【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、賃上げへの動きや企業の高い投資意欲を背景に、雇用・所得環境は改善し、景気は回復基調が続いた一方、世界的な金融引き締めや物価上昇等により、先行き不透明な状況が続いております。
国内の情報サービス市場は、デジタル技術を活用したビジネスプロセス及びビジネスモデルの変革、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けて、引き続き企業のIT投資は旺盛なまま推移いたしました。IT・デジタル人材については依然として不足しており、需給差の拡大や賃金上昇の背景から、システムソフトウェアの開発単価は上昇傾向にある一方で、採用環境は厳しい状況となっております。
このような環境の下、当社グループは前年度に続き、「1.事業基盤の強化」、「2.新たな顧客獲得による事業規模拡大」、「3.ソリューションの拡充による市場拡大」を成長戦略に掲げ、各種施策を進めております。DX向けソリューションである、クラウド構築、ビッグデータ分析、業務ワークフローの自動化(ServiceNow)により、顧客企業が提供する価値増強への支援を継続するとともに、2023年6月に立ち上げたコンサルティング事業においては、企業のDX戦略の策定や実行支援のニーズに対応してまいります。
当社の事業は主に準委任契約による受託開発・システムコンサルティング等であるため、人員数の増減が収益に影響を与える傾向にあります。しかしながら、以降でご説明する各既存事業の対前年同期増減率については、2024年5月期からの下記の新事業体制による人員異動の影響の算定は難しく、考慮しておりません。
●システム基盤事業を再編し、一部のリソースをデジタル革新推進事業、業務システムインテグレーション事業、コンサルティング事業へ移管
●ビッグデータ分析事業に属するリソースをコンサルティング事業へ移管
■当四半期の状況
デジタル革新推進事業では、デジタルワークフローを提供するServiceNowを活用したソリューション及び性能やデータベース移行に関するテクノロジーコンサルティングへのニーズが引き続き高く推移しております。この状況を受けて、既存案件における当社の体制が拡大したこと、また、新規に獲得した案件において当社の実績が高く評価され、エンジニアの増員につながった結果、当第1四半期連結累計期間における当事業の売上高は、前年同期比23.4%増の442,926千円となりました。今期は、ServiceNow案件のさらなる受注拡大に向け、現在PremierであるServiceNowパートナー認定ランクのランクアップを目指しております。このため、一定の取り組み費用が発生することが見込まれ、当事業の2024年5月期の売上総利益率は、前年度を下回る予想となっております。
ビッグデータ分析事業では、新規案件の受注があったものの、新規顧客において計画していた案件立ち上がりの遅れ、既存顧客都合による案件規模縮小の影響を受け、当第1四半期連結累計期間における当事業の売上高は、前年同期比5.9%減の264,842千円となりました。
システム基盤事業では、既存顧客からの新規案件受注が好調に推移したこと、また、日本オラクル社との連携を強化し、2022年10月から開始している当社独自サービス「U-Way」の販路が拡大した結果、当第1四半期連結累計期間における当事業の売上高は、前年同期比1.4%増の449,022千円となりました。なお、主に「U-Way」サービスの寄与により売上総利益率は、前年同期比2.5%上昇いたしました。
業務システムインテグレーション事業においては、前年度下半期より開始している金融業界における法規制に対応する大型スクラッチ開発案件やシステム老朽化対応の案件が順調に進んだことに加え、業務対応範囲が拡大したことに伴い計画外のエンジニア増員があった結果、当第1四半期連結累計期間における当事業の売上高は、前年同期比24.0%増の394,808千円となりました。これら案件の利益率が高く、売上総利益率は前年同期比4.7%上昇いたしました。
コンサルティング事業については、既存事業において主にコンサルティング案件を対応していたエンジニアを移管しており、これら既存案件は順調に継続できた結果、当第1四半期連結累計期間における当事業の売上高は、94,652千円となりました。下期からは新規の案件を開始できるよう、既存顧客への提案や新規顧客獲得に向けた取り組みを行っております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの売上高は1,646,252千円(前年同期比17.5%増)となりました。認知度向上に向けたIR・PR活動に係る費用が増加しましたが、2024年5月期の採用方針として、新卒採用施策に比重を置き、早期育成・若手登用による体制強化へシフトしており、即戦力人材採用活動の見直しによるコスト削減等もあったことで販管費率は前年同期比で0.4%減少し、営業利益は同33.7%増の141,367千円、経常利益は同28.7%増の144,521千円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益については、経営効率化の実現に向けて開発を行っていた社内システム全体の費用及び想定効果の見直しを行った結果、減損処理を行い特別損失13,592千円を計上したことにより、同18.0%増の89,295千円となりました。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は4,414,180千円となり、前連結会計年度末と比較して132,997千円の減少となりました。
流動資産は3,838,677千円となり、前連結会計年度末と比較して112,371千円の減少となりました。これは主
に、売掛金及び契約資産が5,822千円増加した一方で、現金及び預金が116,112千円減少したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は1,114,546千円となり、前連結会計年度末と比較して91,522千円の減少となりました。これは主に、賞与引当金が68,481千円増加した一方で、その他に表示されている未払金が151,485千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は3,299,634千円となり、前連結会計年度末と比較して41,474千円の減少となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が89,295千円増加した一方で、配当により利益剰余金が130,770千円減少したことによるものです。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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