【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当第3四半期累計期間(2022年3月1日~2022年11月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、行動制限の緩和等により社会・経済活動の正常化への動きがみられた一方、原材料・エネルギー価格の高騰や急激な円安の進行など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社が経営基盤とする九州におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は継続しているものの、10月からは政府による観光支援策や地域経済の活性化を目的としたプレミアム付き商品券の発行等の効果もあり、個人消費の持ち直しをはじめ景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような環境のもと、当社は「九州でNo.1の信頼される企業」の実現に向け、中期経営計画に掲げた「食の強化」「非食品分野の専門化」「DX推進」「環境・地域社会への貢献」の取り組みを推進しております。
当第3四半期累計期間におきましては、ウィズコロナの下で行動制限の緩和や社会行事の再開等、お客さまの消費行動の変化に対応した商品やサービスの提供に努めるとともに、今後の成長に向けた新規出店や既存店の活性化、DXへの投資を推進いたしました。売上面では、様々な商品の値上げが相次ぐなか、お客さまのくらしを守ることを最優先に考え、引き続き企業努力により食品や日用品等の価格維持に努めたこと、「簡便・即食」ニーズに対応した総菜や冷凍食品の品揃えを拡充したこと等により食品部門の売上が好調に推移しました。また、新規出店、既存店の活性化においては、9月にリニューアルオープンした「イオン福岡店(福岡県糟屋郡粕屋町)」内に、新しい雑貨ショップ「Smilefull_days(スマイルフルデイズ)」を展開、11月には「イオン糸島ショッピングセンター(福岡県糸島市)」敷地内に新業態「GREEN PICNIC(グリーンピクニック)」をオープンする等、新たな取り組みを推進しました。経費面では、高騰する電気代の影響を抑えるべく、電力使用量の削減、各種DX施策(レジのスマート化・販促施策のデジタルシフト等)による生産性向上の取り組みを継続したことにより、販売費及び一般管理費は前年同期比99.3%となりました。
この結果、当第3四半期累計期間の業績は、営業収益3,546億64百万円(前年同期3,564億88百万円)、営業利益37億16百万円(前年同期比177.2%)、経常利益42億20百万円(前年同期比177.3%)、四半期純利益31億94百万円(前年同期比234.6%)となりました。なお、当社は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期会計期間の期首から適用しております。当該会計基準等を適用しなかった場合の営業収益は3,661億81百万円(前年同期比102.7%)となります。
また、2022年9月1日付けで、当社とウエルシアホールディングス株式会社(以下、「ウエルシアHD」という。)は、生鮮・総菜を含めたスーパーマーケット運営に関する当社の知見と、調剤薬局の運営を含めたドラッグストア運営に関するウエルシアHDの知見を相互に共有し、両社の事業を発展的に融合し、双方にとって利益となる新業態の開発と運営を行うことを目的として、合弁会社であるイオンウエルシア九州株式会社を設立しております。
当第3四半期累計期間における共通施策としてのDXの取り組み及びセグメント別の主な取り組みは、次のとおりです。なお、以下に記載の前年同期比及び既存店の前年同期比(既存比)は、収益認識会計基準等の適用影響を除いた数値を記載しています。
(GMS…総合スーパー、SM…食品スーパー、DS…ディスカウントストア、HC…ホームセンター)
(DXの取り組み)
九州7県全域(※一部離島を除く。)を配送対象地域として運営しているネットスーパーでは、更なる需要拡大に対応するべく新たに4店舗にて当日配送を開始したほか、受け取り専用ロッカー導入店舗を拡大する等、利便性の向上に努めたことで、ネットスーパーの利用件数は前年同期比105.2%となりました。
当社のECサイト「イオン九州オンライン」では、九州各県に配置した地区商品部における商品発掘を推進し、ご当地の旬の商品の品揃え拡大に注力しました。また、認知度向上と販売チャネル増を目的として、昨年10月に出店した外部ECサイトにおける取り組みを強化したことで、ECサイトにおける売上高は前年同期比119.9%と伸長しました。
昨年リニューアルした「イオン九州公式アプリ」では、お客さまにとって便利で楽しいお買物体験の提供に努め、クーポン企画やお客さま参加型イベント企画等を推進しました。その結果、11月末時点における累計ダウンロード数は91万件を超える規模となり、クーポン利用件数は前年同期比158.3%と大幅に増加したほか、クーポンをご利用いただいたお客さまの客単価は、全体の平均客単価に比べて約1.7倍と高くなっております。
