【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類へ移行したことを背景に、個人消費が堅調に推移するとともにインバウンド需要も増加し、景気は緩やかな回復基調となりました。しかし、円安進行による国内への影響や、世界的な金融引き締め政策の継続、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高止まりなど、経済環境に与える影響が引き続き懸念されます。当社グループ事業に関連のあるインテリア業界において、国内の新設住宅着工戸数は前年同期比7.0%減、非住宅分野では着工床面積が同26.9%減となりました。また、自動車業界において、国内の日系自動車メーカーの生産台数は前年同期比13.2%増となりました。海外においても生産台数は増加し、前年同期を上回りました。
当社グループは、3年目となる中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」の方針の下、各種施策を推進しております。インテリア事業では、水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」など、環境にやさしく、健康に配慮した製品の拡販に努めております。また、空間全体の設計・デザインを行うスペース デザイン ビジネスでは領域の拡大を図っており、グループ連携によるシナジー効果が現れつつあります。SUMINOEブランドの認知向上に取り組むとともに、インテリア事業全体で顧客ニーズに柔軟に応え、競争力を強化いたします。自動車・車両内装事業では、自動車関連は、加飾事業のグローバル展開及び合成皮革などの非繊維商材の技術開発と受注拡大に取り組むとともに、再生ポリエステル繊維「スミトロン」を活用したシート表皮「エコニックス」をはじめとする環境対応型商材の拡販にも注力しております。また原材料価格が高騰するなかで、原材料調達及び生産地の最適化を図り、適切な価格転嫁にも引き続き取り組んでおります。車両関連では、前期に子会社化した関織物株式会社との連携により製品の意匠性や機能性の高度化を進め、鉄道・バス事業者の利用客数増加に伴う需要回復へ迅速に対応できる開発・生産体制を整えております。さらに、鉄道・バス内装材以外への市場拡大や新規分野への展開にも注力しております。機能資材事業では、繊維系暖房商材の生産拠点であった中国からベトナムへの工場再編を完了させ、前期よりベトナム工場が繊維系暖房商材の主生産工場となりました。地域リスクを分散し、より最適な供給体制を目指すことで、不透明な外部環境へ対応してまいります。また、開発部門である技術・生産本部との連携を強化し、製品の開発スピード向上と開発営業力の強化にも取り組み、既存事業での確実な受注と市場ニーズに応じた新たな機能性加工技術の確立、新規機能材の活用などによる製品開発・販売に注力しております。グループ全体では、基幹システムの再構築や連結業績管理の精緻化に取り組んでおり、事業の成長に向けた土台づくりを着実に進めております。前期に財務会計システムの根幹となる債権・債務及び一般会計システムと、生産管理システムを当社へ導入いたしました。今後グループ会社にも展開し、経営管理体制の高度化の実現及び保守運営コスト削減や業務改善による効率化を目指してまいります。2023年に創業140周年を迎え、さらなる企業ブランド価値の向上を目指し、ブランディングに取り組んでおります。前期は、改めてSUMINOE GROUPの強みや社会への提供価値を抽出し、2023年6月1日に「グループ理念」及びこれまでのシーホースマークの伝統を引き継ぎながらブラッシュアップした「グループ統一ロゴ」とタグライン「あらゆる空間に、イノベーションを。」を発表いたしました。SUMINOE GROUP一体となってビジネスを推進するとともに事業を越えたシナジー効果を発揮し、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
当第1四半期連結累計期間における連結業績は、以下のとおりとなりました。
売上高は、日系自動車メーカーの生産台数が国内外ともに増加し、自動車・車両内装事業の売上が伸長したことなどから、前年同期比15.2%増の239億21百万円となりました。利益面では、増収に加え、北中米拠点での事業再編に伴い生産体制の最適化と収益改善が進んだことから、営業利益は4億54百万円(前年同期 営業損失2億76百万円)、経常利益は6億37百万円(同 経常損失65百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億70百万円(同 親会社株主に帰属する四半期純損失4億29百万円)となりました。
