【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年3月1日~11月30日)の連結業績は、営業収益が6兆7,217億86百万円(対前年同期比4.2%増)、営業利益は1,126億79百万円(前年同期より234億33百万円の増益)となり、いずれも過去最高を更新しました。経常利益は1,075億56百万円(前年同期より236億66百万円の増益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は36億82百万円(前年同期より52億73百万円の改善)となりました。当第3四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)拡大に伴う行動制限の緩和や政府の観光支援策の影響から国内の社会経済活動に回復の兆しが見え始めた一方、世界的なエネルギー・原材料価格の高騰や急激な円安等、消費者の生活防衛意識が高まる不透明な状況が続いています。そのような中、ローカライゼーションの視点に基づいた個性あるモールづくりにより集客力の向上に取り組んだディベロッパー事業、調剤併設店舗の拡大や積極的な新規出店に加え、M&Aを推進するヘルス&ウエルネス事業、特にアセアン地域での外出機会の増加を捉えた国際事業が増益となり、サービス・専門店事業は、娯楽サービスの需要回復と専門店の経費コントロールにより黒字転換しました。GMS(総合スーパー)事業は、消費動向の先行きが不透明な中で収益構造改革を更に進め、前年同期比で大幅な損益改善となりました。SM(スーパーマーケット)事業、DS(ディスカウントストア)事業は、店舗の活性化やデジタルシフトに取り組み、コロナ下での内食特需の反動影響を抑制しました。国内外でのカード取扱高の伸長やデジタル金融包摂の進展に取り組む総合金融事業は減益となったものの、各事業セグメントの中で最大の営業利益を計上しました。
<グループ共通戦略>・ 世界的なエネルギー・原材料価格の高騰等により、多くの生活必需品の値上げが続き家計への負担が増していく中、お客さまのくらしに寄り添い、より良い品質・お買い得価格で商品を提供し続けるため、当社のブランド トップバリュの食品(生鮮食品、米、惣菜、酒、ギフト、企画品等の一部仕様を変更する商品を除く)・日用品で合計約5,000品目の価格据え置きを実施しました。7月にやむを得ず一部の商品を価格改定しましたが、当社はお客さまのくらしを守ることを最優先に、引き続き企業努力により商品の価格維持に努め、強い支持をいただいています。また同時に価格訴求型のトップバリュ ベストプライスへ高まった関心を、当社が開発に力を入れる付加価値の高いトップバリュやトップバリュ グリーンアイへも誘導でき、新たなお客さまの獲得と購入のリピート化にも成功しています。その中でも、3月に発売したトップバリュ プレミアム生ビールは、お求めやすい価格で提供される高品質が好評を博し、発売8カ月で販売本数が1,000万本を突破しました。また、従来の半量で炒め物ができるトップバリュ キャノーラ油ハーフや、鶏舎を自由に動き回ることができるストレスのない環境で育った鶏から産まれたトップバリュ 平飼いたまご等、お客さまの多様なニーズにお応えする商品の開発と展開を強化しています。・ 当社は、デジタルシフトの一環で、2019年に英国ネットスーパー企業Ocado Group plcの子会社であるOcado Solutionsと、日本国内における独占パートナーシップ契約を締結しました。最新のAIとロボットを駆使した最先端の大型自動倉庫である千葉市内のCFC(顧客フルフィルメントセンター)の工事は順調に進捗しており、当社子会社のイオンネクスト㈱を通じて2023年にオンラインマーケットを開始する予定です。2つ目のCFCも、イオンモール㈱が東京都八王子市に2025年に開業予定の複合型商業施設に併設する形で、2026年には稼働開始予定です。最大50,000品目の品揃えを計画するオンラインマーケットでは、宅配の強みを活かし倉庫出荷型ならではの大容量やこだわり商品の品揃えと、お客さまに1時間単位で配送時間を設定いただける利便性も加わり、1回あたりのご購入額の拡大が期待されます。