【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が夏期に著しく増加したものの、ワクチン接種の進展もあり、ウィズコロナを前提とした国内の社会経済活動に回復の兆しが見え始めました。しかしながら、11月以降に再び新規感染者数が増加傾向となったことに加え、物価高に対する消費者の生活防衛意識の高まりが、緩やかに持ち直し始めた個人消費に影響を与える状況が続いております。このような環境において、当社グループは、毎日の食事を購入する際の目的地となる店舗「食事のデスティネーションストア」を確立する、という方針の実現に向けて、価格・品質の両面でお客さまにご納得いただける商品開発に加え、効率的な店舗運営の仕組みづくりを推し進めております。また、次なる成長に向けた準備として強固な経営基盤の確立を図るために、連結子会社であった韓国ミニストップ株式会社を譲渡し、当第3四半期連結累計期間に関係会社株式売却益を238億31百万円計上しました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の営業総収入は629億69百万円(前年同期実績 営業総収入1,415億39百万円)、営業損失1億62百万円(前年同期実績 営業損失24億2百万円)、経常利益4億54百万円(前年同期実績 経常損失22億16百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益146億1百万円(前年同期実績 親会社株主に帰属する四半期純損失38億49百万円)となりました。当社グループは、第1四半期連結会計期間の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しています。これに伴い、前連結会計年度と収益を認識する方法が異なるため、経営成績に関する説明では前年との増減額及び前年同期比(%)を記載していません。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」をご参照ください。
各セグメント別の業績は以下のとおりです。[国内事業]ミニストップ単体のチェーン全店売上高は前年同期比98.3%となりました。売上総利益率は、昨年度から続いている原材料価格上昇の影響により、前期比0.4ポイント減少の29.7%となりました。ミニストップ店舗の既存店1店1日あたりの売上高前年同期比(以下、既存店日販昨対)は99.8%、既存店平均客数昨対は98.0%、既存店平均客単価昨対は101.8%となりました。コンビニエンスストア商品の既存店日販昨対は99.0%と前年同期を下回りましたが、店内加工ファストフード商品の既存店日販昨対は104.9%と前年同期を上回り、第2四半期連結累計期間の既存店日販昨対103.1%に対し、1.8ポイント伸長しました。コンビニエンスストア商品は、お客さまの生活防衛意識の高まりにお応えする品揃えを拡充するとともに、お客さまにご満足いただける高付加価値商品の開発や、ご購入意欲を高める販売促進企画を実施しました。ソフトドリンク・酒類ではイオングループのスケールメリットを活かしたトップバリュベストプライスなどのイオングループ限定商品を活用し、お値打ち価格の商品を日々安心してご購入いただける品揃えを拡充しました。また、ごはんの炊き方・具材・新しい組み合わせの研究を重ねておにぎりの全面リニューアルを実施し、菓子パン・軽食などベトナム産食材を使用した商品を、“たべる観光”をコンセプトとして商品群を横断して発売した「ベトナムフェア」では、フェア開催発表会や販売促進企画を絡めて展開しました。これらの結果、おにぎりや菓子パンの売上は前年同期の実績を上回りました。店内加工ファストフード商品は、「ジューシーチキン」や「ビッグアメリカンドッグ」などのホットスナックの一部を、お客さまが手に取りやすい什器に陳列する販売方法へ全店変更しました。また、ポテトや店内調理米飯を含めた店内加工ファストフード商品の欠品を防止し、お客さまにご満足いただける品揃えを実現するため、店舗ごとに最適な製造計画の立案を店舗従業員の働き方を含めた仕組みとして推し進めております。製造する商品の種類と数量を定め、店舗作業全体の中で最適なタイミング且つ効率的な順序で商品の製造を行うことで、常に充実した品揃えを実現してまいります。できたてのおいしさをご提供するために、お客さまにご注文いただいた後に店内再調理を行うポテトは、10月および11月に発売した「トリュフ香るチーズチキン&チップス」「ベルギーマッシュポテト」が好評を博し、定番商品の「Xフライドポテト」を含めた売上が前年同期の実績を上回りました。店内手づくりのおにぎりは、具材のリニューアルや炊飯工程の改善により品揃えを拡充し、惣菜を組み合わせてご提供する手づくり弁当の取り扱い店舗も2022年11月末時点で1,123店舗となりました。これらの結果、店内調理惣菜を含む店内調理米飯の売上は前年同期実績を上回りました。コールドスイーツでは、9月に発売した「なめらかプリンパフェ」や、11月に開催したベトナムフェアの中心的な商品の「ベトナムカカオチョコソフト」が好評を博し、ドリンクメニューを含むコールドスイーツの売上が前年同期の実績を上回りました。お客さまの利便性向上に向けて、デリバリーサービス、ECサイト、イオングループ各社への商品供給を拡大し、出店していない地域のお客さまへのアプローチも含めて、お客さまとのタッチポイント増加に取り組みました。デリバリーサービス対応店舗は2022年11月末時点で1,159店舗となりました。デリバリー対応商品は店内加工ファストフード商品とともに飲料や日用品を拡充し、200品を超える商品のご注文が可能な体制を対応店舗全店で整え、今後新たな販売チャネルの軸として成長させてまいります。ECサイトは、冬ギフトなど各種ギフト商品や当社オリジナル菓子のほか、「Xフライドポテト」や「クランキーチキン」などファストフード冷凍食材商品の取り扱いを拡大しました。イオングループ各社への商品供給は、スーパーマーケットの催事コーナーにて当社オリジナル商品を集めたフェアを継続して開催するなど、グループ各社との連携を深めることで商品供給量が前年同期の実績を上回りました。新たなプロモーションの中心として展開するミニストップアプリは、ソフトクリームやポテトの無料クーポン抽選企画の実施などによりダウンロード数・登録会員数を増やし、2022年11月末のダウンロード数は71万件を突破しました。