【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が収束に向かう中、内外金利差拡大による円安の進行や世界的な原材料価格の高騰を背景とした急激な物価上昇、緊張状態が続く国際情勢の影響等もあり、国内外の経済動向は先行き不透明な状況であります。不動産業界におきましては、世界的な原材料高による建築コスト高騰の影響や日銀の緩和政策などを注視していく必要がありますが、住宅ローン金利は低位で安定しており、住宅関連を中心に総じて底堅く推移しております。こうした事業環境のなか、当社は新たな開発用地取得や販売契約の獲得を目指し営業活動に取り組んでまいりました。その結果、当事業年度における売上高は42,712百万円(前期比102.2%)、営業利益は4,387百万円(同113.0%)、経常利益は3,607百万円(同114.1%)、当期純利益は2,382百万円(同101.9%)となりました。当事業年度末における財政状態は、現預金の減少5,251百万円等を主因として総資産は前期比12,157百万円減少した86,144百万円となり、一方で純資産は、当期純利益2,382百万円の計上、利益配当金488百万円の利益処分による減少等で前期比1,922百万円増加した28,579百万円となりました。これにより自己資本比率は前事業年度に比べ6.1ポイント増加し33.2%となっております。セグメント別の業績は次のとおりであります。
セグメントの名称
売上金額(百万円)
構成比(%)
前期比(%)
分譲マンション販売
37,394
87.5
120.8
戸建て住宅販売
1,103
2.6
49.3
その他不動産販売
1,099
2.6
20.6
不動産賃貸収入
3,022
7.1
95.9
その他
92
0.2
103.5
合計
42,712
100.0
102.2
(分譲マンション販売)主力の分譲マンション販売におきましては、開発基盤となる用地価格や建築コストが上昇しているものの、住宅ローン金利の低水準や住まいに利便性を求める傾向が強まっていることから、分譲マンション市場は比較的堅調に推移するなか、当社としましては、新規発売物件を中心に契約獲得に向けた販売活動及び引渡計画の推進に注力してまいりました。その結果、当事業年度における発売戸数は、神戸・明石・阪神間を中心に、14棟672戸(前期比93.3%)を発売するとともに、契約については、644戸(同83.3%)、30,211百万円(同82.4%)を契約し、それにより期末時点の契約済未引渡戸数は792戸(同95.5%)となり、当該残高を34,461百万円(同82.8%)としております。また、ワコーレザ・神戸旧居留地レジデンスタワー等13棟が当事業年度に竣工したことにより、引渡戸数については681戸(同102.3%)となり、売上高は37,394百万円(同120.8%)、セグメント利益は4,503百万円(同146.7%)となりました。(戸建て住宅販売)戸建て住宅販売におきましては、新規発売物件を中心に契約獲得に向けた販売活動に注力してまいりました。その結果、当事業年度における戸建て住宅は19戸の引渡しにより、売上高は1,103百万円(前期比49.3%)、セグメント利益は2百万円(同2.7%)となりました。(その他不動産販売)その他不動産販売におきましては、賃貸マンション・宅地等6物件を販売し、売上高は1,099百万円(前期比20.6%)、セグメント利益は57百万円(同13.6%)となりました。(不動産賃貸収入)不動産賃貸収入におきましては、当社が主力としております住居系は比較的安定した賃料水準を維持しており、入居率向上と滞納率の改善に努めると同時に、最適な賃貸不動産のポートフォリオ構築のため、新規物件の取得など賃貸収入の安定的な確保を目指してまいりました。その結果、当事業年度の不動産賃貸収入は3,022百万円(前期比95.9%)、セグメント利益は715百万円(同63.7%)となりました。(その他)当事業年度におけるその他の売上高は、解約手付金収入、保険代理店手数料収入及び仲介手数料等で92百万円(前期比103.5%)、セグメント利益は83百万円(同113.7%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ5,549百万円減少し、9,139百万円となりました。イ. 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果増加した資金は、2,153百万円(前期は8,223百万円の増加)となりました。主な要因は、建物建築代金支払にかかる仕入債務の減少6,177百万円等による資金の減少に対し、引渡進捗等による棚卸資産の減少7,051百万円、税引前当期純利益の計上3,462百万円等による資金の増加によるものであります。ロ. 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果減少した資金は、1,066百万円(前期は190百万円の増加)となりました。主な要因は、賃貸物件取得などの設備投資1,271百万円等による資金の減少によるものであります。ハ. 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果減少した資金は、6,636百万円(前期は3,116百万円の減少)となりました。主な要因は、分譲マンション用地購入等の資金調達による長期借入金の増加18,791百万円、運転資金調達等による短期借入金の増加1,894百万円等による資金の増加に対し、分譲マンションの引渡完了に伴う長期借入金の返済による減少26,509百万円等の資金の減少によるものであります。
③ 販売及び契約の状況
a. 販売実績
セグメントの名称
当事業年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
物件名又は内容
戸数(戸)
金額(千円)
構成比(%)
前年同期比(%)
分譲マンション販売
ワコーレザ・神戸旧居留地レジデンスタワー
128
9,787,903
-
-
ワコーレシティKOBE湊川公園
168
6,072,445
-
-
ワコーレ伊丹西台ステーションエンブレム
83
3,415,670
-
-
ワコーレ夙川羽衣町
21
2,607,925
-
-
ワコーレ夙川霞町
27
2,142,301
-
-
その他
254
13,368,218
-
-
小 計
681
37,394,464
87.5
120.8
戸建て住宅販売
戸建て住宅
19
1,103,141
-
-
