【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における国内外の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和により、経済社会活動の正常化は進み、半導体不足やサプライチェーンの混乱は緩和に向かうなど、景気は緩やかな回復がみられました。しかしながら、政策金利の引き上げに伴う為替相場の変動や、ウクライナ情勢の長期化など、先行き不透明な状況が続いております。
このような経済状況のもと、当社グループの主要取引先である自動車分野につきましては、半導体不足や中国での新型コロナウイルス感染症の影響による取引先の生産調整などにより受注は減少しました。産業機器分野につきましては、工作機械関連のEMSなどの受注が堅調に推移しました。民生分野につきましては、海外でのEMSの受注が堅調に推移しました。アミューズメント分野につきましては、遊技機関連の受注が増加しました。また、新規顧客の開拓に努めるとともに、継続的なコスト抑制と効率化に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は432億71百万円(前期比1.8%増)、利益につきましては、営業利益は24億90百万円(前期比23.4%増)、経常利益は24億52百万円(前期比14.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は16億93百万円(前期比15.6%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
国内事業部門
産業機器分野、アミューズメント分野での販売増加や、各分野において、販売製品の確保による売上の維持・向上に努めたものの、自動車分野での半導体不足等による取引先の生産調整等の影響もあり、連結売上高は275億13百万円(前期比4.3%減)、セグメント利益は21億66百万円(前期比23.6%増)となりました。
海外事業部門
中国での新型コロナウイルス感染症の再拡大による取引先の生産調整の影響などがあったものの、民生分野でのEMSの受注増加などにより、連結売上高は157億58百万円(前期比14.5%増)となりました。セグメント利益は8億88百万円(前期比21.3%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度における資産の合計は、208億4百万円となり、前連結会計年度と比較して5億94百万円の増加となりました。これは現金及び預金13億63百万円の増加、電子記録債権5億18百万円の減少、棚卸資産6億64百万円の増加等が反映されたことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度における負債の合計は、77億7百万円となり、前連結会計年度と比較して8億71百万円の減少となりました。これは支払手形及び買掛金9億97百万円の減少、短期借入金1億68百万円の減少等が反映されたことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の合計は、130億96百万円となり、前連結会計年度と比較して14億65百万円の増加となりました。これは利益剰余金12億56百万円の増加、為替換算調整勘定2億5百万円の増加等が反映されたことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、39億73百万円となり、前連結会計年度末と比較して13億53百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、21億21百万円(前期は1億56百万円の使用)となりました。これは主に仕入債務の減少額11億80百万円、棚卸資産の増加額4億89百万円があったものの、税金等調整前当期純利益24億52百万円、売上債権の減少額10億72百万円等が反映されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、81百万円(前期は14百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出95百万円等が反映されたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、6億53百万円(前期は8億5百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の純増減額の減少1億77百万円、配当金の支払額4億37百万円等が反映されたことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
前期比(%)
国内事業部門
158,462
91.6
海外事業部門
3,411,684
162.6
合 計
3,570,146
157.2
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.生産実績は、国内事業部門のうち当社連結子会社フロア工業㈱及び海外事業部門のうち当社連結子会社M.A.TECHNOLOGY,INC.にて生産販売した金額を表しております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
前期比(%)
国内事業部門
22,598,008
85.4
海外事業部門
15,058,417
135.1
合 計
37,656,425
100.2
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は仕入実績から支給品及び社内への振替分を控除しております。
当連結会計年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
品 目 別
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
前期比(%)
半導体
19,456,661
101.0
電子部品
8,063,315
80.9
ユニット・アセンブリ
5,397,005
109.9
その他
4,739,443
136.8
合 計
37,656,425
100.2
(注)金額は仕入実績から支給品及び社内への振替分の仕入実績を控除しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
前期比(%)
国内事業部門
27,513,577
95.7
海外事業部門
15,758,274
114.5
合 計
43,271,852
101.8
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先グループ(相手先とその連結子会社)別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(単位:千円)
