【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
①当期の経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う厳しい行動制限が年度末にかけて緩和され、景気は緩やかな持ち直しが継続しました。一方、世界的な金融引締めや物価上昇等によって景気の先行きが不透明な状態が続きました。アフターコロナへと社会環境が変化する中で、当社グループにおいては、BPOサービスやアウトソーシング事業が拡大したほか、新型コロナウイルス感染症の収束により観光客が増加し、地方創生ソリューションの売上も伸長しました。また、海外(グローバルソーシング)においては人材需要の回復に加えて、為替影響による押し上げ効果もあり2桁の成長となりました。一方、エキスパートサービスは、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、感染対策に係る業務が想定よりも早期で終了したほか、キャリアソリューションの再就職支援事業においても企業の大規模な構造改革の動きが乏しかったことから前年度を下回って推移しました。 これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は372,579百万円(前期比1.8%増)となり、売上総利益は91,525百万円(前期比2.1%増)となりました。販管費は77,148百万円(前期比14.1%増)と前年同期から増加しましたが、これは主にアウトソーシングの旧JTBベネフィットのサービス統合過程における重複コストや大型プロモーションに係る費用、加えて第1四半期に実施した東京オフィスの移転に伴う一時費用が影響しています。結果、営業利益は14,377百万円(前期比34.9%減)、経常利益は15,366百万円(前期比31.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6,099百万円(前期比29.3%減)となりました。
■連結業績
2022年5月期
2023年5月期
増減率
売上高
366,096
百万円
372,579
百万円
+1.8
%
営業利益
22,083
百万円
14,377
百万円
△34.9
%
経常利益
22,496
百万円
15,366
百万円
△31.7
%
親会社株主に帰属する当期純利益
8,621
百万円
6,099
百万円
△29.3
%
②事業別の状況(セグメント間取引消去前)HRソリューションエキスパートサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)他 売上高 307,687百万円 営業利益 15,132百万円〔エキスパートサービス〕 売上高 147,188百万円 当該事業では、オフィスワークを中心に事務職から高度な専門スキルを備えた人材やエンジニア、営業・販売職、また若年層からシニアまで幅広い世代、職種のエキスパートサービス(人材派遣)を展開しています。 緩やかな景気回復が続く中で人材派遣の受注は堅調に推移しましたが、一方で、前期に大幅に拡大した新型コロナウイルス対応の関連業務が同感染症の収束に伴い減少したことに加え、第3四半期以降は業務が想定よりも早期に終了した結果、売上高は147,188百万円(前期比3.2%減)となりました。
〔BPOサービス〕 売上高 141,906百万円当該事業では、顧客から煩雑な事務作業を集約し効率化する総務・庶務や繁閑に応じた経費精算等に対応する経理・財務をはじめ、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算などの業務を当社グループが受託しBPOサービスを提供しているほか、連結子会社であるビーウィズ株式会社が自社開発のデジタル技術を活用したコンタクトセンター・BPOサービスを提供しています。BPOサービスにおいては新規案件が積み上がったことに加えて、既存取引先へのクロスセルによるサービス領域拡大も進みました。新型コロナウイルス感染症の感染対策に係る業務など前期の一時的な特需案件のマイナスを、パブリックセクターからは就職支援や人材育成などの事業を新たに獲得し、民間企業からは生産性向上を目的とした業務のアウトソーシングやDX推進など新たな需要を獲得することで補った結果、売上高は141,906百万円(前期比1.9%増)となりました。
〔HRコンサルティング、教育・研修、その他〕 売上高 8,761百万円 当該事業では、フリーランスや上場企業の元役員などのプロフェッショナル人材によるコンサルティングや経営支援を行う顧問コンサルティング事業のほか、企業やパブリックセクターから受託している教育・研修事業、タレントマネジメントなどのHRテック導入支援事業を行っています。 顧問コンサルティング事業においては、企業の人手不足に対応した採用コンサルティングの需要が拡大しました。また、教育・研修事業では、経営に直結する次世代リーダーの育成や女性管理職研修などの人的資本経営の実現に向けたサービスが拡大しました。 これらの結果、売上高は8,761百万円(前期比4.1%増)となりました。
