【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス禍からの社会経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなど緩やかな景気回復の動きが継続しました。しかしながら、資源・原材料価格の高騰や世界的な金融引締めなどによる海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクとなっております。
情報サービス産業におきましては、業務効率化・生産性向上を目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)など、情報通信技術(ICT)活用の意欲は依然として高いものの、IT投資の動向については慎重に見極めていく必要が生じております。
こうした環境の中、当社は、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする中期経営計画(2021年6月~2024年5月)を策定し、人材育成のための大規模案件請負の推進、トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスのトータル度向上を基本方針としております。
人材育成のための大規模案件請負の推進としては、大規模案件を計画的に請負受注し、開発を通じて新規設計能力やマネージメント力の向上などの人材育成を継続して進めており、大規模案件に参画した社員及び組織の成長が見られます。
トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービスのトータル度向上としては、これまでも顧客のご協力を得ながら長期的に継続している「ソフトウェアの要件定義、開発から運用・保守までをトータルにサービスすることで、顧客に最大のメリットを提供する」という取組みを、各セグメントの事業環境に応じて戦略的に目標を定めて実施し、さらなるトータル度向上により顧客への付加価値を向上させ、持続的な採算性の改善、競争力強化を図っております。
また持続的成長への施策として、賃上げを実施して社員への還元と採用競争力の維持・強化を図り、優秀な人材の安定確保に取組むとともに、戦略に沿った技術教育や継続的なマネージメント教育を通じて社員の技術力の強化に努めております。
この結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は2,250百万円(前年同期比8.3%増)、営業利益は216百万円(前年同期比0.3%減)、経常利益は230百万円(前年同期比1.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は164百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より「産業・ICTソリューション」に含まれていた航空宇宙関連を「特定情報システム」へ移管しております。以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較分析しております。
(制御システム)
制御システムでは、再生可能エネルギーを含めた電力系統制御システムは体制拡大により好調に推移しましたが、プラント監視制御システムは開発量が減少しました。東京圏輸送管理システムは前期より開始した更新案件により売上が好調に推移しました。新幹線の運行管理システムは横ばいで推移し、在来線の運行管理システムは開発量が減少しました。
この結果、売上高は338百万円(前年同期比3.8%増)、セグメント利益は73百万円(前年同期比7.9%減)となりました。
(自動車システム)
自動車システムでは、自動運転/先進運転支援関連は新たな案件を受注するなど好調に推移しました。車載情報関連は売上が横ばいで推移し、電動化関連は海外向けの開発規模縮小に伴い減少しました。
この結果、売上高は552百万円(前年同期比11.1%増)、セグメント利益は142百万円(前年同期比0.0%増)となりました。
(特定情報システム)
特定情報システムでは、衛星画像関連は受注量の増加により好調に推移しました。航空宇宙関連はリプレース案件により売上が堅調に推移しました。危機管理関連は大規模案件が収束したことで体制を縮小しました。
この結果、売上高は297百万円(前年同期比7.9%増)、セグメント利益は44百万円(前年同期比20.8%減)となりました。
(組込システム)
組込システムでは、ストレージデバイス開発は体制を縮小したものの、新ストレージ開発は新たな開発案件を受注するなど好調に推移しました。IoT建設機械関連は開発量が増加し体制を拡大したことで堅調に推移しました。
この結果、売上高は347百万円(前年同期比6.8%増)、セグメント利益は88百万円(前年同期比19.5%増)となりました。
(産業・ICTソリューション)
産業・ICTソリューションでは、社会インフラ関連の駅務機器開発は新たな案件を受注するなど好調に推移し、道路設備関連は体制を拡大し堅調に推移しました。官公庁向け開発は前期より開始した開発案件が好調に推移しました。システム構築関連はおおむね横ばいで推移しました。
この結果、売上高は713百万円(前年同期比9.4%増)、セグメント利益は116百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
(2)財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,132百万円減少して、11,178百万円となりました。この主な要因は、賞与支給及び法人税等の支払いに伴い現金及び預金が減少したことによります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて1,146百万円減少して、1,087百万円となりました。この主な要因は、賞与支給及び法人税等の支払いが行われた結果、賞与引当金及び未払法人税等が減少したことによります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて13百万円増加して、10,091百万円となりました。この主な要因は、配当金支払いにより利益剰余金が減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が増加したこと及びその他有価証券評価差額金が増加したことによります。この結果、自己資本比率は、90.3%となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載しました「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
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