【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における世界経済及びわが国経済は、中国などを除いて経済活動の正常化が進んだ一方、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、世界的なインフレとなりました。また、これを受けて多くの中央銀行が政策金利の引き上げを進め、為替相場が急激に変動し大幅な円安となりました。さらに中国ではコロナ政策に伴う混乱が見られるなど、先行きの不透明感が強まりました。
このような状況のなか当社グループでは、ウェブ会議やプロモーション動画の活用などの新しい様式での活動は継続しつつ、感染防止策を講じた上で、展示会の開催や日本から海外への出張などリアルベースの活動も段階的に再開いたしました。
これらの結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間における業績は、野菜種子の販売が安定して推移したことに加え、為替相場が大幅な円安になったことから、売上高は379億94百万円(前年同期比52億89百万円、16.2%増)となりました。売上総利益率は、棚卸未実現利益の調整額が第1四半期よりは減少したものの、前年同期比では依然として高水準にあることなどから、前年同期比低下いたしました。また、販売費及び一般管理費も、人件費や旅費交通費などを中心に増加したことから、営業利益は55億50百万円(前年同期比1億37百万円、2.4%減)となりました。経常利益は、主に為替差益の大幅な増加を受けて、65億7百万円(前年同期比3億44百万円、5.6%増)となりました。以上より、親会社株主に帰属する四半期純利益は、42億78百万円(前年同期比1億48百万円、3.6%増)となりました。
なお、為替レートが想定(1ドル133円、1ユーロ140円)よりも円安になったことなどから、2022年7月に公表しました業績予想に対し、売上高は3億94百万円(1.1%)、営業利益は1億50百万円(2.8%)、経常利益は7億7百万円(12.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億78百万円(7.0%)、それぞれ上回りました。
当第2四半期連結累計期間の海外連結子会社等の財務諸表項目の主な為替換算レートは、次のとおりです。為替レートの変動による影響は、売上高に対してはプラス45億58百万円でした。 なお、海外連結子会社等の決算日が連結決算日と異なるため、財務諸表項目を各四半期決算日末(3、6、9、12月末)の直物為替レートで換算し、その都度洗替を行っております。
第1四半期連結累計期間
当第2四半期連結累計期間
米ドル
136.69円(110.61円)
144.81円(111.95円)
ユーロ
142.65円(131.63円)
142.32円(129.90円)
注:( )内は前年同期の換算レート
セグメント別の経営成績の概要は次のとおりです。
①国内卸売事業
国内卸売事業は、品薄懸念からの前倒し需要などにより資材は増加いたしましたが、青果市況の低迷や肥料価格高騰などにより作付面積が全般的に減少傾向にあることなどから野菜種子は減少、また、巣ごもり需要の落ち着きなどから花種子と苗木も減少した結果、前年同期比減収となりました。
品目別では、野菜種子は、トマト、レタスなどが主要産地への導入拡大により増加しましたが、ホウレンソウ、ニンジン、ネギなどが減少しました。花種子は、ストックなどが増加しましたが、パンジーやケイトウなどが減少しました。
これらの結果、売上高は61億6百万円(前年同期比1億62百万円、2.6%減)、営業利益は25億63百万円(前年同期比6百万円、0.3%減)となりました。
②海外卸売事業
海外卸売事業は、為替レートが全般的に円安になったことから、前年同期比、大幅な増収となりました。
野菜種子は、欧州・中近東では、外貨規制の影響からエジプト向け出荷を一時見合わせたことなどから現地通貨ベースでは減収となりました。一方で、北中米、南米、アジアでは引き続き販売が好調に推移し、増収となりました。品目別では、北中米のペッパー、トマト、南米のカボチャ、レタス、ペッパー、アジアのネギなどが、好調に推移しました。
花種子は、前年度売上が大幅に増加したヒマワリについて当期は安定供給を見据えた出荷調整を実施したことや、エネルギー価格高騰により欧州・中近東で施設栽培用のトルコギキョウの需要が減少した影響などもあり、南米を除き、現地通貨ベースで前年同期比減収となりました。なお、トルコギキョウは欧州・中近東以外の北中米、南米、アジアでは増加しているほか、北中米のカンパニュラ、アジアのプリムラやマリーゴールドなどが、好調に推移しました。
これらの結果、売上高は279億78百万円(前年同期比50億90百万円、22.2%増)、営業利益は81億12百万円(前年同期比71百万円、0.9%増)となりました。
③小売事業
小売事業は、直営店のガーデンセンター横浜では、巣ごもり需要の落ち着きなどから来店者数が減少し、減収となりました。通信販売分野では、同じく巣ごもり需要の落ち着きと、絵袋商品の一部販売中止の影響もあり、微減となりました。量販店向けのホームガーデン分野では、一部帳合替えなどもあって資材の売上が増加したほか、野菜種子・花種子も好調に推移し、前年同期比増収となりました。
これらの結果、売上高は22億22百万円(前年同期比2億34百万円、11.8%増)となりました。営業損益は25百万円悪化し、57百万円の損失(前年同期は31百万円の営業損失)となりました。
④その他事業
造園緑花分野は、新型コロナウイルス感染症の影響継続に加え、資材や燃料費などの原価上昇などによる厳しい状況下にありましたが、民間及び公共工事の安定した受注や、緑花関係の育成維持管理業務を着実に実施することができたことなどから、前年同期比増収となりました。
これらの結果、売上高は16億87百万円(前年同期比1億27百万円、8.2%増)、営業利益は67百万円(前年同期比9百万円、15.9%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
①資産の部
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ110億41百万円増加し、1,584億64百万円となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産が27億91百万円減少した一方で、現金及び預金が34億85百万円、商品及び製品が43億96百万円増加したことなどによるものです。
②負債の部
負債合計は、前連結会計年度末に比べ13億72百万円増加し、233億28百万円となりました。これは、未払法人税等が5億69百万円減少した一方で、繰延税金負債が5億64百万円、支払手形及び買掛金が6億40百万円増加したことなどによるものです。
③純資産の部
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ96億68百万円増加し、1,351億35百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどから株主資本が29億40百万円、為替換算調整勘定の増加等によりその他の包括利益累計額が66億79百万円増加したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14億98百万円増加し、232億46百万円(前第2四半期連結会計期間末に比べ63億23百万円増加)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によって得られた資金は69億69百万円(前年同期は得られた資金76億46百万円)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益64億99百万円に対し、非資金損益項目等を加減した営業取引による収入96億23百万円、利息及び配当金の受取額4億81百万円であり、支出の主な内訳は法人税等の支払額31億68百万円などであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によって使用した資金は49億50百万円(前年同期は使用した資金27億80百万円)となりました。収入の主な内訳は、定期預金の払戻による収入3億87百万円、有形固定資産の売却による収入3億39百万円であり、支出の主な内訳は、定期預金の預入による支出22億46百万円、有形固定資産の取得による支出27億56百万円などであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によって使用した資金は17億96百万円(前年同期は使用した資金25億33百万円)となりました。支出の主な内訳は、短期借入金の純減による減少1億45百万円、配当金の支払額11億98百万円などであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、47億71百万円であります。なお、研究開発費については、セグメント別に関連付けることが困難であるため、その総額を記載しております。また、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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