〔グローバルソーシング〕 売上高 9,831百万円 営業利益 617百万円 当該事業では、海外において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修などのフルラインの人材関連サービスを提供しています。 北米地域では、人材紹介手数料の単価上昇やエグゼクティブ層の成約が伸長したことに加え、BPOでもペイロールや経理などの分野で業務受託が拡大しました。アジア地域では、特に台湾において半導体製造業及びその周辺事業で人材需要が高く増収となりました。さらにインドやタイ、マレーシアでも日系企業を中心に需要が回復し、いずれの拠点も人材紹介などが増収となりました。 これらの結果、円安進行による為替影響もあり、売上高は9,831百万円(前期比17.9%増)、営業利益は617百万円(前期比38.0%増)となりました。
以上の事業から構成されるセグメントの売上高は307,687百万円(前期比0.1%減)となりました。利益面では、主にエキスパートサービスにおいて、稼働スタッフの有給休暇取得や社会保険料の増加に伴い、粗利率が低下したことに加えて、BPOやHRコンサル、グローバル事業の人件費等の販管費も増加したことから、営業利益は15,132百万円(前期比19.5%減)となりました。
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援) 売上高 13,923百万円 営業利益 4,089百万円 当該事業は、企業の中途採用活動を支援し、転職希望者とのマッチングを行う人材紹介事業と、企業の人事戦略に基づいて転身を支援する再就職支援事業を提供しています。 人材紹介事業では、企業の人材採用の需要は活発な状態で推移し、当社が注力している管理部門や専門職種領域においても高い採用意欲が継続しました。当社グループにおいてはハイキャリア領域を中心に成約数が増加し、成約単価も上昇しました。また、ダイバーシティや多様性の確保といった人的資本経営を推進する企業が増えていることから、特に女性管理職の採用ニーズが高まっており、当社グループの実績とコーポレートブランドを活かしながら事業拡大を推進しました。 再就職支援事業では、企業の事業構造の見直しが落ち着いたことにより需要の減少が続きました。一方で、改正高齢者雇用安定法の施行や人的資本経営への意識の高まりから、従業員に対してのキャリアカウンセリングやリスキリングなどを組み合わせた「セーフプレースメント・トータルサービス」の需要が順調に拡大しました。 これらの結果、人材紹介事業は拡大しているものの、再就職支援事業の減少を補うまでには至らず、売上高は13,923百万円(前期比5.3%減)、営業利益は4,089百万円(前期比8.5%減)となりました。
アウトソーシング 売上高 42,376百万円 営業利益 10,487百万円 当該事業では、当社連結子会社である株式会社ベネフィット・ワンが、企業や官公庁・自治体の福利厚生業務の代行を中心にサービス提供を行っています。 福利厚生事業では、前年度に実施したM&Aによる外部成長効果に加え、期中における公務員共済組合の非常勤職員加入拡大等により増収となりました。また、会員のサービス利用は想定より緩やかながら回復基調となり、これに係る補助金支出が前年度から増加しました。 ヘルスケア事業においては、アフターコロナの健康経営ニーズの拡大を見越した事業計画を立て、CM等のマーケティングも実施しました。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種支援事業の受託が想定を上回った一方、保健指導事業では新規受注及び指導実施の進捗が想定を下回る結果となりました。 また当期は、CM等のマーケティング投資に加えて、本店移転に伴う一時費用、M&A後のサービス統合過程における重複コスト、システムリプレイス等によるIT費用を販管費で計上しています。 これらの結果、売上高は42,376百万円(前期比10.5%増)、営業利益は10,487百万円(前期比17.8%減)となりました。
ライフソリューション 売上高 8,200百万円 営業利益 364百万円 当該事業では、認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育の運営などを行う保育事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業、家事代行などのライフサポート事業を行っています。 介護事業では、新型コロナウイルス感染症の宿泊療養施設への介護派遣が第3四半期までは拡大したものの、同感染症の収束に伴い第4四半期からは需要が減少に転じました。家事代行などのライフサポート事業では、自治体から受託している子育て家庭への家事代行サービスが広がっており、新規の自治体からの案件獲得も進みました。 保育事業では、在宅ワークの定着により、企業内保育所は縮小傾向にあるものの、認可保育施設での受入れ児童数が順調に増加したほか、学童クラブの運営施設数の増加に伴い利用者数も伸長しました。
これらの結果、売上高は8,200百万円(前期比14.6%増)、営業利益は364百万円(前期比57.0%増)となりました。
