【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和される中、経済活動の正常化が着実に進んでおり、国内においても感染対策と経済活動の両立が進められ、全体として緩やかな回復基調となっております。
一方、新たな変異ウイルスによる感染状況の動向や金利上昇による世界経済の減速、世界的な半導体不足の長期化や資源価格の上昇による景気下振れリスク、米中間の通商問題を巡る緊張、米国におけるインフレの急拡大、中国経済の成長鈍化、ロシアによるウクライナ侵攻等、依然として不透明な状況が続いており、世界経済の不確実性は増すばかりとなっております。
自動車業界におきましては、半導体の供給不足や部品供給の停滞が緩和される中で自動車メーカーの生産は回復基調となっており、日本国内の自動車生産台数は前年同期比13.6%増の642万台、米国の自動車生産台数は前年同期比9.1%増の799万台、中国の自動車生産台数は前年同期比3.4%増の2,060万台となりました。
当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、主に欧州で予定していた新規受注案件の量産立ち上げが遅れたことによる影響により、当初想定していた販売水準に対して伸び悩んだものの、半導体の供給不足等の緩和に伴う自動車メーカーの生産増加に伴い、米国・韓国・日本を中心に中国を除くセグメント全般において前年同期比で伸長し、また円安による邦貨換算額の増加影響もあり、売上高は2,197億7百万円(前年同期比366億6千5百万円増、20.0%増)となりました。
営業損益については、資源・素材の高騰に伴う材料コストの上昇や半導体供給不足による調達コストの急増、世界的なコンテナ不足等による輸送コストの高止まり及び米国を中心とした労働者不足による人件費増加等あったものの、主要顧客の販売台数が増加したことや原価低減と生産性向上、経費削減等の合理化による収益の確保に努めたことにより、14億6千8百万円の営業利益(前年同期は32億8千2百万円の営業損失)となりました。
経常損益は、主に受取配当金5億8千3百万円、受取利息5億9百万円、持分法による投資利益2億3千5百万円並びに助成金収入1億5千2百万円等を収益に計上した一方で、支払利息2億5千2百万円を費用に計上したことにより、28億3千9百万円の経常利益(前年同期は18億7千7百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損益は、主に特別利益において固定資産売却益1億6百万円、貸倒引当金戻入額9百万円を計上し、特別損失で製品保証引当金繰入額2億6千9百万円、貸倒損失1億7千6百万円を計上したことから、13億5千8百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益(前年同期は30億3千4百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ143億7百万円増加し、2,846億2千1百万円となりました。主として、投資有価証券が78億3千8百万円、現金及び預金が42億3千8百万円、受取手形及び売掛金が33億4千万円、有形固定資産が16億9千5百万円それぞれ増加した一方で、原材料及び貯蔵品が8億8千4百万円、有価証券が3億4千2百万円それぞれ減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べ78億4千9百万円増加し、893億8千5百万円となりました。主として、支払手形及び買掛金が52億2千万円、繰延税金負債が12億2千8百万円それぞれ増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ64億5千7百万円増加し、1,952億3千5百万円となりました。主として、その他有価証券評価差額金が58億8千8百万円、為替換算調整勘定が18億3千5百万円、利益剰余金が8千1百万円それぞれ増加したことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 日本
日本におきましては、半導体不足等による生産制約の影響は依然として残っているものの、主要顧客の生産台数が増加したことにより、売上高は413億5千3百万円(前年同期比43億9千万円増、11.9%増)となりました。営業利益は、原価低減と生産性向上、経費削減等の合理化による収益の確保に努める一方で、生産及び販売台数の減少並びに鋼材・樹脂材等の価格上昇に伴うコスト高、輸送コストの上昇及び半導体供給不足に伴う減産による影響により、7億9千1百万円(前年同期比6億9千5百万円増、729.7%増)となりました。
② 北米
北米におきましては、米国を中心に堅調に推移し、また円安による邦貨換算額の増加影響もあり、売上高は750億9千5百万円(前年同期比154億5千3百万円増、25.9%増)となりました。営業損益は、原価低減と生産性改善、価格戦略の見直し等に取り組んだものの、鋼材・樹脂材等の価格上昇に伴うコスト高、米国での労働力不足による労務費増加、世界的な物流コスト高止まり等の影響もあり、4億1千7百万円の営業損失(前年同期は23億3千万円の営業損失)となりました。
③ 中国
中国におきましては、円安による為替影響はあったものの、EVやPHEV等の新エネルギー車向けの販売拡大や半導体供給不足による主要顧客の減産影響等により、売上高は337億2千7百万円(前年同期比18億2千1百万円減、5.1%減)となりました。営業損益は、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、原材料価格の高騰、賃金上昇による労務費増加等の影響により、6億7千4百万円の営業損失(前年同期は4億2千万円の営業利益)となりました。
④ アジア
アジアにおきましては、半導体供給不足による影響はあったものの、韓国・インドネシア・インド子会社を中心に主要顧客の生産台数が増加したこと、また円安による為替影響等もあり、売上高は598億4千1百万円(前年同期比119億9百万円増、24.8%増)となりました。営業利益については、インド・ベトナム子会社を中心に材料コスト削減が十分に進まず高止まりとなったものの、韓国子会社を中心に原価低減や生産性改善等による収益力向上により、31億4千7百万円(前年同期比15億8千万円増、100.8%増)となりました。
⑤ 欧州
欧州におきましては、半導体供給不足による影響はあったものの、イタリア・ハンガリー・チェコ子会社を中心に主要顧客の生産台数が伸びたこと、また円安による邦貨換算額の増加影響等もあり、売上高は215億1千6百万円(前年同期比77億3千6百万円増、56.1%増)となりました。営業損益は、材料及び輸送コスト等の増加影響はあったものの、主にハンガリー・イタリア子会社を中心に価格戦略の見直し等による収益力改善により、3百万円の営業利益(前年同期は16億3千3百万円の営業損失)となりました。
⑥ 南米
南米におきましては、新規車種の量産が立ち上げとなったことから売上高は、14億7千7百万円(前年同期比3億3千8百万円増、29.7%増)となりました。営業損益は、生産拡大に伴う操業度上昇による改善効果があったものの、外貨建て購入部材の為替影響によるコストアップ等の影響もあり、1億4千8百万円の営業損失(前年同期は1億6千7百万円の営業損失)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はあ
りません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3,041百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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