【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。
なお、前第2四半期累計期間は四半期財務諸表を作成し、四半期連結財務諸表を作成していないため、前年同四半期連結累計期間との比較分析は行っておりません。
(1)経営成績の状況
(参考情報)
(単位:千円)
当第2四半期連結累計期間
(自 2023年3月1日
至 2023年8月31日)
対前年増減率
前第2四半期累計期間
(自 2022年3月1日
至 2022年8月31日)
商品取扱高
12,877,843
(100.0%)
-
10,748,471
(100.0%)
売上高(注)3
6,584,284
(51.1%)
-
4,450,272
(41.4%)
売上総利益
4,982,206
(38.7%)
-
3,767,484
(35.1%)
EBITDA(注)1、2
894,539
(6.9%)
-
492,572
(4.6%)
営業利益
798,205
(6.2%)
-
407,582
(3.8%)
経常利益
804,126
(6.2%)
-
378,015
(3.5%)
親会社株主に帰属する四半期純利益
458,817
(3.6%)
-
410,496
(3.8%)
(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれんの償却額
2.当社グループでは、2020年2月期よりのれんの償却が発生しておりますが、今後とも事業の成長加速のためM&Aを積極的に検討していく方針であり、のれんの償却が増加する可能性があります。この点を考慮し、EBITDAを参考指標として開示しております。
3.ECモール事業の受託型については販売された商品の手数料を、プラットフォーム事業についてはサービスの手数料を売上高として計上しております。
4.( )内は商品取扱高に対する割合を記載しております。
5.前第3四半期連結累計期間より、従来記載しておりました出荷件数、平均出荷単価、平均商品単価は 当社のみの数値であるため記載しておりません。
各事業別の業績は以下のとおりであります。
(参考情報)
(単位:千円)
前第2四半期累計期間(自 2022年3月1日 至 2022年8月31日)
ロコンド
RBKJ
相殺消去
連結
商品取扱高
10,748,471
-
-
-
(単位:千円)
当第2四半期連結累計期間(自 2023年3月1日 至 2023年8月31日)
ロコンド
RBKJ
相殺消去
連結
商品取扱高
11,429,953
2,639,589
1,191,698
12,877,843
当第2四半期連結累計期間におけるマクロ経済環境は新型コロナウィルス感染症の需要供給面への影響が徐々に解消したものの、当四半期後半の猛暑による秋冬物の動きの伸び悩み、消費者物価指数の上昇、各国の金融政策の変更に伴う景気減速懸念、地政学リスクの高まりなど不透明感も増しております。
その一方で、当社グループの主たる事業領域であるファッションEC市場に関しては2021年度は前年比+9%、ファッション市場全体に占めるEC割合、いわゆるEC化率も21%まで増加し(経済産業省調べ)引き続き成長して行く市場であると見込まれています。またECだけでなく店舗や物流などあらゆる領域をデジタル化を通じて効率化していくDX(デジタルトランスフォーメーション)需要も年々増加し、流通小売市場における国内DX投資額は2020年から30年までの10年間で5.6倍と大幅に増えて行く事が見込まれています(富士キメラ総研調べ)。
このような状況下、当社グループはECモール事業、プラットフォーム(DX)事業、ブランド事業という相互補完的かつ各々が競争優位性を有する3つの事業を展開しております。
ECモール事業における主軸のサービス「靴を買うならロコンド」でおなじみのLOCONDO.jpではウェブ広告等を通じた認知度向上とブランド数や品揃えの充実という需要供給両面での向上に引き続き努めて参りました。加えて当社グループは様々な消費者ニーズを捉えるためM&Aを通じた「多モール展開」戦略を実行しておりますが、現在はアパレルメインのFashion Walker、サッカー専門店のSWS、海外バイヤーの販売プラットフォームであるwajaと合計4つのECモールを展開し、これらも同様に需要供給両面での向上を進めて参りました。尚、これらのウェブサイトは全て異なるものの、その裏側であるITインフラや物流インフラは全て一元化されているため、複数のモールを効率的に運営できるのが当社グループの強みになります。
プラットフォーム(DX)事業においては、自社公式EC運営(BOEM)、倉庫受託(e-3PL)、店舗POSレジ(LOCOPOS)、店舗欠品フォロー(LOCOCHOC)など、ファッション業界において必要とされるITインフラと物流インフラを全て有しているため一括受託(ALL-IN-ONE)が可能である事、またe-3PLにおきましては他のEC企業ではどこも対応できていない、百貨店や卸への出荷も全て対応できる事が当社グループの強みになります。また、BOEMの新バージョン(BOEM3.0)への移行とLOCOPOS、LOCOCHOCの機能を増強し、利用企業様の利便性向上の実現に努めて参りました。
ブランド事業においては、2020年以降、様々なインフルエンサーとコラボレーションブランド企画を展開し、売上増とジェイドグループの認知度向上の2つを実現しながらインフルエンサーマーケティングノウハウを蓄積して参りました。さらに、前連結会計年度からは伊藤忠商事株式会社との新設子会社であるRBKJ株式会社(出資比率はジェイドグループ66%、伊藤忠商事34%)を通じてグローバルスポーツブランドのReebok国内販売権を獲得し、ReebokのEC、直営店舗、卸事業を展開して参りました。Reebok事業の展開に際しては、弊社のプラットフォーム事業を活用し、PMI(Post Merger Integration: 買収後の統合)を予定通り行うことでスムーズな事業の立ち上げを実現するとともに、SixTONESとのコラボレーション企画等新たな施策を押し出すことでブランドの更なる知名度向上を実現してまいりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間においてはReebok事業が牽引し、商品取扱高は12,877,843千円(前第2四半期累計期間は10,748,471千円)と+19.8%で着地致しました。売上高は6,584,284千円(前第2四半期累計期間は4,450,272千円)と+48.0%となりました。売上総利益は4,982,206千円(前第2四半期累計期間は3,767,484千円)と+32.2%となりました。当社グループは実質的な成長度合や収益性を評価するため、売上総利益から変動費用を差し引いた「限界利益(= 商品取扱高 × 限界利益率)」という指標を重視しておりますが、限界利益は商品取扱高の増加、および物流フローの効率化やウェブ広告の効率化、各種手数料の引き下げ等の変動費用の抑制、及びReebok事業が順調に開始されたことで2,527,513千円(前第2四半期累計期間は1,744,142千円)と+44.9%で着地できました。限界利益から「固定費用」を差し引いた数値が各種利益項目になりますが、固定費用面はReebok事業の開始に伴う賃料の増加によって当第2四半期連結累計期間の地代家賃等は817,561千円(前第2四半期累計期間は605,834千円)と増加しましたが、広告宣伝費を中心にコストコントロールを進めた結果、211,727千円の増加に留めることができました。なお、LOCOPORT Ⅲに関しましては、昨年第2四半期からの完全稼働によっておよそ10万平方メートルの保管面積を確保できたため、少なくとも2025年度までは倉庫家賃は固定化できる見込みです。結果、EBITDAは894,539千円(前第2四半期累計期間は492,572千円)、営業利益は798,205千円(前第2四半期累計期間は407,582千円)、経常利益は804,126千円(前第2四半期累計期間は378,015千円)と、倉庫家賃増の影響を受けながらも増益で着地できました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は458,817千円(前第2四半期累計期間は410,496千円の四半期純利益)となりました。
