【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からの経済社会活動の正常化の動きが進んだものの、円安傾向の継続及びロシア・ウクライナ情勢に起因する世界的な資源並びに原材料価格の高騰など、先行きは依然として不透明な状況が続くものと思われます。
このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の対策を継続実施しつつ、企業と人材を繋ぐ役割と機能を果たし、質の高い人材サービスの提供を通じて、双方が求めるニーズに応えてまいりました。
人材の流動化が進むなかで求人ニーズへの迅速な対応により人材紹介の成約数が伸びたこと及び新型コロナウイルス感染症の影響による外国人の入国制限が解除されたことで外国人に係る事業が拡大したこと並びに日本語学校運営事業において新規の留学生を多く受け入れることができたこと等により、売上高及び利益が前連結会計年度を上回りました。
以上の結果、当連結会計年度の業績については、売上高は7,964,824千円(前連結会計年度比7.7%増)、経常利益は409,541千円(同64.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は207,337千円(同141.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
人材派遣関連事業
人材派遣関連事業においては、新型コロナウイルス感染症に係る関連業務が前連結会計年度より減少したことで、売上高は前年同期を若干下回りましたが、大型の行政系事業を受託出来たこと等により、営業利益が前年同期を上回りました。この結果、売上高3,442,650千円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益479,488千円(同2.9%増)となりました。
人材派遣関連事業(関東)
人材派遣関連事業(関東)においては、イベント及び推奨販売等の対面で行う業務の受託が、新型コロナウイルス感染症の影響から完全に回復していないものの、営業支援業務の受託が拡大したことにより、売上高及びセグメント利益が前年同期を上回りました。この結果、売上高502,513千円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益4,370千円(同484.6%増)となりました。
人材紹介事業
人材紹介事業においては、人材の流動化が進むなかで求人ニーズへの迅速な対応により成約数が伸びたこと及び外国人の入国制限が解除されたことで外国人に係る事業が拡大したことにより、売上高及びセグメント利益が前年同期を上回りました。この結果、売上高232,133千円(同60.1%増)、セグメント利益35,650千円(同49.9%増)となりました。
再就職支援事業
再就職支援事業においては、地方拠点での受託事業の増加及び成果報酬型の売上高が増加したことにより、売上高及びセグメント利益が前年同期を上回りました。この結果、売上高1,267,916千円(同0.7%増)、セグメント利益48,920千円(同163.9%増)となりました。
BPO事業
BPO事業においては、給与計算処理人数が増加したこと及び新規顧客の導入関連売上が増加したことにより、売上高及びセグメント利益が前年同期を上回りました。この結果、売上高2,018,746千円(前年同期比15.9%増)、セグメント利益198,793千円(同7.4%増)となりました。なお、当連結会計年度より、従来の「ペイロール事業」を「BPO事業」へ名称変更しております。
日本語学校運営事業
日本語学校運営事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響による留学生の入国制限が解除されたことで、新規の留学生を受け入れたことにより、売上高及びセグメント利益が前年同期を上回りました。この結果、売上高203,429千円(前年同期比387.3%増)、セグメント利益24,252千円(前年同期はセグメント損失42,377千円)となりました。
その他
その他事業は、ソフトウエア・ハードウエア開発事業が加わったことにより、売上高及びセグメント利益が前年同期を上回りました。この結果、売上高297,433千円(前年同期比121.0%増)、セグメント利益18,268千円(同246.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、未払消費税等の減少、法人税等の支払額の増加による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益413,733千円の計上、減価償却費の増加による収入等により、前連結会計年度末に比べて262,849千円増加し、当連結会計年度末には2,456,817千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は460,791千円(前年同期比21.6%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益413,733千円の計上、減価償却費の増加による収入等が、未払消費税等の減少、法人税等の支払額の増加による支出等を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は107,300千円(前年同期比134.7%増)であります。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は94,020千円(前年同期比77.9%減)であります。これは主に借入金の返済等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの主たる業務は人材派遣及び有料職業紹介であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b.受注実績
生産実績の記載と同様に、受注状況の記載に馴染まないため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
人材派遣関連事業
3,442,650
96.3
人材派遣関連事業(関東)
502,513
100.2
人材紹介事業
232,133
160.1
再就職支援事業
1,267,916
100.7
BPO事業
2,018,746
115.9
日本語学校運営事業
203,429
487.3
その他
297,433
221.0
合計
7,964,824
107.7
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
売上高は7,964,824千円(前連結会計年度比7.7%増)、営業利益は394,092千円(同58.4%増)、経常利益は409,541千円(同64.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は207,337千円(同141.4%増)となりました。
(売上高)
売上高は前連結会計年度と比較して567,079千円増加し、7,964,824千円となりました。これは主に人材の流動化が進むなかで求人ニーズへの迅速な対応により人材紹介の成約数が伸びたこと及び新型コロナウイルス感染症の影響による外国人の入国制限が解除されたことで外国人に係る事業が拡大したことによる人材紹介事業の売上高の増加87,179千円等によるものであります。
(売上原価)
売上原価は前連結会計年度と比較して227,676千円増加し、6,044,802千円となりました。これは主に上記売上高の増加要因に伴う増加であります。
その結果、売上総利益は1,920,022千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比較して194,116千円増加し、1,525,929千円となりました。これは主に人件費の増加等によるものであります。
この結果、営業利益は394,092千円となりました。
(営業外収益及び営業外費用)
営業外収益は前連結会計年度と比較して17,746千円増加し、34,338千円となりました。これは主に連結子会社における助成金収入が前連結会計年度より増加したことによるものです。
また、営業外費用は前連結会計年度と比較して1,904千円増加し、18,890千円となりました。これは主に連結子会社において、支払補償費の計上による増加額と為替差損の減少額の差によるものであります。
この結果、経常利益は409,541千円となりました。
(特別利益及び特別損失)
特別利益は前連結会計年度と比較して1,820千円増加し、4,192千円となりました。これは主に新型コロナウイルス感染症による助成金収入の増加によるものであります。
また、特別損失の計上は無く、前連結会計年度と比較して7,070千円減少しました。
この結果、税金等調整前当期純利益は413,733千円となりました。
b.財政状態
(流動資産)
流動資産は前連結会計年度と比較して258,005千円増加し、3,371,168千円となりました。これは主に現金及び預金の増加等によるものであります。
(固定資産)
固定資産は前連結会計年度と比較して11,017千円減少し、800,722千円となりました。これは主に減価償却による無形固定資産の減少によるものです。
(流動負債)
流動負債は前連結会計年度と比較して136,895千円増加し、1,869,464千円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金の増加等によるものであります。
(固定負債)
固定負債は前連結会計年度と比較して174,528千円減少し、361,462千円となりました。これは長期借入金の減少によるものであります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度と比較して284,620千円増加し、1,940,963千円となりました。これは主に利益剰余金及び非支配株主持分の増加等によるものであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローについては、「第2事業の状況4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(財務政策)
運転資金及び設備資金については、自己資金及び銀行等からの借入により対応しております。今後事業拡大に伴い資金需要が発生した場合には、銀行等からの借入及び増資等、状況に応じた最適な資金の調達方法を選択していく方針であります。
d.経営者の問題認識と今後の方針
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループを取り巻く環境はめまぐるしく変化しており、諸経済情勢に影響を受ける可能性があります。このため常に環境の変化に対処すべく、「業務のスピードアップ、成果物の量産」、「業務品質の向上及び情報管理体制の強化」、「優秀な人材の確保及び育成」、「災害等に関わるリスクの分散」及び「営業体制の強化」を図り業務基盤を強化していく方針であります。
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