【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化したものの、2022年3月のまん延防止等重点措置の解除を受け、人の動きが活発化し、また海外からの入国制限が緩和されたことなどから経済活動は回復傾向となりました。一方、ロシア・ウクライナ情勢や国際的な資源価格の上昇、為替相場の大幅な変動などにより、依然として不透明な状況にあります。外食産業においては、人流の増加に伴い、需要は回復傾向にあるものの、原材料費・光熱費の急激な上昇、労働力の確保の課題など、事業を取り巻く環境は引き続き厳しい状況下にあります。
このような状況の中、当社におきましては、「To Entertain People ~より多くの人々を楽しませるために~」という企業理念のもと、「楽しみに溢れた豊かなライフスタイルをより多くの人々に提案する」という経営方針を掲げ、飲食サービスの健全な成長、コンテンツ企画サービスの拡大を進めてまいりました。
(飲食サービス)
飲食サービスにつきましては、2022年3月まん延防止等重点措置の解除後、ご来店客数の回復の兆しがみられ、既存店売上高も回復いたしました。当事業年度においては、kawara CAFE&DININGにて「チーズとトマト」を軸としたグランドメニューの投入や、塊 -KATAMARI- ミートバル 銀座店にて、「塊肉×酒」をテーマにした新メニューを投入するなど、新たな営業施策を実施しております。また、これまで専門店舗で実施してきたコラボカフェを、2022年11月後半から12月末にかけ、kawara CAFE&DINING 11店舗でTV アニメ『東京リベンジャーズ』コラボカフェを開催するなどの売上高拡大施策を実施しております。
これらの結果、当事業年度における当サービスの売上高は2,243百万円となりました。
(コンテンツ企画サービス)
コンテンツ企画サービスにつきましては、他社店舗の開業支援業務及び運営業務の受託等、いわゆる企業間取引(BtoB)のビジネスモデルであるプロデュースと弊社専門店舗にて運営するコラボカフェを主軸としております。さらに、当社公式ネットショップ(『kawara CAFE at Home』、『CheeseTable at Home』)の継続的な運営を行い、当該ネットショップにて取り扱っている商品を主要駅内や商業施設内にて販売する催事出店数の拡大を実施してきました。主軸のプロデュース、コラボカフェに加え、新しい取り組みによる売上高の拡大を行っております。同事業も飲食サービスと同様、ご来店客数の回復がみられ、売上高は増加する傾向となりました。
これらの結果、当事業年度における当サービスの売上高は、847百万円となりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は3,090百万円となりました。利益面につきましては、店舗における従業員シフト管理の徹底による人件費の適正化、役員報酬削減の継続、各種契約の見直し等による経費の削減、また、業務改善による販売費及び一般管理費の削減を推進した結果、赤字ではあるものの営業損失は259百万円(前事業年度は営業損失685百万円)と、昨年度に比べ大きく縮小いたしました。また、政府及び各自治体が要請した時短営業に伴う協力金(助成金収入)56百万円を営業外収益に計上したことにより、経常損失は188百万円(前事業年度は経常利益59百万円)となりました。また、退店の意思決定を行った直営店舗及び収益性が低下した店舗に係る減損損失46百万円を計上したこと等により当期純損失は238百万円(前事業年度は当期純利益13百万円)となりました。
当事業年度末の直営店舗数につきましては、前事業年度末比1店舗減の35店舗となっております。
①当期の財政状態の概況
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末と比較して248百万円減少し、1,045百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末と比較して218百万円減少し、681百万円となりました。これは主に、売掛金が101百万円増加したものの、現金及び預金、未収入金がそれぞれ139百万円、118百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前事業年度末と比較して24百万円減少し、353百万円となりました。これは主に、退店の意思決定を行った直営店舗及び収益性が低下した店舗に係る固定資産の減損等に伴う有形固定資産25百万円の減少等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末と比較して8百万円減少し、805百万円となりました。
流動負債は、前事業年度末と比較して58百万円増加し、675百万円となりました。これは主に、未払金が32百万円減少したものの、短期借入金、1年以内返済予定の長期借入金がそれぞれ63百万円、69百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、前事業年度末と比較して67百万円減少し、129百万円となりました。これは主に、長期借入金72百万円の減少等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末と比較して240百万円減少し、240百万円となりました。これは主に、当期純損失238百万円の計上等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して139百万円
減少し、338百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は216百万円となりました。これは主に、助成金の受取額177百万円の影響により増加したものの、税引前当期純損失235百万円、売上債権の増加101百万円を計上したこと等によるものでありま
す。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は24百万円となりました。これは主に、資産除去債務の履行による支払17百万円