・ イオンの電子マネー「WAON」(以下、WAON)は4月に15周年を迎え、年間利用金額2兆円を超えるまで成長しました。ご利用金額の一部が地域社会への貢献につながる「ご当地WAON」を通じた累計寄付金額は23億2,483万円になりました(2022年4月現在)。イオンフィナンシャルサービス㈱(以下、イオンフィナンシャルサービス)と同社子会社のAEON CREDIT SERVICE(M)BERHADは、4月にマレーシアで初となるデジタルバンクライセンスを取得しました。2023年のデジタルバンク事業の開業に向けて顧客基盤の拡充をはかり、お客さま個々のニーズに合わせた預金や保険、少額ローン等の金融サービスの多様化を実現します。米国にてデジタル金融プラットフォームを運営するフィンテック企業MoneyLion Inc.のAIによるデータ分析等の最新技術を掛け合わせ、まずは低・中所得層の金融包摂が社会課題であるマレーシアにおいてビジネスモデルを構築し、将来的にはアセアンでの展開を視野に入れてビジネス変革と業容の拡大を目指します。更に、当社は10月より、イオンフィナンシャルサービスと同社子会社であるイオンクレジットサービス㈱が運営するイオンカード公式アプリ「イオンウォレット」において、イオンのコード決済サービス「AEON Pay(イオンペイ)」の機能を新たに搭載したサービスを開始しました。今後も、お客さまにより便利なお買い物をお楽しみいただけるよう、キャッシュレスサービスの拡充を継続します。・ イオン九州㈱(以下、イオン九州)及びウエルシアホールディングス㈱(以下、ウエルシア)は、生鮮・惣菜を含めたスーパーマーケット運営に関するイオン九州の知見と、調剤薬局の運営を含めたドラッグストア運営に関するウエルシアの知見を相互に共有し、両社の事業を発展的に融合して「フード&ドラッグ」の新業態の開発と運営を行うことを目的に、イオンウエルシア九州㈱を9月に設立しました。新会社の経営戦略のもと、地域の皆さまの「ココロ」と「カラダ」の健康に寄り添い「Well-being(ウェルビーイング)」を実現する新たなビジネスモデル構築を、迅速に進めていきます。・ イオンの基本理念「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」のもと、当社は「イオン ウクライナ子ども救援募金」を立ち上げてあらゆる戦争に反対する姿勢を示し、5月、皆さまから寄せられた募金に当社及び公益財団法人イオンワンパーセントクラブ(以下、イオンワンパーセントクラブ)から同額を加えた計9億3,331万2,732円を、公益財団法人日本ユニセフ協会に贈呈しました。また当社は、次代に継承する文化的資産の復元を継続的に支援すべく「イオン首里城復興支援プロジェクト」にも取り組んでおり、2019年から毎年11月に1カ月間、支援募金活動を実施しています。これまでお客さまからお寄せいただいた募金とイオンの電子マネー「首里城WAON」を通じた支援金の合計1億3,665万7,043円を一般財団法人沖縄美ら島財団の「首里城基金」に贈呈しました。なお、イオンワンパーセントクラブは、このプロジェクトのもと、沖縄県に5年間で5億円の支援を表明しており、プロジェクト発足からまもなく3年となる10月に1億円を寄付しました。・ 新しい社会貢献活動の取り組みとして、従業員がこれまで以上に地域に根ざした活動を推進する「イオン ハートフル・ボランティア」を3月にスタートさせました。6月の環境月間より全国を10のエリアに分け、世界的な海洋汚染問題の解決に向けて「海ごみクリーンアップ・ボランティア」を行い、11月には沖縄の深刻な環境問題である赤土等の流出から海を守るための「グリーンベルト」植栽を実施する等、地域の課題解決に向けた取り組みを進めています。公益財団法人イオン環境財団は、それぞれの人的・物的資源を有効活用することで気候変動をはじめとする地球規模の課題、生態系の課題、地域の生活・文化に影響を与えている地域社会の課題解決に向けて、持続可能な社会の実現に貢献し、人と自然資本(地質遺産)との共生及び各ジオパーク所在の地域の発展に寄与することを目的として、特定非営利活動法人日本ジオパークネットワークと包括連携協定を10月に締結しました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。 なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
