【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績等の状況当事業年度(2022年3月1日~2023年2月28日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、人流は回復傾向に進むものの、急激な為替変動や不安定な国際情勢に伴う原材料価格、エネルギー高騰など、先行き不透明な状況が続いております。当社が属するカジュアルウェア業界におきましては、外出機会が増加し、消費動向は上向き傾向にありますが、食料品や光熱費の急激な上昇による節約志向の高まりから、消費マインドの低下が懸念され、厳しい経営環境が続いております。かかる状況におきまして、当社は、「暮らしに役立つ商品と企業活動を通じて地域社会に貢献します。」という企業理念のもと、お客様の生活やニーズの変化に対応するライフスタイルの提案を行ってまいりました。商品面では、プライベートブランド「NAVY」を中心に着心地や機能性など、お客様からのご要望の声を集め商品に反映させた高機能アウター「オールウェザージャケット」、抗菌防臭、静電気抑制、ストレッチなどの機能性を兼ね備えたニットや、あったか素材を使用したボトムス、トレーナーやパーカを取り揃えた「温℃」シリーズなど、冬のお役立ちアイテムを主力商品として販売いたしました。また、親会社である株式会社チヨダと協業し、お客様より高い支持を得ているチヨダプライベートブランド「fuwaraku」のスニーカーパンプスと仕事着でも重宝する優しいフィット感で美脚効果抜群のブラックストレッチパンツに抗菌防臭加工を施した「Rich Black」シリーズのコーディネート提案で、働く女性を応援するコラボ企画を推進し、プライベートブランドの機能性とお求めやすい価格を訴求し、他社との差別化を図りました。営業面では、デジタルツールを活用した動画配信で商品知識、コンセプトを共有し、全スタッフの接客応対力向上に加え、プライベートブランドを中心とした重点販売商品の提案力向上に努めました。またアンケート機能を使った双方向コミュニケーションから「暮らしに役立つ」商品開発へのフィードバックを行いました。販促面においては、ファッション雑誌とプライベートブランド「NAVY」とのコラボ企画における、タレントを起用した商品プロモーションをデジタルから店頭販促まで幅広く展開し、ブランド付加価値の向上に努めました。これらの結果、既存店売上高は、前年同期比4.2%増、既存店客数は0.0%減、既存店客単価は4.2%増となりました。また、当事業年度末の店舗数は、20店舗の出店、25店舗の閉鎖により、320店舗(前年同期比5店舗減)となりました。利益面につきましては、売上総利益は前年同期比101.7%となりました。経費面におきましては、一般管理費の抑制により、販売費及び一般管理費は前年同期比97.9%となりました。これらの結果、当事業年度における売上高は18,443百万円(前年同期比1.6%増)となりました。また、営業損失は726百万円(前年同期は営業損失1,078百万円)、経常損失は617百万円(前年同期は経常損失887百万円)、当期純損失は1,056百万円(前年同期は当期純損失1,309百万円)となりました。
② 財政状態の状況(資産)流動資産は、前事業年度末に比べ812百万円減少し、7,668百万円となりました。これは主に現金及び預金が1,374百万円減少し、商品が500百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は、前事業年度末に比べ384百万円減少し、3,086百万円となりました。これは主に敷金及び保証金が165百万円、建物附属設備(純額)が137百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(負債)流動負債は、前事業年度末に比べ43百万円減少し、4,436百万円となりました。これは主にファクタリング債務が97百万円、未払法人税等が57百万円それぞれ減少し、電子記録債務が103百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前事業年度末に比べ93百万円減少し、2,460百万円となりました。これは主に資産除去債務が75百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)当事業年度における純資産合計は、前事業年度末に比べ1,059百万円減少し、純資産は3,858百万円となりました。これは主に当期純損失1,056百万円を計上したこと等によるものであります。また、総資産に占める自己資本比率は35.9%となり前事業年度末に比べ5.2ポイント減となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,374百万円減少し、2,709百万円となりました。また、当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果支出した資金は、1,254百万円(前年同期比503百万円支出増加)となりました。 これは主に、税引前当期純損失を924百万円計上するとともに、棚卸資産の増加による支出500百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、108百万円(前年同期比20百万円支出減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出107百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は、11百万円(前年同期比64百万円支出減少)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出等によるものであります。
④ 販売及び仕入の状況
(a) 商品部門別売上高当事業年度の商品部門別売上高を商品部門別に示すと、次のとおりであります。
商品部門
