【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)当連結会計年度末における流動資産は10,833,326千円となり、前連結会計年度末に比べて1,423,563千円増加しました。これは主に、売掛金及び契約資産が1,352,419千円増加、前渡金が1,205,718千円増加した一方で、現金及び預金が1,145,800千円減少したことによるものであります。また、固定資産は3,910,604千円となり、前連結会計年度末に比べて1,647,285千円増加しました。これは主に、のれんが1,049,529千円増加、投資有価証券が597,411千円増加したことによるものであります。
(負債)当連結会計年度末における負債は5,060,337千円となり、前連結会計年度末に比べて2,476,075千円増加しました。これは主に、買掛金が1,506,080千円増加、契約負債(前連結会計年度は前受金)が673,072千円増加したことによるものであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産は9,683,593千円となりました。主な内訳は、資本金3,235,215千円、資本剰余金3,225,941千円、利益剰余金2,472,391千円、その他有価証券評価差額金732,149千円であります。
② 経営成績の状況当連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続いており、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。当社グループを取り巻く日本国内のクラウド市場は急速に成長をしておりますが、その背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大によるテレワークの急速な普及に加え、業務効率化や顧客サービス・顧客サポートの向上、顧客接点の多様化などを目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)やオムニチャネル(注2)化の推進、また、IoT(注3)やAI(注4)などの技術が進化したことによるデータ収集や処理・分析など、様々な分野でクラウド技術やクラウドサービスを活用することが急速に増加していることが要因として挙げられます。世界的には、パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注5)」)が、技術の進化とイノベーションを繰り返しながら、依然高い成長率と圧倒的シェアを維持して順調に市場を拡大していますが、追随するGoogleやMicrosoftとの競争は、それぞれが独自の強みを活かしてクラウドサービスの拡充や改善に力を入れることで多様な選択・オプションが利用可能になり、顧客にとって多くの利益をもたらすとともにクラウドサービスの性能向上やクラウド市場の拡大に大きく寄与しております。このような状況の中、当社グループは、クラウド専業インテグレーターとして、AWSを中心としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化、並びにシェア獲得によるビジネスの拡大に尽力してまいりました。また、2022年6月に株式会社トップゲートを完全子会社化するなど、M&Aを活用した事業拡大も進めております。以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は17,295,718千円(前期比58.4%増)、営業利益は552,008千円(前期比13.6%減)、経常利益は624,153千円(前期比4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は453,580千円(前期比2.5%増)となりました。なお、当社グループの事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。(クラウドインテグレーション)クラウドインテグレーションは、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復、更なるクラウド需要の加速に伴い、顧客獲得と受注が堅調に推移しました。以上の結果、売上高は1,139,120千円(前期比106.1%増)となりました。
(リセール)リセールは、既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加によりARPU(注6)が堅調に推移するとともに、新規顧客の獲得もあってアカウント数も増加、また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は14,875,032千円(前期比61.1%増)となりました。
(MSP(注7))MSPは、既存顧客からの継続的な受注により堅調に増加しました。また、SRE(注8)の浸透により、大型顧客や案件に対しては専任チームを編成して対応にあたるなど、標準対応以上のサービス提供をMSPの役割として担うことが増えております。以上の結果、売上高は1,272,545千円(前期比12.9%増)となりました。
(その他)その他は、特定顧客向けサービスの縮小により、売上高は9,019千円(前期比8.2%減)となりました。
〔用語解説〕(注1)
デジタルトランスフォーメーション(DX): 企業がデジタルテクノロジーを活用して、ビジネスプロセスやカスタマーエクスペリエンス、組織文化などの様々な領域において革新的な変革を実現する取り組みのことを指します。(注2)
オムニチャネル: 企業が複数の販売チャネル(店舗、ウェブサイト、モバイルアプリなど)を統合して、顧客にとってシームレスな購買体験を提供する戦略のことを指します。(注3) IoT:「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。(注4) AI:「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯びはじめています。(注5) AWS:「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。(注6) ARPU:「 Average Revenue Per User 」の略称であります。1社あたりの平均売上金額を表す数値であります。(注7) MSP:「Managed Service Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。(注8) SRE:「Site Reliability Engineering」の略称であります。Webサイトやシステムの信頼性向上に向けた取り組み(自動化、障害対応、パフォーマンス管理、可用性(システムが停止することなく稼働し続ける能力)担保など)を行い、価値の向上を進める方法論及び役割であります。
