【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しており、当連結会計年度に係る各金額については、収益認識会計基準等を適用した後の金額となっております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等注記事項 会計方針の変更」に記載しております。
なお、当社は当事業年度から決算期変更を行い、それに伴い子会社も決算期変更を行いました。当連結会計年度においては14ヵ月の変則決算となっておりますので、前年同期との比較分析は行っておりません。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和に向かい、経済活動の再開やインバウンド消費への期待感から、景気は緩やかな回復基調にあります。しかしながら、原材料価格やエネルギー価格の高騰及び実質賃金の減少により消費者の生活防衛意識はこれまで以上に高まっており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する食関連業界におきましても、コロナ禍からの回復は見られるものの、物価上昇や実質賃金の減少により消費マインドの抑制が顕著になる等、予断を許さない状況となっております。
このような環境の中、当社グループはDXを活用した構造改革による業務の見直しや商品戦略による利益重視の経営を徹底するとともに、コロナ禍により抑制していた出店を徐々に再開する等、中期の成長を見据えた施策を展開しました。
出退店につきましては、「名古屋栄三越精肉店」「柿安ダイニング 阪神梅田本店」等、9店の出店、9店の退店を行いました。
<出退店の状況>
区 分
出 店
退 店
精肉事業
1店
1店
惣菜事業
3店
1店
和菓子事業
5店
4店
レストラン事業
-
3店
食品事業
-
-
合 計
9店
9店
以上の結果、当連結会計年度の売上高は43,910百万円、営業利益は3,509百万円、経常利益は3,566百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,205百万円となりました。また、売上高営業利益率は過去最高の8.0%となりました。
各セグメントの売上高の状況は次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年4月30日)
構成比(%)
精肉事業(百万円)
17,358
39.5
惣菜事業(百万円)
14,916
34.0
和菓子事業(百万円)
7,714
17.6
レストラン事業(百万円)
1,824
4.1
食品事業(百万円)
2,096
4.8
合計(百万円)
43,910
100.0
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(a) 精肉事業
精肉事業につきましては、日販品『柿安の小間きれ』のブラッシュアップを重ねるとともに、『柿安のお惣菜小間』等の新商品の開発を行いました。また、惣菜事業との連携を図るとともに、自社工場との連携強化にも努めました。
出退店につきましては、「名古屋栄三越精肉店」の出店、1店の退店を行いました。
この結果、当事業の売上高は17,358百万円、セグメント利益は1,715百万円となりました。
(b) 惣菜事業
惣菜事業につきましては、人気商品『大海老マヨ』『ローストビーフ』シリーズや『オールスター弁当』の期間限定商品等、ラインナップの充実を図りました。また、『新玉ねぎと森林鶏の純白サラダ』等の旬の食材を用いた商品を販売する等、高付加価値商品の展開に努めました。
出退店につきましては、「柿安ダイニング 阪神梅田本店」「柿安ダイニング そごう大宮店」等3店の出店、1店の退店を行いました。
この結果、当事業の売上高は14,916百万円、セグメント利益は1,541百万円となりました。
(c) 和菓子事業
和菓子事業につきましては、定番商品の『おはぎ』やハーフサイズの『姫おはぎ』に加え、人気アニメキャラクターや人気YouTuberとのコラボ商品の展開により、顧客層拡大を図りました。また、一定期間何度でもお値打ちに商品を購入いただけるパスカード『口福パス』を導入し好評を頂きました。一方、DX化による構造改革により、コロナ禍で売上の確保が難しい中でも利益の取れるような基盤強化に努めました。
出退店につきましては、「口福堂アル・プラザ草津店」等5店の出店、4店の退店を行いました。
この結果、当事業の売上高は7,714百万円、セグメント利益は980百万円となりました。
(d) レストラン事業
レストラン事業につきましては、組織再編や不採算店の退店等による事業のスリム化により、当期は黒字化を達成いたしました。また、ブランド力向上を目的として旗艦店「料亭本店」の全面改装を行いました。
出退店につきましては、3店の退店を行いました。
この結果、当事業の売上高は1,824百万円、セグメント利益は23百万円と4期ぶりの黒字となりました。
(e) 食品事業
食品事業につきましては、大手コンビニエンスストア向けに「牛めし」「牛すき焼弁当」や「牛しぐれ煮」等のおにぎりの具材提供を行いました。また、人気アニメキャラクターとのコラボ商品として『牛肉しぐれ煮』シリーズを展開する等、販路拡大に努めました。
この結果、当事業の売上高は2,096百万円、セグメント利益は256百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,723百万円増加し、21,725百万円となりました。
流動資産は1,614百万円増加し、15,180百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加794百万円と売掛金の増加564百万円等であります。固定資産は108百万円増加し、6,545百万円となりました。主な要因は、建物及び構築物の増加61百万円等であります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ550百万円増加し、4,718百万円となりました。