等を計上したものの、敷金及び保証金の回収による収入60百万円等を計上したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は52百万円となりました。これは主に、短期借入れによる収入63百万円等を計上
したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社は、「音楽」、「アート」、「食」等をはじめとする様々なカルチャーコンテンツを企画・融合させさせ、直営店舗(飲食サービス)、自社又は他社主催イベント及び顧客企画(コンテンツ企画サービス)を通じて、一般消費者へこれらを提供する単一セグメントでの事業を営んでおり、販売実績の記載は、サービス別の事業によっております。
なお、当社に置ける事業は、提供するサービスの性格上記載になじまないため、生産実績及び受注実績の記載を省略しております。
a.サービス別販売実績
当事業年度におけるサービス販売実績は、次のとおりであります。
サービス別
当事業年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
飲食サービス
2,243,252
-
コンテンツ企画サービス
847,169
-
合計
3,090,422
-
(注)当事業年度の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用していることや、サービス区分の変更を行ったことから、対前期増減率は記載しておりません。
b.ブランド別直営店舗数(財務ベース)及び売上高
当事業年度のブランド別直営店舗数(財務ベース)及び売上高を示すと、以下のとおりであります。
ブランドの名称
当事業年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
店舗数
(財務ベース)
売上高
(千円)
売上構成比
(%)
前年同期比
(%)
kawara CAFE&DINING 及び kawara CAFE&KITCHEN
19店舗
1,044,385
46.6
-
Cafe&Dining ballo ballo
2店舗
188,248
7.4
-
atari CAFE&DINING
1店舗
68,795
3.1
-
HangOut HangOver
2店舗
180,502
8.0
-
他ブランド
12店舗
761,321
33.9
-
合計
36店舗
2,243,252
100.0
-
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.直営店舗数(財務ベース)では、同一区画内の複数店舗を収支処理の関係上、代表ブランド1店舗として集計しております。
3.店舗数には、期中に退店している店舗が含まれております。
4.当事業年度の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用していることや、サービス区分の変更を行ったことから、対前期増減率は記載しておりません。
5.コンテンツ企画サービスに含まれるコラボカフェ4店舗に関しては以下のとおりです。
ブランドの名称
当事業年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
店舗数
(財務ベース)
売上高
(千円)
kawara CAFE&DINING 及び kawaraCAFE&KITCHEN
2店舗
143,100
他ブランド
2店舗
147,194
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたって、当事業年度末における資産・負債及び当事業年度の収益・費用の報告数値、並びに開示に影響を与える見積りを行っております。当該見積りに際しましては、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる要因等に基づき行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性により、実際の結果は異なる場合があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績等の状況)
・当事業年度の財政状態及び経営成績の状況
当事業年度の財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりであります。
(当社の経営成績に重要な影響を与える要因)
当社の売上高は、景気、個人消費、天候、またコンテンツの人気度などによる影響を受け、当社の費用は、原材料価格、水・光熱費、不動産賃料、人件費等による影響を受けます。したがって、これらの変動要因が発生した場合にも、成長が阻害されないよう飲食サービスとコンテンツ企画サービスの事業ポートフォリオをうまく組み合わせることや、費用面においては効率性を重視した事業運営を図ってまいります。
当社の経営成績に影響を与える他の要因については、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
(当社の資本の財源及び資金の流動性)
当社の資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 」において記載しております。なお、当社の運転資金需要の主なものは、商品、原材料等の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、店舗又は設備の修繕・新規開発等の投資等であります。当該運転資金と投資資金については、営業キャッシュ・フローでの充当を基本とし必要に応じて資金調達を実施しております。
当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、営業利益を重要な経営指標として位置付けております。上述の施策等を講じることにより、更なる業績改善を図り安定的な営業利益を確保することが最重要であると考えております。