【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営成績の状況 当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、前年に発生した半導体不足の解消により自動車の生産が回復し、それに伴い輸出も増加傾向にあることなどから、おおむね底堅く推移しております。しかしながら、海外において欧米の金融引き締めによる景気減速や中国の大手不動産会社の経営不安が足かせとなる可能性もあり、依然として先行き不透明感が残っております。当社が属する不動産業界におきましては、国土交通省の調査「主要都市の高度利用地地価動向報告」(2023年8月公表)によれば、国内景気の底堅さを反映し、2023年第2四半期(2023年4月1日~2023年7月1日)の主要都市・高度利用地80地区の地価動向は、2023年第1四半期(2023年1月1日~2023年4月1日)に比べ、74地区が上昇(前回73地区)し、残る6地区が横ばい(前回7地区)となっています。また、当社の主力事業である中古住宅の売買の状況については、公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)に登録されている物件情報の集計結果である「市況動向データ」の直近の調査(2023年9月公表)によると、中国地方では、2023年6月から2023年8月までの中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて14.6%増となりました。九州地方では、同期間の中古戸建住宅の成約件数は、同16.7%増となりました。このような環境の中、当社は不動産売買事業における情報の入手に注力するとともに、顧客情報及び物件情報を管理するためのシステムを一新し、営業基盤をより強固にして、一層効率的な営業活動を図ってまいりました。しかし、不動産売買事業の売上高は自社不動産の販売件数の減少などにより前年同四半期を下回りました。これらの結果、当第1四半期累計期間の売上高は、1,569,789千円(前年同四半期比12.5%減)となりました。また、売上高が減少したこと等から、営業利益は35,505千円(同66.7%減)、経常利益は34,574千円(同67.5%減)、四半期純利益は26,013千円(同66.4%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。①不動産売買事業自社不動産販売事業については、在庫を豊富に揃えていたものの、拠点間の偏在が著しく、在庫の乏しい店舗で販売件数が前年を下回ったことに加え、当社の主な販売価格帯において顧客からの反響数も低迷したことから、自社不動産販売件数は88件(前年同四半期比16件減)となりました。また、仕入件数は115件(同8件減)となりました。一方、平均販売単価はリフォーム工事費用の増加を反映し、16,061千円と前年同四半期に比べて509千円増加しました。不動産売買仲介事業については、売買仲介件数が前年同四半期を下回ったことから、売買仲介手数料は前年同四半期を下回りました。これらの結果、不動産売買事業の売上高は1,489,487千円(前年同四半期比13.1%減)となり、売上高の減少により、営業利益は148,127千円(同29.4%減)となりました。
②不動産賃貸事業不動産賃貸仲介事業については、賃貸仲介件数が減少したものの、大型の契約により1件当たりの平均賃貸仲介手数料が前年同四半期を上回ったこと等から、売上高は前年同四半期を上回りました。不動産管理受託事業については、管理受託件数が増加したことにより管理料が増加したうえ、請負工事高も増加したことから、売上高は前年同四半期を上回りました。自社不動産賃貸事業については、賃貸収入が前年同四半期を上回りました。これらの結果、不動産賃貸事業の売上高は52,485千円(前年同四半期比6.8%増)となりました。売上高の増加により、営業利益は9,553千円(同1.2%増)となりました。
③不動産関連事業保険代理店事業については、アフターサービスのメリットをアピールして、火災保険の新規契約の獲得に注力したほか、既存顧客の更新需要の取り込みを図りました。しかしながら自社不動産の販売件数が減少したことに加え、売買仲介件数も減少したことに伴い、保険契約件数が減少したことから、売上高は前年同四半期を下回りました。これらの結果、不動産関連事業の売上高は8,161千円(前年同四半期比24.5%減)となり、営業利益は売上高の減少により4,287千円(同37.0%減)となりました。
④その他事業介護福祉事業については、請負工事高及びレンタル売上高が減少したものの、介護用品の売上高が増加したことから、売上高は前年同四半期を上回りました。これらの結果、その他事業の売上高は19,654千円(前年同四半期比0.0%増)となりました。営業利益は、人件費の増加などにより、営業損失730千円(前年同四半期は営業利益196千円)となりました。
(2)財政状態の状況
①資産当第1四半期会計期間末の資産合計は5,955,662千円となり、前事業年度末に比べて287,040千円増加しました。流動資産は5,110,867千円となり、前事業年度末に比べて230,701千円増加しました。これは主として、自社不動産を積極的に仕入れ、リフォーム工事を進めたことから、仕掛販売用不動産等が176,487千円減少し、販売用不動産が561,935千円増加した一方で、それに伴い、現金及び預金が173,958千円減少したことによるものであります。固定資産は844,795千円となり、前事業年度末に比べて56,339千円増加しました。これは主として、土地が57,164千円増加したことによるものであります。
②負債当第1四半期会計期間末の負債合計は1,954,819千円となり、前事業年度末に比べて360,480千円増加しました。流動負債は1,200,437千円となり、前事業年度末に比べて399,742千円増加しました。これは主として買掛金が32,721千円減少し、未払法人税等も97,824千円減少したものの、短期借入金が555,980千円増加したことによるものであります。固定負債は754,382千円となり、前事業年度末に比べて39,262千円減少しました。これは主として、長期借入金が40,569千円減少したことによるものであります。
③純資産当第1四半期会計期間末の純資産合計は4,000,842千円となり、前事業年度末に比べて73,439千円減少しました。これは主として、四半期純利益26,013千円を計上したものの、配当金の支払100,306千円があったことによるものであります。以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の71.9%から67.2%となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析①資金需要当社は、主力の自社不動産売買事業において中古住宅等の仕入れ及びリフォーム工事の費用の支払等の資金需要が大きいことに加え、今後の選択肢としてリフォームできない中古住宅については更地もしくは新築住宅の建築も選択肢とする可能性も年々、大きくなっており、資金ニーズが高くなる傾向にあると考えております。さらに、収益性及び将来の転売等を視野に入れて収益物件を取得する必要があることも認識しております。また、営業人員を積極的に採用する方針であり、そうして採用した従業員の研修にも注力していくことから、費用が今後、増える見通しであります。営業人員の充実により当社の営業力が向上すると期待され、その後に、不動産売買事業の店舗の出店や移転に伴う費用の支出も予想されます。これらの資金の必要額は個別には大きくないものの、まとまると流動性の面で無視できないと考えます。
②財源資金需要に対する財源としては、利益剰余金に加え、長期・短期の借入金を活用してまいります。当社は、資金需要の金額あるいは時期に応じて機動的な借り入れができるよう、金融情勢に注意を払いつつ、金融機関と良好な関係を継続してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。