① GMS事業GMS事業は、営業収益2兆3,916億12百万円(対前年同期比98.4%)、営業損失148億7百万円(前年同期より140億35百万円の改善)となりました。イオンリテール㈱は、売上総利益を最大化する営業・商品戦略を掲げるとともに、全社一丸となって荒利益額向上に注力しています。当第3四半期連結累計期間においては、「イオン ブラックフライデー」をはじめとする売上高・客数回復のための営業施策に「BUZZTTO SALE(バズっとセール)」等Eコマース(以下、EC)の施策を組み合わせ、利益最大化の取り組みを継続しました。衣料においては、在庫削減による原価率の低減と商品回転率の改善が一層進んだことに加え、注力自社ブランドのレディスカジュアル「エシーム」やシニアカジュアル「着楽美(きらび)」のほか、行動制限の緩和から外出需要の増加を見越して品揃えを拡大した結果、旅行関連商品やレディスバッグ等の雑貨商品、スポーツシューズが好調に推移しました。食品においては、デリカや冷凍食品等の成長カテゴリーの商品構成の大幅な見直しや売場面積の拡大に取り組み、10月以降ナショナルブランドの値上げが相次ぐ環境下でお客さまの生活防衛意識の高まりが加わった結果、トップバリュが前年同期比106.7%と伸長しました。H&BCにおいては、医療用抗原検査キットの販売に取り組んだ調剤や、「イオン ブラックフライデー」で販売好調の制度化粧品が売上を牽引した結果、既存店売上高は前年同期比103.6%と伸長しました。デジタル事業においては、ネットスーパーの売上高が前年同期比で2桁の増収を続けています。販売費及び一般管理費については、節電施策を細部まで見直して電力単価の上昇に対応したほか、「どこでもレジ レジゴー」やセミセルフレジの導入等、AIやRPAを活用した人時効率の改善やレンタル什器等の外部費用の見直しに取り組んだ結果、東北事業本部のイオン東北㈱への統合影響のない当第3四半期連結会計期間において前年同期比97.1%と減少しました。イオン北海道㈱では、価格維持を継続したトップバリュの食品・日用品の当第3四半期連結累計期間の売上高が前年同期比113.1%と伸長しました。中期経営計画に掲げた商品と店舗の付加価値向上については、SM1店舗、DS1店舗を新規出店し、GMS2店舗、SM4店舗、DS2店舗にて大型活性化を実施しました。食品においては独自商品約680品目の開発で売上収益を拡大し、衣料、住居余暇では外出や行事関連の需要の高まりに対応した商品の展開強化に加え、燃料費の高騰を受けてエコ暖等の商品提案も行いました。インターネット販売事業においては、配送拠点を2カ所増設し、受注件数の増加及び配送時間の短縮により、当第3四半期連結累計期間のネットスーパーの売上高は前年同期比118.7%と伸長しました。また、レジ混雑緩和等お客さまの利便性向上と人件費削減を目的に当第3四半期連結累計期間で24店舗にセルフレジを新規・追加設置し、導入店舗数は累計で102店舗になりました。イオン九州㈱では、設立50周年を迎える中、中期経営計画に掲げた「食の強化」「非食品分野の専門化」「DX推進」「環境・地域社会への貢献」の取り組みを推進しました。食品においては、価格維持に努め、「簡便・即食」ニーズに対応した惣菜や冷凍食品の品揃えを拡充したこと等により売上高が好調に推移しました。非食品においては、9月に独自の雑貨ショップ「Smilefull_days(スマイルフルデイズ)」を導入、11月に「植物の『チカラ』で、こころと体を『Genki』にします」をビジョンとして開発した新業態「GREEN PICNIC(グリーンピクニック)」を展開する等、新たな取り組みを実施しました。DXの推進では、ネットスーパーで新たに4店舗が当日配送を開始、受け取り専用ロッカー導入店舗を拡大する等利便性を向上させた結果、当第3四半期連結累計期間の利用件数が前年同期比105.2%に増加しました。ECサイト「イオン九州オンライン」では地域の商品発掘と旬の品揃えの拡大に注力し、当第3四半期連結累計期間売上高は前年同期比119.9%と伸長しました。「イオン九州公式アプリ」のダウンロード数は累計で91万件を超え、クーポンを利用されるお客さまの客単価は全体平均に対して約1.7倍と拡大しました。
