【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績の状況
当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行したことにより社会経済活動の正常化が一段と進展し、個人消費などの内需が幅広い分野で持ち直し、緩やかな回復傾向にあります。一方で、為替相場の円安、原材料価格やエネルギー価格の高騰、物価上昇に伴う消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、人流の回復に加えて、コロナ禍前以来となる各種催事の復活などによりご来店客数は着実に回復傾向にあるものの、コロナ禍での生活習慣や行動様式の変化、食材価格や人手不足による人件費関連コストの上昇等、依然として厳しい状況が続いております。
このような環境の中ではありますが、当社は「美味しい料理を真心込めて提供します」を経営理念とし、「お客様に美味しい料理を低価格で提供し、ハッピーな一日(ハイデイ)を過ごしていただく」、このことを基本姿勢とし、より多くのお客様に美味しい料理を提供させていただくことに注力いたしました。引き続き、首都圏600店舗体制に向けて安定的な新規出店、サービス水準のさらなる向上、新商品の投入、積極的な販売施策などを推進し、業容拡大を図ってまいります。
当第2四半期累計期間における主な取り組みについて、2024年2月期からの3年間を対象とした中期経営計画「Hiday 500」達成に向けた6つの重点施策、①店舗戦略、②採用の強化・人財育成、③DX推進戦略、④事業拡大・新商品開発・販路戦略、⑤ブランディングの強化、⑥サステナビリティの取組推進に基づいて説明いたします。
〈中期経営計画「Hiday 500」の重点施策〉
①店舗戦略
新規出店を進めるとともに利益の確保が困難な不採算店を退店して、スクラップアンドビルドを推進することで収益率の向上を図っております。
新規出店は10店舗(東京都3店舗、神奈川県3店舗、埼玉県2店舗、千葉県1店舗、茨城県1店舗)、退店が7店舗となりましたので、8月末の直営店舗数は443店舗となりました。業態別店舗数は、「日高屋」(来来軒含む)が410店舗、「焼鳥日高」(大衆酒場日高含む)26店舗、その他業態が7店舗となりました。新規出店した10店舗のうち、ロードサイド店が4店舗を占めています。ロードサイド店は幅広いお客様層が対象となり、ほかのエリアから車でご来店可能なことから商圏を大きく確保できる特徴があり、4店舗ともに好調な立ち上がりとなりました。
②採用の強化・人財育成
従業員の成長と活躍を支え、活き活きと働ける環境を充実させて、生活をより豊かにする処遇の実現に取り組んでいます。
採用の強化に向けて、企業ブランド向上と採用領域の拡大を企図しホームページ/採用サイトをリニューアルしました。ロールモデル、仕事内容、福利厚生の紹介など、当社の魅力とさまざまな情報を提供しています。人材育成につきましては、研修施設を拡充して、正社員・フレンド社員の調理・接客の技術向上を図るため教育研修の機会を増やしました。処遇面では、2023年4月に正社員を対象として5%弱のベースアップ、新卒初任給の引き上げを実施して、従業員のロイヤリティ・モチベーションの向上を図っています。
③DX推進戦略
もっと便利に、ご来店いただくことが楽しい店舗運営の実現に向けて取り組んでおります。
お客様の利便性向上、店舗オペレーションの効率化・生産性向上に向けてタッチパネル式オーダーシステムの導入・切り替えを推進、8月末で164店舗に拡充しました。配膳ロボットはロードサイド店を中心に24店舗で導入しており、新店の大型店舗は配膳ロボット導入を視野に入れたレイアウトを採用しています。販売促進面では、ポイントサービスの拡充と各種キャンペーンを随時実施するとともに、コード決済の種類も拡大することで利便性を高めています。
④事業拡大・新商品開発・販路戦略
お客様の多様なニーズにお応えするため、新業態開発・育成、新商品開発、販売チャネルを拡充しています。
新業態開発・育成では7月に「台湾屋台料理 台南」2号店を東京都に出店して業態確立を目指しております。商品面では、6月に季節メニュー「冷麺」を投入したほか、7月より生ビールを割引価格で提供するキャンペーン「生ビール祭」を実施、ご好評のため9月末まで期間を延長しました。
⑤ブランディングの強化
積極的な広報活動や提携先と連携したキャンペーンに取り組み、店舗以外の場所で「日高屋」に接する機会を増やしています。
テレビCM、SNS、動画サイト、ホームページなど、多様なコンテンツを活用して、新商品やお得なキャンペーンなどを継続的に紹介・発信、お客様に楽しい食事を想起していただけるよう活動しております。当社監修の商品として、5月にカップ麺、8月にサンドイッチがそれぞれコンビニエンスストアや量販店で発売され、店舗以外の場所で「日高屋」ブランドを訴求いたしました。
⑥サステナビリティの取組推進
次世代へとつなげて行くために地球にやさしい店作り、地域コミュニティに密着した社会インフラとして地域活性化に貢献するため推進中です。
7月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、賛同企業や金融機関が議論する場であるTCFDコンソーシアムに参画しました。同提言に基づき事業活動に影響を及ぼす気候変動のリスクと機会について、7月に情報開示いたしました。中期的な取り組みとして、2030年度にはCO2の排出量を2018年度よりも30%削減する目標です。今後もESG経営にもとづいた施策を店舗、工場、本社で実施してまいります。
上記施策の推進に加えて、3月に実施した価格改定後もご来店客数が伸長しご利用単価も上昇したこと、創業50周年記念感謝祭の実施、コロナ禍で短縮した営業時間の延長に取り組んだことなどが奏功し、当第2四半期累計期間における売上高は237億96百万円(前年同四半期比35.2%増)となりました。各月の売上高は、それぞれ同月比で過去最高額を記録し、第2四半期累計期間としても過去最高額となりました。
生産、原価面につきましては、小麦粉、豚肉、米等の各種食材購入価格上昇もありましたが、増収効果により原価率は27.8%(前年同四半期は28.2%)になりました。
販売費及び一般管理費は、増収効果によってフレンド社員の増員・時給アップに伴う人件費の増加や水道光熱費などのコスト上昇分を吸収して、対売上高比が62.1%(前年同四半期は72.9%)に低減しました。
この結果、利益面では、営業利益は24億2百万円(前年同四半期営業損失1億95百万円)、経常利益は25億55百万円(前年同四半期比56.1%増)、四半期純利益は17億30百万円(前年同四半期比67.5%増)となりました。
なお、飲食店チェーン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(2)財政状態の分析
当第2四半期会計期間末の総資産は313億46百万円となり、前期末に比べ21億64百万円増加しました。主な要因は、前期末に比べ流動資産の現金及び預金の増加15億71百万円、売掛金の増加2億75百万円等によるものです。
負債合計は70億98百万円となり前期末に比べ8億91百万円増加しました。これは主に未払法人税等の増加6億63百万円、買掛金の増加2億2百万円等によるものです。
純資産合計は、242億47百万円となり前期末に比べ12億73百万円増加しました。これは四半期純利益の計上等によるものです。この結果、自己資本比率は77.4%(前期末78.7%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ7億36百万円増加し119億95百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は26億48百万円(前年同四半期は22億87百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前四半期純利益25億57百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は6億1百万円(前年同四半期は4億90百万円の支出)となりました。これは主に、新規出店や改装等に伴う有形固定資産の取得による支出6億24百万円(前年同四半期は5億47百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は4億61百万円(前年同四半期は4億60百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額4億56百万円(前年同四半期4億56百万円)等によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。