【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される一方で、世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクとなっており、引き続き、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
こうした見通しのつかない環境ではありますが、当社グループにとっては運営する事業の社会的意義を再認識する契機となりました。
待機児童・女性活躍・人材不足・雇用創出・介護離職等、運営する事業それぞれがこれらの社会課題と密接に関連しているからこそ、当社グループはその提供価値の質を高め事業を拡大することが、社会課題の解決ひいては持続可能な社会の実現に寄与するものと確信しております。
今後もグループ理念である「…planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」に基づき、真に世の中から必要とされる「なくてはならない企業グループ」を目指し、グループ各事業において高品質のサービスを提供してまいります。また同時に、多様な人々の「働く」を支援し、実現させることにより、少子高齢化社会における就業人口の増加に注力してまいります。
当連結会計年度の経営成績の減益要因は、物価高騰による食材費・水道光熱費等の上昇のほか、第1四半期連結累計期間において子育て支援サービス事業における期ズレ補助金の計上額が前第1四半期連結累計期間と比べ178,000千円減少したこと、総合人材サービス事業において稼働スタッフの人件費が増加したこと、介護関連サービス事業において新規施設開設に伴う先行コストが発生したことが経営成績に影響を及ぼしたためです。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高60,015,221千円(前年同期比4.1%増)、営業利益3,580,616千円(同15.5%減)、経常利益4,255,539千円(同18.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,568,943千円(同21.4%減)となりました。
各セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(子育て支援サービス事業)
子育て支援サービス事業につきましては、厚生労働省による2023年6月発表の人口動態統計月報年計(概数)によれば、2022年の出生数は770,747人と前年の811,622人からさらに減少し、調査開始以来はじめて80万人を割り込みました。また、保育所等における待機児童数に関しても2022年4月時点の厚生労働省による待機児童数調査において2,944人(対前年2,690人減)と調査開始以来最少を記録しております。
一方で潜在的な待機児童数(入所を希望しているが待機児童として数値に現れない児童)は61,283人に及ぶこと、また放課後児童クラブにおける待機児童数は15,180人(2022年5月1日現在)と前年比で1,764人増加するなど依然として首都圏を中心に待機児童問題は深刻であること、さらに感染症の拡大によっていったん低下した女性就業率も再度上昇していく見込みであることから、大都市圏における保育ニーズは引き続き高い水準で推移すると想定され、いまだ保育の受け皿確保に向けた各種施策の推進が急務となっております。政府も「異次元の少子化対策」への挑戦を表明し、2023年6月には「こども未来戦略方針」を策定、今後3年間で子育て支援を拡充し、子ども・子育て関係予算は、子ども一人当たりの家族関係支出で見て、OECD加盟国トップクラスとする方針を発表するなど、国策としての少子化対策も一層強化されることが予想されます。
そのため連結子会社であるライクキッズ株式会社は民設の認可保育園開設だけでなく、自治体が開設した保育園の運営受託、不動産開発事業者による大規模開発案件での新規保育園開設、病院・企業・大学等が設置する企業主導型保育等の事業所内保育施設の運営受託、自治体からの学童クラブ・児童館の運営受託等、あらゆる側面から保育の受け皿整備に尽力するとともに、連結子会社であるライクスタッフィング株式会社と密に連携することで、保育の質を担保する優秀な保育士の採用にも注力いたしました。
また、当連結会計年度の新規施設開設数は認可保育園:8ヶ所、事業所内保育施設:5ヶ所、学童クラブ・児童館:5ヶ所の計18ヶ所となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は29,047,620千円(前年同期比4.5%増)、営業利益は物価高騰による食材費・水道光熱費等の上昇のほか第1四半期連結累計期間における期ズレ補助金の計上額が前第1四半期連結累計期間と比べ178,000千円減少した影響があり2,359,044千円(同8.5%減)となりました。
(総合人材サービス事業)
総合人材サービス事業につきましては、日本国内において少子高齢化に伴う労働力人口の減少が深刻化する中で、社会インフラとも呼べる当社の注力業界では、人材の確保が重要な経営課題となっております。
そのため、連結子会社であるライクスタッフィング株式会社では事業領域とするモバイル、物流・製造、コールセンター、保育・介護、建設業界において、就業人口の増加に向け積極的な営業活動を展開いたしました。
モバイル業界においては、キャリア間の顧客獲得競争の激化が顧客争奪の場となる家電量販店における大型の人材需要へ波及しており、当社に対するオーダーも増加している状況です。また、通信キャリア各社の手続きオンライン化に伴い、コールセンターの人材需要も活況でした。なお、一部キャリアにおいてショップの削減報道が取り沙汰されておりますが、当社におけるモバイルスタッフはおおむね家電量販店向けであることから、キャリアショップの統廃合が進んだとしても業績への影響は軽微であると考えております。物流業界は、ECマーケットの拡大に対応するため、全国で次々と大型物流施設が稼働開始しており、旺盛な人材需要に応えるかたちで売上が伸長いたしました。人材不足が深刻さを増している保育・介護業界に対しては、社内の営業体制の見直しや最適な求人媒体施策の推進及び連結子会社であるライクキッズ株式会社・ライクケア株式会社で施設運営を行っているノウハウを採用力に繋げ、人材の派遣・紹介を強化しております。