お客さまのレジ待ち時間の短縮、また店舗における生産性の改善に向けてレジのスマート化を推進し、キャッシュレスセルフレジやお支払いセルフレジ等の導入店を累計215店舗に拡大、お客さま自身がスマートフォンで商品のバーコードをスキャンし専用レジで会計する「レジゴー」導入店舗数は累計29店舗となりました。また、店舗特性に合わせて電子棚札の導入を推進し、導入店は累計29店舗となりました。
<SM・DS、GMS>
店舗面では、11月に「マックスバリュエクスプレス竹下通り店(福岡県福岡市博多区)」をオープンする等、SM業態2店舗、GMS業態1店舗を新規出店したほか、既存店の活性化を推進し、SM業態9店舗、DS業態2店舗、GMS業態8店舗をリニューアルし、店舗の魅力度向上に取り組みました。9月にリニューアルオープンしたイオン福岡店では、「ときめくお買い物のできる場所であり続けるために。」をコンセプトに、新しい市場のニーズや多様な価値観に対応するため、当社独自の新たな雑貨ショップ「スマイルフルデイズ」を導入したほか、スポーツ、キッズ関連、化粧品、冷凍食品売場等を刷新・拡大しました。
食品では、九州の生産者、お取引先さまと協力して地産地消・地産域消を推進したほか、「簡便・即食」ニーズに対応した総菜や冷凍食品の品揃え拡充に注力しました。また、物価上昇を背景に高まる日常消費への節約志向に対応するため、お客さまの毎日のくらしを価格で応援する「本気の価格1000品目」「50周年月間おすすめ価格」「トップバリュ」の展開を強化しました。さらにサステナブルな社会の実現に向けて、当社独自施策として「環境特別WAONボーナスポイント」を実施し環境配慮型商品の販売拡大に努めたほか、国連WFP協会が推進する「レッドカップキャンペーン」に賛同し、10月の「世界食料デーキャンペーン2022」に合わせて対象商品の売場を拡大するなど、お買い物を通してできる社会貢献の取り組みを積極的に推進しました。
衣料品・住居余暇商品では、行動制限の緩和や政府による観光支援策等によりトラベル関連商品の売上が伸長したほか、アウトドア、ウォーキングやフィットネス関連商品、ウェルネスフード等が好調に推移しました。また、サステナブル社会の実現に向けた取り組みとして、4月に実施した衣料品回収イベントでお持ちいただいた服や繊維くず等から生み出されたリサイクルポリエステルを使用した商品をお取引先さまと共同開発し、「moz」ブランドとして10月から販売を開始しました。
DS業態店舗では、原材料調達や製造方法などさまざまな工夫をこらし、徹底的に無駄を省いた商品を納得品質・低価格でお届けするオリジナルブランド商品を新たに発売したほか、ローコスト運営の実現に向けて省力化什器の導入等、店舗作業の軽減に取り組みました。
当第3四半期累計期間における売上高は3,204億71百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用影響を除いて算出した場合の前年同期比は102.9%となります。また、当四半期末時点の店舗数は、SM業態155店舗、DS業態32店舗、GMS業態66店舗となりました。
<HC>
店舗面では、11月に「植物の『チカラ』でこころと体を『Genki』にします」をビジョンとして開発した新業態「GREEN PICNIC糸島」をオープンしました。当該店舗では、生産者直送の多肉植物・花苗や観葉植物、雑貨やインテリア用品等、室内外で花や緑を楽しんでいただける品揃えに努めたほか、糸島エリアで人気のスイーツの販売等、「買う」「食べる」「遊ぶ・すごす」「地域とつながる」という4つのテーマで幅広い世代の皆さまに楽しんでいただける多目的ガーデニングプレイスづくりに取り組みました。
2019年のサービス開始から多くのお客さまにご利用いただいているくらしサポートサービス「WIDE(ワイド)便」の実施店舗は、今年度に導入した福岡県内3店舗、山口県内1店舗を含め、25店舗になりました。
当第3四半期累計期間における売上高は139億35百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用影響を除いて算出した場合の前年同期比は103.7%となります。また、当四半期末時点の店舗数は33店舗となりました。
<その他>
サイクル事業では、4月に「イオンバイク八幡東店(福岡県北九州市八幡東区)」を当社GMS店舗内にオープンしました。商品面では、スポーツタイプや電動自転車、当社オリジナルブランド「hygge(ヒュッゲ)」の販売に注力しました。また、9月よりシナネンサイクル株式会社と自転車通販の相互店舗受け取りサービスの実現に向けた取り組みを開始しました。
