【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、個人消費や企業の生産活動は持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかに持ち直しております。一方で、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループは、「ゲームをより楽しめる世界を創る」を企業理念に掲げ、多くのユーザーから支持を集めるゲーム情報メディア「GameWith」の運営を中心に、今後も市場規模の拡大が見込めるeスポーツ、現在急速に注目を集めているNFT領域や新規で開始した光回線事業等、ゲームに関する様々な事業に経営資源を投下し、当社グループの事業成長に注力してまいりました。
なお、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期に比べ利益率が低下しております。これは主に、2021年11月より発生したのれん償却費といった法人税等の計算に影響しない費用が増加したことによるものです。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,712百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益は102百万円(同5.9%増)、経常利益は92百万円(同0.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は46百万円(同15.1%減)となりました。
このような状況のもと、2023年5月期より、中期事業戦略の遂行にあたり、特に今後成長が見込まれるeスポーツやその他新規事業の損益状況及び成長性をより明確にし、今後収益の柱となるよう注力することを目的に、従来の「メディア」単一セグメントから、セグメント区分の変更をいたしました。
セグメント別の業績は以下の通りでございます。
1)メディア
メディア事業においては、主に多くのユーザーから支持を集めるゲーム情報メディア「GameWith」等の企画・運営を行っております。ゲームを有利に進めるための攻略情報やゲームを見つけるための紹介情報等のコンテンツを、主にWebサイトの利用者に提供し、そこに表示される広告枠を販売すること等により収益を得ております。
コンテンツ作成においては、コンテンツ作成に特化した組織の運営や、全国どこでもリモートライターとしてゲームを仕事にできる「ゲームプレイワーカー」の活用等を行うことで、より質の高い記事を迅速に提供できる仕組みを構築しております。PV(ページビュー)数が見込めるヒットタイトルについては攻略サイト運営によりトラフィックを生み出すことで、複数の広告主が入札を行い、広告枠を獲得するモデルであるネットワーク広告収入を得ると同時に、主にゲーム会社向けに有料攻略サイト運営やゲーム紹介記事作成等の多様な商材を直接提供することで、メディア価値を活かしたタイアップ広告収入を得ております。
当第2四半期連結累計期間においては、大型コンソールタイトルの新作発売等によりPV数が伸びたことに加え、PV単価が好調に推移した結果、ネットワーク広告収入が増加しました。
また、既存領域であるメディア事業においては、コスト効率化プロジェクトを並行して行っており、コストに関しては、全体的に減少傾向にあります。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,209百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は492百万円(同48.1%増)となりました。
2)eスポーツ・エンタメ
eスポーツ・エンタメ事業においては、主にゲーム実況動画配信者等のクリエイターマネジメントとeスポーツチームの運営を行っております。
クリエイターマネジメントについては、動画制作・編集サポートや企業タイアップ案件の獲得、コラボレーションイベントの企画、ユーザーへのリーチ等、クリエイター単独では難しい分野について組織としてサポートサービスを提供し、主に動画配信収益をクリエイターと分配することで収益を得ております。
eスポーツについては、有力な選手をスカウトし固定報酬や練習環境、チームマネジメント等を提供することで、世界で戦えるかつ人気のあるeスポーツチームを運営することに注力しております。こういった点に経営資源を投下することでチームの価値を上げ、スポンサーや大会賞金、ファンビジネス等、多様な方法で収益を得ております。
また、eスポーツチーム「DetonatioN FocusMe(以下、「DetonatioN」という)」のVALORANT部門において、Riot Games, Inc.(米国)(以下、「ライアットゲームズ」という)との長期的パートナーシップの締結を2022年9月に発表いたしました。このパートナーシップ締結により、厳正な審査の上選ばれた世界屈指の強豪30チームが集結するリーグへの参加が内定し、日本からはわずか2チームのみが選ばれております。リーグ参加のみならず、ライアットゲームズからの1年単位の経済的支援や独自の限定インゲームコンテンツ/プロダクトのコラボレーション機会の提供、世界中のVALORANT月間アクティブプレイヤー1,500万人に向けてブランドコンテンツを提供可能になるなど、大きなメリットがございます。