また、次の成長軸となる事業として、以前より推進しております建設業界向けサービス、外国人材就労支援サービスの拡大についても、より一層注力いたしました。
業界全体で高齢化が進んでいる建設業界向けサービスについては、施工管理者や現場監督(補助)、現場事務、BIM・CADオペレーター等の人材を採用しております。また、当社正社員で主にモバイル業界に就業している「エキスパート職」の社員に対して、施工管理者として建設業界に就業する新たなキャリアを提示し、社員のリスキリングを促すと同時にクライアントの求人ニーズとエキスパート社員を結びつけることで、新たな価値創造へ繋げております。さらに建設業界において人材の育成が十分でないBIM・CADオペレーターについては、当社で2ヶ月間の講習・実務研修を実施し一定のスキルセット獲得を目指す育成型モデルを構築したことで、より付加価値の高い人材の派遣・紹介を実現しております。また、積極的な営業活動により、新規クライアントの開拓も順調に推移し、人材を求める企業様からの問い合わせも増加しております。
外国人材就労支援サービスについては、感染症拡大の影響によって一時的に鈍化していた各業界での人材ニーズも経済の持ち直しの動きを受け、確実に回復しつつあります。また、入国制限も撤廃され、国内だけでなく海外から外国人材を採用しご紹介することも可能となったことで、当初想定していた介護業界だけでなくビルクリーニング・外食・宿泊・飲食料品製造業界等へも積極的な営業活動を展開いたしました。また、より多くの企業様においてスムーズな受け入れをしていただけるよう、生活のサポートを含む働きやすい環境の整備を進めております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は22,981,374千円(前年同期比4.0%増)、営業利益は稼働スタッフの人件費増加により1,851,019千円(同1.0%減)となりました。
(介護関連サービス事業)
介護関連サービス事業につきましては、連結子会社であるライクケア株式会社において、神奈川県・東京都・埼玉県といった65歳以上の人口が多い首都圏において、介護付有料老人ホーム等を運営しております。医療連携を強みとし、24時間看護師が常駐し看取り介護を行っている施設も多いことから、介護度が高く、ご自宅での介護が困難である方が多く入居されており、入居率も高水準を保っております。
また、新たに2024年2月には東京都杉並区にフェリエ ドゥ 上井草(102室)を開設予定であり、運営施設数は25施設となる見込みです。なお、当連結会計年度より施設数のカウント方法を変更いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は7,748,981千円(前年同期比3.2%増)、営業利益は2022年7月のサンライズ・ヴィラ板橋向原(64室)開設に伴う先行コストの発生により226,147千円(同47.0%減)となりました。
(その他)
その他事業のうち、マルチメディアサービス事業につきましては、総合人材サービス事業におけるモバイル業界向けサービスのためのアンテナショップとして携帯電話ショップ1店舗を運営しておりましたが、キャリアからのショップ向けインセンティブ方針の変更を受け、2023年3月末をもって携帯電話ショップを閉鎖し事業から撤退しております。
当連結会計年度における売上高は237,245千円(前年同期比8.2%減)、営業利益は45,948千円(同192.1%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は39,454,121千円(前期末比73,423千円増)、純資産は15,474,464千円(同1,452,457千円増)、自己資本比率は39.2%(同3.6ポイント増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は17,772,829千円(前期末比24,331千円増)となりました。これは受取手形、売掛金及び契約資産の増加367,461千円等があったことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は21,681,291千円(前期末比49,091千円増)となりました。これは、子育て支援サービス事業における新規開園等に伴う有形固定資産の増加600,362千円、のれんの償却に伴う減少443,465千円等があったことによります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は15,189,192千円(前期末比3,548,721千円増)となりました。これは、未払金の増加280,958千円、1年内返済予定の長期借入金の増加3,160,396千円等があったことによります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は8,790,464千円(前期末比4,927,755千円減)となりました。これは、長期借入金の減少5,247,578千円、リース債務の増加335,055千円等があったことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は15,474,464千円(前期末比1,452,457千円増)となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上2,568,943千円、配当金の支払997,885千円等があったことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出といったマイナス要因がありましたが、税金等調整前当期純利益の計上といったプラス要因があったことにより、前期末に比べ46,432千円増加し、当連結会計年度末は10,649,717千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は4,797,939千円(前期比1.9%増)となりました。この主な内容は、税金等調整前当期純利益の計上4,219,649千円、減価償却費の計上1,356,554千円、のれん償却額の計上443,465千円、法人税等の支払額1,347,492千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,476,710千円(前期比11.4%減)となりました。この主な内容は、投資事業組合からの分配による収入60,146千円、子育て支援サービス事業における新規施設開園等に伴う有形固定資産の取得による支出1,455,500千円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は3,274,796千円(前期比67.4%増)となりました。この主な内容は、長期借入金の返済による支出3,287,181千円、配当金の支払額996,995千円等であります。