② SM事業・DS事業 SM事業は営業収益1兆9,598億91百万円(対前年同期比103.8%)、営業利益74億41百万円(前年同期より90億円の減益)となりました。DS事業は営業収益2,857億31百万円(対前年同期比98.1%)、営業利益12億56百万円(前年同期より50百万円の減益)となりました。ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱は、店舗の活性化やお客さまの利便性の向上に取り組むとともに、フルセルフレジの導入や「Scan&Go ignica(スキャンアンドゴー イグニカ)」の展開拡大をはかりました。お客さまや取引先に新たな価値を提供すべく、独自の技術をもつスタートアップ企業等と連携・共創するオープンイノベーションプラットフォーム「AKIBA Runway」を始動し、米国の植物由来代替肉製造企業BEYOND MEAT,INC.と独占販売契約を締結したほか、完全室内栽培を実現した植物工場を本格稼働させ、製造から販売まで一貫した新たなビジネスモデル構築にも取り組んでいます。同社子会社の㈱マルエツでは、生鮮食材を含む冷凍食品の売場拡大や品揃えの改廃等、既存店の活性化を行いました。デジタルの取り組みにおいては、オンラインデリバリー併設店を累計37店舗、フルセルフレジ導入店を累計204店舗に拡大し、「Uber Eats」を利用した店舗商品の配達サービスを64店舗で開始しました。㈱カスミでは、茨城県西部エリア、千葉県外房エリアでのドミナント出店をはかり、オンラインデリバリー実施を70店舗、移動スーパーの運行車両台数を53台、無人店舗オフィススマートショップを70カ所としてお客さまの多様な生活様式にお応えできる販売チャネルを拡大しました。食品本来の鮮度を維持した冷凍食品の生産拠点を9月に稼働し、鮮度保持期間の延長による食品ロスの削減と商品の安定供給を目指しています。マックスバリュ関東㈱では、2店舗で大規模活性化を実施し、買い物以外に滞在を楽しむ買物体験型スーパーマーケットの1号店を開店したほか、自社配送による「Order & Eat」を開始してお客さまの利便性向上をはかりました。㈱フジ(以下、フジ)では、「お客さまと従業員の『圧倒的な安心とワクワク』を実現する」を経営ビジョンに掲げ、常にお客さま視点で最新ニーズへの対応に注力するとともに、廃棄ロスやコストの削減等に取り組んでいます。㈱フジ・リテイリングでは、フジが創業55周年を迎えての様々な記念事業を実施するとともに、愛媛県と広島県を重点エリアとして出店計画を進めています。食品では、エネルギー価格上昇を背景とした家庭での節電や調理時間節減の意識の高まりを予見し、調理品や半調理品の品揃えを拡充する等、新たな需要にも対応しました。更なる事業の拡大に取り組む移動スーパーは、計38店舗を拠点に69台207ルートでサービスを提供しています。これらの取り組みにより、当第3四半期連結累計期間の食品の売上高は前年同期比102.8%と堅調に推移し、移動スーパー事業の売上高は前年同期比136.1%と大きく伸長しました。また、マックスバリュ西日本㈱は、「地域密着」「生鮮強化」を軸にサプライチェーン改革を行い、兵庫県西部、岡山市、広島市、山口県、香川県及び山陰エリアを中心とする出店と既存店の活性化に加え、9県19店舗を拠点に29台の専用車両で展開する移動スーパーやECをはじめとするノンストア事業の確立に向けた取り組みを進めています。商品では、大量に販売する地場や旬の商品、バイヤーの厳選商品、地元生鮮素材を使った独自商品等、特色ある展開に取り組みました。