なお、文中の前第2四半期累計期間の金額は参考情報として記載しております。
各事業別の業績は以下のとおりであります。
事業別
当第2四半期連結累計期間
(自 2023年3月1日
至 2023年8月31日)
商品取扱高
(千円)
構成比
(%)
売上高
(千円)
構成比
(%)
ECモール事業
8,250,803
64.1
3,602,068
54.7
うち、自社モール
6,973,476
54.2
-
-
うち、他社モール
1,277,326
9.9
-
-
プラットフォーム事業
3,435,277
26.7
1,839,563
27.9
その他事業(店舗・卸等)
1,191,763
9.2
1,142,652
17.4
合計
12,877,843
100.0
6,584,284
100.0
(注)1.当社グループの事業セグメントは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.「自社モール」とは、「LOCONDO.jp」「FASHIONWALKER」「SWS」「waja bazar」の取扱高等になります。
3.「他社モール」とは、「楽天市場」及び「Yahoo!ショッピング」など他社モールにて展開する取扱高等になります。
4.ECモール事業の受託型に係る売上高については、販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。
5.前連結会計年度より、従来記載しておりました受託型商品取扱高比率は当社のみの数値であるため記載しておりません。
6.各事業別の状況は以下の通りです。なお、前第2四半期累計期間は四半期財務諸表を作成し、四半期連結財務諸表を作成していないため、各事業別の状況の前年同四半期連結累計期間との比較分析は行っておりません。
① ECモール事業
ECモール事業につきましては、複数ブランドをロコンドグループの屋号でもって、通販サイト経由で販売する事業で、販売在庫の中には受託型と買取型の2種類があります。一部の海外輸入ブランドや当社が自社開発しているD2Cブランドは買取型に当たります。商品取扱高は商品の販売価格を基に記載しておりますが、売上高は買取型については商品の販売価格を計上し、受託型については販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。「LOCONDO.jp」、「FASHIONWALKER」、「SWS」、「waja bazar」の運営、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」など他社モールへの出店を行っており、当第2四半期連結累計期間においては出店ブランド数3,389となり、商品取扱高は8,250,803千円、売上高は3,602,068千円となりました。
② プラットフォーム事業
プラットフォーム事業につきましては、ブランドの自社公式EC支援(BOEM)、倉庫受託(e-3PL)、店舗の欠品及び品揃え補強(LOCOCHOC)の運営等を行っております。「BOEM」における支援ブランド数は当第2四半期連結会計期間末時点で34ブランドとなりました。これにより、当第2四半期連結累計期間の商品取扱高は3,435,277千円、売上高は1,839,563千円となりました。
なお、倉庫受託(e-3PL)に関しては、ユーザーへの販売を伴わない商品補充等の出荷も含まれるため、その出荷額は商品取扱高には含めておりません。
③ その他事業(店舗・卸等)
店舗・卸事業につきましては、主にRBKJにて、リアル店舗での販売及び小売店への販売を行なっております。当該事業の当第2四半期連結累計期間の商品取扱高は1,191,763千円、売上高は1,142,652千円となりました。
(2)財政状態の状況
① 流動資産
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて766,285千円増加し、8,461,315千円となりました。これは主に、RBKJの商品拡充により商品が670,863千円増加したことによるものであります。
② 固定資産
当第2四半期連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて202,226千円減少し、2,074,953千円となりました。これは主に、繰延税金資産が154,698千円減少したことによるものであります。
③ 負債合計
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて439,068千円増加し、4,477,396千円となりました。これは主に、ECサービスの取引拡大により受託販売預り金が448,515千円増加したことによるものであります。
④ 純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて124,991千円増加し、6,058,872千円となりました。これは主に、自己株式が384,588千円増加(純資産の減少)した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が458,817千円増加したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は3,492,816千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は403,614千円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益の計上757,220千円、棚卸資産が681,151千円増加した一方で、受託販売預り金が448,515千円増加したことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は125,322千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出58,340千円、敷金及び保証金の差入による支出33,000千円によるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により使用した資金は397,986千円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出400,914千円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)従業員数
該当事項はありません。