【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類」へ移行されるなど、社会経済活動の正常化に向けた動きが一層強まり、緩やかな回復基調となりました。一方で、長期化するウクライナ情勢やエネルギー・原材料価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
食品小売業界におきましては、外食・サービス産業の回復に伴う内食需要の低下、物価高騰を背景とした消費マインドの低迷、原材料や仕入価格の値上がり、人件費や光熱費、物流費等の運営コストの増加などが懸念され、一層厳しい経営環境となっております。
このような環境のなか、当社は、「持続的な企業価値向上のために組織と経営をスピーディーに改革し、収益体質強化とグループ一体経営を推進する」をスローガンに掲げ、2022年2月期から2024年2月期までの3ヶ年にわたる第2次中期経営計画の最終年度をスタートいたしました。
このほか、昨今の物価上昇を踏まえ、賃金のベースアップなどを実施し、従業員の待遇改善を図りました。今後も引き続き、人材育成や働きがいのある職場を目指した、人への投資を推進してまいります。
なお、当社、株式会社アークス及び株式会社バローホールディングスで結成いたしました「新日本スーパーマーケット同盟」では、分科会の再編を行い、商品分科会・業務改革分科会・サステナビリティ分科会・次世代領域開発分科会・マネジメント分科会の5つの分科会にて、商品開発や経費削減、人材育成などの共同の取り組みを進めております。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。
営業収益は1,248億25百万円(前年同期比6.4%増)となり、営業利益は33億77百万円(前年同期比50.8%増)、経常利益は38億60百万円(前年同期比43.2%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は25億18百万円(前年同期比47.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
[スーパーマーケット事業]
当第2四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」へ移行され、人流の回復が見られるなか、当社グループ各店において、曜日別、日別サービスの実施など、様々な営業施策を展開してまいりました。加えて、店舗の改装効果が売上高の伸長を後押しし、当第2四半期連結累計期間の営業収益は好調に推移いたしました。売上原価についても商品・原材料等の価格上昇に伴う増加が続いておりますが、安定的な利益率の確保に努め、当第2四半期連結累計期間においては惣菜を含む生鮮食品を中心に売上総利益が増加いたしました。
また、店舗運営において、エネルギーコストの増加に伴う電力料や物流費の増加、賃上げに伴う人件費の増加など、店舗運営コストの増加は依然大きな課題となっておりますが、生産性の向上を図るとともに、電力使用量の削減などの経費削減対策を講じ、営業費用の抑制に努めてまいりました。
グループ内の組織再編といたしまして、2023年3月、株式会社マルミヤストアによる子会社の吸収合併に伴い、消滅会社である株式会社新鮮マーケットが営んでおりましたスーパーマーケット15店舗の運営を、存続会社である株式会社マルミヤストアが承継いたしました。新たな組織体制として、旧マルミヤストアをSM第一事業部、旧新鮮マーケットをSM第二事業部に位置づけ、営業を展開しております。
また、2023年3月、株式会社ハツトリーの株式を取得したことに伴い、第1四半期連結会計期間より、同社及び同社の連結子会社である有限会社シード宮崎を連結の範囲に含めております。株式会社ハツトリーは、フーデリー霧島店(宮崎県宮崎市)を旗艦店舗として食品スーパーマーケットを6店舗展開しており、同社の営む店舗では、生鮮食品や惣菜を中心に、高品質志向・健康志向の多様な商品を取り揃えております。同社の持つ差別化商品、ブランド力を活用するとともに、リテールパートナーズグループの経営資源やノウハウを生かし、当第2四半期連結累計期間においては、チラシ販促や曜日別サービスなどによる収益力強化、包装資材・消耗品の原価引き下げや労務管理の適正化など、営業費用の抑制による利益確保に取り組みました。今後は、当社グループの物流センターを共同利用することによる物流効率改善や、各種マニュアルの整備やシステム化による業務効率改善を計画しており、さらなるシナジー効果を創出することで当社グループの企業価値の向上に寄与することを見込んでおります。
当第2四半期連結累計期間における店舗展開の状況は以下のとおりであります。
(注)1.㈱新鮮マーケットは、2023年3月、㈱マルミヤストアとの吸収合併に伴い、消滅会社となりました。
2.「当第2四半期連結累計期間における店舗の新設・改装・閉鎖等」として記載している改装店舗は、投資額1億円以上の主要な改装店舗のみであり、その他少額の改装店舗については記載しておりません。
以上の結果、スーパーマーケット事業におきましては、営業収益1,146億46百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益32億74百万円(前年同期比54.9%増)となりました。なお、株式会社ハツトリーのみなし取得日を2023年5月31日としており、上記の営業収益及び営業利益に含まれる株式会社ハツトリーの経営成績は、2023年6月1日から2023年8月31日までのものであります。
[ディスカウントストア事業]
2023年3月、株式会社マルミヤストアによる子会社の吸収合併に伴い、消滅会社である株式会社アタックスマートが営んでおりましたディスカウントストア32店舗の運営を、存続会社である株式会社マルミヤストアが承継し、同社のDS事業部のもと、営業を展開しております。
ディスカウントストア事業におきましては、物価高騰を背景として消費者の節約志向が高まるなか、引き続き利便性のある地域密着型ディスカウントストアを目指し、EDLP(エブリデイ・ロープライス)、EDLC(エブリデイ・ローコスト)による戦略を柱として営業政策を推進しております。