フランチャイズ(FC)事業では、シュークリーム専門店「ビアードパパの作り立て工房」を4店舗、ドリンク・クレープ専門店「FOOD BOAT Cafe(フードボートカフェ)」を1店舗、「100時間カレー」を1店舗、GMS店舗内に出店しました。また、単独での出店だけではなく隣接して展開することで、店舗の魅力度向上、事業としての生産性改善にも取り組みました。
当第3四半期累計期間における売上高は18億88百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用影響を除いて算出した場合の前年同期比は、前期にワイドマート4店舗を閉鎖した影響等により81.4%となります。当四半期末時点の店舗数は45店舗となりました。
当社は、九州の成長と暮らしの豊かさに貢献するという経営理念のもと、事業活動を通じ、地域貢献、持続可能な社会の実現に向けた活動に取り組んでいます。当第3四半期累計期間における主な取り組みは次のとおりです。
<地域貢献・持続可能な社会の実現に向けた取り組み>
2019年より実施している「フードドライブ(食品の寄付活動)」の取り組みでは、新たに165店舗で取り組みを開始、九州7県で合計182店舗に規模を拡大し、取り組みを推進しています。
SDGs達成に向けた取り組みとして、7月に発足した「九州流通サステナビリティサロン」に参画し、九州の地場流通企業の皆さまとともに課題を共有し、企業横断型で検討をすすめております。また、8月には物流を取り巻く課題を共有し対処することを目的として、その解決策を企業横断型で検討する「九州物流研究会」を発足し、小売業界の物流問題の課題解決と新たな九州物流ネットワークの構築に向けた検討を進めています。
森林再生、生物多様性保全と利活用を含めた、多様な価値を創出する里山を目指し、宮崎県東諸県郡綾町と公益財団法人イオン環境財団が10月に実施した「綾町イオンの森」植樹では、当社が6月の環境月間にあわせて実施した「環境特別WAONボーナスポイント」の取り組みにおける寄付をあわせて、ソメイヨシノやカツラなど1,000本を植樹しました。
長崎県佐世保市とイオン株式会社は、地域のさらなる活性化と市民サービスの向上を図ることを目的として、10月に包括連携協定を締結し、本協定の取り組みの一環として、ご当地WAON「SASEBO WAON」を発行しました。今後、本WAONご利用金額の一部をイオンより佐世保市に寄付し、佐世保市のまちづくりと地域の活性化事業にお役立ていただきます。
人と動物の健康及び環境の健全性を一つの健康と捉え、一体的に守っていくという「One Health(ワンヘルス)」の理念に賛同し、11月に福岡県ワンヘルス宣言推進事業者として登録、承認されました。今後も地域の皆さまと一緒になって環境保全、人と動物の共生社会づくり、人と動物と環境のより良い関係づくりを推進してまいります。
② 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ78億20百万円増加し、1,657億17百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べ63億59百万円増加し、525億80百万円となりました。これは主に商品が29億86百万円、未収入金が19億63百万円増加したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ14億61百万円増加し、1,131億36百万円となりました。これは主に新店及び改装に伴い有形固定資産が15億70百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末に比べ52億57百万円増加し、1,211億10百万円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べ83億96百万円増加し、902億29百万円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が13億2百万円、未払法人税等が10億9百万円減少したものの、買掛金が64億69百万円、営業外電子記録債務が18億30百万円増加したことによるものです。
固定負債は、前事業年度末に比べ31億39百万円減少し、308億81百万円となりました。これは主に長期借入金が27億98百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は、前事業年度末に比べ25億63百万円増加し、446億6百万円となりました。これは主に利益剰余金が25億2百万円増加したことによるものです。
(2)資本の財源及び資金の流動性
当第3四半期会計期間における資金需要は、運転資金(その主なものは商品の仕入、広告宣伝費、人件費及び設備関連費用等)及び資本的支出であり、その資金源泉は営業活動によって得られた資金と借入金により賄いました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