(売上高)当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ6,374,886千円増加し、17,295,718千円(前期比58.4%増)となりました。これは主に、リセールが5,643,812千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ5,821,937千円増加し、14,996,436千円(前期比63.5%増)となりました。これは主に、リセール売上にかかる仕入高の増加によるものであります。以上の結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ552,948千円増加し、2,299,281千円(前期比31.7%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ639,652千円増加し、1,747,273千円(前期比57.8%増)となりました。これは主に、人件費の増加によるものであります。以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ86,703千円減少し、552,008千円(前期比13.6%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ48,142千円増加し、104,408千円(前期比85.6%増)となりました。これは主に、受取手数料が27,886千円、受取配当金が8,564千円、持分法による投資利益が2,809千円増加したことによるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ9,199千円減少し、32,263千円(前期比22.2%減)となりました。これは主に、投資事業組合運用損が3,836千円増加した一方で、為替差損が14,953千円減少したことによるものであります。以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ29,361千円減少し、624,153千円(前期比4.5%減)となりました。
(特別損益)当連結会計年度における特別損失は、前連結会計年度に比べ19,855千円増加し、29,984千円(前期比196.0%増)となりました。これは、投資有価証券評価損によるものであります。また、特別利益の発生はありません。
(親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における法人税等合計は、前連結会計年度に比べ13,007千円増加し、234,579千円(前期比5.9%増)となり、非支配株主に帰属する当期純損失は73,451千円減少し、93,990千円(前期比357.6%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ11,226千円増加し、453,580千円(前期比2.5%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は5,642,391千円となり、前連結会計年度末に比べて1,155,800千円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は81,520千円(前連結会計年度は337,948千円の収入)となりました。これは主に仕入債務の増加額1,233,657千円、契約負債の増加額(前連結会計年度は前受金の増加額)614,864千円、税金等調整前当期純利益594,169千円等があった一方で、前渡金の増加額1,202,666千円、売上債権及び契約資産の増加額(前連結会計年度は売上債権の増加額)1,122,053千円、法人税等の支払額245,695千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は799,590千円(前連結会計年度は1,067,305千円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出379,372千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出345,633千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は437,334千円(前連結会計年度は101,046千円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出292,597千円、短期借入金の返済による支出205,184千円等があった一方で、非支配株主からの払込みによる収入60,000千円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績当社グループは受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績当社グループは「クラウド事業」の単一セグメントとしておりますが、当連結会計年度の販売実績を製品・サービス区分ごとに示すと次のとおりであります。
製品・サービス区分の名称
当連結会計年度(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
前年同期比(%)
クラウドインテグレーション(千円)
1,139,120
206.1
リセール(千円)
14,875,032
161.1
MSP(千円)
1,272,545
112.9
その他(千円)
9,019
91.8
合計(千円)
17,295,718
158.4
(注) 1.製品・サービス区分間の取引については相殺消去しております。2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「② 経営成績の状況」に記載しております。また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの運転資金需要のうち主なものは、リセールにおける仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、継続的なソフトウエアの開発及び投資有価証券の取得等によるものであります。なお、当社グループの資金の源泉は主に新株の発行及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。a.受注損失引当金 受注損失引当金は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注契約のうち、将来の損失発生が見込まれ、かつ、当該損失を合理的に見積ることが可能なものについては、翌連結会計年度以降の損失見込額を計上しております。当該損失見込額は将来の工数等の見積りに依存するため、見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じた場合には引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.投資有価証券 投資有価証券のうち時価のあるものについては、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、時価のないものについては、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。将来、時価又は実質価額が下落し、回復可能性がないと判断した場合には、減損処理する可能性があります。
c.株式会社トップゲート株式ののれんの評価 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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