これにより、今後はさらにグローバルで認知されるチームになっていくことが期待でき、今まで国内規模だった露出が世界規模に広がることになります。DetonatioNにはすでに多くのスポンサーがついており、今後こちらの収益の拡大が期待できます。
長期的かつ安定的にeスポーツシーンを成長させていくことが今回のパートナーシップの目的であり、日本を代表するチームとして、今後のeスポーツの発展と普及にも貢献してまいります。
当第2四半期連結累計期間においては、大会賞金や大規模イベントの実施など一時的なもののみならず、前述のパートナーシップ締結に伴う支援金など継続的に見込めるものが発生し、売上高増加に寄与いたしました。
以上の結果、当セグメントの売上高は427百万円(前年同期比77.7%増)、営業損失は119百万円(前年同期は営業損失73百万円)となりました。
3)その他
その他においては、新規事業として、企業理念である「ゲームをより楽しめる世界を創る」を実現するため、ゲームに関する様々な事業を行っております。現状は、NFT事業とeスポーツに特化した光回線事業の主に2つに注力しております。
NFT事業については、投資先の株式会社Kyuzanと共同開発を行っているNFTゲーム「EGGRYPTO」が大きく成長しており、今後拡大が予想されるNFTゲーム市場におけるさらなる拡大のための基盤構築を行ってまいりました。NFTゲームは、ユーザーからの課金収益等をレベニューシェアする形で収益を得ております。また、2022年7月には初心者でもNFTゲームを楽しむことができる情報を提供するNFTゲーム専門メディア「GameWith NFT」をオープンしております。メディア運用で培ったノウハウやブランドを活かし、NFTゲームの発展と普及に貢献することを目指しております。
光回線事業については、eスポーツを楽しむユーザーが拡大している中、eスポーツで勝つために必要となる高速で低遅延のインターネット回線の需要を見込み、ゲームを知り尽くしたGameWithによる、信頼性のある光回線を提供しております。資本業務提携先であるアルテリア・ネットワークス株式会社のインターネット接続サービス、ノウハウを利用して運用することで、最大限のパフォーマンスを実現しております。
当第2四半期連結累計期間においては、NFTゲーム「EGGRYPTO」について、前年同期比で売上高が成長しており、今後もアップデートやイベントを積極的に行うことで増加を目指してまいります。光回線事業については、2022年3月のサービス開始後、プロモーションを積極的に実施してきた効果もあり、順調に申込者数を獲得しております。引き続き、先行投資を行い、中長期的な成長を目指してまいります。
以上の結果、当セグメントの売上高は75百万円(前年同期比99.4%増)、営業損失は106百万円(前年同期は営業損失4百万円)となりました。
②財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は4,554百万円となり、前連結会計年度末に比べ327百万円減少いたしました。これは主に、売掛金及び契約資産が174百万円、前払費用が11百万円増加したものの、現金及び預金が509百万円減少したことによるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は1,328百万円となり、前連結会計年度末に比べ279百万円減少いたしました。これは主に、未払金が51百万円、未払法人税等が44百万円、長期借入金が164百万円減少したことによるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における純資産は3,226百万円となり、前連結会計年度末に比べ47百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が46百万円増加したものの、自己株式の取得により99百万円減少したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ509百万円減少し、3,048百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は168百万円(前年同期は346百万円の収入)となりました。これは主に、増加要因として税金等調整前四半期純利益100百万円、のれん償却額52百万円、減少要因として売上債権の増加174百万円、未払金の減少50百万円、法人税等の支払額82百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は80百万円(前年同期は242百万円の支出)となりました。これは主に、減少要因として投資有価証券の取得による支出29百万円、子会社株式の取得による支出56百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は261百万円(前年同期は161百万円の支出)となりました。これは主に、減少要因として長期借入金の返済による支出164百万円、自己株式の取得による支出100百万円によるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
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