【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当社は「時間を与えるソフトウエアを創り続ける」をミッションに掲げ、時代のニーズにあった自社プロダクト製品を用いて、時間という価値を提供しております。
当期は、中期経営計画「SDGs Mind 2021」の最終年度かつ「新2年経営計画」の1年目となります。「新2年経営計画」では「SDGs Mind 2021」で掲げた5つの重点施策を再構築し、新たに4つの重点施策を実施しております。IT業界においてはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を背景に追い風が吹いています。このような環境において、当社は常に最新技術を採用し、お客様のニーズに合ったサービス提供することで競争力を高めてまいりました。
当第2四半期累計期間の業績は、売上高2,424,244千円(前年同四半期比11.5%増)、売上総利益856,555千円(前年同四半期比16.9%増)、営業利益203,681千円(前年同四半期比76.9%増)、経常利益203,843千円(前年同四半期比73.0%増)、四半期純利益206,513千円(前年同四半期比156.8%増)となりました。当第2四半期累計期間は前事業年度から引き続いて受注確度の高い案件及び受注残の確保に注力した結果、売上高及び各利益が向上しました。インボイス対応に関わる高採算の開発プロジェクトを獲得できたほか、採用計画の進捗の遅れが結果として人件費の抑制につながり、営業利益が大きく増加しております。また、投資有価証券売却益を特別利益に計上したため、四半期純利益も大きく増加しております。
事業セグメント別の業績の状況は次のとおりです。
なお、第1四半期会計期間から、事業セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しております。また、前年同期の数値を変更後の事業セグメントの利益又は損失の算定方法により作成した数値で比較しております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報 Ⅱ 当第2四半期累計期間(自2023年3月1日 至2023年8月31日)2.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりです。
(Object Browser事業)
Object Browser事業は、「Object Browser」のライセンス売上が前年同四半期比16%強の増加、「OBPM Neo」のストック売上が前年同四半期比13%強の増加となった結果、当第2四半期累計期間の売上高は365,716千円(前年同四半期比6.2%増)、セグメント利益は173,403千円(前年同四半期比37.8%増)となりました。既存のお客様とのコミュニケーション強化、機能強化要望の早期対応による解約防止とアップセル、さらに新規のお客様の早期獲得により通期目標達成を目指してまいります。
(E-Commerce事業)
E-Commerce事業は、前事業年度から事業化した「Adobe Commerce」の開発プロジェクトが複数進捗しているものの、アフターコロナでオンライン販売に向いていた投資がリアル店舗販売に分散している状況もあり新規受注の獲得に苦戦いたしました。以上の結果、当第2四半期累計期間の売上高は428,399千円(前年同四半期比3.3%減)、セグメント利益は117,229千円(前年同四半期比13.5%減)となりました。ECプラットフォームの上位互換ニーズをターゲットにした「Adobe Commerce」の営業活動及び、「SI Web Shopping」を用いて外部マーケティング企業との協業により、内製化を見据えたデジタルシフトの支援体制強化を行い、案件数の増加及び受注率の向上を目指してまいります。
(ERP事業)
ERP事業は、新規のお客様からの引き合いは堅調に推移しており、当社提供ソリューションに適合する業種の新規案件受注活動に注力した結果、新規の受注状況は当事業年度期初に策定した受注計画に基づき推移いたしました。既存のお客様については、インボイス制度への対応プロジェクトが数多く進捗いたしました。以上の結果、当第2四半期累計期間の売上高は1,587,117千円(前年同四半期比17.9%増)、セグメント利益は343,664千円(前年同四半期比85.2%増)となりました。引き合い及び提案件数は増えているため、下期はインボイス制度対応案件に振り向けていた開発リソースを効率的に新規開発プロジェクトへ投下し、更なる成長を目指してまいります。
(AI事業)
AI事業は、当第2四半期累計期間に実施予定であった検証作業について、お客様の導入検討が想定より延伸していることから、当第2四半期累計期間の売上高は21,919千円(前年同四半期比17.5%増)、セグメント損失は19,442千円(前年同四半期は20,850千円のセグメント損失)となりました。外観検査のAIによる実現可能性を訴求し目標達成に必要十分な案件数を確保してまいります。
(インキュベーションその他)
インキュベーションその他には「TOPSIC」と「IDEA GARDEN」が含まれています。「TOPSIC」は、新規契約獲得数が順調に推移している一方、既存顧客の解約が数件発生いたしました。「IDEA GARDEN」は、「ChatGPT」を提供する「OpenAI社」のAI技術を積極的に採用し、イノベーション志向のお客様から引き合いをいただいております。以上の結果、当第2四半期累計期間の売上高は21,090千円(前年同四半期比5.8%減)、セグメント損失は35,631千円(前年同四半期は46,005千円のセグメント損失)となりました。引き続き、新規顧客開拓及びカスタマーサクセス体制の強化に取り組んでまいります。
②財政状態
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ293,392千円増加し3,386,161千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加234,832千円、契約資産の増加80,872千円、その他流動資産の増加47,083千円、売掛金の減少83,404千円などによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ71,105千円減少し616,213千円となりました。これは主に、投資その他の資産の減少56,243千円などによるものです。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ222,286千円増加し4,002,374千円となりました。
(負債)
負債は、前事業年度末に比べ164,358千円増加し1,075,185千円となりました。これは主に、契約負債の増加146,478千円などによるものです。
(純資産)
純資産は、前事業年度末に比べ57,928千円増加し2,927,189千円となりました。これは主に、四半期純利益の計上206,513千円、配当金の支払い87,341千円、その他有価証券評価差額金の減少61,243千円などによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,199,060千円となりました。主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、313,178千円のプラス(前年同四半期は494,325千円のプラス)となりました。これは主に税引前四半期純利益289,779千円、売上債権及び契約資産の減少2,531千円、契約負債の増加146,478千円、減価償却費の計上87,772千円、賞与引当金の増加11,985千円などの資金増加要因が、投資有価証券売却益88,397千円、未払消費税等の減少28,834千円、法人税等の支払額87,883千円などの資金減少要因を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,680千円のプラス(前年同四半期は51,420千円のマイナス)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入98,531千円、有形固定資産の取得による支出11,752千円、投資有価証券の取得による支出10,000千円、無形固定資産の取得による支出64,497千円、敷金及び保証金の差入による支出6,708千円、敷金及び保証金の回収による収入3,108千円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、87,027千円のマイナス(前年同四半期は168,195千円のマイナス)となりました。これは配当金の支払額87,027千円によるものです。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3)研究開発活動
当第2四半期累計期間の研究開発費の総額は19,733千円です。
なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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