【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、第1四半期連結会計期間の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。詳細については、「第4 経理の状況1 四半期連結財務諸表注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。また、文中の前年同期比較については、当該会計基準等の適用前の前第3四半期連結累計期間の数値を用いて比較しております。
(1) 経営成績の分析当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、各種感染症対策や新生活様式の定着及び行動制限の緩和により、経済活動は緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方、ウクライナ情勢や円安による資源価格の高騰及び諸物価全般の上昇に加え、新型コロナウイルス感染症第8波の感染拡大が懸念される等、経済環境は依然として予断を許さない状況が続いております。このような経営環境の中で、全体の売上高については、新品・中古トレーディングカード(以下「トレカ」という。)の売上高が近年のトレカ市場拡大の影響により好調に推移したことや、新品ゲームについては人気タイトルの新作発売の影響等により売上が伸長し、前年同期を上回る結果となりました。加えて、当第3四半期連結会計期間までの新規出店店舗においても、売上が計画水準を超えて好調に推移いたしました。以上の結果により、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高217億5百万円(前年同期比14.5%増)、営業利益12億5千5百万円(前年同期比46.4%増)、経常利益13億2百万円(前年同期比46.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8億3千4百万円(前年同期比35.1%増)となりました。
なお、収益認識会計基準を適用したため、従来の方法に比べて、当第3四半期連結累計期間の売上高が4億8千8百万円減少しております。これによる営業利益、経常利益及び税金等調整前四半期純利益に与える影響はありません。また、利益剰余金の当期首残高に与える影響はありません。
(事業の概況)当社グループは、グループ経営理念「満足を創る」に基づき、2021年3月に長期的な当社グループの方向性を示すグループビジョンである「リユースで地域と世界をつなぐ」を策定し、様々な施策に着手しております。グループビジョン実現に向けて、2022年4月14日に公表した「2022年度テイツーグループ成長戦略」の方針に基づき、「リユースを拡大する、EC領域に注力する、経営基盤を強化する」の3点を経営方針とし、以下のような取り組みを実行しました。
①リユース店舗領域(テイツー)2022年4月に株式会社買取王国(本社:名古屋市港区川西通五丁目12番地、代表取締役会長:長谷川和夫、以下「買取王国」という。)と業務提携基本契約を締結いたしました。本業務提携は、リユース業界の競争が激しさを増す中で、経営理念を踏まえリユース事業を通じて循環型社会の実現を目指し、両社のより一層の企業価値向上を図ることを目的としており、「買取王国でのトレカ取扱強化の支援」と「当社グループにおける商材多様化での人材交流」等、両社それぞれの特徴や強みを活かした提携関係の構築を進めております。新規出店につきましては、テイツーグループ成長戦略に沿って、当第3四半期連結会計期間において「ふるいち」店舗を6店舗オープンいたしました。9月イオンタウン伊勢ララパーク店(旧ブック・スクウェアララパーク店リニューアル)、10月イオンモール白山店・イオンモール高の原店・イオンモール高岡店、11月イオンモール日の出店・ららぽーと名古屋みなとアクルス店を出店し、当期累計では9店舗の出店となりました。「ふるいち」屋号を冠した小型店舗の新規出店は、イオンモールを中心として当期中に直営店累計11店舗を予定しております。また、関連会社の株式会社トップブックスを通じたフランチャイズ店舗(以下、「FC店舗」という。)も新規出店及び計画・検討が進んでおります。FC店舗につきましては、「ふるいちトップブックス」の屋号にて、当第3四半期連結会計期間において7店舗をオープンしました。(9月龍ケ崎店・新発田店・佐久平店・MORIOKA店、10月川島インター店・ひたちなか店、11月長岡古正寺店)FC店舗は、当期累計では13店舗の出店となりました。今後も新規出店を通じて戦略的な多店舗展開の検討や小型店舗のバリエーション開発を進めてまいります。
②リユースEC領域(山徳)当社の自社ECサイト「ふるいちオンライン」を2022年9月6日にリリースいたしました。本件のリリースにあたっては、子会社の山徳社のノウハウを総合的に反映した開発を進め、各種買取強化施策による商品在庫の積み増し及び市場テストを経た後、2022年11月1日よりグランドオープンし本格的な集客を開始いたしました。稼働開始段階として、中古トレカ・中古ゲーム・新品ゲームの各商材の販売からスタートしており、今後は段階的に取扱商材の拡大及び機能拡張を実施し、ECサイトとしての認知を向上させてまいります。また、堅調に業績推移している山徳社においても、拠点追加投資及び人材採用を進め、査定完了までの時間短縮、事業規模拡大に伴う取扱商品の物量増への対応及び新規商材導入・拡大等一層の業務改善を推し進め、顧客満足の向上に努めて、さらなる収益力向上を図ってまいります。より多くのお客様にご満足いただけるよう、リアル店舗とECサイトを一体的に運営することでEC領域を強化してまいります。
③リユースBtoB領域(テイツー)AI機能を搭載した自社開発のトレカ読取査定機「TAYS(テイズ)」の外販が順調に進行中です。リユース業界のクラウドPOSとして高いシェアを占める株式会社NOVASTOの「ReCORE(リコア)」との連携による機能強化等により、買取王国店舗をはじめ、総合リユース店舗からの引き合いを多数いただき導入に至っております。導入店舗よりTAYSに関するユーザー目線での改良点のフィードバックを密接に得ることで機能向上につなげ、更に強力に事業育成をしていく方針です。
その他、グループビジョン「リユースで地域と世界をつなぐ」実現に向けた取り組みの一環として、「地方創生」をテーマにしたCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)活動を推進し、地域の魅力の発信や町への集客を実現するために必要とされる「場」(店舗・マンガ館、仮想空間など)の創造を探求しております。これら地域の再生活動には、子どもの未来を応援することをテーマにした様々なコンテンツも融合させ、既存事業の活動にも活かすことでグループビジョンの実現を果たしてまいります。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の総資産は120億4千3百万円となり、前連結会計年度末と比較して26億7千8百万円増加いたしました。これは主に商品の増加と有形固定資産及び無形固定資産の増加によるものです。負債合計は66億2千2百万円となり、前連結会計年度末と比較して21億4千8百万円増加いたしました。これは、1年内返済予定の長期借入金を減少させた一方で短期借入金及び長期借入金を増加させたことと、未払法人税等の増加によるものです。純資産は54億2千1百万円となり、前連結会計年度末と比べて5億2千9百万円増加いたしました。これは主に自己株式の取得により株主資本が減少した一方で親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したためです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。