④生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
ロ.受注実績
当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
区分
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
(千円)
前期比(%)
総合人材サービス事業
西日本地区
7,447,078
107.8
東海地区
1,679,474
97.3
東日本地区
13,854,820
103.0
小計
22,981,374
104.0
子育て支援サービス事業
―
29,047,620
104.5
介護関連サービス事業
―
7,748,981
103.2
その他
―
237,245
91.8
合計
60,015,221
104.1
(注)上記のうち、西日本地区には近畿以西を、東海地区には東海地方を、東日本地区には関東以東をそれぞれ記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照下さい。
③当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計額は39,454,121千円(前期末比73,423千円増)、負債合計額は23,979,656千円(同1,379,034千円減)、純資産合計額は15,474,464千円(同1,452,457千円増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は17,772,829千円(前期末比24,331千円増)となりました。これは受取手形、売掛金及び契約資産の増加367,461千円等があったことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は21,681,291千円(前期末比49,091千円増)となりました。これは、子育て支援サービス事業における新規開園等に伴う有形固定資産の増加600,362千円、のれんの償却に伴う減少443,465千円等があったことによります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は15,189,192千円(前期末比3,548,721千円増)となりました。これは、未払金の増加280,958千円、1年内返済予定の長期借入金の増加3,160,396千円等があったことによります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は8,790,464千円(前期末比4,927,755千円減)となりました。これは、長期借入金の減少5,247,578千円、リース債務の増加335,055千円等があったことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は15,474,464千円(前期末比1,452,457千円増)となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上2,568,943千円、配当金の支払997,885千円等があったことによります。
b 経営成績の分析
(売上高)
売上高の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」の中のセグメント別の経営成績に記載のとおりです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は50,355,286千円(前年同期比6.0%増)、売上原価率は前期比1.5ポイント悪化し83.9%となりました。
この結果、売上総利益は9,659,935千円(前年同期比4.8%減)となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、人件費の増加等から6,079,319千円(前年同期比2.9%増)となりました。また、売上高販売管理費率は前期比0.1ポイント改善し10.1%となりました。
この結果、営業利益は3,580,616千円(前年同期比15.5%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は、子育て支援サービス事業における設備補助金収入等により774,597千円となりました。一方、営業外費用は、支払利息等により99,674千円となりました。
この結果、経常利益は4,255,539千円(前年同期比18.7%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、固定資産売却益により27千円となりました。一方、特別損失は、固定資産除却損等により35,917千円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は4,219,649千円(前年同期比19.2%減)となりました。
また、税金費用が1,650,706千円発生し、親会社株主に帰属する当期純利益は2,568,943千円(前年同期比21.4%減)となりました。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、今後も引き続き総合人材サービス事業、子育て支援サービス事業、介護関連サービス事業の積極的な拡大を行ってまいります。どの事業におきましても、事業拡大のためには優秀なスタッフをより多く確保することが重要であることから、今後も採用体制の強化を図るとともに、教育研修体制をさらに充実させ、多くの優秀なスタッフの育成を図ってまいります。
