【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2022年3月1日~2023年2月28日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う行動制限の緩和により、観光目的での入国制限緩和や全国旅行支援等、観光支援策による経済活動の持ち直しが見られる一方、急激な円安影響による原材料費や物流費の高騰を受け、食品・サービスを始め幅広い分野に広がる値上げ等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響により毀損した自己資本の増強と安定した財務基盤による経営基盤の再構築を実現させるべく、当連結会計年度より4カ年(2023年2月期~2026年2月期)の事業再生に取り組んでおります。
初年度となる当連結会計年度においては、経営基盤の再構築を方針に掲げ、不採算事業・不採算店舗の整理による足元の止血と、現状の厳しい環境下でも利益をあげている店舗の改装による、アスビーブランド統一で、経営資源の集中を図り、確実な事業収益力の回復に向けた取り組みを進めてまいりました。不採算事業・不採算店舗の整理では、今後利益が見込めないと判断した72店舗を退店、新規出店及び店舗改装においては、アスビー天王町店(神奈川県)等、3店舗の新規出店と、アスビー市川妙典店(千葉県)、アスビー板橋店(東京都)、アスビー茨木店(大阪府)等、32店舗の改装を実施いたしました。アスビーブランド統一については、地域のお客さま情報に基づいた品揃えや接客販売重視のオペレーション等により、改装前に対し好調な実績で推移しており、今後はこの成果をさらに確実にかつ迅速に推進すべく、取り組みの加速化を図ってまいります。尚、これらの取り組みにより当連結会計年度末における当社グループの店舗数は711店舗となりました。(当社単体では704店舗)
一方、既存店舗については、新型コロナ感染拡大防止に伴う行動制限緩和による客数の回復と、店舗特性に応じて細分化させた品揃えによる売上拡大を計画いたしました。しかしながら、新型コロナ第7波の影響等により客数が当初想定から大きく乖離、売上高減少による荒利高の減少を招く結果となりました。販売費及び一般管理費を、営業継続店舗の賃料減額や間接部門のコスト削減の取り組み等により、前年同期実績より23億92百万円削減いたしましたが、荒利高の減少を補うまでには至りませんでした。このような状況を踏まえ、当社は、前期に策定した事業再生計画をさらに確実にかつ迅速に推進し、また、財務基盤の安定化のため運転資金の確保を行うべく、2022年10月5日、当社よりイオン株式会社に対して資金面や事業面の経営支援の要請を行い、イオン株式会社と協議・交渉の結果、イオン株式会社より資金借入れを行うこととなりました。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は656億95百万円、営業損失は48億4百万円(前期は営業損失66億48百万円)、経常損失は50億4百万円(前期は経常損失68億2百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は55億23百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失71億42百万円)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。これに伴い、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明において、売上高については増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。収益認識会計基準等の適用の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、61億15百万円と前連結会計年度末から2億74百万円増加しました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において主に税金等調整前当期純損失52億28百万円の計上、売上債権の増加5億21百万円、棚卸資産の減少23億36百万円、仕入債務の増加35億11百万円、利息の支払額2億12百万円及び法人税等の支払額2億40百万円により、使用した資金は5億55百万円(前期比49億87百万円の支出減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において主に敷金及び保証金の回収による収入6億37百万円により、得られた資金は6億72百万円(前期比38百万円の収入減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において主に短期借入金の増加5億50百万円、長期借入れによる収入8億50百万円及び長期借入金の返済による支出11億74百万円により、得られた資金は1億57百万円(前期比91億78百万円の収入減)となりました。
③ 販売及び仕入の実績
当社グループはセグメント情報を記載しておりませんので、地域別及び商品別に記載しております。
(ⅰ)地域別売上実績
当連結会計年度における売上の実績を地域別に示すと次のとおりであります。
地域別
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
売上高
(百万円)
開店
(店)
閉店
(店)
期末
(店)
北海道地区計
3,406
-
2
57
東北地区計
6,504
1
11
89
関東地区計
21,070
1
24
187
中部地区計
13,181
-
12
148
近畿地区計
11,525
1
11
115
中国地区計
2,494
-
3
26
四国地区計
1,235
-
3
18
九州地区計
6,277
-
6
71
合計
65,695
3
72
711
(注)地域区分は、店舗の所在地によって分類しております。
(ⅱ)商品別売上実績
当連結会計年度における売上の実績を商品別に示すと次のとおりであります。
商品別
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
売上高(百万円)
構成比(%)
婦人靴
12,327
18.8
紳士靴
7,594
11.5
スポーツ靴
24,951
38.0
子供靴
15,042
22.9
その他
5,779
8.8
合計
65,695
100.0
(注)その他は、インポート雑貨・服飾及び靴付属品が主なものです。
(ⅲ)単位当たり売上高
当連結会計年度における単位当たり売上高は次のとおりであります。
項目
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
売上高等
商品売上高(百万円)
65,695
1㎡当たり売上高
平均売場面積(㎡)
288,142.41
1㎡当たり期間売上高(千円)
