【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の分析
当社グループは、第1四半期連結会計期間の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。この結果、前第3四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において、増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
当社グループは2020年4月に公表いたしました中期経営計画として、「TWINBIRDブランド価値向上」「経営品質の向上」「成長事業の進展」を基本戦略に掲げ、事業構造を筋肉質に転換し財務体質を強化するとともに、成長事業(FPSC事業)の進展に向けた取り組みを進めてまいりました。中期経営計画2年目となる前期には、新型コロナワクチン接種需要に伴う当社FPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)製品の売上が大きく業績に寄与したことなどにより、中期経営計画3年間の累積業績目標を1年前倒しで達成するとともに、財務体質の強化が計画どおり進みました。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナ禍からの経済社会活動の正常化が進むものの、ウクライナ情勢の長期化や原材料及びエネルギー価格の高騰と急激な円安によるインフレ圧力の強まりなど、激しい外部環境の変動が続いております。個人消費につきましては、人流回復による持ち直しの動きが見られる一方で、物価高騰の影響を受けて節約志向が強まるなど、依然として先行き不透明な状況で推移しております。
このような経営環境の中、当第3四半期連結累計期間におきましては、前期新型コロナワクチン接種に伴うFPSC製品大型案件の需要が一巡したことに加え、原価高騰や急激な為替変動等により調達コストが上昇、また巣ごもり需要の後退を受けて上期は前年同期より減収減益となりました。一方、昨年9月より10%以上の大幅な価格改定を実施し、10月には戦略的新製品である中型冷蔵庫を発表、全国の家電量販店約1千店舗へ導入するなど大型新製品を集中投入いたしました。これらにより、上期の営業損失480百万円から当第3四半期連結会計期間(3ヶ月)では営業利益44百万円への黒字転換を実現しております。
この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は7,320百万円となりました。利益面につきましては、営業損失は436百万円、経常損失は324百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は249百万円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります(詳細は15ページ「注記事項(セグメント情報等)Ⅱ 当第3四半期連結累計期間(自 2022年3月1日 至 2022年11月30日)」をご覧ください)。
①家電製品事業
家電製品事業におきましては、原価高騰と3月以降の急激な為替変動等による調達コストの上昇、また巣ごもり需要の一巡や物価上昇などに伴う家電製品の買い控え等の影響を受けて、上期は前年同期より減収減益となりました。一方、昨年9月より10%以上の大幅な価格改定を実施、10月には社名変更及びライフスタイルメーカーへの変革と戦略的新製品である中型冷蔵庫2機種(背伸びせず使える冷蔵庫/中身が見える冷蔵庫)を発表し、全国の家電量販店約1千店舗へ導入するなど大型新製品を集中投入いたしました。
この結果、家電製品事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は6,754百万円、セグメント利益は132百万円となり、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント損失79百万円から黒字転換を実現しました。
※家電製品事業に関する四半期業績の特性について
家電製品事業につきましては、年末年始商戦や新生活商戦における販売需要が最も多くなるため業績に季節的変動があり、売上高及び利益は第4四半期連結会計期間に集中する傾向があります。
②FPSC事業
FPSC事業につきましては、新型コロナワクチン接種に伴う大型案件の需要が一巡し、前年同期より大きく減収減益となりました。ワクチン運搬庫のリフレッシュサービスなど需要のすそ野が広がり、コロナ禍前(2019年度)と比較して売上増加傾向にあるものの、減益影響のカバーには至っておりません。一方、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種に向けて、前期に引き続きワクチン運搬庫のメンテナンス(リフレッシュサービス)を3千台(総累計約9千台)受注し、昨年10月より出荷開始しております。
この結果、FPSC事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は566百万円、セグメント利益は139百万円となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は11,317百万円となり、前期末比195百万円増加いたしました。主な内訳は、現金及び預金が653百万円の減少、仕掛品が104百万円の増加、原材料及び貯蔵品が109百万円の増加、流動資産のその他に含まれる為替予約が197百万円の増加、無形固定資産が123百万円の増加、固定資産のその他に含まれる繰延税金資産が232百万円増加しております。
負債は3,113百万円となり、前期末比694百万円増加いたしました。昨年2月に締結しましたシンジケートローン契約に基づくコミットメントラインの実行及びタームローンへのリファイナンス等により、短期借入金が500百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が960百万円減少、長期借入金が747百万円増加いたしました。また収益認識会計基準の適用に伴い、将来に向けたアフターサービス費用などの契約負債が349百万円発生しております。
純資産は8,203百万円となり、前期末比498百万円減少いたしました。利益剰余金は収益認識会計基準の適用に伴う当期首残高の減少(258百万円)及び配当と四半期純損失の計上により671百万円減少しております。一方、繰延ヘッジ損益が148百万円増加しております。
これらの結果、自己資本比率は72.5%(前期末比△5.8pt)となりましたが、引き続き財務安全性の水準は高く、今後の事業展開に向けた戦略的な投資余力を十分に確保しております。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は472百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。