相 手 先
前連結会計年度
(自 2021年6月1日
至 2022年5月31日)
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
金 額
割合(%)
金 額
割合(%)
㈱アイシングループ
14,012,116
33.0
10,019,809
23.2
ブラザー工業㈱グループ
4,402,733
10.4
6,994,294
16.2
小 計
18,414,849
43.3
17,014,104
39.3
合 計
42,519,490
100.0
43,271,852
100.0
当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
品 目 別
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
前期比(%)
半導体
19,199,906
104.3
電子部品
8,621,680
79.3
ユニット・アセンブリ
9,673,378
103.3
その他
5,776,887
149.1
合 計
43,271,852
101.8
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高、売上総利益)
売上高は、前連結会計年度に比べ7億52百万円増加し、432億71百万円(前期比1.8%増)となりました。分野別では、自動車分野の半導体・電子部品の受注が取引先の生産調整などにより減少したものの、民生機器分野、アミューズメント分野、産業機器分野向けなどの半導体・電子部品・EMSの販売が増加しました。セグメント別では、国内事業部門の売上高は前連結会計年度に比べ12億47百万円減少し、275億13百万円(前期比4.3%減)となり、海外事業部門の売上高は前連結会計年度に比べ19億99百万円増加し、157億58百万円(前期比14.5%増)となりました。売上総利益は、売上高の増加などに伴い、前連結会計年度に比べ8億45百万円増加し、53億41百万円(前期比18.8%増)となりました。また、売上総利益率は12.3%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ3億72百万円増加し、28億50百万円(前期比15.0%増)となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は6.6%となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ4億72百万円増加し、24億90百万円(前期比23.4%増)となりました。売上高に対する営業利益の比率は5.8%となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外損益は、前連結会計年度1億16百万円の利益(純額)から38百万円の損失(純額)に減少しました。経常利益は、前連結会計年度に比べ3億17百万円増加し、24億52百万円(前期比14.9%増)となりました。売上高に対する経常利益の比率は5.7%となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度において特別損益はありません。税金等調整前当期純利益は、24億52百万円(前期比15.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益については、法人税、住民税及び事業税7億59百万円などがあり、親会社株主に帰属する当期純利益は、16億93百万円(前期比15.6%増)となりました。
b.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態の認識及び分析・検討内容につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.流動性及び資金の源泉
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社グループの運転資金需要の主要なものは、売上の増加によるもの、仕入債務の支払いと売上債権の回収のサイト差から発生するもの、棚卸資産の増加によるものであります。その他、業務提携先への貸付けによるもの、業容の拡大及び管理体制の充実による人件費の増加をはじめとした販売費及び一般管理費も資金需要増加要因の一つであります。
c.財務政策
当社グループにおける増加運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入金により資金調達することとしております。短期運転資金の調達に関しましては、取引銀行5行と総額59億63百万円の当座貸越契約を締結しており、機動的、効率的かつ包括的に短期借入が行える体制を整えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に与える見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しております。 当社グループは、特に次の重要な会計方針が財務諸表作成における重要な見積りの判断に多くの影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
売上高は、顧客からの注文書に基づき商品を出荷した時点で計上しております。なお、一部機械装置等においては顧客の検収時に売上を計上しております。
b.貸倒引当金
将来発生する顧客の支払不能額に備えるため一般債権に対しては過去の貸倒実績率を使用し、貸倒懸念のある顧客に対しては個別に回収不能額について見積り、貸倒引当金を計上しております。ただし、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産
繰延税金資産の計上は、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できること、また繰延税金資産の資産性があることを慎重に判断したうえで計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標である中期経営計画の目標値の達成状況は以下の通りです。
指標
2022年5月期
2023年5月期
2024年5月期
実績値
実績値
目標値
連結売上高(千円)
42,519,490
43,271,852
50,000,000
連結営業利益(千円)
2,018,143
2,490,827
1,600,000
ROE(%)
13.6
13.7
10.0
各指標の2023年5月期の実績につきましては、民生分野、アミューズメント分野、産業機器分野等での受注増加により、前期比で増加しました。