【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は12,450百万円(前年同期比12.7%増)、営業利益は1,398百万円(前年同期比50.5%増)、経常利益は1,401百万円(前年同期比36.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当社従業員による会社資金の詐取が判明したことに伴い、当該従業員等に対する債権を計上し、回収可能性に懸念があると見込まれる額を特別損失として計上することといたしました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は715百万円(前年同期比70.6%増)となりました。セグメント別の業績は、次のとおりであります。(広告ソリューション事業)SP(セールスプロモーション)・イベント部門におきましては、各種イベントや展示会、事務局関連業務等の受注が堅調だったことから、業績も好調に推移いたしましたが、TVCM(テレビコマーシャル)部門におきましては、各企業の広告費の支出に慎重な姿勢が見られ、厳しい受注環境が継続したこと等により、業績は低調な結果となりました。この結果、広告ソリューション事業の売上高は、7,274百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は856百万円(同23.4%減)となりました。
(テクニカルソリューション事業)ポストプロダクション部門におきましては、各種編集業務を中心に編集スタジオの稼働が堅調に推移したことに伴い、業績も堅調に推移し、映像機器レンタル部門におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、コンサート・舞台が本格的に再開され始めたことにより、大型映像機材等の稼働が好調であり業績も大きく回復いたしました。この結果、テクニカルソリューション事業の売上高は、5,176百万円(同24.9%増)、営業利益は1,089百万円(同230.7%増)となりました。
② 財政状態当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて208百万円減少し、9,582百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べて159百万円減少し6,603百万円となりました。主な要因は、現預金の減少467百万円、電子記録債権の減少75百万円、売掛金の増加268百万円によるものであります。固定資産は前連結会計年度に比べて49百万円減少して2,979百万円となりました。主な要因は、リース資産(純額)の減少147百万円によるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べて781百万円減少し、3,537百万円となりました。流動負債は前連結会計年度に比べて672百万円減少して3,273百万円となりました。主な要因は、買掛金の減少203百万円、短期借入金の減少550百万円、リース債務の減少74百万円、未払金の増加175百万円、未払消費税等の減少93百万円、未払法人税等の増加96百万円によるものであります。固定負債は前連結会計年度に比べて108百万円減少して264百万円となりました。主な要因は、長期リース債務の減少84百万円によるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて572百万円増加し、6,045百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加572百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は63.1%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ467百万円減少し、当連結会計年度末には3,139百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は721百万円(前年同期比29.9%減)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上1,215百万円、減価償却費の計上467百万円、貸倒引当金の増加177百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加180百万円、仕入債務の減少203百万円、法人税等の支払額439百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は170百万円(同246.9%増)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出169百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は1,018百万円(同162.2%増)となりました。主な要因は、長短借入金の純減少額600百万円であり、リース債務の返済による支出275百万円、配当金の支払額142百万円によるものであります。
④ 制作、受注及び販売の実績
a.制作実績当連結会計年度における制作実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
制作高(千円)
前年同期比(%)
広告ソリューション事業
4,381,927
11.7
テクニカルソリューション事業
3,889,484
11.1
合計
8,271,411
11.4
(注)
1
セグメント間取引については、相殺消去しております。
2
金額は、総製造費用によっております。
b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
広告ソリューション事業
6,776,412
△3.8
1,027,588
△32.6
テクニカルソリューション事業
5,385,884
25.4
835,073
33.6
合計
12,162,296
7.2
1,862,662
△13.4
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
広告ソリューション事業
7,274,090
5.3
テクニカルソリューション事業
5,176,057
24.9
合計
12,450,147
12.7
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 令和3年3月1日至 令和4年2月28日)
当連結会計年度(自 令和4年3月1日至 令和5年2月28日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
株式会社博報堂プロダクツ
1,695,127
15.3
1,019,605
8.2
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当連結会計年度における売上高は12,450百万円(前年同期比12.7%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、各種イベント・展示会・コンサート・舞台等が本格的に再開され始めたこと、事務局・施設等の運営関連の大型案件の受注があったこと等によるものであります。 (売上総利益)当連結会計年度の売上総利益は4,149百万円(同13.7%増)となりました。これは売上高の増加及び売上総利益率の上昇によるものであります。売上総利益率は前連結会計年度の33.0%から当連結会計年度は33.3%に上昇しております。
(販売費及び一般管理費)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,751百万円(同1.1%増)となりました。これは主に売上の増加に伴う、業務委託費の増加、交際費の増加によるものであります。 (営業利益)当連結会計年度における営業利益は1,398百万円(同50.5%増)となりました。これは販売費及び一般管理費は増加しましたが、売上総利益の増加によるものであります。
(経常利益)当連結会計年度における経常利益は1,401百万円(同36.0%増)となりました。営業外収益として16百万円を計上しております。これは主に持分法による投資利益9百万円等によるものであります。営業外費用として13百万円計上しております。これは主に支払利息7百万円等によるものであります。 (特別損益)当連結会計年度において特別利益として14百万円計上しております。特別損失として185百万円計上しております。これは主に、貸倒引当金繰入額178百万円によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)税金等調整前当期純利益は1,215百万円(同42.1%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は500百万円(同14.7%増)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は715百万円(同70.6%増)となりました。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの主要な資金需要は、設備投資資金と運転資金であります。設備投資資金は、営業上の競争優位のため最新鋭の機材への設備投資は欠かすことが出来ないものであります。運転資金は、制作費並びに販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いに要するものであります。現状、これらの資金需要につきましては自己資金、短期借入金で賄っておりますが、必要に応じて長期借入金により資金調達を行う等、柔軟に対応することとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益・費用の一部について合理的な見積り等により計上しており、実際の結果は、これらの見積り等と異なる結果となる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
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