【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
(単位:百万円、%)
2023年2月期
第3四半期連結累計期間(3~11月)
(参考)2023年2月期
第3四半期連結会計期間(9~11月)
実績
対前年
実績
対前年
増減高
増減率
増減高
増減率
総額売上高
709,468
93,298
15.1
245,337
26,512
12.1
売上収益
256,941
19,462
8.2
87,811
7,665
9.6
売上総利益
125,245
17,327
16.1
42,384
4,160
10.9
販売費及び一般管理費
104,586
5,552
5.6
35,354
2,359
7.1
事業利益
20,659
11,776
132.6
7,029
1,801
34.5
その他の営業収益
2,758
△229
△7.7
438
△892
△67.0
その他の営業費用
3,317
△4,146
△55.6
605
△157
△20.6
営業利益
20,100
15,693
356.1
6,862
1,066
18.4
親会社の所有者に
帰属する四半期利益
14,762
11,093
302.3
4,606
△1,059
△18.7
当第3四半期連結累計期間(2022年3月1日から2022年11月30日)の連結業績は、売上収益が前年同期比8.2%増の2,569億41百万円、営業利益は同356.1%増の201億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同302.3%増の147億62百万円となりました。
また、当第3四半期連結会計期間(9~11月度)の連結業績は、売上収益が前年同期比9.6%増の878億11百万円、営業利益は同18.4%増の68億62百万円で、当第2四半期累計実績に続き、増収増益となりました。
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ感染症)、企業活動への供給制約の影響に加え、物価上昇の影響が強まりながらも、引き続き持ち直しの動きがみられました。
小売業界におきましても、コロナ感染症や物価上昇等による個人消費へのマイナス影響が懸念された一方で、3月下旬にまん延防止等重点措置が解除されて以降、行楽シーズンをはじめ行動制限等が課されなかったことやリベンジ消費の顕在化、また10月に訪日外国人旅行者への水際対策等が緩和されたことによるインバウンド消費の復調など回復への動きがみられました。ただし、第8波などコロナ感染症の動向や急激な為替変動、物価高などによる消費への下押しリスクについて、引き続き、注視する必要があると認識しております。
こうした不確実性の高い事業環境の中、中期経営計画の2年目となる2022年度は、コロナ禍からの「完全復活」への足取りを確かなものとし、また2024年度以降の「再成長」に向け、攻めの経営に転じる「ギア・チェンジ」の年度と位置付けております。
具体的には、中期経営計画で掲げる3つの重点戦略を着実に成果に結びつけるため、「リアル×デジタル戦略」において、百貨店事業では大丸・松坂屋アプリを活用した顧客コミュニケーションの進化とともに、リアル店舗を基軸としたコスメのメディアコマースの開始、またリアル店舗の魅力化に向け、店舗特性に応じた戦略改装、新規コンテンツの導入を進めました。また、SC事業では重点戦略に基づき、池袋PARCO、名古屋PARCOなど基幹店を中心に大規模改装を推進したほか、各店において大型プロモーションを実施しました。
「デベロッパー戦略」では、保有不動産の最大活用と不動産ポートフォリオの拡大に向け、名古屋栄地区、大阪心斎橋地区におけるエリア最大級の複合施設開発計画の推進に加え、福岡天神エリアにおいて魅力的で質の高い街づくりへの貢献を目指し、地域や他社連携による検討を進めてまいります。また、デベロッパー事業のさらなる成長実現に向け、持株会社直下に「J.フロント都市開発株式会社」を設置し、現在、株式会社パルコが運営しているデベロッパー事業を同社に承継することを決定しました。これらにより、グループ全体最適の視点から迅速な意思決定を行う体制を構築すると共に、専門人財の育成・確保、事業に適した経営管理やリスクマネジメントによるガバナンスの強化などを一層進めてまいります。
「プライムライフ戦略」では、堅調な富裕層マーケットに対応するため、主に百貨店事業において、基幹店を中心に主力カテゴリーの充実やデジタルを活用した顧客獲得など外商顧客基盤の拡大に取り組みました。また、国内外の富裕層マーケットに向けた新規施策を立案、推進しました。
また、他社との共同により、コーポレートベンチャーキャピタル「JFR MIRAI CREATORS Fund」を2022年9月に設立しました。2030年を見据えた事業ポートフォリオ変革に向け、スタートアップ企業との共創を通じた新規事業の創出とともに、次代を担う経営人財の育成、創造と挑戦を促す企業風土への進化につなげてまいります。加えて、eスポーツチーム「SCARZ(スカーズ)」を保有する株式会社XENOZ(ゼノス)の株式50.8%を取得することを決定しました。今後成長が期待されるeスポーツ事業に参入するとともに、SCや百貨店など各事業とのシナジー創出に取り組んでまいります。
これらの重点戦略とあわせ、最重要施策である「経営構造改革」では、組織・要員構造改革などの効果創出に加え、業務委託領域や賃貸物件の見直し、物流・駐車場等の効率化など固定費の削減を着実に推進しました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<百貨店事業>
(単位:百万円、%)
2023年2月期
第3四半期連結累計期間(3~11月)
(参考)2023年2月期
第3四半期連結会計期間(9~11月)
実績
対前年