9月に稼働開始した岡山総合プロセスセンターの供給拡大による店舗作業軽減等、店舗運営費用の削減も進めています。マックスバリュ東海㈱では、ブランドメッセージである「想いを形に、『おいしい』でつながる。」を具現化すべく、当第3四半期連結累計期間において4店舗を新規出店、既存16店舗の活性化を実施しました。商品においては、生産者を応援し地域に親しまれる「じもの」商品の品揃えの拡充や、各地の自治体や学生と食事バランスを考慮した商品の開発を行い、地域との連携を通じた健康な食生活の提案に努めたほか、食べきり・使いきりに適した小分け商品の品揃え徹底やデリカ商品の品揃え強化、冷凍食品の展開拡大に取り組みました。また、累計151店舗においてキャッシュレスセルフレジを導入し、レジ関連業務の削減による人員配置の適正化に努めたほか、長泉工場(静岡県駿東郡)にて稼働している惣菜自動盛付ロボットについて新たな作業工程に対応する開発を進める等、更なる作業改善に取り組んでいます。新たな顧客接点の創出においては、「Yahoo!ショッピング」にて「マックスバリュ東海ヤフー店」を開店したほか、移動スーパーの販路拡大による買物機会の提供にも継続して努めています。
③ ヘルス&ウエルネス事業ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益8,500億47百万円(対前年同期比111.8%)、営業利益308億87百万円(前年同期より19億26百万円の増益)となりました。ウエルシアホールディングス㈱及び同社連結子会社は、当第3四半期連結累計期間において、調剤併設店舗における「PCR等検査無料化事業」へ引き続き取り組み、物販部門においてはコロナ下での感染対策として医薬品部門の関連商品が好調に推移したほか、外出機会の増加を背景に、化粧品部門の売上伸長が見られました。また、調剤部門においては、薬価改定の影響があったものの、調剤併設店舗数が増加(当第3四半期連結会計期間末現在1,982店舗)したことに加え、コロナ下においても受診抑制の影響を大きく受けることがなかったため、処方箋受付枚数が前年同期よりも伸長しました。販売費及び一般管理費については、燃料単価の高騰により水道光熱費が大きく増加したものの、調光機能を活用した節電や店舗人時数の適正化に向けた継続的な取り組みや自動発注等の店舗業務の効率化を進め、人件費を中心とした経費コントロールに努めました。なお、6月には、同社子会社のウエルシア薬局㈱を存続会社として、同社子会社の金光薬品㈱を吸収合併し事業の効率化を進めました。また同月、大阪府を地盤とし、北海道・関東・関西・九州に店舗展開する㈱コクミン(162店舗)及び㈱フレンチ(3店舗)を株式取得により子会社化しました。これらの取り組みにより当第3四半期連結会計期間末の同社グループの店舗数は、2,716店舗となりました。
④ 総合金融事業 総合金融事業は、営業収益3,343億19百万円(対前年同期比95.5%)、営業利益426億99百万円(前年同期より38億20百万円の減益)となりました。イオンフィナンシャルサービス㈱は国内及び海外において、グループ共通ポイントを活用した利便性の向上、モバイルサービスの拡充、新規事業の創出等、中長期的な成長に向けた投資及び基盤整備を進めるとともに、デジタル金融包摂の進展に取り組みました。イオンカードについては、11月にカードデザインを刷新し、Webや店頭で新規入会キャンペーンを実施するとともに、イオンカードの利便性向上について継続して訴求を強化した結果、国内カード有効会員数は3,052万名(期首差43万名増)となりました。また、イオンカード公式アプリ「イオンウォレット」にコード決済サービス「AEON Pay」機能を追加したほか、複合レジャー施設や飲食店、家電量販店等「AEON Pay」の外部加盟店を拡大し、お客さまの利便性の向上につなげました。カードショッピングについては、ポイント上乗せ企画等のイオングループとの大型販促施策や人流の回復に伴う外部加盟店との利用促進施策の実施により、ガソリンやETC等の自動車関連及び公共交通機関に加えて、飲食店や旅行代理店でも利用が回復し、カードショッピング取扱高は堅調に推移しました。