小 計
19
1,103,141
2.6
49.3
その他不動産販売
賃貸マンション・宅地等の販売
69
1,099,891
-
-
小 計
69
1,099,891
2.6
20.6
不動産賃貸収入
賃貸マンション等の賃貸収入
-
3,022,608
-
-
小 計
-
3,022,608
7.1
95.9
その他
その他の収入
-
92,074
-
-
小 計
-
92,074
0.2
103.5
合 計
769
42,712,180
100.0
102.2
(注) 1.分譲マンション販売の金額には、住戸売上のほかに分譲駐車場の金額が含まれております。2.その他不動産販売の戸数は、一棟売却の賃貸マンションの戸数を記載しており、土地売りについては含めておりません。3.不動産賃貸収入及びその他には、販売住戸が含まれていないため、戸数表示はしておりません。4.共同事業の戸数及び金額は、出資割合によりそれぞれ計算(小数点以下切捨て)しております。
b. 契約実績
セグメントの名称
当事業年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
期中契約高
契約済未引渡残高
戸数(戸)
金額(千円)
前年同期比(%)
戸数(戸)
金額(千円)
前年同期比(%)
分譲マンション販売
644
30,211,591
82.4
792
34,461,089
82.8
戸建て住宅販売
28
1,437,001
72.9
11
501,381
299.3
その他不動産販売
29
379,963
7.4
30
923,409
56.2
合計
701
32,028,556
73.2
833
35,885,879
82.6
(注)1.分譲マンション販売の金額には、住戸売上のほかに分譲駐車場の金額が含まれております。 2.その他不動産販売の戸数は、一棟売却の賃貸マンションの戸数を記載しており、土地売りについては 含めておりません。 3.共同事業の戸数及び金額については、出資割合によりそれぞれ計算(小数点以下切捨て)しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した予想、見込み、見通し、方針、所存等の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであり、将来に関する事項には不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来的に生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。① 財政状態の分析貸借対照表の前事業年度末残高と当事業年度末残高との比較数値は以下のとおりであります。 <要約貸借対照表>
区 分
前事業年度
当事業年度
増減額(百万円)
2022年2月
2023年2月
金額(百万円)
構成比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
(資産の部)
流動資産 計
69,945
71.2
57,744
67.0
△12,200
有形固定資産 計
25,671
26.1
26,378
30.7
706
無形固定資産 計
617
0.6
625
0.7
8
投資その他の資産 計
2,067
2.1
1,395
1.6
△671
固定資産 合計
28,356
28.8
28,399
33.0
42
資産 合計
98,302
100.0
86,144
100.0
△12,157
(負債・純資産の部)
流動負債 計
47,848
48.7
29,062
33.7
△18,786
固定負債 計
23,796
24.2
28,502
33.1
4,705
負債 合計
71,645
72.9
57,564
66.8
△14,080
株主資本 計
26,708
27.2
28,602
33.2
1,893
評価・換算差額等 計
△51
△0.1
△22
△0.0
29
純資産 合計
26,656
27.1
28,579
33.2
1,922
負債・純資産 合計
98,302
100.0
86,144
100.0
△12,157
(流動資産)当事業年度末における流動資産の残高は、57,744百万円となり、前事業年度末と比較して12,200百万円減少しました。主な要因は、引渡進捗等による販売用不動産の減少7,124百万円、現金及び預金の減少5,251百万円等によるものであります。(固定資産)当事業年度末における固定資産の残高は、28,399百万円となり、前事業年度末と比較して42百万円増加しました。主な要因は、賃貸等不動産取得による土地の増加193百万円等によるものであります。(流動負債)当事業年度末における流動負債の残高は、29,062百万円となり、前事業年度末と比較して18,786百万円減少しました。主な要因は、1年内長期借入金の返済による減少13,095百万円、買掛金等仕入債務の減少6,177百万円等によるものであります。(固定負債)当事業年度末における固定負債の残高は、28,502百万円となり、前事業年度末と比較して4,705百万円増加しました。主な要因は、翌期以降の事業資金調達による長期借入金の増加5,377百万円等によるものであります。
(純資産)当事業年度末における純資産の残高は、28,579百万円となり、前事業年度末と比較して1,922百万円増加しました。主な要因は、当期純利益2,382百万円の計上、利益配当金488百万円の利益処分による減少等によるものであります。② 経営成績の分析損益計算書の前事業年度と当事業年度との比較数値は、以下のとおりであります。 <要約損益計算書>
区 分
前事業年度
当事業年度
前期比(%)
2022年2月
2023年2月
金額(百万円)
売上比(%)
金額(百万円)
売上比(%)
売上高
41,785
100.0
42,712
100.0
102.2
売上原価
33,799
80.9
34,324
80.4
101.6
売上総利益
7,986
19.1
8,387
19.6
105.0
販売費及び一般管理費
4,102
9.8
3,999
9.4
97.5
営業利益
3,883
9.3
4,387
10.3
113.0
営業外収益
47
0.1
59
0.1
125.6
営業外費用
768
1.8
839
2.0
109.2
経常利益
3,162
7.6
3,607
8.4
114.1
特別利益
125
0.3
0
0.0
0.0
特別損失
111
0.3
144
0.3
130.4
税引前当期純利益
3,176