また、人材サービス業界においては労働者派遣法、保育業界については児童福祉法、介護業界においては老人福祉法、介護保険法等、その他関連法令の改正は会社経営に大きく影響を与える可能性があります。当社グループでは、求職者や顧客に、「なくてはならない」と感じていただけるサービスを提供し続けられるよう情報を収集し、迅速に対応してまいります。
⑤資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。継続的な事業拡大に伴う設備投資が重要となるため、これらの資金需要は内部資金又は資金調達の実施により賄うことを基本としております。
⑥経営戦略の現状と見通し
当社グループは各事業が社会課題と密接に関連しており、その事業拡大が社会課題の解決へ直結し、ひいては持続可能な社会の実現へと繋がっているからこそ、各事業の成長に強くこだわる姿勢を貫き続けます。
これからも当社グループは「…planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」のグループ理念のもと、真に世の中にとって「なくてはならない企業グループ」となるべく事業に邁進いたします。
子育て支援サービス事業の市場動向につきましては、保育所等における待機児童数は減少傾向にあるものの、潜在待機児童数に鑑みれば、いまだ首都圏を中心に問題は深刻であり、将来的な首都圏の人口動態も相まって、この傾向は簡単に解消されないことが予想されます。また、保育園から小学校へ段階が上がる際に子育てサービスが不足する「小一の壁」が社会問題化しており、学童クラブにおける待機児童数が増加する等、課題は山積している状況です。さらに今後、女性の就業率も高まることから、これまでの幼稚園預け入れニーズを保育園が代替することで、中長期的に保育ニーズが高まっていくことも想定されます。また、2023年1月時点の保育士有効求人倍率は3.12倍と全職種平均1.44倍と比較して高い水準を維持し、保育士不足への対応は引き続き喫緊の課題となっております。
こうした状況を受け、子育て支援サービス事業では、次期である2024年5月期においても積極的に新規園の開設を行い、認可保育園・事業所内保育施設・学童クラブ・児童館を合わせ、20ヶ所前後の開設を予定しております。また、自治体が開設した保育園の運営を民間が受託する「公設民営」の形だけでなく、自治体がこれまで運営してきた施設の老朽化に伴い、新しい施設の建築から運営まで請け負う「民設民営」のスタイルも含め、あらゆる側面から施設開発を検討し強力に推進いたします。保育士の確保については、グループ内にある総合人材サービス事業とのシナジーを発揮することで、優れた人材を獲得し、保育の質向上にも努めてまいります。加えて、今後、出生数の減少による競争環境の激化によって保育事業者ごとの優勝劣敗が鮮明になること、大手事業者のシェアが低く多数乱立的な業界特性であることから、M&Aを実行することで、内部資源を活用した自律的な成長だけでなく、非連続的な業績の拡大も狙ってまいります。
総合人材サービス事業の市場動向につきましては、モバイル業界における第4のキャリア参入、EC市場の伸長によるコールセンター人材需要増ならびに大型物流施設の稼働、将来的に数十万人規模で人材が不足する介護・建設業界、そしてその不足を補うための外国人材需要等、当社事業が位置する市場の成長性は非常に高いものがあります。
そうした状況から、総合人材サービス事業では当社グループ祖業であるモバイル業界や拡大の続く物流・製造業界等に注力しながらも、高い成長性が期待できる外国人材領域、特に介護業界に対しての外国人材紹介強化に経営資源を投下し、これまで以上に事業の軸足を成長市場へ置くことで飛躍的な業容の伸長を目指します。
介護関連サービス事業の市場動向につきましては、今後、高齢化率の上昇と75歳以上人口の増加、大都市圏での65歳以上人口の増加が予想されており、首都圏を中心とする地域での介護需要は確実に高まるものと想定されます。一方で、その介護需要を支える介護人材は大幅に不足する見込みであり、国内の人材だけでは人員不足解消の目途が立たないことから、深刻な社会問題となっております。
そのため、介護関連サービス事業では、高まる首都圏の介護需要に応えるべく、引き続き介護付有料老人ホームを中心とする新規施設の開設を進めるとともに、グループの総合人材サービス事業と協業することで、特定技能外国人の施設受け入れをさらに加速させ、介護人材の確保による施設サービスの質向上に繋げてまいります。さらに、教育を受けた優秀な外国人材を他介護事業者様にご紹介することで、社会課題である介護人材不足の解消と介護業界全体のサービスの質向上に資するべく、引き続きグループシナジーの最大化を図ってまいります。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループにおいて、総合人材サービス事業は労働者派遣法、職業安定法、子育て支援サービス事業は児童福祉法、介護関連サービス事業は老人福祉法、介護保険法に基づく規制を受けていることから、法改正に都度対応し、法令遵守を意識した行動を心がけております。
また、当社グループはスタッフ及び採用・教育支援サービス利用者、児童及び保護者、入居者等の個人情報を有しており、当社グループのスタッフの就業先においても個人情報を取扱うことが多いことから、個人情報の管理は重要なものであると認識しております。
当社グループは、今後もコンプライアンス体制の充実を図り、より充実した内部管理体制の構築等法令を遵守するための体制を整え、ライクスタッフィングスタッフ、入居者、得意先、投資家等様々なステークホルダーに対して信頼される会社であり続けるよう努力してまいります。
また、人生のどの段階においてもなくてはならない企業グループを目指し、さらに飛躍するためには、事業領域の拡大が必須であり、今後持株会社体制を活かし、M&Aや事業提携等成長分野や新規事業への積極的な投資を実施してまいります。
#C2462JP #ライク #サービス業セクター