227
1人当たり売上高
平均従業員数(人)
4,226
1人当たり期間売上高(千円)
15,545
(注)1.平均売場面積は、階段及び事務所等を除いた期中平均面積であります。
2.平均従業員数は期中平均在籍人数によっており、臨時雇用者を含んでおります。
(ⅳ)商品別仕入実績
当連結会計年度における仕入の実績を商品別に示すと次のとおりであります。
商品別
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
仕入高(百万円)
構成比(%)
前期比(%)
婦人靴
6,190
16.9
83.3
紳士靴
3,589
9.8
86.0
スポーツ靴
15,218
41.6
113.3
子供靴
8,697
23.8
90.7
その他
2,892
7.9
94.3
合計
36,590
100.0
97.1
(注)その他は、インポート雑貨・服飾及び靴付属品が主なものです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗の臨時休業、営業時間の短縮、お客さまの外出自粛により、来店客数が大幅に落ち込み、厳しい販売状況が続いた結果、当連結会計年度において多額の営業損失を計上しました。 新型コロナウイルスの収束については一定の期間を要するものと考えられることから、2024年2月期におきましても、厳しい経営環境が続く見込みであります。 これらのことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象及び状況が存在していると認識しておりますが、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載した2024年2月期重点取り組みを確実に実施することで業績回復に努めるとともに、資金調達面においても、当連結会計年度末の資金残高の状況及び今後の資金繰りを検討した結果、取引金融機関による短期借入枠の確保を行いました。さらに、当社より親会社であるイオン株式会社に対して資金面や事業面の経営支援の要請を行い、イオン株式会社との間で協議・交渉の結果、イオン株式会社より資金借入を行っており、当面の事業活動の継続性に懸念はないことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
②当連結会計年度の財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、402億50百万円となりました。
当連結会計年度末の流動資産は、352億54百万円となりました。
これは主に売上預け金の増加4億73百万円及び現金及び預金の増加2億74百万円があったものの、商品の減少23億28百万円により、前連結会計年度末と比較して13億91百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の固定資産は、49億95百万円となりました。
これは主に敷金及び保証金の減少9億30百万円、建物及び構築物の減少3億48百万円、ソフトウエアの減少1億27百万円により、前連結会計年度末と比較し16億76百万円の減少となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債は、434億2百万円となりました。
これは主に短期借入金の減少44億50百万円があったものの、関係会社短期借入金の増加50億円、電子記録債務の増加17億34百万円により、前連結会計年度末と比較して23億65百万円の増加となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は、△31億52百万円となりました。
これは主に利益剰余金の減少55億11百万円により、前連結会計年度末と比較して54億33百万円の減少となりました。
以上の結果、自己資本比率は△7.8%となりました。
③当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は656億95百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ22百万円(前期比0.1%)減少して388億81百万円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ23億92百万円(同7.0%)減少して316億18百万円となりました。主な内訳は、給料及び手当109億7百万円、賃借料130億23百万円であります。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ9百万円減少して24百万円となりました。主な内訳は、受取補償金14百万円であります。
当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ36百万円増加して2億24百万円となりました。主な内訳は、支払利息2億16百万円であります。
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ37百万円減少して2億26百万円となりました。主な内訳は、固定資産売却益1億94百万円であります。
当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べ67百万円増加して4億50百万円となりました。主な内訳は、減損損失3億69百万円であります。
これらの結果を受け、当連結会計年度の営業損失は48億4百万円(前期は営業損失66億48百万円)、経常損失は50億4百万円(前期は経常損失68億2百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は55億23百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失71億42百万円)となりました。
1株当たり当期純損失は129円81銭(前期は1株当たり当期純損失167円87銭)となりました。
④キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金調達は、内部資金の活用及び金融機関からの借入、リース取引によって行っており、金融機関からの借入とリース取引は、全て当社において一元管理しております。
設備投資の実施にあたっては、グループ連結営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とし、短期・長期の財務バランスにも配慮して資金調達を実施します。
また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。
当連結会計年度末の資金残高の状況及び今後の資金繰りを検討した結果、取引金融機関による短期借入枠が十分に確保されております。
⑦重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
