【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症との共存が進み、経済活動は回復傾向にあります。しかし円安や、ウクライナ情勢の影響による原材料やエネルギー価格の高騰などは継続しており、先行きは依然として不透明な状況であります。
このような経営環境の中で、当社グループは「『ボルティング・ソリューション・カンパニー』として社会の発展に貢献し、地球上になくてはならない企業をめざす。」ことを企業理念に掲げ、「ボルト締結分野」においてお客様が求める価値を的確に捉え、「スピード感と一体感のある製品開発体制」を基軸に保有技術を有効的に活用し、より多くのお客様に「ボルト締結」に最適な手段を提供するとともに、「締結」に関する課題解決を通じて「満足」「感動」「価値」を提供してまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は68億円(前年同期比5.5%増)となりました。また、利益面では営業利益は12億2千2百万円(前年同期比24.0%増)、経常利益は12億6千6百万円(前年同期比16.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は8億6千6百万円(前年同期比25.1%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次の通りであります。
(資産)
資産合計は、113億4千5百万円(前連結会計年度末99億7千2百万円)となり前連結会計年度末に比べ13億7千2百万円増加しました。この主な要因は、現金及び預金の増加1億4千1百万円、受取手形及び売掛金の増加2億2千8百万円、商品及び製品の増加4億6千万円、原材料及び貯蔵品の増加1億8千3百万円、建物及び構築物(純額)の増加4千2百万円、投資有価証券の増加2億4千6百万円等によるものです。
(負債及び純資産)
負債合計は、16億1千8百万円(前連結会計年度末14億5千8百万円)となり前連結会計年度末に比べ1億5千9百万円増加しました。この主な要因は、支払手形及び買掛金の増加1億2千万円、未払金の増加1億9百万円等によるものです。 純資産合計は、97億2千6百万円(前連結会計年度末85億1千4百万円)となり前連結会計年度末に比べ12億1千2百万円増加しました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8億6千6百万円、自己株式処分差益1億5千5百万円等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、18億3千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億4千1百万円の増加となりました。当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況のそれぞれの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、棚卸資産の増加5億9千8百万円、法人税等の支払額4億8百万円等の資金の減少がありましたが、税金等調整前当期純利益12億6千6百万円等による資金の増加により、資金はプラス3億8千2百万円(前連結会計年度はプラス7億7千万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、有形及び無形固定資産の取得による支出2億3千1百万円等により、資金はマイナス2億3千8百万円(前連結会計年度はマイナス13億4千5百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、自己株式の処分による収入3億1千8百万円がありましたが、配当金の支払に1億3千4百万円、長期借入金の返済1億円、自己株式の取得9千5百万円等を支出したことにより、資金はマイナス1千3百万円(前連結会計年度はマイナス1億1千2百万円)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
国内
6,507,412
96.8%
海外
1,459,174
109.8%
合計
7,966,586
98.9%
(注)1 金額は、販売価格(代理店価格)に基づいております。
2 上記の生産実績には、仕入商品を含んでおります。
b.受注実績
見込生産によっているため、受注高並びに受注残高について記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
国内
5,250,031
103.8%
海外
1,550,927
111.8%
合計
6,800,959
105.5%
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次の通りであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
トラスコ中山株式会社
1,469,105
22.8
1,599,144
23.9
株式会社山善
920,337
14.3
845,627
12.6
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症との共存が進み、経済活動は回復傾向にあります。しかし円安や、ウクライナ情勢の影響による原材料やエネルギー価格の高騰などは継続しており、先行きは依然として不透明な状況であります。
このような経営環境の中で、当社グループは「『ボルティング・ソリューション・カンパニー』として社会の発展に貢献し、地球上になくてはならない企業をめざす。」ことを企業理念に掲げ、「ボルト締結分野」においてお客様が求める価値を的確に捉え、「スピード感と一体感のある製品開発体制」を基軸に保有技術を有効的に活用し、より多くのお客様に「ボルト締結」に最適な手段を提供するとともに、「締結」に関する課題解決を通じて「満足」「感動」「価値」を提供してまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は68億円(前年同期比5.5%増)となりました。また、利益面では営業利益は12億2千2百万円(前年同期比24.0%増)、経常利益は12億6千6百万円(前年同期比16.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は8億6千6百万円(前年同期比25.1%増)となりました。
各セグメントの経営成績は、以下の通りであります。
(国内)
作業工具類の売上高に関しましては、国内の経済活動における工具の消費・受注は新型コロナウイルス感染症以前の水準までには回復しておらず、新製品リリースや提案型の販売促進活動を進めるとともに、より多くの人々に工具の魅力を伝えることを目的に行っているモータースポーツの応援(レースチームサポートやレース協賛)による継続的なブランディング活動により「TONEブランド」の浸透に努めましたが、売上高は前年同期を下回りました。
機器類の売上高に関しましては、資材調達難や、着工遅れが見られるものの、主要都市圏の再開発事業の計画等建築需要には明るい兆しが続いております。また、「シヤーレンチ」及び「建方1番」製品群に続き、「ナットランナー」製品群にもコードレスタイプの新製品が加わり、トルク管理の観点からも顧客需要を満たす提案活動を行った結果、市場需要の回復とも重なり、売上は前年同期を上回りました。
その結果、売上高は52億5千万円(前年同期比3.8%増)となり、セグメント利益は6億9千4百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
(海外)
作業工具類の売上高に関しましては、設備投資の高まりと対面での営業活動が一部再開し、トルクレンチや新製品を中心とした提案活動を行った結果、売上高は前年同期を上回りました。
機器類の売上高に関しましては、国内同様、主力製品「シヤーレンチ」製品群及び「ナットランナー」製品群の販売促進活動を展開するとともに、新規市場の開拓及び顧客需要を満たす提案活動を行った結果、北米の建築市場における大口需要及び欧州等での新規顧客を獲得し、売上高は前年同期を上回りました。
その結果、売上高は15億5千万円(前年同期比11.8%増)となり、セグメント利益は5億2千8百万円(前年同期比45.4%増)となりました。
当社グループは売上高、売上高営業利益率を目標とする経営指標としております。
売上高は前連結会計年度年度より5.5%増加の68億円となり、また、売上高営業利益率は18.0%となりました。売上高営業利益率は前連結会計年度年度より2.7ポイントの上昇となりました。その要因は当連結会計年度において、高採算品目の拡販や経費圧縮に努め、原価低減活動を積極的に進めたことになどによるものであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度の資本の財源及び資金の流動性に関する情報は、次の通りであります。
当社グループは営業活動によるキャッシュ・フローから安定して資金を獲得し、その獲得した資金で運転資金及び設備資金に充当しており、不足した場合は取引銀行より資金調達を行っております。
その取引銀行からは運転資金については期限が1年以内の短期借入金により調達し、設備資金につきましては長期借入金によって調達しております。
なお、取引銀行とは当座貸越契約を締結し、運転資金調達に必要な十分な枠を設定して急な資金需要にも対応できるように備えております。
当社グループはフリー・キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フロー+投資キャッシュ・フロー)の獲得を重要としており、本業での利益獲得向上、債権債務のバランスを適正に保持する等に努めることに加えて、今後はより一層、適正な在庫を意識して持続的にフリー・キャッシュ・フローを獲得することにより財務体質の強化及び企業価値の向上を目指してまいります。