【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年6月1日~2023年5月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の拡大防止を目的とした行動規制が緩和され感染症法上の位置づけを5類へ移行する方針が決定されるなど経済活動は正常化し始め景気の持ち直しが期待されています。しかしながら日本経済とつながりのある海外諸国における地政学的リスクの長期化や原材料価格やエネルギー価格の高騰、物価の上昇に伴い個人消費の回復までには至らず依然として先行き不透明な状況が続いております。
小売業界におきましても、急激な円安の進行、原油高騰、原材料価格の高騰による度重なる値上げ等により、消費者の節約志向、低価格志向が一層高まったことで、業界業態を超えた販売競争がさらに激化するなど、厳しい経営環境が続いております。
このような状況の下、当社グループは店舗ごとに独創的な空間を創出し、更にはPOPUP事業の出店強化やオンライン事業のオリジナル商品の展開強化などにより、より独創的でヴィレッジヴァンガードでしか表現することのできない新たな事業の創出・向上に取り組んで参りました。
このような事業活動の結果、当連結会計年度の売上高につきましては、25,282百万円と前連結会計年度と比べ 1,476百万円の減収(5.5%減)となりました。売上総利益につきましては、売上高の減少が影響し、10,447百万円と前連結会計年度と比べ480百万円の減益(4.4%減)となりました。また販売費及び一般管理費の削減に取り組んでまいりましたが、営業利益は130百万円と前連結会計年度と比べ221百万円の減益(62.9%減)、経常利益は135百万円と前連結会計年度と比べ285百万円の減益(67.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は28百万円と前連結会計年度と比べ87百万円の減益(75.4%減)となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
(イ)ヴィレッジヴァンガード
ヴィレッジヴァンガードは、お客様にお買い物を楽しんでいただくため、独創的なワン・アンド・オンリーの空間の創造を目指しております。
各店舗では、書籍・SPICE(雑貨類)及びニューメディア(CD・DVD類)、アパレル等の商材を融合させ、店舗独自の「提案」を展開しております。
主な業態店舗としては、「遊べる本屋」から「コト」も含め取扱分野を広げた「ヴィレッジヴァンガード」、大人も楽しめる空間を演出したライフスタイルショップ「new style」、アウトレット業態「Vintage Vanguard」等を運営しております。またオンライン業態では日本国内でオンラインの書籍・SPICE及びニューメディアの販売を行っており、クリエイター様やアーティスト様とのコラボ商品等、オリジナル性の高い商品を多数取り扱っております。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は、25,282百万円と前連結会計年度と比べ1,476百万円の減収(5.5%減)となりました。売上総利益につきましては、売上高の減少が影響し、10,447百万円と前連結会計年度と比べ480百万円の減益(4.4%減)となりました。また販売費及び一般管理費の削減に取り組んでまいりましたが、営業利益は130百万円と前連結会計年度と比べ221百万円の減益(62.9%減)となりました。
当社グループの当連結会計年度末の店舗数は、直営店3店舗出店し、直営店13店舗、FC店1店舗を閉鎖したことにより、直営店303店舗、FC店4店舗の合計307店舗となりました。
(ロ)その他
当社グループには海外事業として海外子会社が2社ありますが、比利緹卡(上海)商貿有限公司につきましては2016年3月末をもって店舗を閉鎖、TITICACA HONGKONG LIMITEDにつきましても2017年6月末をもって店舗を閉鎖しております。順次、会社清算へ向けた手続きを進めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,075百万円 減少し、当連結会計年度末には3,991百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は53百万円(前連結会計年度は1,450百万円の収入)となりました。これは、主に 税金等調整前当期純利益94百万円、減価償却費307百万円、仕入債務の増加額57百万円があったものの棚卸資産の 増加額106百万円、未払消費税の減少額273百万円、法人税等の支払額165百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は158百万円(前連結会計年度は242百万円の支出)となりました。これは、主に有 形固定資産の取得による支出130百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は863百万円(前連結会計年度は4百万円の収入)となりました。これは、主に長期 借入れによる収入3,150百万円があったものの、長期借入金の返済による支出3,969百万円があったためでありま す。
③ 仕入及び販売の状況
(イ)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
ヴィレッジヴァンガード
14,946
1.1
その他
-
-
合計
14,946
1.1
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(ロ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
ヴィレッジヴァンガード
25,282
△5.5
その他
-
-
合計
25,282
△5.5
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて3.9%減少し、20,714百万円となりました。これは、現金及び預金が1,075百万円減少したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて8.1%減少し、2,915百万円となりました。これは、建物附属設備(純額)が58百万円、ソフトウエアが110百万円、差入保証金が65百万円減少したことなどによるものです。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて4.4%減少し、23,630百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて5.8%減少し、7,585百万円となりました。これは、1年以内返済予定の長期借入金が280百万円、未払消費税が199百万円減少したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて5.6%減少し、8,432百万円となりました。これは、長期借入金が538百万円減少したことなどによるものです。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて5.7%減少し、16,017百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて118百万円減少し、7,612百万円となりました。これは、利益剰余金が91百万円減少したことなどによるものです。
(ロ)経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、店舗で販売するための商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に有形固定資産の取得等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は9,980百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,991百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
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