第33期(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
売上高(百万円)
前年同期比(%)
メンズトップス
6,066
102.9
メンズボトムス
3,395
99.6
レディーストップス
3,238
105.1
レディースボトムス
1,754
96.0
キッズ
1,982
94.1
その他
2,005
109.0
合計
18,443
101.6
(注) 「その他」はインナー・レッグ、雑貨、コスメ、食品等であります。
(b) 地区別売上実績当事業年度の地区別売上実績を地区別に示すと、次のとおりであります。
地区別
第33期(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
売上高(百万円)
構成比(%)
期末店舗数(店)
前年同期比(%)
店舗増減数(店)
北海道
963
5.2
16
103.7
△2
東北
2,168
11.7
40
102.0
△1
関東
4,069
22.1
72
98.5
△1
中部
3,412
18.5
54
105.5
2
近畿
2,928
15.9
55
101.6
-
中国
1,177
6.4
18
98.1
△1
四国
662
3.6
13
105.1
-
九州
3,061
16.6
52
101.3
△2
合計
18,443
100.0
320
101.6
△5
(c) 単位当たりの売上高
項目
第33期(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
前年同期比(%)
売上高
18,443百万円
101.6
売り場面積(期中平均)
162,797.0㎡
98.5
1㎡当たり売上高
113千円
103.1
従業員数(期中平均)
1,050人
96.5
1人当たり売上高
17,565千円
105.3
(注)
1
売り場面積は、倉庫及び事務所を除いた面積であります。2 従業員数は、社員、地域限定社員、パートタイマー及びアルバイトが含まれております。なお、地域限定社員、パートタイマー及びアルバイト(1人1日8時間換算)は、期中平均在籍人員を加算しております。
(d) 主要顧客別売上状況
主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。
(e) 仕入実績当事業年度の仕入実績を商品部門別に示すと、次のとおりであります。
商品部門
第33期(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
仕入高(百万円)
前年同期比(%)
メンズトップス
3,288
106.2
メンズボトムス
1,733
97.5
レディーストップス
1,734
106.6
レディースボトムス
916
97.8
キッズ
1,232
106.9
その他
1,187
136.1
合計
10,093
106.7
(注) 「その他」はインナー・レッグ、雑貨、コスメ、食品等であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2023年2月28日)現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(a)売上高通期における売上高は、前期に比べ288百万円増加し、18,443百万円となりました。新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、人流は回復傾向にありますが、客数は既存店前年比100%となりました。客単価は、既存店前年比4.2%増となり、通期既存店売上前年比は104.2%となりました。当社では、お客様の声を積極的に商品企画に取り入れた機能性商品の品揃えを強化し、デジタルツールを活用し接客応対力を向上させ、商品価値を高める取り組みを進めております。(b)売上総利益売上総利益は、前期に比べ150百万円増加し、8,849百万円となりました。急激な為替変動や原材料費・エネルギー価格の高騰により仕入原価は上昇しましたが、売上総利益率は0.1ポイント上昇し、48.0%となりました。(c)販売費及び一般管理費一般管理費の抑制及び店舗数の減少により、前期に比べ201百万円減少し、9,575百万円となりました。(d)営業損益営業損失は、販売費及び一般管理費の減少により、726百万円となり前期比352百万円損失が縮小しました。(e)営業外損益営業外収益は、前期比105百万円減少の349百万円、営業外費用は前期比21百万円減少の240百万円となりました。(f)経常損益経常損失は、営業損失の減少により、617百万円となり前期比269百万円損失が縮小しました。(g)特別損益特別利益は、店舗閉鎖損失引当金戻入額7百万円計上、特別損失は、収益性が悪化していると認識した店舗について222百万円、共用資産について55百万円の減損損失を計上し、店舗閉鎖損失19百万円等を計上したことから、314百万円となりました。(h)当期純損失税引前当期純損失924百万円、法人税、住民税及び事業税137百万円、法人税等調整額△5百万円により、当期純損失は1,056百万円となり前期比253百万円損失が縮小しました。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。運転資金及び投資資金については、自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)によって賄う予定であります。資金の流動性については、事業活動を行う上での資金需要に対して十分に確保しておりますが、今後、新型コロナウイルス感染症が当社資金に与える影響によっては、何らかの資金調達も検討します。なお、当事業年度末における有利子負債は無く、現金及び現金同等物残高は前年同期比1,374百万円減少し2,709百万円となっております。
④
経営成績に重要な影響を与える要因についての分析経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。