【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、 当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当第1四半期連結累計期間(2023年3月1日~5月31日)の業績は、売上高が791億18百万円(対前年同期比110.2%)、営業利益34億47百万円(同105.0%)、経常利益34億87百万円(同105.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益22億99百万円(同102.4%)となりました。
売上高は、イオングループ内外における顧客内シェア拡大や新規受託物件の増加により全7事業で増収となり前年同期を上回りました。とりわけ、営業強化によりイオングループ外の企業や団体からの受託が増加しました。また、エネルギーコスト上昇に伴う省エネ関連工事をはじめとした各種工事の受託を拡大したことで建設施工事業の売上高が大きく伸長しました。
営業利益は、売上高の拡大に伴い前年同期を上回りました。一方で、人件費や原材料、物流費の高騰などにより売上原価が増加した結果、収益性が低下し、期初に掲げた業績予想に対しては遅れが発生する結果となりました。
[当第1四半期連結累計期間の主な取り組み]
当社は、更なる持続的成長を目的に2018年10月に、イオンディライト ビジョン2025(以下、「ビジョン2025」)を策定し、アジアにおいて「安全・安心」、「人手不足」、「環境」の3つを成長戦略の柱に社会課題を解決する環境価値創造企業を目指すことを決めました。
また、ビジョン2025の実現に向けた成長を加速するため、2021年度を初年度とする中期3ヵ年経営計画(以下、「中期経営計画」)を策定し、「お客さま起点の経営」、「DXの推進」、「グループ経営」の3つを基本方針に掲げました。
中期経営計画を開始した2021年度以降、ファシリティマネジメント業界を取り巻く環境は大きく変遷しました。かねてからの課題である人手不足に加え、新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ危機の影響による資機材不足や調達遅延、並びに企業・団体における施設管理コストの抑制など、当社にとって当初想定を上回る厳しい事業環境が続き、中期経営計画の進捗に遅れが発生しました。
また、昨今のエネルギーコスト上昇に伴い、企業・団体によるコスト抑制傾向は益々、強まっています。
こうした中、当社では中期経営計画の最終年度となる2023年度を、施策の遅れを取り戻し、大きな環境変化を伴ったアフターコロナにおける新たな成長戦略を見据えた変革をやり切る年と位置づけ、引き続き、3つの基本方針に則った各種取り組みを推進しました。
〈お客さま起点の経営〉
・営業強化によるマーケットシェアの拡大
アカウント営業や各支社・支店の地域営業により、提供サービスの拡大や同一顧客における他拠点物件の受託など、顧客内シェアを拡大しました。同時に、省エネや防疫対策を含め、これまでに蓄積してきた実績やノウハウを活かしたお客さま起点の提案活動を継続することで新たに多種多様な施設においてサービスの提供を開始しました。
・エネルギーコスト上昇への対応
エネルギーコストの上昇が企業・団体の大きな課題となる中、当社は、電力の大規模需要家である顧客を中心に、照明のLED化や空調・熱源機器の更新といった省エネ提案を積極化しました。これにより、省エネ関連工事の受託を大幅に拡大するとともに施設の省エネ化に貢献しました。
〈DXの推進〉
・データ連携基盤「イオンディライトプラットフォーム」のアップデート
当社では、全てのお客さまに対して、それぞれの課題に最適なソリューションを提案し、効率的に提供していくためのデータ連携基盤「イオンディライトプラットフォーム※」を構築し、その利活用とアップデートを進めています。
当期は、営業活動の効率化や機会損失の防止を目的に、新たに業種・物件用途別の取引分析ツールや計画修繕工事の進捗状況の可視化ツールといった機能を追加実装しました。
※イオンディライトプラットフォーム・・・施設内外から得られる各種情報を収集・分析、価値ある情報へと加工し、当社グループ各社やパートナー企業を含めたサービスネットワーク全体に共有する仕組み。
・新たな施設管理モデル「エリア管理」の展開
当社では、深刻化する人手不足に対応した持続可能な事業モデル構築を目的に、IoTなどの技術を活用し、複数の施設を効率的に管理する新たな施設管理モデル「エリア管理」を展開しています。遠隔監視機能を備えたカスタマーサポートセンター※への一部業務の集約などにより、常駐設備管理業務の省力化に取り組み、従来の常駐型個別管理から巡回を主体に複数の施設をエリア単位で管理するモデルへと移行を進めています。
当期は、新たに計16施設(累計289施設)にて省人化・無人化を実現し、常駐設備管理員約16名分(累計約183名分)のポストを削減しました。また、常駐ポスト削減に伴い、施設管理の現場で培われた専門性を更なる収益機会の拡大に繋げるため、新規受託物件や営業部門、工事部門などへとこれら専門人材の再配置を実施しました。
※カスタマーサポートセンター(CSC)・・・2021年度期初より国内全国8支社配下で稼働を開始。各種システムやセンサーの活用により、複数の施設を遠隔制御するとともに、各地域でお客さまの施設情報やリクエストを集約する機能を担う。
・施設管理オペレーションの変革
当社は、「イオンディライトプラットフォーム」の更新や「エリア管理」の展開と並行して、前年度より、現場業務のさらなる生産性向上を目的に、デジタルデバイスを活用した施設管理オペレーションの変革に取り組んでいます。カメラやセンサーなどを活用し、設備点検業務や報告書作成といった定型業務を自動化するとともに、施設毎に使用電力を可視化できる仕組みを構築し、当期は新たに80施設(累計251施設)へと導入しました。
