【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度(2022年6月1日~2023年5月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策の緩和により経済活動の正常化が進んだものの、不安定な国際情勢や原材料価格の高騰等により、国内経済の先行きは不透明なものとなっております。
このような状況のもと、当社グループでは、「中期経営計画2024(Leap into the Innovation)」で掲げる「『紙と不織布』の技術力を基盤に、製造機能を拡充した『価値創造企業』への飛躍」を実現すべく、営業活動を実践してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は103億68百万円(前期比1.8%減)、経常利益5億90百万円(前期比16.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3億83百万円(前期比31.1%減)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の状況は以下のとおりであります。
(不織布事業)
売上高は101億63百万円(前期比1.7%減)、セグメント利益は4億9百万円(前期比25.7%減)となりました。
エレクトロニクス分野では、テレワーク需要の収束、中国経済の混乱、半導体不足の影響から国内販売が伸び悩みました。また、海外においては、円安の恩恵があったものの下期以降、工場稼働率が低下したため、前期に比べ、売上高、利益面とも微減となりました。
メディカル分野では、新型コロナウイルス感染症対策の衛生材料が堅調推移したものの、マスク需要が減退したため、前期に比べ、売上高、利益面とも微減となりました。
コスメティック分野では、国内販売、東アジア市場向けの販売とも低調推移したため、売上高、利益面とも前期を下回りました。
除染関連分野につきましては、今期の採用実績が少なく、売上高、利益面とも前期を下回りました。
小津(上海)貿易有限公司では、中国政府の新型コロナウイルス感染症政策による社会的・経済的混乱等の影響を受け、前期に比べ、売上高は増加、利益面は減少しました。
ウエットティシュ等の製造販売を営む株式会社ディプロでは、原材料価格高騰の影響はあるものの、前年の新型コロナウイルス感染症拡大による需要増からの反動減より徐々に回復傾向を示し、売上高、利益面とも前期を上回りました。
アグリ分野を担う日本プラントシーダー株式会社では、国内外ともに販売が伸び悩んだため、売上高、利益面とも前期を下回りました。
(その他の事業)
除菌関連事業を営むエンビロテックジャパン株式会社では、過酢酸製剤の知名度を上げる地道な活動と、販売代理店への販促活動ならびに食品殺菌用途および防疫対策用途に向けた拡販に注力したことにより、売上高、利益面とも前期を上回りました。不動産賃貸事業につきましては、テナントの退去があったため、売上高、利益面とも前期を下回りました。
これらの結果、売上高は2億4百万円(前期比3.8%減)、セグメント利益は48百万円(前期比7.9%減)となりました。
(注)日本プラントシーダー株式会社の決算期は2月末日のため、当連結会計年度には2022年3月から2023年2月までの実績が、株式会社ディプロおよびエンビロテックジャパン株式会社の決算期は3月末日のため、当連結会計年度には各社の2022年4月から2023年3月の実績が反映されております。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、「現金及び預金」4億10百万円の増加等により、前期比4億2百万円増加の125億86百万円となりました。固定資産は、「投資有価証券」18億36百万円の増加等により、前期比16億79百万円増加の120億43百万円となりました。
この結果、資産合計は前期比20億81百万円増加の246億30百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、「支払手形及び買掛金」61百万円の増加、「未払法人税等」54百万円の減少等により、前期比7百万円増加の35億73百万円となりました。固定負債は、「繰延税金負債」6億1百万円の増加等により、前期比6億2百万円増加の30億35百万円となりました。
この結果、負債合計は前期比6億9百万円増加の66億9百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前期比14億71百万円増加の180億20百万円となりました。これは「その他有価証券評価差額金」12億62百万円の増加、「利益剰余金」1億90百万円の増加等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4億10百万円増加し、74億83百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの増減の要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8億15百万円(前期比78百万円減)となりました。収入の主な内訳は、「税金等調整前当期純利益」5億89百万円、「減価償却費」3億86百万円、支出の主なものは、「法人税等の支払額」1億89百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2億23百万円(前期比12百万円増)となりました。支出の主なものは、「有形固定資産の取得による支出」2億23百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1億92百万円(前期比53百万円減)となりました。支出の主なものは、「配当金の支払額」1億92百万円であります。
④生産、受注及び販売の実績
イ.生産の実績
該当事項はありません。
ロ.受注の実績
該当事項はありません。
ハ.販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
前年同期比(%)
不織布(千円)
10,163,718
98.3
報告セグメント計(千円)
10,163,718
98.3
その他(千円)
204,372
96.2
合計(千円)
10,368,090
98.2
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、本項に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前期比1.8%減の103億68百万円となりました。
不織布事業につきましては、エレクトロニクス分野及び、メディカル分野の販売が前期比微減、コスメティック分野の販売が、国内、東アジア市場向けとも低調推移したことにより売上高が減少いたしました。
除染関連分野につきましては、国内電力会社等への営業活動を継続して実施しましたが、今期の販売実績は減少いたしました。
小津(上海)貿易有限公司の販売は増加いたしました。
株式会社ディプロにつきましては、前年に除菌ウエット製品の販売が急増していた反動から徐々に回復傾向を示し販売は増加いたしました。
日本プラントシーダー株式会社につきましては、国内外ともに販売が伸び悩みました。
これらの結果、不織布事業の売上高は、前期比1.7%減の101億63百万円となりました。
その他の事業において除菌関連事業を営むエンビロテックジャパン株式会社につきましては、地道な営業活動を展開した結果、売上高は前期比増加いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、テナントの退去があり、売上高は前期比減少いたしました。
これらの結果、その他の事業の売上高は、前期比3.8%減の2億4百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前期比24.1%減の4億58百万円となりました。売上高営業利益率は、4.4%となりました。
不織布事業につきましては、エレクトロニクス分野および、メディカル分野の販売が前期比微減となったこと、コスメティック分野の販売が前期比減少したことにより、営業利益は前期比減少いたしました。
除染関連分野では、今期の販売実績が少なかったため、営業利益は前期比減少いたしました。
小津(上海)貿易有限公司では、販売が増加したものの、営業利益は前期比減少いたしました。
株式会社ディプロでは、販売が増加したこと等により、営業利益が前期比増加いたしました。
日本プラントシーダー株式会社につきましては、販売が伸び悩んだため、営業利益は前期比減少いたしました。
これらの結果、不織布事業のセグメント利益は、前期比25.7%減の4億9百万円となりました。
その他の事業において除菌関連事業を営むエンビロテックジャパン株式会社につきましては、売上高が増加したこと等により、営業利益が前期比増加いたしました。
不動産賃貸事業につきましては、売上高が減少したこと等により、営業利益は前期比減少いたしました。
これらの結果、その他の事業のセグメント利益は、前期比7.9%減の48百万円となりました。
(注)報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であり、報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前期比16.7%減の5億90百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比31.1%減の3億83百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び製品、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。運転資金及び設備投資資金は、自己資金及び金融機関からの借入等により調達しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は25億70百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は74億83百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。