【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1) 業績 当期におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で、行動制限が徐々に緩和されるなど、景気は緩やかに持ち直してまいりました。一方で、エネルギーや原材料価格の高騰、物価上昇等、景気を下押しする懸念材料も多く、先行き不透明なまま推移いたしました。 百貨店業界におきましては、新型コロナウイルス感染症や物価上昇などによる個人消費へのマイナス影響が懸念された一方、行動制限緩和などの外出機会の増加により商況は前年に比べて改善し、復調の兆しが見え始めておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大以前の水準には至っておりません。 こうした状況の中、当社グループにおきましては、従来型の規模や量を追求する事業モデルを見直す契機と捉え、量から質への新たな事業モデルへの道筋をつける「井筒屋グループ中期3ヵ年経営計画(2022年度~2024年度)」を策定し、推進いたしております。計画1年目となる当期は、店舗における百貨店らしさを追求するべく、好調カテゴリーの強化を図るとともに、百貨店の強みを活かした編集売場を構築することにより、店舗価値の向上および売場の活性化に努めてまいりました。併せて、効率的な店舗運営と効果的な販売促進体制を維持することにより、収益力の維持・向上も図ってまいりました。 当社グループの業績につきましては、売上高は225億73百万円(前年同期は売上高531億44百万円)、営業利益は11億77百万円(前年同期は営業利益10億7百万円)、経常利益は10億75百万円(前年同期は経常利益10億47百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億19百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益11億71百万円)となりました。 なお、収益認識会計基準等を適用した影響により、当連結会計年度の売上高は324億20百万円、売上原価は312億95百万円、販売費及び一般管理費は9億64百万円それぞれ減少し、営業利益は1億60百万円、経常利益及び税金等調整前当期純利益は2億36百万円それぞれ減少しております。 また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益認識の会計処理が異なるため、損益状況に関する説明において前期比(%)を記載せずに説明しております。 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 百貨店業 当社グループの主要事業であります百貨店業におきましては、「百貨店らしさの追求」を基本方針とし、品揃えの強化と更なる販売サービスの向上に努めることで、コロナ禍におけるお客様の生活様式や商環境の変化への対応力強化に取り組んでまいりました。 本店におきましては、3月6日に福岡県のまん延防止等重点措置が解除されて以降、徐々に消費の回復傾向が見られ、引き続き高額品などの好調カテゴリーが牽引する中、百貨店らしさの追求、他商業施設との差別化を図るため、百貨店の強みである自主編集ゾーンの拡充や地域活性化などの取り組みを推し進めてまいりました。 自主編集ゾーンの拡充として、本館4階婦人服売場センターゾーンに、美と健康とファッションの融合にこだわったトータルビューティーセレクトショップ「B. more(ビー・モア)」を3月にオープンいたしました。また、4月には、本館5階紳士服売場センターゾーンに、素材やデザイン、製法など、流行に左右されない作り手の想いが込められた服や雑貨などを国内外のブランド問わずセレクトした「Stand up(スタンドアップ)」をオープンいたしました。 地階食品フロアでは、名古屋コーチンを始めとした諸国名産鶏を中心に、鶏肉惣菜を提供する「鶏三和」を9月にオープンいたしました。 本館8階レストラン街では、4月に地元食材にこだわったイタリアンレストラン「トラットリア ジラソーレ」や9月には創作和食料理の店「銀茶寮」をオープンし、多くのお客様からご好評をいただいております。 また、催事・イベントに関しても徐々に開催制限が緩和され、賑わいを取り戻しつつあります。10月には「井筒屋アート2022」と題し、アートをテーマに全館フェアを初開催。有名作家の現代アート作品など多くの作品が全館を彩りました。11月には恒例の「北海道物産展」、1月には4年振りに「大江戸展」、2月には新規で「新潟・長野物産展」を開催、連日多くのお客様で賑わいました。今後もお客様に喜んでいただける百貨店ならではの取り組みを積極的に進めてまいります。地元消費喚起への取り組みとして、プレミアム付き地域商品券事業への参画をはじめ、約3年ぶりに本新館間クロスロードにて「クロスロードマルシェ」をゴールデンウィークに合わせ開催。地元のグルメや雑貨など約30店舗が出店し、多くのお客様で賑わいました。今後も地元の繋がりを活かした店内催事の開催や地域イベントへの参画など、地域の活性化に積極的に取り組んでまいります。 サテライトショップにおきましては、8月8日にイオン戸畑内「戸畑ショップ」を閉店いたしました。長年のご愛顧に心より感謝申し上げます。 山口店におきましては、3月に1階の「KASHIYAMA」のオーダーメイド取り扱いアイテムを、レディースシューズに加え、新たにメンズ・ウィメンズのスーツ・セットアップまで拡充し、多様なニーズに対応できる売場を構築いたしました。 また、催事・イベントに関しては、山口市との包括提携契約の一環として、11月に山口市中心市街地活性化推進室とYCAM(山口情報芸術センター)が協働して進める<アートでつなぐまちの活性化事業>の実証実験として「コロガルあそびのひゃっかてんin山口井筒屋」を2階フロアに誘致いたしました。子どもたちが遊びを通じて自ら考え、創造できるようにデザインされた遊び場を提供させていただいたことで多くのファミリーが来場し、フロアの活性化に繋がっております。今後も地域連携を図りながら地元の魅力発信に努めてまいります。 一方、持続可能な社会の実現に向けた取り組みといたしましては、サステナビリティ基本方針のもと様々な活動を進めております。 脱炭素社会への取り組みといたしましては、食品ロス削減月間には、食べきれなかったお料理をお持ち帰りいただく環境省の「mottECO(モッテコ)」検証事業に参加。また、北九州市と『ゼロカーボンシティを目指す連携協定』を締結し、全国初の取り組みとなる、自治体と企業間でのEVシェアリングを開始いたしました。 店舗におきましては、持続可能な社会の実現に向けた情報発信の拠点として、常設売場「サステナベース」を本年3月のオープンに向け準備いたしておりますが、今後も関連商品の販売や体験型ワークショップの開催などにより、サステナブルライフを提案してまいります。 また、地域共創・社会貢献の観点から、昨年大規模火災に見舞われた小倉北区旦過市場一帯の復興を支援するため、チャリティエコバッグを製作し、旦過市場と当社の双方で販売いたしました。収益は全額旦過市場の復興支援に寄付いたしました。 CSR・ESGに関する取り組みにつきましては、当社ホームページ「サステナビリティレポート」に掲載しております。当社グループの業績につきましては、売上高は225億35百万円(前年同期は売上高531億44百万円)、営業利益は12億1百万円(前年同期は営業利益12億円)となりました。 なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は324億58百万円、営業利益は1億98百万円それぞれ減少しております。