また、新商品発売時に行ったお得なクーポンの配信が売上の押し上げに貢献したことから、今後も会員向け特典の充実を図ることで登録会員数を増やし、顧客情報分析に基づいた1to1マーケティングの基盤として活用することで、客数および買上点数向上の手段として推し進めてまいります。従来のロイアルティ方式から事業利益分配方式へ変更したミニストップパートナーシップ契約店舗は、2022年11月末において290店舗となりました。社会環境、経済情勢の変化に対応すべく、加盟店と共働することで得られた事業利益を分け合うことが真のパートナーシップであると位置付けています。パートナーシップ契約の理念や考え方について加盟店と相互理解を深めるための説明会を、2022年11月末までに7ヵ所で開催し、今年度累計では全国17ヵ所での開催を予定しています。今後も共に繁栄する事業の共同体を目指して加盟店と一丸となって取り組んでまいります。店舗開発は、6店舗を出店、55店舗を閉店しました。当第3四半期連結累計期間末店舗数は1,910店舗となりました。新規事業として展開するオフィスなどの施設内に設置する無人コンビニ「MINISTOP POCKET(ミニストップ・ポケット)」は、拠点数を拡大させ2022年11月末設置拠点数は843拠点となりました。拠点ごとに異なるお客さまニーズを品揃えに反映することで、1拠点1日あたりの売上高は第2四半期連結累計期間の実績を上回りました。当社では、食品ロス削減のために、各省庁や自治体と連携した「てまえどり」を推進し、店舗の使用電力を削減するために、プロジェクトチームを発足し加盟店とともに店舗の省エネ・節電対策に取り組んでいます。また、店内淹れたてコーヒーには、イオングループが推進するサステナブル・コーヒー・プロジェクトにより生産されたアラビカ豆を使用し、「ベトナムカカオチョコソフト」には、カカオのサステナビリティ・プログラムに準じた60DAYSチョコレートを使用することで生産者支援に取り組むなど、加盟店をはじめとした多くのステークホルダーとともに環境保全および循環型社会の形成に努めています。ネットワークサービス株式会社は、国内店舗向けの共同配送事業を展開しており、定温センター13ヶ所、常温センター6ヶ所、冷凍センター10ヶ所を運営しています。配送ルートや納品方法の見直しによってコストを削減するとともに環境負荷の低減に取り組んでいます。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における国内事業の営業総収入は579億16百万円(前年同期実績 営業総収入557億11百万円)、営業利益は90百万円(前年同期実績 営業損失12億19百万円)となりました。
[海外事業]海外事業は、韓国ミニストップ株式会社を第1四半期連結会計期間の期首より、中国の青島ミニストップ有限公司を第2四半期連結会計期間より連結対象から除外したことで営業総収入が減少したものの、ベトナム事業の収益が改善したことで営業損失が前年同期より縮小しました。ベトナムのMINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDは、日常の買い物が1ヶ所で完結できる、ワンストップ型新フォーマットのコンビニエンスストアを確立するために、新規出店と既存店改装を推し進め、チェーン全店売上高は前年同期比134.8%となりました。新フォーマットは新規出店で13店舗、既存店改装で11店舗にて実施し、当第3四半期連結累計期間末店舗数(2022年9月末)は132店舗となりました。政府のウィズコロナ政策のもと個人消費の回復傾向が継続する環境において、野菜や果物、冷凍食品などの品揃えを強化したほか、インスタント麺・飲料などのEDLP商品の展開を進めたことにより、新店を含む新フォーマット実施店舗の1店1日あたり売上高は、全店実績に対し20%以上上回る実績となりました。また、お客さまの利便性の向上のため、全店でのデリバリーサービス導入に向け、順次対応店舗を拡大し、2022年9月末時点で107店舗にてサービスを開始しました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における海外事業の営業総収入は50億53百万円(前年同期実績 営業総収入858億27百万円)、営業損失は2億53百万円(前年同期実績 営業損失11億82百万円)となりました。
[財政状態]当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ364億58百万円減少し、808億3百万円となりました。これは主に有形固定資産が120億20百万円、差入保証金が93億8百万円、繰延税金資産が53億64百万円、投資その他の資産のその他に含まれる長期前払費用が38億93百万円、現金及び預金が22億52百万円、流動資産その他に含まれる前払費用が18億90百万円減少したことによります。負債は、前連結会計年度末に比べ503億43百万円減少し、384億30百万円となりました。これは主に預り金が272億3百万円、短期借入金が72億19百万円、買掛金が58億26百万円減少したことによります。これらは主に韓国ミニストップ株式会社を連結対象から除外したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べ138億85百万円増加し、423億73百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益を146億1百万円計上したことによります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動該当事項はありません。
(4) 従業員数当社グループの従業員数が前連結会計年度末と比較して519名減少しております。これは主に、第1四半期連結会計期間の期首より韓国ミニストップ株式会社を連結対象から除外したことなどによるものです。
(5) 生産、受注及び販売の実績当第3四半期連結累計期間において、前年同期と比べ、当社グループの生産、受注および販売実績が著しく減少しております。これは主に、第1四半期連結会計期間の期首より韓国ミニストップ株式会社を連結対象から除外したことなどによるものです。なお、販売実績については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。