【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年8月31日)におけるわが国経済は、総じて新型コロナウイルス感染症による行動制限の解除に伴う個人消費の持ち直しが見られるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。今後も景気の持ち直し傾向が続くことが期待されますものの、世界的な金融引き締めや、中国をはじめとした海外経済の先行き懸念が及ぼす景気の下押しリスクを背景に、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響などもあり、いまだ先行き不透明な状況が続いております。当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績につきましては、売上高は10,905百万円(前年同期比97.7%)、営業利益は477百万円(前年同期比67.6%)、経常利益は463百万円(前年同期比71.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は460百万円(前年同期比56.7%)となりました。引き続き当社グループは、先行き不透明な経済情勢におきましても、これまで取り組んでまいりました事業構造改革をより一層定着・発展させ、将来にわたる安定的な収益基盤の確立と、財務体質の健全化に努めてまいります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 ①百貨店業
百貨店業界におきましては、2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行し、行動制限がなくなったことを受け、外出機会の増加や訪日外国人によるインバウンド需要の回復により商況は前年に比べて改善し、大都市圏を中心に復調の兆しが見え始めております。こうした状況の中、当社グループにおきましては、従来型の規模や量を追求する事業モデルを見直し、量から質への新たな事業モデルへの道筋をつける「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(2022年度~2024年度)」を策定し、推進いたしております。本店におきましては、引き続き高額品やデイリー商材の食料品などの好調カテゴリーが牽引する中、百貨店らしさの追求、他商業施設との差別化を図るため、百貨店の強みである自主編集ゾーンの拡充や地域活性化などの取り組みを推し進めております。自主編集ゾーンの拡充といたしまして、本館7階子供服フロアに、サステナブルライフを推進するための自主編集セレクトショップ「SustainaBase(サステナベース)」を3月にオープンいたしました。環境に配慮した商品等の販売や情報発信、ワークショップ、企業とのコラボレーションイベントを通じて、百貨店ならではのサステナブルライフを提案しております。また、新館5階紳士服フロアでは、気軽にオーダーメイドが楽しめるメンズ&レディースオーダースーツ専門ショップ「ディファレンス」が3月にオープンいたしました。催事・イベントに関しましては、入場制限緩和や試食再開の影響等もあり、賑わいを取り戻しつつあります。3月には「全国うまいもの大会」、4月には恒例の「北海道物産展」を開催するなど多くのお客様で賑わいました。地元消費喚起への取り組みといたしましては、プレミアム付き地域商品券事業への参画をはじめ、本新館間クロスロードにて「クロスロードマルシェ」をゴールデンウィークに合わせ開催。また北九州市制60周年を記念して、地元の魅力を発信する催事「きたきゅうフェスティバル」や「井筒屋のお中元」において市制60周年特集や限定商品など、地元の繋がりを活かした取り組みを推進いたしました。今後も店内催事の開催や地域イベントへの参画など、地域の活性化に積極的に取り組んでまいります。サテライトショップにおきましては、飯塚ショップが7月に「イオン穂波ショッピングセンター」での営業を終了し、新たに「ゆめタウン飯塚」1階に移転オープンいたしました。今後とも地域のお客様との繋がりを大切にした店づくりに努めてまいります。山口店におきましては、お客様の店内の買い廻りを促進すべく、3月には洋服と雑貨のリラクシングスタイルショップ「VOYAGES HOME(ボヤージュホーム)」、4月にはインドの天然素材を使って、木版プリントの伝統技法を用いた「kapuwa(カプワ)」が2階にオープンいたしました。今後もお客様にご満足いただける魅力ある店舗づくりに努めてまいります。当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は10,885百万円(前年同期比97.7%)、営業利益は490百万円(前年同期比64.3%)となりました。
②友の会事業友の会事業におきましては、売上高は19百万円(前年同期比115.2%)、営業利益は28百万円(前年同期比311.4%)となりました。
(2)
財政状態の分析 ①資産当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて530百万円減少し、45,812百万円となりました。これは主に有形固定資産や現金及び預金等が減少したことによるものであります。総資産のうち流動資産は7,649百万円、固定資産は38,162百万円であります。固定資産の主な内容は、有形固定資産33,931百万円、無形固定資産408百万円、投資その他の資産3,822百万円であります。
②負債当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて883百万円減少し、35,348百万円となりました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。うち、流動負債は25,589百万円、固定負債は9,758百万円であります。負債の主な内容は、借入金15,842百万円、契約負債4,471百万円、支払手形及び買掛金4,188百万円、再評価に係る繰延税金負債3,278百万円であります。
③純資産当第2四半期連結会計期間末における純資産は、主に親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したこと等により前連結会計年度末に比べ352百万円増加し、10,464百万円となりました。
(3)
キャッシュ・フローの状況の分析当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前第2四半期連結累計期間末に比べ241百万円減少し、3,360百万円となりました。当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、926百万円の資金収入となりました(前第2四半期連結累計期間は1,103百万円の資金収入)。これは主として税金等調整前四半期純利益の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、387百万円の資金支出となりました(前第2四半期連結累計期間は342百万円の資金支出)。これは主として有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、838百万円の資金支出となりました(前第2四半期連結累計期間は764百万円の資金支出)。これは主として有利子負債の返済によるものであります。
(4)
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(7)
研究開発活動 該当事項はありません。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因 「1 事業等のリスク」に記載しております。
(9) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当第2四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性について基本的な考え方に重要な変更はありません。