当第2四半期連結累計期間における店舗展開の状況は以下のとおりであります。
(注)㈱アタックスマートは、2023年3月、㈱マルミヤストアとの吸収合併に伴い、消滅会社となりました。
以上の結果、ディスカウントストア事業におきましては、営業収益97億52百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益2億39百万円(前年同期比1.3%減)となりました。
[その他事業]
当社グループでは、その他事業として、保険代理業、スポーツクラブ事業、食品製造業等を展開しております。
当第2四半期連結累計期間においては、食品製造業を営んでおります株式会社戸村フーズにおきまして、製造工場の機械設備の増設を行い、生産能力の向上と作業の効率化を図りました。
以上の結果、その他事業におきましては、営業収益4億95百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益82百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
②財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて85億52百万円増加し、1,257億93百万円となりました。これは主に、現金及び預金、売掛金、土地、投資有価証券などが増加したことによるものです。
当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べて56億1百万円増加し、476億83百万円となりました。これは主に、買掛金、1年内償還予定の社債、長期借入金などが増加したことによるものです。
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて29億50百万円増加し、781億9百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による減少があった一方、利益剰余金やその他有価証券評価差額金などが増加したことによるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて19億10百万円増加し、204億88百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況については次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ17億83百万円増加し、78億84百万円となりました。これは、主に税金等調整前四半期純利益39億2百万円、仕入債務の増加額25億91百万円、減価償却費19億61百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べ5億88百万円減少し、22億8百万円となりました。これは、主に店舗の改装等に伴う固定資産の取得による支出17億32百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億13百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前年同期に比べ4億8百万円増加し、10億5百万円となりました。これは主に、配当金の支払額4億74百万円、自己株式の取得による支出3億円などによるものです。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更又は新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、株式会社ハツトリーの株式取得に伴い、同社及び同社の連結子会社である有限会社シード宮崎を連結の範囲に含めており、従業員数が増加しております。
2023年8月31日現在、連結会社(当社及び連結子会社)の従業員数は2,064名となり、2023年2月28日現在に対し、135名増加しました。セグメント別といたしましては、スーパーマーケット事業で130名、ディスカウントストア事業で1名、その他事業で4名、それぞれ増加しております。
なお、従業員数は就業人員数であります。
(8)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、株式会社ハツトリーの株式取得に伴い、同社及び同社の連結子会社である有限会社シード宮崎を連結の範囲に含めており、主要な設備について、以下の設備が増加しております。
(2023年8月31日現在)
会社名
事業所名
(所在地)
セグメントの名称
設備の
内容
帳簿価額(千円)
従業員数
(名)
建物及び
構築物
機械装置
及び運搬具
土地
(面積㎡)
リース資産
工具、器具及び備品
合計
㈱ハツトリー
本部
(宮崎県宮崎市)
スーパーマーケット事業
事務所
2,083
2,050
-
[-]
(-)
-
480
4,614
23
(2)
㈱ハツトリー
霧島店
他5店舗
(宮崎県宮崎市)
スーパーマーケット事業
店舗
743,216
6,841
699,080
[28,445]
(40,593)
368
68,264
1,517,771
98
(237)
㈱ハツトリー
旧田野店
他1件
(宮崎県宮崎市)
スーパーマーケット事業
店舗(賃貸物件)
7,929
71
103,550
[569]
(3,704)
-
-
111,551
-
(-)
㈱ハツトリー
社宅
(宮崎県宮崎市)
スーパーマーケット事業
社宅
33,385
-
13,646
[-]
(1,845)
-
-
47,031
-
(-)
(注)1.従業員数の(外書)は、パートタイマー・アルバイトの期末人員数であります。
2.土地の明細におきまして、( )内は総面積を表示しております。
3.土地及び建物の一部を賃借しております。賃借している土地の面積については、[ ]で内書しております。
#C8167JP #リテールパートナーズ #小売業セクター