【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が2023年5月に5類へ移行されるなどもあり、国民の行動制限等が緩和され緩やかながら回復の兆しが見られ始めた一方で、ロシア・ウクライナ問題の長期化やエネルギー・原材料価格の高騰、円安長期化、各地で頻発する異常気象などの影響により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当アパレル業界でも、行動制限の緩和による、旅行やイベントなど外出関連機会の回復傾向からアパレル製品の市場環境は改善傾向にあるものの、中でもミセス層を中心として生活防衛意識が高く、衣料品への消費マインドの回復は鈍さが続くなど、依然として厳しい状況が続いております。
このような状況のもと当社グループは、百貨店に出店するアパレル店舗の有るべき姿を求めて、業務改革に取り組んでおります。消費者にお買い求めやすい価格帯商品の展開、新規顧客の開拓を中心とした改革に加え、専門店卸販路の回復、拡大にも注力してまいりました。
また、原材料価格の上昇圧力が高まる中、製造・仕入のコントロール、製造原価低減の工夫、固定経費及び変動経費の削減を継続し、適正利益の確保に努め、近年の厳しい経営環境に対処してまいりました。
a.財政状態
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて3億74百万円減少し、36億50百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて4億4百万円減少し、21億5百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少3億74百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少40百万円などがあったことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて29百万円増加し、15億44百万円となりました。これは主に、差入保証金の減少10百万円があった反面、投資有価証券の増加36百万円などがあったことによります。
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて2億39百万円減少し、26億29百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて2億31百万円減少し、15億97百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少69百万円、未払金の減少61百万円、支払手形及び買掛金の減少42百万円などがあったことによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて8百万円減少し、10億31百万円となりました。これは主に、資産除去債務の減少8百万円などがあったことによります。
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1億35百万円減少し、10億20百万円となりました。これは主に、利益剰余金の減少1億54百万円などがあったことによります。
b.経営成績
当第2四半期連結累計期間の売上高は12億21百万円(前年同期比32.2%減)となりました。損益面におきましては、売上原価の低減に努めるとともに、販売費及び一般管理費を抑制しました結果、営業損益は1億66百万円の損失(前年同期は1億93百万円の損失)となりました。経常損益は、雇用調整助成金収入が無かったこともあり、1億55百万円の損失(前年同期は2億97百万円の利益)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損益は1億54百万円の損失(前年同期は2億92百万円の利益)となりました。
セグメント別の経営成績の概要は次のとおりであります。
<卸売事業>
百貨店販売事業においては、若年層における顧客離れや既存顧客の高齢化の進行と、衣料に対する需要が減退する市場環境に対応するために、消費者がお買い求めやすい商品価格に設定して、若い世代の客層を取り込み、売上を回復することに取り組んでまいりました。
そのために、当社の商品企画や発注の体制を改め、自社の企画力や技術力及びマーケティング力を向上させるための社員教育を積極的に実行しております。
従来の品質を保ちながら、仕入原価率を抑制するために、少量多品種に偏った生産方針の見直しを行い、市場に適した価格での売上回復及び粗利の確保により、今後の事業の継続性を改善する取り組みを進めております。
専門店販売事業においては、取引条件や不採算取引の見直しを徹底して遂行し、デリバリー、収益面の改善に努めております。
また、従来の商慣習であった展示会ベースから受注リードタイムを短くし、リアルシーズン化を図ることで受注精度向上、店頭消化促進に繋がり、コロナ後の新たなアパレル卸として新規・新販路開拓に取り組んでおります。
しかしこのような中、各販路とも取引先の整理の影響が大きく、当事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は5億73百万円(前年同期比47.1%減)となり、利益面では、粗利益率は概ね計画水準であったものの、売上高の減少が影響して、営業損益は1億89百万円の損失(前年同期は1億64百万円の損失)となりました。
<小売事業>
卸売事業と同様に、小売店頭の売上が厳しい中、立地別、店舗別の効率改善に取り組み、店舗のスクラップアンドビルドを行いました。お客様本位の魅力ある品揃えの強化、販売促進策の打ち出しに努め、新規お客様の獲得に努め、損益改善に注力してまいりました。本部の強力な指導のもと、経費の効率的運用を行い、売上原価を大きく改善させました。
その結果、当事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は6億43百万円(前年同期比9.6%減)となり、営業損益は42百万円の利益(前年同期は13百万円の損失)となりました。
直営店数につきましては、当第2四半期連結累計期間中に、新規出店はなく、不採算店2店を退店し、同期間末の運営店舗数は当社グループ合計で32店となりました。
<福祉事業>
当社グループの社会福祉への取組みとして、障害者総合支援法に基づく「障害者福祉サービス事業」と農地法に基づく農業委員会の認可を受けた「野菜の生産及び販売事業」を両立させる事業を行う会社として2012年にラピーヌ夢ファーム株式会社を設立し事業を行っております。事業規模としては、連結売上高に占める割合は小さいものの、水耕栽培に加えて土耕栽培にも注力し、採算性改善に努めております。
当事業の当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高5百万円(前年同期比17.1%減)となり、営業損益は20百万円の損失(前年同期は15百万円の損失)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失が1億49百万円となり、仕入債務の減少44百万円、未払消費税等の減少38百万円などにより、3億8百万円の支出(前年同期は1億98百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、差入保証金の減少7百万円などにより、4百万円の収入(前年同期は7百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済69百万円などにより、70百万円の支出(前年同期は1億58百万円の収入)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末に比べて3億74百万円減少して、17億13百万円となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、消費動向の変化、気象状況や自然災害、感染症の拡大等のリスク項目をはじめとする、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。当社グループでは、消費動向に留意しつつ、魅力的な製品の提供に努め、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための情報収集、人材育成や組織体制の整備、内部統制強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めてまいります。
(6) 資金の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における必要資金は、当社グループ製品の製造に係る原材料費等の費用や販売費及び一般管理費等の運転資金、直営店舗及び百貨店売場等の開設及びリニューアルに係る投資資金が主なものであります。
運転資金及び投資資金の調達につきましては、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。これらにより、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
また、当第2四半期連結会計期間末における有利子負債の残高は17億32百万円となっております。