【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症予防に関する行動制限が解除され、2023年5月より感染症法上の分類が2類から5類へ移行したことなどに伴い、経済活動に緩やかな持ち直しの動きがみられました。しかしながら、不安定な国際情勢の中、原材料価格やエネルギー価格の高騰、物価の上昇など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。当社が属するリユース業界においては、SDGs推進の動きとそれに伴うリユースへの意識の向上、物価上昇の影響を受けてリユース品の需要が増加していることなどを背景に、堅調に市場全体が拡大しております。このような経営環境のもと、当第2四半期連結累計期間の売上高は、新品・中古トレーディングカード(以下「トレカ」という。)の売上が近年のトレカ市場拡大の影響により好調に推移したことや、新品ゲームについては、人気タイトルの新作発売の影響などにより売上が伸長し、前年同期を上回る結果となりました。以上の結果により、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高169億4千1百万円(前年同期比25.1%増)、営業利益9億4千2百万円(前年同期比9.3%増)、経常利益10億3千4百万円(前年同期比15.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億1千万円(前年同期比6.7%増)となりました。
(事業の概況)当社グループは、グループ経営理念「満足を創る」に基づき、「リユースで地域と世界をつなぐ」をグループビジョンとして掲げ、様々な施策に着手しております。グループビジョン実現に向けて、2023年4月14日に公表した「2023年度テイツーグループ成長戦略」の方針に基づき、「リユースを拡大する、EC領域に注力する、経営基盤を強化する」の3点を経営方針とし、以下のような取り組みを実行しました。
①リユース店舗領域新規出店につきましては、当第2四半期連結会計期間において「ふるいち」店舗を1店舗オープンいたしました(7月イオンモール船橋店)。これにより、当期累計では6店舗の出店となりました。また、関連会社の株式会社トップブックスを通じたフランチャイズ店舗(以下、「FC店舗」という。)につきましては、「ふるいちトップブックス」の屋号にて、当第2四半期連結会計期間において2店舗オープンいたしました(6月中野店・7月滑川店)。これにより、当期累計ではFC店舗は9店舗の出店となりました。その他、当社が進めている商材多様化に対して、業務提携先の株式会社買取王国より継続的にノウハウの提供を受けており、支援を受けている店舗にて成果を得られつつあります。今後も新規出店を通じて、戦略的な多店舗展開の検討及び小型店舗のバリエーション開発に加えて、業務提携先との契約に基づいた継続的な支援を基に、引き続き取扱商材を多様化する取り組みを推進します。
②リユースEC領域2022年9月にリリースした自社ECサイト「ふるいちオンライン」につきまして、2023年4月より、従来の取り扱い商品であった新品ゲーム、中古ゲーム、中古トレカに加え、新たにコミック全巻セットとホビー関連商品の取り扱いを開始いたしました。これにより、より多くのお客様のニーズにお応えできるECサイトとなりました。「ふるいちオンライン」の単月黒字化の達成を目指し、サイトの操作性の改善及び広告効果を高めるための機能搭載、宅配買取機能の追加実装に向けた検討を進め、さらなる収益力向上を図ってまいります。また、子会社の株式会社山徳においても成長を継続しており、グループの業績に大きく寄与しております。山徳は当社のEC戦略上重要な位置を占めており、業務効率化に向けた拠点の再編などの検討を進めております。
③リユースBtoB領域独自のトレカ査定システム「TAYS(テイズ)」につきまして、2022年2月の外販提供開始以降、順調に拡販を進めており、TAYSで使用しておりますスキャナの製造元である株式会社PFUより、販売額伸長率上位で特別賞を受賞いたしました。また、トレーディングカード在庫検索機「T-Search(ティーサーチ)」(仮称)を直営店舗にて運用確立後、TAYS同様にBtoB領域での商材として外販にも取り組んでいく予定です。さらに、株式会社アドインテと共同開発した大型デジタルサイネージを搭載した高機能トレカ自販機「AIICOⅡ(アイコツー)」の開発を進め、実験機として一号機を直営店舗に設置いたしました。営業店舗にて検証を重ね、ハード面及びソフト面の問題点を解決したうえで、本格的な調達を進めてまいります。本機種は直営店舗以外への設置を基本として、TAYSに続くリユースBtoB領域の主要な商材として拡販を進める方針で、組織と人員配置の整備も進めてまいります。
④その他の主要な取組事項小売店舗での課題である、窃盗(万引き)に対する防犯活動負担の軽減のため、業務提携先の株式会社システム・ケイと、当社店舗を用いた新たな防犯カメラシステムのための実証実験を進めております。実証実験のための防犯カメラの設置が2023年3月に完了し、実用に耐えうる状態になった段階で直営店舗にも順次導入する予定です。その他、グループビジョン「リユースで地域と世界をつなぐ」実現に向けた取り組みの一環として、「地方創生」をテーマにしたCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)活動を推進し、地域の魅力の発信や町への集客を実現するために必要とされる「場」(店舗・マンガ館、仮想空間など)の創造を探求しております。また、2023年4月付で公表した「テイツーグループSDGs宣言」に基づき、2023年8月にコーポレートサイトを更新し、今後の当社グループの環境問題や社会問題に関する様々な課題の解決への取組方針を具体的な取組事例を用いて明示いたしました。本業であるリユース事業を成長させることを通じた「循環型社会実現への貢献」及び、エンターテインメントコンテンツを通じた地域活性化・地方創生への働きかけによる「地域社会・経済への貢献」をテーマとして、持続可能な社会の実現へ向けて、社会貢献を果たしてまいります。
(2) 財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の総資産は120億6千4百万円となり、前連結会計年度末と比較して11億2千3百万円増加いたしました。これは主に商品の増加及び有形固定資産の増加によるものです。負債合計は59億7千5百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億3千5百万円増加いたしました。これは、長期借入金を減少させた一方で短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金を増加させたことによるものです。純資産は60億8千8百万円となり、前連結会計年度末と比べて4億8千8百万円増加いたしました。これは主に四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したためです。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、20億7千3百万円となりました。当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの原因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、減少した資金は6億7千万円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益10億3千3百万円を計上した一方で、棚卸資産の増加額11億1千8百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、減少した資金は2億6千万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億8千4百万円、無形固定資産の取得による支出4千1百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、増加した資金は6億2千5百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増額10億円、長期借入金の返済による支出2億2百万円、配当金の支払額1億9千1百万円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。