【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年3月1日~2022年11月30日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が、感染の波を伴いながら(足元は第8波)続いておりますが、ワクチン接種の進展等もあって徐々に重症化リスクは軽減し、マスク着用は続いているものの経済活動への影響は軽減、景気も緩やかな持ち直しの動きが見られます。海外各国でも、欧米など一部の地域・国ではウィズ・コロナの生活様式としてマスク着用などの感染症対策を軽減・解消し、経済活動にも回復の動きが出ている一方で、中国ではゼロ・コロナ政策を緩和しつつありますが、引続き経済・物流面で世界的に悪影響を及ぼすなど、新型コロナウイルス感染症の生活・経済への影響は軽減されてきているとはいえ、先行き不透明な状況が続いております。また、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は長期化しており、特に欧州を中心に資源・エネルギー価格の上昇や物流の遅延等を引き起こし、世界的なインフレや金利上昇に波及するなど、経済活動への影響と先行き不透明感が継続しております。
化粧品業界におきましては、メイクアップ製品を中心に、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けておりますが、一部に回復の動きが見られています。国内では、マスク着用の常態化等により化粧品需要はメイクアップ製品を中心に大きく減少したまま推移していますが、消費者のマインドは改善しており、一部回復の動きが見られております。海外においても、化粧品需要は新型コロナウイルス感染症の影響を受けておりますが、ウィズ・コロナの生活様式が進む国では各種の感染症対策が緩められることによって回復の動きが見られます。
当社グループにおきましては、国内・海外化粧品メーカーからの受注は回復しつつありますが、新型コロナウイルス感染症の影響長期化(足元は第8波)により、つくば工場第3期拡張などの設備投資によって実現した生産能力を活用しきれない状況が続いており、引き続き厳しい環境の中で事業活動を強いられております。今後も新型コロナウイルス感染症は徐々に収束していくことが期待されますが、マスク着用の常態化等もあって国内化粧品市場の回復スピードは依然として不透明な状況です。このような状況下、「中期事業戦略ビジョン(2022-2026)」のもと、まずは黒字の定着、新型コロナウイルス感染症拡大以前の業績水準への早期回復に向けて、事業基盤の再構築に取り組んでおります。当面は、新型コロナウイルス感染症下における化粧動向を反映した処方や生産技術の開発でお客様の要請に応え、中長期的には化粧品に対する「クリーン・ビューティー」やSDGsなどの社会的要請に対応するなど、新しい市場環境下においても当社グループの強みを一層伸ばして業績の速やかな回復を図るべく更なる努力を重ねてまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.経営成績
売上高は、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が大きいものの、国内・海外での化粧品需要の回復の動きを受けた国内・海外向け受注の回復と、第1四半期連結会計期間から子会社Nippon Shikizai France S.A.S.(以下「日本色材フランス社」という)を連結の範囲に加えたこともあって、前年同期比32.5%増の8,468百万円となりました。
利益面では、引き続きつくば工場第3期拡張等により諸費用が増加している中ではありますが、売上高の増収と各種コスト圧縮努力により、営業利益は82百万円(前年同期は営業損失267百万円)、経常利益は71百万円(前年同期は経常損失194百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は投資有価証券売却益40百万円もあって96百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失126百万円)となりました。
b.財政状態
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ、345百万円増加し、15,699百万円となりました。総資産の増加は、流動資産が833百万円増加し、固定資産が487百万円減少したことによるものであります。流動資産の主な増加要因は、受取手形及び売掛金が64百万円、棚卸資産が854百万円、その他が46百万円増加し、現金及び預金が128百万円減少したことによるものであります。固定資産の主な減少要因は、投資その他の資産のその他が日本色材フランス社を連結の範囲に加えたこともあって451百万円、建物及び構築物が147百万円、投資有価証券が66百万円減少し、機械装置及び運搬具が74百万円、有形固定資産のその他が59百万円、無形固定資産が48百万円増加したことによるものであります。
一方、負債合計は、前連結会計年度末に比べ、424百万円増加し、12,827百万円となりました。負債合計の増加は、流動負債が1,163百万円増加し、固定負債が738百万円減少したことによるものであります。流動負債の主な増加要因は、支払手形及び買掛金が476百万円、電子記録債務が314百万円、短期借入金が181百万円、賞与引当金が180百万円増加したことによるものであります。固定負債の主な減少要因は、長期借入金が743百万円減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ、78百万円減少し、2,871百万円となりました。主な減少要因は、株主資本が日本色材フランス社を連結の範囲に加えたこと等により149百万円減少し、その他の包括利益累計額合計が70百万円増加したことによるものであります。なお、会社法第447条第1項の規定に基づき、第2四半期連結会計期間に資本金の額714百万円のうち614百万円を減少して100百万円とし、減少した資本金の額の全額をその他資本剰余金に振り替えております。
当第3四半期連結累計期間における所在地別セグメントの業績の概況は、次のとおりです。
(日本)
上記のとおり依然として新型コロナウイルス感染症の影響が大きいものの、国内外の化粧品需要に回復の動きがみられ、国内・海外化粧品メーカー各社からの受注が回復したことから、売上高は前年同期比28.6%増の6,356百万円となりました。利益面では、引き続きつくば工場第3期拡張等により諸費用が増加している中ではありますが、売上高の増収と各種コスト圧縮努力により営業利益65百万円(前年同期は営業損失251百万円)と黒字計上となりました。
(仏国)
子会社THEPENIER PHARMA & COSMETICS S.A.S.(以下「テプニエ社」という)と日本色材フランス社の所在する欧州は、当第3四半期連結累計期間(1~9月)において、新型コロナウイルス感染症の影響に加えてウクライナ侵攻の影響を大きく受けましたが、売上高は2,150百万円と、受注が増加したのに加え、日本色材フランス社が連結の範囲に加わったこともあり、前年同期比44.9%の増収となりました。利益面では設備投資に伴う諸費用の増加等に加えてウクライナ侵攻によるエネルギー価格等の高騰や物流の遅延の影響を受けましたが営業利益30百万円(前年同期は営業損失15百万円)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、491百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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