イオン銀行の住宅ローンにおいては、Webからのお申込みや電話、郵送を活用し、お客さまがご自宅で契約を完結できる取り組みを推進するとともに、店舗での相談ニーズへの対応やご契約者限定のイオングループでのお買い物特典を2023年3月から拡充する改定を行う等継続的に訴求しました。香港においては、新たに若年層をターゲットとして、キャッシュバックスキームを採用した「AEON CARD WAKUWAKU」を発行し、訪日需要の回復に合わせて日本でのご利用で還元率を上乗せする販促企画を実施する等積極的な会員獲得を進めました。タイにおいては、提携先の大手ECサイトや食品宅配との販促企画に加えて、旅行需要の回復に合わせてタイ国際航空等との販促企画の実施により、カードショッピング取扱高が伸長しました。また、モバイルアプリ上で保険を選択し、イオンカードで決済まで完了できるオンライン保険販売に加えて、ローンのお客さまへのプラスチックカード発行を全面廃止し、アプリによるバーチャルカードに移行する等、モバイルを基軸としたデジタル化を推進しました。マレーシアにおいては、イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)との共同販促施策やオンライン決済取扱高の拡大に向けたカード利用キャンペーンを実施しました。また、個品割賦申込みにおいて、即時事前与信の導入や、イオンウォレットの刷新による利便性向上等、デジタル化による業務プロセス変革に取り組みました。
⑤ ディベロッパー事業ディベロッパー事業は、営業収益3,281億円(対前年同期比121.3%)、営業利益333億77百万円(前年同期より49億85百万円の増益)となりました。イオンモール㈱は、「CX(カスタマー・エクスペリエンス)の創造によるリアルモールの魅力の最大化」を掲げ、集客力の向上に取り組んでいます。当第3四半期連結累計期間において、4月にTHE OUTLETS KITAKYUSHU(福岡県北九州市)、10月にイオンモール土岐(岐阜県土岐市)の2モールを新規にオープンし、既存12モールでリニューアルを実施しました。THE OUTLETS KITAKYUSHUは、地域創生型商業施設「THE OUTLETS(ジ アウトレット)」業態2号店として、アウトレットショッピング体験だけでなく、「遊び」と「学び」を融合したエデュテイメントの提供等により、地域社会や周辺観光施設と連携をはかりながら国内外の観光需要に対応していきます。また、再生可能エネルギーの活用、フードロス削減等、地域の方々やお客さまとともに社会課題解決に向けた取り組みを進めていきます。イオンモール土岐では、緑豊かな敷地内の外部棟にゴーカートサーキット場や温浴施設等、三世代ファミリーで一日満喫できる施設を配置するほか、1階レストランゾーンに隣接する形でオープンテラスを配置し、緑豊かな景観と風通しの良い環境で食事を楽しめる空間設計としています。屋上には、商業施設として日本最大級となるメガソーラーパネルを設置し、人と環境に配慮したモールを実現しています。このような新規モールでの取り組みや人流の活発化を捉えた集客施策等により、国内における当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上高は対前年同期比110.0%(対象85モール)と伸長し、コロナの影響を受けていない2020年2月期第3四半期連結累計期間との比較では88.5%(対象83モール)となりました。ベトナムでは、ホーチミン市を中心とした南部、ハノイ市を中心とした北部においてドミナント出店を進めています。4月にホーチミン市ホックモン県、5月にホーチミン市に隣接するドンナイ省、6月に中部エリアのダナン市との間で、新たに「ショッピングモール開発に関する投資決定についての包括的覚書」をそれぞれ締結しました。5月にはフエ市において、中部エリア1号店となるイオンモール フエの出店を決定、着工に向けた準備を進めています。今後、南部・北部の両エリアに加えて、中部エリアの周辺都市においてもドミナント出店を加速していきます。中国では、北京・天津・山東、江蘇・浙江、湖北、広東の4エリアでドミナント出店を進めており、今後は成長性の高い内陸部の湖南省を新たな出店エリアと位置づけます。既存モールでは、リニューアルやローカライズ企画の実施等、急速に変化するお客さまのライフスタイルに対応した取り組みを推進することで、ハード・ソフト両面での進化をはかっていきます。