地方創生ソリューション 売上高 6,931百万円 営業利益 △2,877百万円 当該事業では、地域住民や地域企業、地方自治体と協力、連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生事業に取り組んでいます。 新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、インバウンドを含む観光客が増加した兵庫県淡路島では、アトラクションや飲食施設への人流が回復しました。昨年4月にオープンした全長100mのウッドデッキで禅やヨガなどのアクティビティが体験できる「禅坊靖寧」や地域の食材を使った地産地消の料理を提供する畑の中のレストラン「陽・燦燦(はる・さんさん)」は、大自然の魅力を存分に楽しむことができる施設として注目を集め、メディアにも多く取り上げられました。また、兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニジゲンノモリ」では、大人気アトラクション「ドラゴンクエスト アイランド」を今年3月にリニューアルし、新作「ドラゴンクエスト アイランド いにしえの魔神と導かれし冒険者たち」をオープンいたしました。ニジゲンノモリでは、広大な公園敷地内に国内外で人気の高いアニメやキャラクターを用いた複数のアトラクションが楽しめることから、インバウンドはもとより団体観光客の利用が増加しました。 新規施設もオープンしたことにより、売上高は6,931百万円(前期比56.6%増)と増加しました。同時に新規施設の初期費用も増え、営業利益は△2,877百万円(前期は営業利益△2,612百万円)となりました。また、当連結会計年度において一部子会社の決算期を3月から5月に変更し、14ヶ月決算となったことを受けて、当期は2ヶ月分の業績が上乗せされています。
消去又は全社 売上高 △6,539百万円 営業利益 △12,819百万円 グループ間取引消去とグループシナジーの最大化のためのコストや新規事業のインキュベーションコスト、持株会社としての管理コストが含まれています。 当連結会計年度においては、第1四半期に実施した東京・南青山「PASONA SQUARE」へのオフィス移転に伴う引越し等の一時的な費用及び移転期間の二重家賃が生じているほか、段階的に進めている兵庫県淡路島への本社・本部機能の一部移転に係る費用が増加しました。 これらの結果、グループ間取引消去の売上高は△6,539百万円(前期は△6,642百万円)、営業利益は△12,819百万円(前期は△11,566百万円)となりました。
■セグメント別業績
売上高
2022年5月期
2023年5月期
増減率
HRソリューション
361,154
百万円
363,987
百万円
+0.8
%
エキスパートサービス(人材派遣)BPOサービス(委託・請負)他
308,093
百万円
307,687
百万円
△0.1
%
エキスパートサービス(人材派遣)
152,067
百万円
147,188
百万円
△3.2
%
BPOサービス(委託・請負)
139,272
百万円
141,906
百万円
+1.9
%
HRコンサルティング、教育・研修、その他
8,418
百万円
8,761
百万円
+4.1
%
グローバルソーシング(海外人材サービス)
8,335
百万円
9,831
百万円
+17.9
%
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)
14,700
百万円
13,923
百万円
△5.3
%
アウトソーシング
38,359
百万円
42,376
百万円
+10.5
%
ライフソリューション
7,158
百万円
8,200
百万円
+14.6
%
地方創生ソリューション
4,426
百万円
6,931
百万円
+56.6
%
消去又は全社
△6,642
百万円
△6,539
百万円
-
合計
366,096
百万円
372,579
百万円
+1.8
%
営業利益
2022年5月期
2023年5月期
増減率
HRソリューション
36,030
百万円
29,709
百万円
△17.5
%
エキスパートサービス(人材派遣)BPOサービス(委託・請負)他
18,793
百万円
15,132
百万円
△19.5
%
エキスパートサービス(人材派遣)
18,345
百万円
14,515
百万円
△20.9
%
BPOサービス(委託・請負)
HRコンサルティング、教育・研修、その他
グローバルソーシング(海外人材サービス)
447
百万円
617
百万円
+38.0
%
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)
4,470
百万円
4,089
百万円
△8.5
%
アウトソーシング
12,765
百万円
10,487
百万円
△17.8
%
ライフソリューション
232
百万円
364
百万円
+57.0
%
地方創生ソリューション
△2,612
百万円
△2,877
百万円
-
消去又は全社
△11,566
百万円
△12,819
百万円
-
合計
22,083
百万円
14,377
百万円
△34.9
%
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育・介護、地方創生などの事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
②受注実績生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
セグメントの名称
2023年5月期
売上高(百万円)
構成比(%)
前期比(%)
HRソリューション
358,837
96.3
100.9
エキスパートサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)他
303,164
81.4
99.7
エキスパートサービス(人材派遣)
146,655
39.4
96.8
BPOサービス(委託・請負)
139,290
37.4
101.4
HRコンサルティング、教育・研修、その他
7,563
2.0
105.3
グローバルソーシング(海外人材サービス)
9,654
2.6
120.0
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)
13,893
3.7
94.7
アウトソーシング
41,779
11.2
112.8
ライフソリューション
7,686
2.1
115.0
地方創生ソリューション
6,055
1.6
166.4
合計
372,579
100.0
101.8
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
上記に記載した当連結会計年度における売上高を地域別に示すと、次のとおりとなります。
区分
2023年5月期
売上高(百万円)
構成比(%)
前期比(%)
北海道・東北
14,063
3.8
94.9
関東(東京以外)
41,257
11.1
102.9
東京
177,992
47.8
103.9
東海・北信越
20,324
5.5
95.5
関西
70,145
18.8
95.0
中国・四国・九州
38,528
10.3
106.8
海外
10,265
2.7
118.1
合計
372,579
100.0
101.8
(3)財政状態資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末の資産及び負債には、当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」が74,869百万円(前連結会計年度末10,123百万円)計上されております。当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて71,758百万円増加(35.2%増)し、275,504百万円となりました。上記の「預り金」影響もあり、現金及び預金が56,116百万円増加、未収還付法人税等が2,623百万円増加、淡路島の地方創生事業や本社・本部機能等に係る有形固定資産が6,389百万円増加、システム設備投資等によりソフトウェアが2,382百万円増加したことなどによるものであります。当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて67,281百万円増加(49.3%増)し、203,880百万円となりました。上記の受託案件等により預り金が65,638百万円増加、資金調達により長期借入金が4,725百万円増加した一方で、支払が進んだことにより買掛金が1,308百万円減少、法人税等の支払いなどにより未払法人税等が2,815百万円減少したことなどによるものであります。当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて4,477百万円増加(6.7%増)し、71,624百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益が6,099百万円となった一方で、配当金の支払が1,396百万円あったことにより利益剰余金が4,703百万円増加、当社の連結子会社である株式会社ベネフィット・ワンが自己株式の取得を行ったこと等により資本剰余金が692百万円減少したことなどによるものであります。以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、19.6%(前連結会計年度末24.5%)となりました。なお、受託案件に係る「預り金」に伴う「現金及び預金」を控除した総資産は、200,634百万円(同193,622百万円)であり、自己資本比率は26.9%(同25.8%)となります。
(4)キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて、8,658百万円減少し、47,919百万円となりました。なお、「資金」には、受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」に見合う「現金及び預金」は含まれておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、5,961百万円(前連結会計年度10,115百万円の増加)となり、前連結会計年度より4,153百万円の減少となりました。 資金増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益16,766百万円(同22,290百万円)、減価償却費5,126百万円(同4,419百万円)等によるものであります。 資金減少の主な内訳は、売上債権及び契約資産の増加1,188百万円(同6,112百万円の増加)、その他資産の増減額に含まれる未収入金の増加2,093百万円(同1,243百万円の増加)、法人税等の支払額12,932百万円(同8,084百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、12,502百万円(前連結会計年度29,624百万円の減少)となり、前連結会計年度より17,122百万円の減少となりました。 