〈グループ経営〉
(国内グループ会社)
中小型施設管理の中核会社であるイオンディライトコネクト株式会社では、新規継続契約に加え、各種工事の受託を拡大したことで、大幅な増収増益となりました。また、旅行関連事業を展開するイオンコンパス株式会社では、出張やイベントのリアル開催などの需要回復を取り込むことで業績を回復しました。これらの結果、国内グループ会社全体においても増収増益となりました。
また、地域経済圏形成に向けた取り組みの一環として、2023年4月に、九州一円で清掃を中心に設備管理やマンション管理、建設施工などを展開する株式会社アスクメンテナンスを完全子会社化しました。これにより、九州における事業基盤を拡大するとともに、両社が培ってきた技術やノウハウを融合し、さらなる品質向上や経営の効率化を図ってまいります。
(中国事業)
アジア最大の成長エリアと位置付ける中国では、中核事業会社による顧客内シェア拡大や中・高級施設をターゲットとした新規受託拡大、都市開発プロジェクトへの参画を通じたファシリティマネジメント業務の集中受託などにより、堅調に事業を拡大しました。一方で、人件費上昇の影響などにより、増収減益となりました。
(アセアン事業)
アセアンでは、コロナ下で停滞していた経済が回復傾向に転じたこともあり、事業を展開する各国で増収となりました。しかしながら、マレーシアにおける雇用法改正に伴う人件費上昇などの影響により、アセアン事業全体では増収減益となりました。
(2)当第1四半期連結累計期間における主要事業の概況
[セグメント別業績]
<売上高>
セグメントの名称
売上高(百万円)
構成比(%)
前年同期比(%)
設備管理事業
17,086
21.6
105.9
警備事業
12,710
16.1
106.5
清掃事業
17,464
22.1
105.4
建設施工事業
13,388
16.9
130.2
資材関連事業
11,301
14.3
110.7
自動販売機事業
2,316
2.9
105.3
サポート事業
4,850
6.1
108.8
合計
79,118
100.0
110.2
<セグメント利益>
セグメントの名称
セグメント利益(百万円)
構成比(%)
前年同期比(%)
設備管理事業
1,335
23.2
97.3
警備事業
833
14.5
113.5
清掃事業
1,451
25.3
86.3
建設施工事業
1,089
18.9
156.9
資材関連事業
630
11.0
102.5
自動販売機事業
258
4.5
124.1
サポート事業
149
2.6
91.7
合計
5,748
100.0
105.1
<設備管理事業>
設備管理事業は、売上高170億86百万円(対前年同期比105.9%)、セグメント利益13億35百万円(同97.3%)となりました。同事業では、契約業務の新規受託や各種整備業務の受注拡大により増収となった一方、新規受託物件への先行投資に加え、人件費や外注費の上昇により収益性が低下し減益となりました。こうした中、収益性の改善を目的に、エリア管理の展開や施設管理業務の変革に向けた取り組みを推進しました。
<警備事業>
警備事業は、売上高127億10百万円(対前年同期比106.5%)、セグメント利益8億33百万円(同113.5%)となりました。同事業では、施設警備の新規受託や安全カメラの受注拡大などにより増収となりました。また、収益性の改善を目的に、入退店管理、並びに閉店業務のシステム化や価格交渉を通じた単価適正化に向けた取り組みを推進したことなどにより増益となりました。
<清掃事業>
清掃事業は、売上高174億64百万円(対前年同期比105.4%)、セグメント利益14億51百万円(同86.3%)となりました。同事業では、継続契約の新規受託により増収となった一方、人件費の上昇などにより収益性が低下し、減益となりました。こうした中、収益性の改善を目的に、仕様契約からSLA※への移行に向けて、商業施設5店舗における実証実験に着手しました。
※SLA(Service Level Agreement)・・・サービス提供者と顧客の間で合意されたサービスの成果(出来栄え)に基づく契約形態。
<建設施工事業>
建設施工事業は、売上高133億88百万円(対前年同期比130.2%)、セグメント利益10億89百万円(同156.9%)となりました。同事業では、イオングループ内外において、エネルギーコスト上昇に伴う省エネ関連工事をはじめとした各種工事の受託を拡大し、大幅な増収増益となりました。
<資材関連事業>
資材関連事業は、売上高113億1百万円(対前年同期比110.7%)、セグメント利益6億30百万円(同102.5%)となりました。同事業では、原材料や物流費が上昇傾向にある中、イオングループ内でのシェア拡大に注力し増収増益となりました。
<自動販売機事業>
自動販売機事業は、売上高23億16百万円(対前年同期比105.3%)、セグメント利益2億58百万円(同124.1%)となりました。同事業では、営業強化による新たな設置先の開拓などにより増収増益となりました。また、商機の拡大を目的に、冷凍自動販売機をはじめとした新たな自動販売機の開発に取り組みました。
<サポート事業>
サポート事業は、売上高48億50百万円(対前年同期比108.8%)、セグメント利益1億49百万円(同91.7%)となりました。同事業では、お客さまの施設とその周辺の管理運営に関するアウトソーシングニーズに応える様々なサービスの提供拡大に取り組みました。その他、旅行関連事業の寄与などにより増収となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
特記事項はありません。
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