【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(自2023年3月1日至2023年8月31日)における日本経済は、輸出やインバウンド需要の拡大、宿泊・飲食・レジャー等サービス支出の増加等により、4月~6月のGDP成長率が前期比1.2.%、年率換算4.8%と好調に推移しました。エネルギーや食料等の諸物価の上昇や急激な為替変動、海外景気の下振れリスク等、注視すべきリスク要因はあるものの、アフターコロナに向けた流れが進展するなか、今後も持続的な景気回復が期待されております。
経済活動・社会生活の正常化が加速するなかで、揺籃期にあったDX(デジタルトランスフォーメーション)が、教育、健康、決済、医療、行政など、あらゆる領域で本格化してきております。加えて、インバウンド需要のさらなる拡大やChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)に代表される世界的なAI市場の急拡大など、DXおよびICT市場は今後もさらなる拡大が見込まれています。
こういった状況のなか、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は4,134,186千円(前年同期比8.9%増)、営業損失は34,709千円(前年同期は営業損失48,828千円)、経常利益は54,317千円(前年同期比2.1%増)、純利益は34,403千円(前年同期比117.9%増)と、前年同期に比べ増収増益という結果になりました。
ライフデザイン事業においては、ヘルスケア、医療介護、FinTech等のBtoBサービスは堅調に推移していますが、昨年度業績に大きく寄与したNintendo Switchソフトの海外販売が一巡したため減収減益となりました。AI&クラウド事業も、AIチャットボットなどのSaaS事業は好調、拡大を継続していますが、ChatGPTソリューションなどのAI領域での事業拡大に向けてのリソースシフトにより一般受託開発案件の絞り込みを行っていること等により、減収減益となりました。一方、コネクテッド事業が、コロナ禍で低迷した前年同期に比べ、IoT関連を中心にODM事業の受注・生産が好調に推移したことおよび移転した新工場での稼働率が向上したこと等により、黒字転換を果たし、大幅な増益となりました。
以上により、グループ全体としては、売上高は前年同期比で増収、経常利益においては、為替差益は縮小したものの、コーポレートベンチャーキャピタルファンド設立に伴う株式譲渡による営業外収益もあり若干の増益を確保、純利益については、法人税等調整額の益計上により法人税等が減少したことから、前年同期の約2.2倍の増益となりました。
セグメント別の事業動向については以下の通りです。
<ライフデザイン事業>
当第2四半期連結累計期間におけるライフデザイン事業の売上高は1,173,291千円(前年同期比32.3%減)、セグメント利益24,988千円(前年同期比90.3%減)となりました。
ライフデザイン事業については、全世界で累計出荷本数50万本を突破したNintendo Switchソフト「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』」の海外展開が一巡したことにより、今期においては減収減益となりました。9月15日に発表した新作ソフト「クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』」は、今下期の発売に向け、現在、順調に開発を推進するとともに、前作で得た販売ノウハウを活かし、世界展開に向けたマーケティング施策を構築している段階にあります。BtoBサービスでは健康支援サービス「RenoBody」やハウスマネー決済サービス「ValueWallet」、医療介護向けプラットフォーム「KarteConnect」等のクラウドサービスが着実に採用を拡大しております。また、ソリューション案件は、GIGAスクール向け教育コンテンツや、保険会社向けヘルスケアサービスなど、当社の強みを活かした収益性の高い案件に注力していく方針の下、受注活動を展開しています。
<AI&クラウド事業>
当第2四半期連結累計期間におけるAI&クラウド事業の売上高は861,598千円(前年同期比8.4%減 )、セグメント利益は12,864千円(前年同期比70.8%減)となりました。
AI&クラウド事業については、新規サービス“OfficeBot powered by ChatGPT API”の展開が好調で、SaaS事業が順調に拡大しています。一般企業向けの導入に加え、自治体においても導入が進んでおり、今期においては、東京都千代田区や北海道東川町で導入、実証実験を開始しております。また、今夏開催された「BOXIL SaaS AWARD Summer 2023」では、『OfficeBot』が「Good Service」に選出されました。同サービスの引き合いが活発なことから、顧客対応を拡充するために営業部隊の拡大を推進しています。
また、SaaS事業におけるAIサービス拡大と並行してソリューション分野でもAI分野の拡大を図っており、ChatGPTの活用ノウハウをベースとしたソリューション案件の獲得を積極的に推進しております。
<コネクテッド事業>
当第2四半期連結累計期間におけるコネクテッド事業の売上高は2,143,767千円(前年同期比76.7%増)、セグメント利益は71,038千円(前年同期はセグメント損失202,882千円)となりました。
コネクテッド事業については、2023年3月に拡張移転した中国の新工場が順調に稼働するなか、アフターコロナに向けた動きが加速、IoT関連のODM受注が拡大したことにより、売上高は前年同期比約1.8倍の増収となりました。この結果、前年同期および前期のセグメント損失の状態から大幅に回復、黒字転換を果たしました。aiwaブランドについては、認知度の拡大に向け量販店での展開を強化するとともに、10.1インチタブレット『aiwa tab AS10(6)』など、新製品を順次投入しており、ラインアップの拡充を図っております。また、aiwa製品の拡販に向けて、アイワ株式会社と共同で6月20日に「アイワマーケティングジャパン株式会社」を設立、法人向け販売チャネルと量販店を中心としたコンシューマチャネル、双方に向けてのマーケティング展開の強化を図っています。
第1四半期連結会計期間より報告セグメントを変更しており、前年同期比較については、変更後のセグメント区分に基づき作成した数値で比較しております。
また、セグメント別の事業動向に記載の各セグメントの売上高については、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加えた金額を記載しております。詳細は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析
①資産
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は5,117,516千円となり、前連結会計年度末に比べ1,043,473千円減少いたしました。これは主に前渡金が202,056千円増加したものの、現金及び預金が734,615千円、受取手形、売掛金及び契約資産が311,676円減少したことなどによるものです。固定資産は2,803,012千円となり、前連結会計年度末に比べ942,112千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が49,811千円、無形固定資産が280,702千円、投資その他の資産が611,599千円増加したことなどによるものです。この結果、総資産は7,920,529千円(前連結会計年度末は8,021,890千円)となり、前連結会計年度末に比べ101,361千円減少いたしました。
②負債
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は2,130,371千円(前連結会計年度末は2,427,924千円)となり、前連結会計年度末に比べ297,552千円減少いたしました。これは主に賞与引当金が90,380千円、借入金が総じて153,668千円減少したことなどによるものです。
③純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は5,790,157千円(前連結会計年度末は5,593,965千円)となり、前連結会計年度末に比べ196,192千円増加いたしました。これは主に利益剰余金が24,248千円減少したものの、その他有価証券評価差額金が132,072千円増加したことなどによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間において、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は806,966千円減少し、当第2四半期連結会計期間末の資金は2,249,345千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は193,128千円(前年同期は619,919千円の支出)となりました。これは主に前渡金の増加202,055千円などの減少要因があったものの、売上債権及び契約資産の減少313,399千円、契約負債の増加118,415千円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は847,237千円(前年同期は222,535千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出350,719千円、出資金の払込による支出450,000千円など減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は196,081千円(前年同期は607,439千円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出197,528千円、配当金の支払額58,045千円などの減少要因によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当社は、新規サービス提供のための開発に継続して取り組んでおります。なお、当第2四半期連結累計期間におきましては、コネクテッド事業において58,928千円の研究開発費を計上しております。
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