【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断するものです。
(1) 経営成績に関する説明当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行や入国制限の緩和により、経済社会が正常化し、緩やかな回復傾向にあります。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や、円安などによる原材料・エネルギー価格の高騰に伴う国内物価の上昇が消費マインド・企業活動に影響を及ぼしており、依然として不透明な状況となっています。このような状況の中、中核事業会社である株式会社オンワード樫山のOMO(Online Merges with Offline)サービス「クリック&トライ」の利用拡大や、SNSを活用したマーケティング施策の精度が上がったことなどから、リアル店舗およびオンラインストアへの来客数が着実に増加しました。その結果、売上高が大きく伸長しました。また、グローバル事業構造改革の成果が顕著に現れたことや、商品サプライチェーンの効率化が進んだことなどにより、売上総利益率が引き続き上昇しました。一方で、ブランド複合店舗の展開による販売効率の改善などにより、販管費率が大幅に低下しました。以上の結果、連結売上高は904億11百万円(前年同期比10.0%増)、連結営業利益は50億22百万円(前年同期比26.0倍)、連結経常利益は44億12百万円(前年同期比574.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は28億62百万円(前年同期比501.1%増)となりました。また、当社グループでは、新規事業の創出やM&A等を活用した事業基盤の強化・拡大により成長を加速していく中で、会計基準の差異にとらわれることなく企業比較を容易にすることを目的とし、EBITDA(営業利益+減価償却費およびのれん償却費)を重要な経営指標としています。当第2四半期連結累計期間のEBITDAは73億90百万円(前年同期比160.4%増)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりです。
〔アパレル関連事業〕国内事業は、株式会社オンワード樫山の基幹ブランドの『23区』が今期創設30周年を迎え、ブランドアンバサダーを起用し、ファッションムービー「30th SPECIAL FASHION SHOW PARIS TO TOKYO」を特設サイトで配信する等のプロモーションを実施し、更なる成長への取り組みを推進しました。また『KASHIYAMA(カシヤマ)』『UNFILO(アンフィーロ)』などの新規ブランドの売上が好調に推移しました。海外事業は、ヨーロッパ、アメリカ、アジアそれぞれにおいて増収を達成したことに加え、大連工場の稼働率向上が寄与し、損益が改善しました。以上の結果、アパレル関連事業は増収、大幅な黒字転換となりました。
〔ライフスタイル関連事業〕ウェルネス事業を展開するチャコット株式会社は、外部イベントの開催が復活したことによるバレエ関連商品の需要拡大や、コスメティクス事業の伸長により売上高が拡大しました。ペット・ホームライフ事業を展開する株式会社クリエイティブヨーコは、新規出店施策が奏功し、引き続き好調に推移しました。ギフトカタログ事業を展開する株式会社大和も継続して好調に推移しました。以上の結果、ライフスタイル関連事業は増収増益となりました。
(2) 財政状態に関する説明(資産、負債、純資産の状況)当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ15億73百万円増加し、1,607億72百万円となりました。これは主に、商品及び製品が40億33百万円増加し、現金及び預金が14億81百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が15億98百万円減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べ66億17百万円増加し、807億42百万円となりました。これは主に、短期借入金が109億62百万円増加し、長期借入金が26億60百万円減少したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べ50億44百万円減少し、800億29百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益28億62百万円、剰余金の配当16億28百万円、その他有価証券評価差額金の減少4億34百万円、為替換算調整勘定の減少6億94百万円、非支配株主持分の減少51億19百万円によるものです。この結果、自己資本比率は46.5%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、棚卸資産の増加、売上債権の減少、仕入債務の減少等により10億92百万円の収入(前年同期は13億99百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出、有形固定資産の取得による支出等により18億93百万円の支出(前年同期は59億35百万円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増減および配当金の支払いが主なもので9億94百万円の支出(前年同期は83億32百万円の支出)となりました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて14億81百万円減少し、123億14百万円となりました。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動記載すべき重要な研究開発活動はありません。