流動負債は550百万円増加し、4,262百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加251百万円、未払金の増加174百万円等であります。
固定負債は0百万円減少し、455百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,173百万円増加し、17,007百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,205百万円の計上による増加と剰余金の配当による減少1,046百万円等であります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ794百万円増加し、10,745百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は2,547百万円となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益3,358百万円に対し非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入3,716百万円等であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額1,283百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は699百万円となりました。収入の主な内訳は、定期預金の払戻による収入1,800百万円等であり、支出の主な内訳は、定期預金の預入による支出1,800百万円、有形固定資産の取得による支出635百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,054百万円となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額1,047百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年4月30日)
前期比(%)
精肉事業(百万円)
9,908
-
惣菜事業(百万円)
5,367
-
和菓子事業(百万円)
2,158
-
食品事業(百万円)
1,330
-
合計(百万円)
18,765
-
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.決算期変更に伴い当連結会計年度は14ヵ月となっておりますので、前期比については記載しておりません。
(b) 受注実績
当社グループは見込み生産を行っており、受注実績について記載すべき事項はありません。
(c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年4月30日)
前期比(%)
精肉店舗(百万円)
17,240
-
その他精肉部門(百万円)
117
-
精肉事業(百万円)
17,358
-
ダイニング店舗(百万円)
13,351
-
その他惣菜店舗(百万円)
1,562
-
その他惣菜部門(百万円)
2
-
惣菜事業(百万円)
14,916
-
和菓子店舗(百万円)
7,693
-
その他店舗(百万円)
0
-
その他和菓子部門(百万円)
20
-
和菓子事業(百万円)
7,714
-
柿安店舗(百万円)
386
-
ビュッフェ店舗(百万円)
204
-
グリル店舗(百万円)
1,233
-
レストラン事業(百万円)
1,824
-
しぐれ部門(百万円)
1,701
-
その他食品部門(百万円)
395
-
食品事業(百万円)
2,096
-
合計(百万円)
43,910
-
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.決算期変更に伴い当連結会計年度は14ヵ月となっておりますので、前期比については記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループは、過去の実績や取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産、負債の帳簿価額及び収益、費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の影響から回復傾向ではありますが、ウクライナ情勢の長期化、原材料・エネルギー価格の高騰や実質賃金の減少により経済活動の低迷は深刻化しております。当面の間、厳しい状況が予想され、消費者心理の回復には期間を要する状況にあります。この厳しい経営環境の中でも、家庭内食、中食、外食を擁する総合食品企業として、変化する消費者のニーズに柔軟に対応するとともに、成長し続ける強い経営基盤を構築し、価値経営の実現を目指してまいります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しておりますのでご参照ください。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照ください。
④戦略的現状と見通し
当社グループの当連結会計年度の戦略的現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますのでご参照ください。
⑤目標とする経営指標について
当社グループの目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますのでご参照ください。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、新規出店及び店舗改装等にかかる投資であり、安定的に売上金の回収を行うことが出来る契約を各取引先と結んでいるため、営業活動により獲得した資金から支出可能な状況にあります。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの詳しい状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますのでご参照ください。