実績
対前年
増減高
増減率
増減高
増減率
売上収益
151,938
19,276
14.5
50,328
4,150
9.0
事業利益
8,810
8,752
-
3,079
1,513
96.7
営業利益
6,509
9,318
-
2,696
939
53.4
当第3四半期連結累計期間の百貨店事業の業績は、売上収益が前年同期比14.5%増の
1,519億38百万円、営業利益は65億9百万円(前第3四半期連結累計期間は28億9百万円の損失)となりました。
また、当第3四半期連結会計期間の業績は、売上収益が前年同期比9.0%増の503億28百万円、営業利益は同53.4%増の26億96百万円となりました。
3月下旬に各地域において行動制限が解除されて以降、入店客数は回復基調が続き、売上収益は堅調な富裕層マーケットへの対応をはじめとする戦略・施策の効果、また10月以降、訪日外国人売上の増加も加わり、着実に改善しております。なお、コロナ感染症への対策については従来施策の徹底を図り、安心・安全なお買い物、職場環境づくりに引き続き取り組んでおります。
こうした中、重点戦略に基づき、顧客との強固な関係性を構築すべく、アプリを通じたタッチポイントのデジタル化の取り組みを推進しました。具体的には、従来の購買履歴に加え、閲覧ログなどのオンライン上での顧客データを分析することで、より深い顧客理解につながっております。
同時に、大丸松坂屋オンラインストアではスマートフォンでの利用を意識したサイトデザインへの変更や顧客ニーズに沿った検索機能を設けるなど顧客利便性を強化しました。また、リアル店舗や販売サービス力など百貨店の強みを活かしたコスメのメディアコマース「DEPACO(デパコ)」をローンチしました。
リアル店舗の魅力化への取り組みでは、基幹店を中心にラグジュアリーや高級時計など主力カテゴリーの強化に加え、松坂屋静岡店、高知大丸のリニューアルを推進したほか、従来の商品カテゴリーにとらわれない新たなコンテンツの開発を進めました。当第3四半期では、梅田店において9月に高級時計ブティックを移設拡大、11月に国内2番目の出店となる任天堂株式会社の直営オフィシャルショップ「Nintendo OSAKA」をオープンしました。隣接する「ポケモンセンターオーサカ」とあわせて、大型キャラクター集積ゾーンを構築することで、ターミナル店舗の特性である広域からの集客につながっています。今後も各店の特性を活かした魅力的な売場、店づくりを推進してまいります。
<SC事業>
(単位:百万円、%)
2023年2月期
第3四半期連結累計期間(3~11月)
(参考)2023年2月期
第3四半期連結会計期間(9~11月)
実績
対前年
実績
対前年
増減高
増減率
増減高
増減率
売上収益
40,057
712
1.8
13,402
822
6.5
事業利益
5,721
1,444
33.8
1,715
160
10.3
営業利益
6,858
4,754
226.0
1,997
350
21.2
当第3四半期連結累計期間のSC事業の業績は、売上収益が前年同期比1.8%増の400億
57百万円、営業利益は同226%増の68億58百万円となりました。
また、当第3四半期連結会計期間の業績は、売上収益が前年同期比6.5%増の134億2百万円、営業利益は同21.2%増の19億97百万円となりました。
百貨店事業と同様に、前期の店舗休業等による反動や3月下旬以降の各エリアでの人流回復に加え、基幹店を中心とした戦略改装や新規のプロモーション効果などにより、入店客数、テナント取扱高は着実に改善しています。営業利益は、売上収益の改善に加え、前期に計上した株式会社ヌーヴ・エイ株式譲渡に伴う損失の反動、エンタテインメント事業における補助金受入れ等により、前年実績に対し増益となりました。
こうした中、時代変化やコロナ禍における生活スタイルの変化を見据えた店舗構造改装計画を推進しております。池袋PARCOでは駅直結部となるグランドフロア改編やエリアとの親和性の高いコンテンツの拡充、名古屋PARCOでは西館グランドフロアをメインにジェンダーレス、エイジレスをキーワードとした大規模改装など、マーケットに対する店舗イメージを一新しました。
当第3四半期では、これらの改装効果や話題性ある各店におけるPOPUPショップの拡大展開等とあわせ、「リアル×デジタル戦略」の一環として、PARCOポイント会員とオンラインストア会員のID統合により、店舗とオンラインストアのシームレスなお買い物体験を提供する「PARCOメンバーズ」を開始しました。
<デベロッパー事業>
(単位:百万円、%)
2023年2月期
第3四半期連結累計期間(3~11月)
(参考)2023年2月期
第3四半期連結会計期間(9~11月)
実績
対前年
実績
対前年
増減高
増減率
増減高
増減率
売上収益
40,053
1,608
4.2
14,231
1,524
12.0
事業利益
2,361
△436
△15.6
809
△261
△24.4
営業利益
2,549
△557
△17.9
762
△536
△41.3
当第3四半期連結累計期間のデベロッパー事業の業績は、売上収益が前年同期比4.2%増の
400億53百万円、営業利益は同17.9%減の25億49百万円となりました。
売上収益は、既存物件の営業終了による影響があったものの、株式会社パルコスペースシステムズにおいてグループ内外工事や施設管理業務の増加等により増収、営業利益は減益となりました。
また、当第3四半期連結会計期間の業績は、売上収益が前年同期比12.0%増の142億
31百万円の増収となりましたものの、営業利益は主に前期に計上した固定資産売却益の反動、また資材高騰の影響等も加わり、同41.3%減の7億62百万円となりました。
