【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
1.当四半期決算に関する定性的情報
経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間(自2022年3月1日 至2022年11月30日)における日本経済は、夏場の新型コロナウイルス感染症の急激な拡大などの影響により個人消費等が伸び悩み、7月~9月の実質GDP成長率は前期比0.2%減、年率換算0.8%減とマイナス成長となりましたが、長期にわたり継続してきた新型コロナウイルス感染症拡大に関する水際対策を大幅に緩和する等、政府の景気重視への政策転換により経済活動の速やかな正常化が期待されております。
また、さまざまな領域で「Withコロナ」が定着・拡大するなか、為替問題や原材料費高騰等の懸念事項はあるものの、インバウンド需要拡大への期待や公共サービス、医療、健康、教育、エンターテインメント、IoTサービスなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)化のますますの進展・浸透などにより、「アフターコロナ」時代への流れも見えつつあります。
当社グループにおいては、今年度を中期3か年計画の一年目として、自社事業の成長基盤の拡充を図るために、前年比で減益の計画としています。
ライフデザイン事業においては、キャラクター・コンテンツ(キャラテック)事業のグローバル展開に向けた販売チャネルの構築を推進しており、今期においてはNintendo Switchソフト「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』」の海外展開が好調に推移しました。併せてキャラテック事業拡大に向けて企画・開発体制の拡充にも取り組んでおり、来期の新作タイトルの開発を推進しています。また、ヘルスケアサービス、教育コンテンツ、プリペイドカード決済の各Techサービスも「Withコロナ」を追い風に順調に拡大しました。
ビジネスイノベーション事業においては、低収益案件の縮小や一部の大型案件が一服状態にあることにより受託開発事業が減収となったことと、自社事業であるビジネストランスフォーメーション(BX)事業の拡大を目指した販売投資の継続により、減収減益となりました。
コネクテッドソリューション事業においては、中国深圳に立地する生産拠点が政府のゼロコロナ政策の影響を受けたものの、各種対策を講ずることにより安定稼働を維持しました。第3四半期会計期間においては、前期より生産規模が拡大したことに加え、為替予約オペレーションも有効に機能し、為替差益を含めた実質セグメント利益は黒字に転換しました。現在、最繁忙期である第4四半期における生産体制の強化を図っております。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は5,786,617千円(前年同期比14.1%減)、営業損失は86,749千円(前年同期は営業利益292,354千円)となりました。また、営業外損益において197,026千円の為替差益が生じた結果、経常利益は109,246千円(前年同期比42.2%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、43,674千円(前年同期比93.0%減)となりました。
中国深圳に製造拠点があるコネクテッドソリューション事業においては、為替予約取引を反映した実勢の事業活動は経常利益に反映しますが、中国生産子会社の連結決算において当該期間の平均為替レートを用いた円建て決算を行う必要があることから、為替予約レートと平均為替レートの差で為替差損益が発生します。第3四半期会計期間では、この差から大きく為替差益が生じ、営業外損益で収益を計上する一方、営業損益で損失を計上する形となりました。
セグメント別の事業動向については以下の通りです。
<ライフデザイン事業>
当第3四半期連結累計期間におけるライフデザイン事業の売上高は1,726,929千円(前年同期比27.9%減)、セグメント利益342,801千円(前年同期比34.5%減)となりました。
ライフデザイン事業については、2021年7月に発売し国内で約30万本のヒットとなったNintendo Switchソフト「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』」の台湾・香港・韓国向けのフルローカライズ版が、2022年5月発売以降引き続き好調を維持しており、これに加えてSwitchソフトの欧米版の発売、PCゲームプラットフォーム「STEAM」及びPlayStation版の展開等、キャラテック事業のグローバル展開と多プラットフォーム展開に取り組んでいます。さらに、キャラテック事業の持続的拡大に向け企画・開発体制の拡充を進めており、次年度発売予定の新作開発にも積極的に取り組んでいます。
また、DXや「Withコロナ」を背景に、各Techサービスも順調に推移しており、教育分野のデジタルコンテンツプロデュース、電子マネー決済サービス「ValueWallet」、健康増進サービス「RenoBody」とも法人向け分野で着実に事業拡大が進んでいます。
<ビジネスイノベーション事業>
当第3四半期連結累計期間におけるビジネスイノベーション事業の売上高は2,186,250千円(前年同期比8.5%減)、セグメント利益は70,438千円(前年同期比49.2%減)となりました。
ビジネスイノベーション事業については、受託開発であるサービスインテグレーション分野は、低収益案件の縮小を実施したことや一部大型案件が一服状態にあること等により減収となりました。また、自社事業であるBX事業については、各種展示会への積極出展やWeb講演会の実施等、引き続きプロモーション展開の強化に努めるともに、業種に特化したチャットボット開発や販売代理店の開拓など、顧客企業拡大のための積極的な販売投資を継続しています。
<コネクテッドソリューション事業>
当第3四半期連結累計期間におけるコネクテッドソリューション事業の売上高は1,995,030千円(前年同期比4.2%減)、セグメント損失は281,388千円(前年同期はセグメント損失144,874千円)となりました。なお、セグメント損益に為替差損益を合算した実質的なセグメント損失は、96,051千円(前年同期はセグメント損失136,189千円)となりました。
生産拠点が中国深圳に立地するコネクテッドソリューション事業については、中国政府のゼロコロナ政策により、社員の出勤や部品調達、物流等の不安定要因が存在するなかで、各種対策を講ずることにより安定稼働を維持しました。IoTサービスにおけるコネクテッドデバイスの需要については堅調な状態が続いており、今期においても対前期比で増収となり、第3四半期会計期間の為替差益を含めた実質セグメント利益は黒字に転換しました。現在、最繁忙期である第4四半期に向けて生産体制の強化を図っています。
自社事業である「aiwaデジタル」ブランドのコネクテッド製品については、引き合いの多い量販店に展開を行いブランド認知を高めながら、法人向けの販売強化を図っています。
(2)財政状態の分析
①資産
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は5,961,556千円となり、前連結会計年度末に比べ1,224,442千円減少いたしました。これは主に棚卸資産が332,312千円増加したものの、現金及び預金が1,628,229千円減少したことなどによるものです。固定資産は1,765,338千円となり、前連結会計年度末に比べ165,222千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が18,367千円減少したものの、無形固定資産が166,658千円、投資その他の資産が16,931千円増加したことなどによるものです。この結果、総資産は7,726,894千円(前連結会計年度末は8,786,113千円)となり、前連結会計年度末に比べ1,059,219千円減少いたしました。
②負債
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は2,287,640千円(前連結会計年度末は3,193,103千円)となり、前連結会計年度末に比べ905,462千円減少いたしました。これは主に買掛金が147,314千円、未払法人税等が142,869千円、賞与引当金が73,779千円、借入金が総じて404,897千円減少したことなどによるものです。
③純資産
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は5,439,253千円(前連結会計年度末は5,593,010千円)となり、前連結会計年度末に比べ153,757千円減少いたしました。これは主にその他の包括利益累計額が85,860千円増加したものの、配当金の支払いなどにより利益剰余金が75,628千円、自己株式の取得により181,800千円減少したことなどによるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社は、新規サービス提供のための開発に継続して取り組んでおります。なお、当第3四半期連結累計期間におきましては、コネクテッドソリューション事業において82,229千円の研究開発費を計上しております。
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