セグメントの業績については、次のとおりであります。
セグメント
売上高
セグメント利益
金額(百万円)
前年同期比(%)
金額(百万円)
前年同期比(%)
インテリア事業
8,308
+0.8
49
△53.1
自動車・車両内装事業
14,862
+26.1
859
-
機能資材事業
649
+1.8
45
△21.8
その他
100
+2.6
22
+22.4
小計
23,921
+15.2
976
+337.2
調整額
-
-
△522
-
合計
23,921
+15.2
454
-
(インテリア事業)
業務用カーペットはタイルカーペットを中心に販売数量が増加したほか、スペース デザイン ビジネスも堅調に推移したことから、売上高は前年同期比0.8%増の83億8百万円となりました。セグメント利益は、家庭用カーペットが低迷したことなどから、同53.1%減の49百万円となりました。業務用カーペットでは、株式会社スミノエが販売する水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」が納入物件数、販売数量ともに増加したことから、売上高は前年同期比4.6%増となりました。家庭用カーペットでは、オーダーラグ 「itten(イッテン)」が堅調に推移し、新たな販路としてペット関連商品の開発、販売を開始したものの、巣ごもり需要の反動による市場の停滞は続いており、売上高は同15.1%減となりました。カーテンでは、一般家庭向け「mode S(モードエス)カーテン Vol. 10」及び医療・福祉・教育施設向け「コントラクトFace(フェイス)Vol. 20.1」の売上が伸長し、売上高は同1.1%増となりました。壁装関連では、ルノン株式会社が販売する一部商材の売上が牽引するとともに、襖紙も堅調に推移したことなどから、売上高は同5.2%増となりました。スペース デザイン ビジネスでは、受注物件の増加が奏功し、売上高は同8.4%増となりました。
(自動車・車両内装事業)
日系自動車メーカーの生産台数増加に伴い国内外の自動車関連売上が好調に推移し、車両関連の内装材需要も回復傾向となったことから、自動車・車両内装事業全体の売上高は前年同期比26.1%増の148億62百万円となりました。利益面では、自動車関連の国内外拠点での増収に加え、北中米拠点の事業再編も大きく寄与するとともに、鉄道リニューアル工事も回復基調となり、セグメント利益は8億59百万円(前年同期 セグメント利益42百万円)となりました。自動車関連では、半導体や部品供給不足の解消による生産回復が寄与し、国内の売上高は前年同期比27.6%増となりました。また、中国において日系自動車メーカーの苦戦が影響したものの、北中米での生産台数増加及び為替の押し上げ効果があったほか、東南アジアも自動車販売が堅調となったことから、海外の売上高は同22.7%増となりました。車両関連では、インバウンドを含めた人の動きの活発化が公共交通機関の利用客数増加につながり、鉄道リニューアル工事も回復基調となり、鉄道向けの売上高は前年同期を上回りました。また、バス向け内装材も堅調に推移したことなどから、車両関連全体での売上高は前年同期を上回りました。
(機能資材事業)
主力製品であるホットカーペットなどの繊維系暖房商材の売上は、納入時期の前倒しにより前年同期を上回りました。また、浴室床材が客先の堅調な販売に伴い受注が増加したことなどから、機能資材事業全体の売上高は前年同期比1.8%増の6億49百万円となりました。利益面では、消臭・フィルター関連は、新ジャンルでの商材の立ち上がりがあったものの、コロナ特需の反動減から回復が期待された空気清浄機向け消臭フィルターが振るわず、セグメント利益は同21.8%減の45百万円となりました。
② 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べ24億53百万円増加し、906億4百万円となりました。負債につきましては、借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ10億87百万円増加し、551億25百万円となりました。純資産につきましては、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ13億65百万円増加し、354億78百万円となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、2億55百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。