⑥ サービス・専門店事業サービス・専門店事業は、営業収益5,668億19百万円(対前年同期比110.8%)、営業利益60億32百万円(前年同期より103億81百万円の改善)となりました。イオンディライト㈱の当第3四半期連結累計期間の売上高は顧客内シェア拡大や新規受託物件の増加等により全7事業で増収しましたが、アルコール消毒清掃の需要が減少した清掃事業や仕入原価が上昇した資材関連事業等が減益した結果、営業利益は対前年同期比91.3%となりました。エネルギーコストの上昇が顧客の課題となる中、照明のLED化や空調機の更新、ノンフロンケースの販売等を通じて省エネに貢献したほか、使用電力を可視化するツールを開発し、38施設へと導入しました。深刻化する人手不足に対しては、IoT等の技術を活用し、複数の施設を効率的に管理する「エリア管理」を展開し、点検業務を自動化するための設備投資やカスタマーサポートセンターへの一部業務の集約等を進めた結果、11月末現在、全国計91施設(累計269施設)にて省人化・無人化を実現し、新たな収益機会を拡大すべく新規受託物件や営業部門、工事部門等への人員再配置を実施しました。㈱イオンファンタジーは、10月1日に世界8カ国で1,000店舗を達成しました。「世界で1,000店舗達成記念イベント」を実施した11月の「モーリーフレンズDX」新規入会者数は平月の3倍以上と大きく伸長し、コロナ下で回復が遅れていたメダル部門や時間制部門の活性化につながりました。当第3四半期連結累計期間については、中国事業は「動態ゼロコロナ政策」が維持され、営業損失が前年同期比で拡大と当初計画を大きく下回ったものの、国内事業とアセアン事業は好調に推移しました。国内事業は重点的に取り組みを進めているプライズ部門とカプセルトイ部門、業界内シェアの高いカード部門が堅調な売上となったほか、アセアン事業はマレーシア、フィリピン、ベトナムのいずれも好調で、2022年2月期第4四半期連結会計期間から4四半期連続で過去最高益を更新しました。㈱キャンドゥは、2022年1月5日に当社子会社となりました。当社グループとの協業によるシナジーを最大限に発揮するため、「販路の拡大」「商品・ブランドの差別化」「企業価値の向上」を掲げ、お客さま満足の向上をはかる取り組みを強化しています。販路の拡大では、直営店、委託店を中心に出店を加速させた結果、当第3四半期連結累計期間における店舗数は72店舗増加して1,252店舗となりました。商品・ブランドの差別化では、「新しい生活様式に対応する商品」「環境に配慮した商品」「他価格帯商品の拡充」等の商品開発を推進し、SNS等を活用したマーケティングや情報発信力の活用で事業領域を拡大してきました。11月にイオンモール福岡に開店した「ライフスタイル型」雑貨ショップフォーマットをブラッシュアップしながら今後の店舗展開を進め、客数・客単価の向上を実現します。企業価値の向上では、現在、当社グループへの出店の促進、商品連携、WAON導入を順次進めており、今後は当社グループとの什器・備品の共同仕入れによる出店・設備管理コストを低減する取り組みを推進していきます。㈱コックスは、「ブランド力強化・MD改革による荒利率の改善」「EC運営改善・DtoC(Direct to Consumer)強化によるEC売上の拡大」「売り方改革・売場改革による店舗売上の回復」を重点施策に掲げ業績の回復に取り組んでいます。当第3四半期連結累計期間においては、正価商品の販売ピーク時期における認知度向上、売上拡大のための雑誌タイアップ企画を、上期に引き続き10月、11月の2カ月連続で実施しました。バーゲン時期の値引き販売の抑制、商品投入スケジュールの見直し等に継続して取り組みながら、年度持ち越し商品の評価見直しを実施した結果、期末商品残高は前年同期差1億61百万円の削減、既存店売上高の対前年同期比は124.5%と伸長しました。販売費及び一般管理費は、人件費・設備費等の固定費の継続した削減の取り組みや、期中稼働店舗数が減少したことにより、対前年同期比91.1%となりました。
