【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、2022年3月のまん延防止等重点措置の解除以降、経済活動の制限が段階的に緩和され、一部に回復傾向がみられましたものの、7月以降オミクロン派生型による新規感染が急拡大するなど、予断を許さない状況です。また、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の上昇に加え、急激な円安の進行による影響など、景気の下振れリスクから先行き不透明な状況が続いております。
アパレル業界におきましては、政府によるコロナ対策が、社会活動の継続へシフトし行動制限が行われなかったことから、人流回復を受けた衣料消費需要回復の期待がありましたものの、一方で物価上昇による消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、依然として厳しい状況が続いております。
このような状況のもと当社グループは、よりお買い求めやすい販売価格とトレンドを捉えたデザイン開発など企画の刷新に取り組むとともに、既存顧客だけでなく幅広い層に訴求する新たな販売促進策を講じて、若い世代の新規顧客獲得に注力してまいりました。
加えて、製造原価の低減、固定費の削減を継続し、収益回復に取り組んでまいりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて2億57百万円増加し、39億40百万円となりました。これは主に、商品及び製品の減少42百万円、仕掛品の減少31百万円などがあった反面、現金及び預金の増加3億19百万円があったことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて50百万円減少し、28億34百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加1億60百万円があった半面、買掛金の減少1億19百万円、未払金の減少87百万円などがあったことによるものです。
また、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3億8百万円増加し、11億6百万円となりました。
b.経営成績
緊急事態宣言解除以降も消費環境に厳しさが残り、当第3四半期連結累計期間の売上高は26億32百万円(前年同四半期は34億1百万円)となりました。損益面におきましては、販売費及び一般管理費の抑制に努めましたものの、営業損益は4億26百万円の損失(前年同四半期は6億17百万円の損失)、経常損益は各種助成金の活用などにより2億82百万円の利益(前年同期間比は32.2%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損益は2億74百万円の利益(前年同期間比は35.6%増)となりました。
なお、当第1四半期連結会計期間の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号、以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。この為、前第3四半期連結累計期間(収益認識会計基準適用前)との比較において、売上高の増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
セグメント別の経営成績の概要は次のとおりであります。
<卸売事業>
お客様の消費マインドの本格的回復が見えない中、百貨店、専門店販路ともに、お得意先・売場毎の損益改善に取り組み、取引条件の改善交渉や不採算取引の整理など効率を重視した営業活動を行うほか、販売費の抑制、製造原価の低減などに継続して取り組んでまいりました。
その結果、当事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は15億43百万円(前年同四半期は18億1百万円)となり、営業損益は3億82百万円の損失(前年同四半期は5億23百万円の損失)となりました。
<小売事業>
卸売事業と同様、お客様の消費マインドが力強さを欠く中、既存のお客様の来店促進だけでなく、幅広い消費者層に訴求できる適時適品の商品供給に努めて新規お客様の獲得を推進するとともに、またECについてはプロパー商材中心の品揃えと販売促進活動により売上の再拡大に向け取り組んでまいりました。
その結果、当事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は10億79百万円(前年同四半期は15億90百万円)となり、営業損益は20百万円の損失(前年同四半期は67百万円の損失)となりました。
直営店数につきましては、当第3四半期連結累計期間中に、新規出店はなく、不採算店7店を退店し、同期間末の運営店舗数は当社グループ合計で34店となりました。
<福祉事業>
当社グループの社会福祉への取組みとして、障害者総合支援法に基づく「障害者福祉サービス事業」と農地法に基づき農業委員会の認可を受けた「野菜の生産及び販売事業」を両立させる事業をラピーヌ夢ファーム株式会社で行っています。主力の葉もの野菜の水耕栽培を中心に、土耕野菜の栽培拡大にも取り組み、売上高確保と採算性改善に努めております。
当事業の当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高9百万円(前年同期比9.1%増)となり、営業損益は23百万円の損失(前年同四半期は26百万円の損失)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、消費動向の変化、気象状況や自然災害、感染症の拡大等のリスク項目をはじめとする、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。当社グループでは、消費動向に留意しつつ、魅力的な製品の提供に努め、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための情報収集、人材育成や組織体制の整備、内部統制強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めてまいります。
(5) 資金の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における必要資金は、当社グループ製品の製造に係る原材料費等の費用や販売費及び一般管理費等の運転資金、直営店舗及び百貨店売場等の開設及びリニューアルに係る投資資金が主なものであります。
運転資金及び投資資金の調達につきましては、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。これらにより、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
また、当第3四半期連結会計期間末における有利子負債の残高は18億3百万円となっております。