【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
業績等の概要
(1)業績当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が継続する中、経済活動の制限が大幅に緩和され回復の傾向が見られました。しかしながら、世界的な物価上昇や金融引き締めを背景とした景気後退リスクは高まっており、依然として景気の先行きは不透明な状況にあります。このような状況の中でも、当社グループは、オンラインを中心とした事業特性を生かしてクリエイターサポート業務等を継続して展開しております。国内の端末別インターネット利用状況を見ると、スマートフォンを保有している世帯の割合は2022年8月で90.1%と初めて9割を超え(総務省2022年「通信利用動向調査」)、スマートフォンの普及や通信インフラの発達に伴い、これまで以上に動画の視聴機会が増えております。一方で、動画コンテンツにおいて長尺の再生数の比率が下降傾向、かつ、収益化が黎明期であるショート動画の再生回数は大きく伸長しており、アドセンス収益は現時点で不透明な状況となっております。そのため、クリエイターとの共創事業であるプロモーションビジネスの拡大やグッズ・EC事業の拡大に注力し、事業基盤の強化に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は23,087,389千円(前年同期比2.1%減少)、営業損失は195,857千円(前連結会計年度は営業利益971,395千円)、経常損失は150,454千円(前連結会計年度は経常利益1,002,707千円)となりました。また、特別損失として投資有価証券評価損等を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は1,053,265千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益448,329千円)となりました。なお、当社グループは動画コンテンツ事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
(インフルエンサーギャラクシー)当連結会計年度におけるインフルエンサーギャラクシーの売上高は、15,014,951千円(前年同期比1.9%減少)となりました。長尺動画の再生回数比率減少の影響により、当連結会計年度におけるアドセンス売上は8,838,446千円(前年同期比16.5%減少)となりました。また、グッズP2Cにおいては、クリエイターブランド数増加等が影響し、売上高は4,139,191千円(前年同期比64.0%増加)となりました。その他においては、新型コロナウイルス感染症によるイベント開催の規制緩和により拡大した一方で、ゲームのリリース延期の影響により売上高は2,037,313千円(前年同期比6.9%減少)となりました。
(コンテキストドリブンマーケティング)広告出稿抑制及びマーケティングにおける案件の多様化を原因として、マーケティング事業が苦戦したことにより、当連結会計年度におけるコンテキストドリブンマーケティングの売上高は、8,072,437千円(前年同期比2.6%減少)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ504,228千円増加し、4,231,874千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とその要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動により支出した資金は、643,259千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失707,261千円の計上、契約負債の減少304,625千円があった一方で、投資有価証券評価損益519,719千円等の調整による増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動により支出した資金は、116,599千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出152,233千円、投資有価証券の取得による支出43,283千円、関係会社株式の取得による支出44,100千円があった一方で、投資有価証券の償還による収入134,186千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、1,283,827千円となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,500,000千円があった一方で、長期借入金の返済による支出376,701千円等があったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
(2)受注実績当社グループの一部の事業で受注販売を行っておりますが、受注高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため記載を省略しております。
(3)販売実績当連結会計年度の販売実績を主要サービスごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの名称
当連結会計年度(自
2022年6月1日至
2023年5月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
インフルエンサーギャラクシー
15,014,951
98.1
アドセンス
(8,838,446)
83.5
グッズP2C
(4,139,191)
164.0
その他
(2,037,313)
93.1
コンテキストドリブンマーケティング
8,072,437
97.4
合計
23,087,389
97.9
(注) 1.当社グループは動画コンテンツ事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度(自
2021年6月1日至
2022年5月31日)
当連結会計年度(自
2022年6月1日至
2023年5月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
Google LLC
10,840,076
46.0
8,788,645
38.1
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 財政状態の分析(資産)当連結会計年度末における資産は、10,438,815千円となり、前連結会計年度末に比べ265,580千円減少いたしました。流動資産は8,283,847千円となり、前連結会計年度末に比べ547,331千円増加いたしました。この主な内訳は、現金及び預金が504,228千円、売掛金が177,824千円増加し、仕掛品が155,826千円、未収消費税等が147,369千円減少したことによるものであります。固定資産は2,154,968千円となり、前連結会計年度末に比べ812,912千円減少いたしました。この主な内訳は、投資その他の資産が567,038千円、無形固定資産が192,806千円減少したことによるものであります。
(負債)当連結会計年度末における負債は、7,113,207千円となり、前連結会計年度末に比べ820,814千円増加いたしました。この主な内訳は、短期借入金が1,500,000千円増加し、契約負債が316,991千円、未払法人税等が202,999千円減少したことによるものであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産は、3,325,607千円となり、前連結会計年度末に比べ1,086,395千円減少いたしました。この主な内訳は、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ10,094千円増加し、親会社株主に帰属する当期純損失1,053,265千円を計上したことによるものであります。
(3) 経営成績の分析
①売上高当連結会計年度の売上高は、23,087,389千円(前年同期比2.1%減少)となりました。動画コンテンツにおいて長尺の再生数比率が下降傾向、一方で収益化が黎明期であるショート動画の再生回数は大きく伸長しているものの、アドセンス収益としては現時点で不安定であること等を受けて、アドセンス売上が減少しました。また、広告出稿抑制及びマーケティングにおける案件の多様化を原因として、マーケティング事業が苦戦したことにより、減収となりました。
②売上原価、販売費及び一般管理費、営業損益当連結会計年度の売上原価は16,540,611千円(前年同期比0.5%増)となりました。これはアドセンスやマーケティングの売上減少に伴いクリエイターへの支払いが減少した一方で、P2Cブランドの棚卸評価損を計上したためです。また、販売費及び一般管理費は6,742,634千円(前年同期比9.6%増)となりました。クリエイターブランドやゲームの拡大に伴い広告宣伝費が増加したこと、租税公課の追加計上を行ったことなどによるものです。この結果、営業損失は195,857千円(前連結会計年度は営業利益971,395千円)となりました。
③経常損益当連結会計年度の営業外収益は83,318千円となりました。また、営業外費用は37,916千円となりました。この結果、経常損失は150,454千円(前連結会計年度は経常利益1,002,707千円)となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益税金等調整前当期純損失は707,261千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益737,576千円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は1,053,265千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益448,329千円)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。M&Aや設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。短期資金需要については、営業活動により得られたキャッシュ・フローを基本としております。 当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、上記「業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループは、「第2 事業の状況 『3 事業等のリスク』」に記載のとおり、市場の成長、競合他社、人材の確保・育成、法的規制など様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。短期的には、新規事業立ち上げに伴う優秀な人材の採用、新規事業立ち上げ費用等が先行して発生しますが、共創クリエイターの拡大とクリエイターとの共創事業を迅速に立ち上げることにより、現在のリーディングポジションを一層強固にし、更なる成長につなげたいと考えております。
(6) 経営戦略の現状と見通し今後の見通しに関しましては、国内外含めた当社グループの業績を取り巻く環境は、インフレーションの長期化や金融引き締めの影響により先行き不透明な状況になっております。一方で、新型コロナウイルスを契機に消費者のインターネット上での活動機会は増加し、様々なジャンルの著名人がインターネット上で発信する機会も増加しておりますが、今後もこの傾向は続くと考えております。 このような経済環境の中、今後の当社グループにつきましては、時代の変化を好機ととらえ、多様な個人やクリエイターのニーズに応えられるような体制づくり、クリエイターとの共創事業の立ち上げに注力してまいります。
#C3990JP #UUUM #情報通信業セクター