資金増加の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入1,790百万円(同95百万円)、敷金及び保証金の回収による収入1,962百万円(同256百万円)等によるものであります。 資金減少の主な内訳は、淡路島の地方創生事業や本社・本部機能等に係る有形固定資産の取得による支出9,029百万円(同11,632百万円)、システム設備投資に伴う無形固定資産の取得による支出4,591百万円(同4,683百万円)、株式会社パソナジョイナスの株式取得による、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,268百万円(同10,451百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、2,292百万円(前連結会計年度23,543百万円の増加)となり、前連結会計年度より25,835百万円の減少となりました。 資金増加の主な内訳は、長期運転資金の確保を目的とした、長期借入れによる収入15,727百万円(同29,129百万円)等によるものであります。 資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済による支出10,339百万円(同11,098百万円)、子会社の自己株式の取得による支出1,506百万円(同0百万円)、配当金の支払5,169百万円(同3,584百万円)等によるものであります。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
項目
2019年5月期
2020年5月期
2021年5月期
2022年5月期
2023年5月期
自己資本比率
23.7%
22.7%
25.2%
24.5%
19.6%
時価ベースの自己資本比率
54.8%
35.7%
49.0%
40.3%
24.7%
キャッシュ・フロー対有利子負債比率
2.7年
3.2年
1.8年
5.3年
9.9年
インタレスト・カバレッジ・レシオ
41.9
57.9
64.5
35.4
15.9
(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。6 当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」を控除した自己資本比率は、前項「(3)財政状態 資産、負債及び純資産の状況」に記載のとおりであり、また、時価ベースの自己資本比率は、33.9%(前連結会計年度末42.4%)となります。
(5)資本の財源及び資金の流動性①財務戦略の考え方 当社グループは、財務体質の強化と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値の向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。当社グループの重点戦略として掲げている地方創生事業に対する設備投資や、HRソリューション領域におけるデジタル化推進のためのIT関連投資、拠点関連投資など、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。
②資金調達の基本方針 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的、かつ機動的に確保するため、内部資金及び外部資金の有効活用に努めております。月中の短期運転資金需要に対しては、金融機関との間に設定しているコミットメントラインや当座借越枠を機動的に活用しています。長期借入については、約定返済額や投資計画等を勘案しながら、年度の資金調達計画を策定し、取引金融機関からの調達を実施しています。資金調達にあたっては、財務体質や資本コストにも留意しながら、その可否を判断しています。自己資本比率やEBITDA有利子負債倍率等を見据えつつ、銀行借入、社債をはじめとした負債を有効に活用することで、資本コストの低減及び資本効率の向上に努めております。
③資金配分についての考え方 当社グループ全体として得られた資金は、成長投資、株主還元、手元資金に振り分けています。成長投資については、経営戦略を踏まえたグループとしての投資意義や、投資資金の回収可能性や期待されるリターン等を吟味し、投資の可否を判断しています。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、連結配当性向30%を目途とするとともに、継続的かつ安定的な配当の維持にも努めてまいります。手元資金については、金融機関との間に設定しているコミットメントライン等を活用し、適切な水準に抑えることで、グループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、78ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、81ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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