済による支出3,703,853千円等があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、販売事業セグメントおよびその他事業セグメントにおいては、生産を行っておりませんので該当事項はありません。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
生産高(千円)
前年同期比(%)
製造事業
26,138,977
121.0
合計
26,138,977
121.0
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループは、販売計画に基づいた見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
製造事業
26,243,927
120.7
販売事業
8,370,209
111.0
その他事業
323,807
-
合計
34,937,944
119.3
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して5,654,243千円増加の34,937,944千円となりました。これは主として、新型コロナウイルス感染症の影響が減少したこと、およびM&Aによるグループ企業の増加によるものであります。
売上原価は、前連結会計年度と比較して5,033,427千円増加の27,973,900千円となりました。これは主として、売上高増加に比例したことによるものであります。
以上の結果により、当連結会計年度の売上総利益は、6,964,043千円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して597,353千円増加の6,285,128千円となりました。これは主として、M&Aによるグループ企業の増加により、取得関連費用、販売費および人件費が増加したことによるものであります。
以上の結果により、当連結会計年度の営業利益は、678,915千円となりました。
営業外収益は、主として外国為替相場の変動の影響により為替差益を計上し788,343千円となりました。また、営業外費用は、支払利息等の計上により、143,834千円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度の経常利益は、1,323,423千円となりました。
特別利益は、受取保険金等の計上により、15,746千円となりました。また、特別損失は、減損損失等の計上により、52,103千円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、1,287,066千円となりました。
法人税等合計は、641,984千円を計上しました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して113,331千円増加し613,432千円となりました。
b.財政状態の分析
イ 資産
当社グループの当連結会計年度末における総資産は31,855,267千円となり、前連結会計年度末と比較して8,040,005千円増加しました。
流動資産は18,381,487千円となり、前連結会計年度末と比較して5,835,852千円増加しました。これは主として、現金及び預金の増加1,707,693千円、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は「受取手形及び売掛金」)の増加1,145,638千円、および棚卸資産の増加2,810,570千円があったことによるものです。
固定資産は、13,473,779千円となり、前連結会計年度末と比較して2,204,153千円増加しました。これは主として、有形固定資産の増加1,244,884千円、およびのれんの増加919,386千円があったことによるものです。
ロ 負債
負債は、22,005,220千円となり、前連結会計年度末と比較して6,504,706千円増加しました。これは主として、借入金の増加4,322,475千円、および支払手形及び買掛金の増加1,551,557千円があったことによるものです。
ハ 純資産
純資産は、9,850,046千円となり、前連結会計年度末と比較して1,535,298千円増加しました。これは主として、利益剰余金の増加613,432千円、および為替換算調整勘定の増加520,945千円があったことによるものです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 「②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。また、当社グループは、既存事業において経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持するとともに、M&Aに必要な資金を確保する事を基本方針としており、事業活動に必要な資金については、主に金融機関および内部資金等を活用しております。なお、グループ内の余剰資金を活用するためにキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価および収益・費用の認識に影響を与える見積りおよび判断をおこなっております。これらの見積りおよび判断に関しましては、過去の実績および状況等から最も合理的であると判断される前提に基づき、継続して評価をおこなっておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
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