② 友の会事業友の会事業におきましては、売上高は37百万円(前年同期は株式会社井筒屋友の会が当社グループの百貨店に対して前払式の商品販売の取次を行っており、外部顧客に対する売上高はありません。)、営業利益は59百万円(前年同期は営業損失8百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高及び営業利益は37百万円それぞれ増加しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて56百万円増加し、36億60百万円となりました(前連結会計年度は36億4百万円)。これらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費等の計上により20億11百万円の資金収入(前連結会計年度は19億78百万円の資金収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得等がありましたものの、差入保証金の回収により13百万円の資金収入(前連結会計年度は8億33百万円の資金支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済等により19億68百万円の資金支出(前連結会計年度は14億68百万円の資金支出)となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
(1) 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。また、当社および当社の連結子会社は、百貨店及び友の会事業を行っており、生産及び受注については該当事項はありません。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
百貨店業
11,321
27.6
友の会事業
―
―
合計
11,321
27.6
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。 2.「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の仕入実績 は、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
(2) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。友の会事業におきましては、株式会社井筒屋友の会が当社グループの百貨店業に対して前払式の商品販売の取次を行っており、販売実績はありません。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
百貨店業
22,535
42.4
友の会事業
37
―
合計
22,573
42.5
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の販売実績 は、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 ①財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ9億57百万円減少し、463億43百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が増加したものの、有形固定資産の建物及び構築物や差入保証金等が減少したことによるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ20億39百万円減少し、362億31百万円となりました。これは主に、長期借入金等が減少したことによるものであります。 純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により前連結会計年度末に比べ10億81百万円増加し、101億11百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の当期首残高は1億33百万円増加しております。 ②経営成績の分析
a) 概況コロナ禍において極めて厳しい商況の中、地域のお客様に支えられながら、百貨店業を中心とした諸施策を講じてまいりました結果、売上高は225億73百万円(前年同期は売上高531億44百万円)、営業利益は11億77百万円(前年同期は営業利益10億7百万円)、経常利益は10億75百万円(前年同期は経常利益10億47百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億19百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益11億71百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等を適用した影響により、当連結会計年度の売上高は324億20百万円、売上原価は312億95百万円、販売費及び一般管理費は9億64百万円それぞれ減少し、営業利益は1億60百万円、経常利益及び税金等調整前当期純利益は2億36百万円それぞれ減少しております。 また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益認識の会計処理が異なるため、損益状況に関する説明において前期比(%)を記載せずに説明しております。
b) 売上高当連結会計年度の百貨店業の売上高は225億35百万円(前年同期は売上高531億44百万円)となりました。友の会事業におきましては、売上高は37百万円(前年同期は株式会社井筒屋友の会が当社グループの百貨店に対して前払式の商品販売の取次を行っており、外部顧客に対する売上高はありません。)となりました。
c) 販売費及び一般管理費販売費及び一般管理費は、101億46百万円(前年同期は111億24百万円)となり、前連結会計年度に比べ9億77百万円の減少となりました。
d) 営業外損益営業外損益は、1億1百万円の損失(前連結会計年度は40百万円の収益)となり、前連結会計年度に比べ1億41百万円損失が増加いたしました。
e) 特別損益特別損益は該当事項はなく、前連結会計年度に比べ5百万円損失が減少いたしました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度の現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ56百万円増加し、36億60百万円となりました(前連結会計年度は36億4百万円)。これらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費等の計上により20億11百万円の資金収入(前連結会計年度は19億78百万円の資金収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得等がありましたものの、差入保証金の回収により13百万円の資金収入(前連結会計年度は8億33百万円の資金支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済等により、19億68百万円の資金支出(前連結会計年度は14億68百万円の資金支出)となりました。
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要の主なものは、店舗のリニューアル・設備の修繕等の設備投資であります。 当社グループの資金調達におきましては、自己資金の他金融機関からの借入等による資金調達を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による不測の事態に備え、取引金融機関との当座貸越契約に基づき、借入枠50億円を設定しております。当該契約に基づく当期末における借入実行残高はございません。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