⑦
国際事業(連結対象期間は主として1月から9月)国際事業は、営業収益3,703億57百万円(対前年同期比122.4%)、営業利益89億34百万円(前年同期より82億13百万円の増益)となりました。イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、外出機会の拡大を機に各モールで継続的に様々なイベントを開催したことによりテナント売上が回復基調を保つとともに、GMS事業においても、衣料、住居余暇を中心に全商品ラインで売上が順調に回復しました。一方、EC強化の一環で、2021年8月に高度に自動化された物流システムやAIを活用したアルゴリズムによる高い顧客提案力を有する米国Giddy Inc.のECプラットフォームBOXEDの活用を開始したネットスーパーは、9月末には登録者数が累計14.1万人に達しました。これらの取り組みの結果、増収増益となりました。イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)は、コロナ影響の縮小が外出機会の拡大につながりテナント売上が回復したほか、GMS事業、SM事業において売上が大きく伸長し、DX推進による業務効率化と経費削減にも取り組んだ結果、大幅増益となりました。2025年にAEON MaxValuを100店舗展開することを目指し、住宅街での出店に注力しています。中国においては、「動態ゼロコロナ政策」が維持され、大型国家休日(中秋節、国慶節)期間中も厳しい行動制限が実施されましたが、当第3四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比100.0%(現地通貨ベース)と堅調に推移しました。ECでは、永旺APP(イオンアプリ)と京東到家の2つのプラットフォームを軸に展開を強化しており、ネットスーパーの食品売上構成は日本を上回る13.6%に上昇しています。イオン香港(AEON STORES(HONG KONG)CO.,LTD.)では、3月に当社グループ外の大型ショッピングモール内にイオンスタイルを出店、6月には同社が販売代理店を請け負うダイソーが展開する300円均一ショップ「Threeppy」の香港初となる旗艦店をオープンしました。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末から8,328億51百万円増加し、12兆4,659億35百万円(前期末比107.2%)となりました。前連結会計年度末からの増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が2,853億24百万円、営業貸付金が889億75百万円、銀行業における貸出金が1,465億13百万円、有形固定資産が2,652億26百万円、無形固定資産が288億45百万円それぞれ増加したこと等によるものです。負債は、前連結会計年度末から6,809億57百万円増加し、10兆5,016億17百万円(同106.9%)となりました。前連結会計年度末からの増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が1,306億58百万円、銀行業における預金が1,534億88百万円、短期借入金が2,053億39百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が1,340億7百万円増加したこと等によるものです。 純資産は、前連結会計年度末から1,518億94百万円増加し、1兆9,643億17百万円(同108.4%)となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
