【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況 当社グループを取り巻く環境におきましては、2021年におけるモバイルコンテンツ市場は2兆8,224億円(対前年比107%)、中でもスマートフォン市場は2兆8,149億円(対前年比108%)と年々成長を続けております。スマートフォン市場の内、ゲーム市場が1兆5,973億円(対前年比104%)、電子書籍市場が4,395億円(対前年比111%)、動画・エンターテイメント市場が4,147億円(対前年比121%)、音楽コンテンツ市場も1,651億円(対前年比113%)と引き続き拡大傾向にあります(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム調べ、2022年7月現在)。一方で、当該ゲーム市場には多くのスマートフォンゲームが投入され、競争が激化しており、より高品質のゲームを投入するために開発費が増加する傾向にあります。また、電子書籍市場においても、インターネット上の小説等をコンテンツ化するビジネスモデルに多くの競合他社が参入しており、その作品確保の競争が激化しています。さらに、動画・エンターテインメント市場及び音楽コンテンツ市場においても、消費者ニーズの多様化に伴う構造変化に晒されています。 また、長期化しているロシア・ウクライナ情勢に起因する原材料・エネルギー価格の高騰や、急激な円安進行等に伴う物価上昇により、先行きの不透明感は払拭できていない状況が続いております。 このような事業環境の中、当社グループは総合エンターテインメント企業として、エンタメIPの創出・取得とそれらのクロスメディア展開を加速させ、事業の多角化と収益力向上に注力して参りました。当連結会計年度のIP事業におきましては、ゲームサービスにおいて、様々なイベントを通じて長期運営タイトルの安定推移を目指したものの、前年同期比では売上が減少することとなりましたが、当社保有のレトロゲームタイトルの復刻版の販売や、欧米市場に向けたライセンスアウトにより、当該売上減少を補っております。一方で、オンラインくじサービスの『くじコレ』、女性顧客向けオンラインくじサービス『まるくじ』は前期に引き続き、人気IPとのコラボレーションを数多く行うなど積極的に展開し、当社グループの収益に貢献いたしました。 出版事業におきましては、コミック新刊数増加により、紙出版・電子書籍共に売上が大きく伸び、目標どおり進捗いたしました。 BtoB事業におきましては、法人向けコンテンツ受託制作、他社のゲームサービスのローカライズ及び運営受託などが貢献しました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,760,874千円(前連結会計年度比10.7%増)、営業利益は153,972千円(前連結会計年度比24.9%増)、経常利益は146,092千円(前連結会計年度比28.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は150,666千円(前連結会計年度比39.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ50,256千円減少し、778,762千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、54,722千円となりました。税金等調整前当期純利益の計上146,092千円、売上債権及び契約資産の増加56,597千円があったことによります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は、13,967千円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が3,367千円、投資有価証券の取得による支出10,000千円があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は、91,011千円となりました。主な要因は、借入金の返済による支出が260,993千円あったものの、短期借入れ及び長期借入れによる収入が170,000千円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況 Ⅰ.生産実績 当社グループは、生産活動を行っていないため、生産実績は記載しておりません。
Ⅱ.受注実績 当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。
Ⅲ.販売実績前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績をサービス区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは、エンターテインメントサービス事業の単一セグメントであります。
サービス区分
前連結会計年度(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
当連結会計年度(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
前年同期比(%)
IP事業
1,109,399
1,170,313
5.5
出版事業
691,516
1,006,475
45.5
BtoB事業
693,168
584,085
△15.7
合計(千円)
2,494,085
2,760,874
10.7
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該の販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
当連結会計年度(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
株式会社メディアドゥ
264,908
10.6
414,157
15.0
合同会社マウス&ウォッシュ
421,728
16.9
319,235
11.6
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたりまして、経営者の判断に会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 3.会計方針に関する事項」をご参照下さい。
② 財政状態の分析 資産、負債及び純資産の状況 (資産の部)当連結会計年度末における資産合計は1,648,120千円となり、前連結会計年度末に比べ96,444千円の増加となりました。これは主に売掛金及び契約資産や前払費用が増加したことによるものであります。 (負債の部)負債合計は655,958千円となり、前連結会計年度末に比べ26,655千円の減少となりました。これは主に前受金や借入金が減少したことによるものであります。 (純資産の部)純資産合計は992,162千円となり、前連結会計年度末に比べ123,099千円の増加となりました。これは主に当連結会計年度が親会社株主に帰属する当期純利益となり利益剰余金が増加したことによるものであります。
③ 経営成績の分析 Ⅰ.売上高当連結会計年度の売上高は、2,760,874千円となり、前連結会計年度に比べ266,789千円の増加となりました。これは主に、既存運営ゲームタイトルの売上が減少したものの、レトロゲームタイトルのNintendoSwitch用ソフト発売や欧米市場に向けたライセンスアウト、オリジナルIPのCD・グッズ展開、オンラインくじサービス、コミック・ライトノベル・電子書籍の販売などのサービスが好調だったことによるものであります。
Ⅱ.売上原価当連結会計年度の売上原価は主に、オリジナルIPのCD・グッズ展開、オンラインくじサービス、コミック・ライトノベル・電子書籍に係る製造費用や外注加工費が増加し、前連結会計年度から79,481千円増加の1,120,897千円となりました。
Ⅲ.販売費及び一般管理費当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、オンラインくじサービス、コミック・ライトノベル・電子書籍の販売に係る手数料が増加し、前連結会計年度から156,590千円増加の1,486,004千円となりました。
Ⅳ.営業外収益、営業外費用当連結会計年度の営業外収益は、受取利息等により772千円となりました。営業外費用は、支払利息、為替差損等により8,653千円となりました。
これらの結果により、当連結会計年度の営業利益は153,972千円、経常利益は146,092千円、親会社株主に帰属する当期純利益は150,666千円となりました。
④ キャッシュ・フローの状況「3
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2事業等のリスク」に記載しております。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループが今後更なる収益基盤拡大及び筋肉質な経営体質を図っていくためは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び対処すべき課題」に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。今後の方針につきましても、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループとしての成長戦略に基づき、各種施策を実行し、企業価値の更なる向上を目指して取り組んでまいります。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性について短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
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