7.6
3,462
8.1
109.0
法人税等
839
2.0
1,080
2.5
128.7
当期純利益
2,337
5.6
2,382
5.6
101.9
当事業年度の経営成績は、前事業年度に比べ増収増益となっており、項目別の主な要因については、次のとおりであります。売上高の主な増収要因については、分譲マンション販売セグメントで引渡戸数が増加したことなどで6,434百万円売上高が増加したことによります。営業利益については、増収によるものに加え、分譲マンション販売セグメントの契約進捗が好調で採算性が向上したことなどにより4,387百万円と前期比503百万円の増益となりました。経常利益については、上記記載の要因等により3,607百万円と前期比445百万円の増益となりました。当期純利益については、特別損失に固定資産除却損77百万円及び関係会社株式評価損63百万円を計上したことなどで2,382百万円と前期比45百万円の増益となりました。
③ キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フロー計算書の前事業年度と当事業年度との比較数値は、以下のとおりであります。 <要約キャッシュ・フロー計算書>
(単位:百万円)
区 分
前事業年度
当事業年度
増減額
2022年2月
2023年2月
Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前当期純利益
3,176
3,462
286
減価償却費
733
706
△26
減損損失
93
-
△93
引当金の増減額(△は減少)
44
△428
△473
有形固定資産売却損益(△は益)
△122
4
126
有形固定資産除却損
2
95
93
棚卸資産の増減額(△は増加)
△1,019
7,051
8,070
仕入債務の増減額(△は減少)
5,530
△6,177
△11,707
前受金の増減額(△は減少)
173
△712
△885
法人税等の支払額
△553
△1,098
△545
その他
163
△750
△913
営業活動によるキャッシュ・フロー
8,223
2,153
△6,070
Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出
△695
△1,258
△563
有形固定資産の売却による収入
932
11
△921
その他
△46
181
227
投資活動によるキャッシュ・フロー
190
△1,066
△1,256
Ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額(△は減少)
△1,806
1,894
3,701
長期借入れによる収入
12,891
18,791
5,900
長期借入金の返済による支出
△13,286
△26,509
△13,223
その他
△914
△812
101
財務活動によるキャッシュ・フロー
△3,116
△6,636
△3,520
Ⅳ 現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
5,297
△5,549
△10,847
Ⅴ 現金及び現金同等物の期首残高
9,391
14,689
5,297
Ⅵ 現金及び現金同等物の期末残高
14,689
9,139
△5,549
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、2,153百万円(前期は8,223百万円の増加)となりました。 主な要因は、建物建築代金支払いにかかる仕入債務の減少6,177百万円等による資金の減少に対し、引渡進捗等による棚卸資産の減少7,051百万円、税引前当期純利益の計上3,462百万円等による資金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は、1,066百万円(前期は190百万円の増加)となりました。 主な要因は、賃貸物件取得などの設備投資1,271百万円等による資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は、6,636百万円(前期は3,116百万円の減少)となりました。 主な要因は、分譲マンション用地購入等の資金調達による長期借入金の増加18,791百万円、運転資金調達等による短期借入金の増加1,894百万円等による資金の増加に対し、分譲マンションの引渡完了に伴う長期借入金の返済による減少26,509百万円等の資金の減少によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性について 当社の事業活動における主な資金需要は、分譲マンションの開発用地の取得資金、賃貸不動産の購入及び建設資金であります。資金需要に対しては、主に金融機関からの借入金により調達しており、特定の金融機関に依存することなく個別の案件毎に調達を行うことにより、安定的な資金の確保に努めております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(2)目標とする経営指標」に記載の通りであります。なおROEについては、最低限維持すべき水準を8%としておりますが、当事業年度では前期の9.1%から8.6%へ減少しております。これは財務レバレッジが減少(3.68→3.01)したことによるものでありますが、引き続きROE8%維持を目標として事業を展開してまいります。またD/Eレシオについては2倍以内を堅持することを目標としており2023年2月期では1.56倍となっております。さらに分譲マンションの契約済未引渡戸数は「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「販売及び契約の状況 b. 契約実績」に記載の通りであります。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。作成にあたり経営者は、資産及び負債や収益及び費用等の額に不確実性がある場合、作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出するため見積り及び仮定を用いており、主な見積り項目は、「第5[経理の状況]の財務諸表注記 重要な会計上の見積り」に記載しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについても、「第5[経理の状況]の財務諸表注記 追加情報」に記載しております。