こうした中、当社グループの保有不動産の最大活用と不動産ポートフォリオの拡大に向けた重点戦略を推進しました。当社が基盤を有する7つの重点エリアにおける開発について、名古屋栄地区「(仮称)錦三丁目25番街区計画」や大阪心斎橋地区「(仮称)心斎橋プロジェクト」の計画推進に加え、新たに福岡天神エリアにおいて魅力的で質の高い街づくりへの貢献を目指し、地域や他社連携による検討を進めてまいります。また、保有不動産の有効活用に向けたレジデンス事業を推進してまいります。
<決済・金融事業>
(単位:百万円、%)
2023年2月期
第3四半期連結累計期間(3~11月)
(参考)2023年2月期
第3四半期連結会計期間(9~11月)
実績
対前年
実績
対前年
増減高
増減率
増減高
増減率
売上収益
9,709
1,778
22.4
3,395
417
14.0
事業利益
2,931
1,806
160.4
1,099
450
69.3
営業利益
2,940
1,769
150.9
1,086
422
63.4
当第3四半期連結累計期間の決済・金融事業の業績は、売上収益は前年同期比22.4%増の
97億9百万円、営業利益は同150.9%増の29億40百万円となりました。
また、当第3四半期連結会計期間の業績は、売上収益が前年同期比14.0%増の33億95百万円、営業利益は同63.4%増の10億86百万円となりました。
売上収益は、年会費改定等による増収効果に加え、百貨店事業及び外部加盟店での取扱高改善による加盟店手数料や保険代理店手数料の増加等により増収となりました。営業利益は人件費やアクワイアリング業務、システム投資に伴う費用等が増加したものの、主に売上収益増により増益となりました。
こうした中、顧客基盤の拡大に向け、主に百貨店事業との協業によるカード会員の拡大及び利用促進に加え、独自のポイントサービス「QIRAポイント」の差別化、認知度向上に向け、会員向けのイベントを実施するなど特別体験の提供に取り組みました。また、加盟店事業では百貨店事業での加盟店集約に加え、グループ商業施設でのアクワイアリング導入により取扱高が拡大するなど、事業基盤の拡大に向けた取り組みを推進しました。
(2)財政状態の分析
(単位:百万円、%)
2022年2月期
2023年2月期
第3四半期
増減高
流動資産
234,884
235,225
341
非流動資産
958,022
932,498
△25,524
資産合計
1,192,907
1,167,723
△25,184
流動負債
347,413
356,276
8,863
非流動負債
483,373
441,985
△41,388
負債合計
830,787
798,261
△32,526
親会社の所有者に帰属する持分
350,368
357,770
7,402
親会社所有者帰属持分比率
29.4
30.6
1.2
資本合計
362,120
369,461
7,341
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は1兆1,677億23百万円となりました。前連結会計年度末との比較では、業績回復とともに手許現預金を段階的に圧縮したことなどにより
251億84百万円減少しました。負債合計は7,982億61百万円となりました。前連結会計年度末との比較では、手許現預金の圧縮とあわせ有利子負債を削減したことなどにより
325億26百万円減少しました。一方、資本合計は3,694億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ73億41百万円増加しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
2022年2月期
第3四半期
2023年2月期
第3四半期
増減高
営業活動によるキャッシュ・フロー
37,143
46,799
9,656
投資活動によるキャッシュ・フロー
△8,146
△11,873
△3,727
フリーキャッシュ・フロー
28,996
34,926
5,930
財務活動によるキャッシュ・フロー
△32,682
△75,003
△42,321
現金及び現金同等物の増減額
△3,685
△40,077
△36,392
現金及び現金同等物の期首残高
128,925
93,278
△35,647
現金及び現金同等物の為替変動による影響
109
254
145
現金及び現金同等物の四半期末残高
125,348
53,456
△71,892
当第3四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ398億22百万円減の534億56百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは467億99百万円の収入となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、主に税引前四半期利益の増加などにより96億56百万円の収入増となりました。
②
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは118億73百万円の支出となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、有形固定資産の取得による支出の増加などにより
37億27百万円の支出増となりました。
③
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは750億3百万円の支出となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、借入金の返済や社債の償還による支出などにより
423億21百万円の支出増となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。
#C3086JP #Jフロントリテイリング #小売業セクター
