【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年3月1日~2023年2月28日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスがもたらした営業規制などがなくなり、人の流れが活発化したことで、経済環境は徐々に回復しつつあります。一方で、ウクライナ問題をはじめとした国際的なさまざま要因から、エネルギーや穀物をはじめとしたコモディティの価格上昇圧力が企業物価の急上昇を招き、消費者物価の上昇も伴って、先行きの不透明感が高まっております。
外食業界におきましても、新型コロナウイルス感染が収まりつつあるものの、在宅勤務の増加など、コロナ前の生活習慣がもとに戻ることはなく、回復と言えるまでの状況には至っておりません。また、原材料をはじめ人件費や物流費、水道光熱費など、さまざまなコストの上昇が、企業努力での対応可能な範囲を超え、今後更にコストの上昇が見込まれるなど、厳しい経営環境が継続しております。
このような状況のもとで、当社グループは、「外食業界におけるエクセレント・リーディングカンパニー」の地位確立を目指し、立地を厳選して海外を含め、グループ全体で63店舗(直営店38店舗、加盟店22店舗、海外3店舗)を新規出店しました。
既存事業においては、店舗における新商品の導入やリニューアルをはじめ、テイクアウトメニューや売店商品の拡充、卸売事業におけるチルド飲料やドリップカフェなどの拡大に努め、コロナ禍に取組んだ活動を継続するとともに、さまざまなキャッシュレス・キャンペーンを実施し、販促活動を強化しました。また、業態ごとにグランドメニューの刷新や一部レギュラーメニューの価格改定なども実施することで、売上の回復を目指しました。
さらに、自社流通センターの稼働や節水機の導入など、物流や購買、管理コストの見直しを図り、業務の効率化を推進するとともに、徹底した効率化を図るなど、事業基盤の強化に努めました。
新規出店においては、サービスエリアや書店併設店舗をはじめ、メガネスーパーと連携した郊外への新規出店や金融機関との連携、小規模スペースを利用したドトールスタンドなど新たな立地に対する取組みを強化しております。
その結果、コロナ前の経営数値への改善には至っていないものの、回復傾向はハッキリと見える形で出てきた状況となりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高1,268億64百万円(前期比16.0%増)、営業利益29億69百
万円(前期営業損失17億83百万円)、経常利益34億66百万円(前期経常損失14億78百万円)、親会社株主に帰属す
る当期純利益34億29百万円(前期比180.8%増)となりました。
各セグメントの概況は次のとおりであります。
(日本レストランシステムグループ)
日本レストランシステムグループでは、3月以降全国的にまん延防止重点措置が順次解除されて以降、着実に売上高を確保してまいりました。
新規出店につきましては、引続き「星乃珈琲店」の積極出店や「カフェモーツアルト」等のブランドを出店し、合計で18店舗を新規出店するなど、店舗網の拡大に努めました。その結果、「星乃珈琲店」の店舗数は、2023年2月末時点で国内においては280店舗となりました。なお、昨年12月栃木県に出店した「星乃珈琲店 宇都宮若松原店」は当社のデザインコンテストで入賞したデザインを採用した店舗となっており非常にご好評を頂いております。
商品戦略につきましては、洋麺屋五右衛門においてグランドメニューを変更したほか、星乃珈琲店においてはモーニングメニューを一新しております。また、引続き、季節に合わせたメニューの導入等マーケティング力の強化に努め、既存ブランド及び新規ブランドともに商品力を高めることでお客様にご満足頂ける商品を提供すると同時に、多ブランド展開における効率化を考慮した商品開発を実施しつつ原価管理を徹底しております。
以上の結果、日本レストランシステムグループにおける売上高は447億68百万円(前期比19.3%増)、セグメン
ト利益は9億71百万円(前期セグメント損失15億63百万円)となりました。
(ドトールコーヒーグループ)
ドトールコーヒーグループの小売事業及びフランチャイズ事業では、春先の規制解除以降、回復傾向が鮮明となり、時間帯や立地別などにより回復状況に差異が見受けられるものの、着実に売上の回復に繋がっております。
店舗においては、コロナ禍に対応したテイクアウト施策や売店商品の拡大を継続しながら、季節ごとの商品など付加価値の高いメニューを随時導入し、顧客単価を上げることで売上の回復に努めました。また、ハウスカードであるドトールバリューカードやキャッシュレスなどのキャンペーンを行うことで、客数の回復を目指した施策を打ちました。一方で、人件費や原材料をはじめとしたコストアップに対し、自社流通センターを確立するなど物流体制の再構築や店舗をはじめとした節水機器の導入など、改善可能な維持管理コストの削減に着手することで、着実に利益を積み上げる体制を整えております。
卸売事業においては、ドリップコーヒーやインスタントコーヒーなど、通販や量販店での販売を拡大、巣ごもり消費に合わせた新商品の投入を引続き継続し、新たな商品の開発・販売を展開したほか、人気コンテンツとのコラボ商品を導入するなど、販売強化に努め、引き続き業容拡大に努めました。また、卸売事業にかかるコスト増に対しては、容器形態の変更、段ボールやシュリンクの削減、間接経費の削減に取り組むことで、利益の確保に努めました。
以上の結果、ドトールコーヒーグループにおける売上高は754億79百万円(前期比14.1%増)、セグメント利益
は10億84百万円(前期セグメント損失7億65百万円)となりました。
(その他)
その他セグメントにおいては、主に国内及び海外における外食事業に係る小売及び卸売りに関する事業で、洋菓
子製造卸のD&Nコンフェクショナリー及びベーカリーのサンメリー並びに海外子会社の店舗・卸売事業となります。
売上高は66億17百万円(前期比16.2%増)、セグメント利益は9億39百万円(前期比71.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ23億23百万円減少し、322億22百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益40億25百万円、減価償却費39億13百万円、法人税等の支払額29億3百万円等により、51億71百万円(前年同期は146億37百万円の収入)の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、新規出店等の有形固定資産の取得による支出50億29百万円、敷金及び保
証金の差入による支出5億80百万円等により、55億88百万円(前年同期は49億33百万円の支出)の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額12億37百万円等により、19億82百万円(前年同期は15億3百万円の支出)の支出となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
前年同期比(%)
ドトールコーヒーグループ(百万円)
7,151
136.1
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行なっておりますので、受注実績については記載すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
前年同期比(%)
日本レストランシステムグループ(百万円)
44,768
119.3
ドトールコーヒーグループ(百万円)
75,479
114.1
その他(百万円)
6,617
116.2
合計(百万円)
126,864
116.0
(注)1.金額は外部顧客に対する売上高を示しております。
2.主な相手先別の販売実績及びその割合については、いずれも売上高の100分の10未満のため、記載を省略
しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容、資本の財源及び資金の流動性に関する状況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]業績等の概要(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、受取手形及び売掛金の増加等により1,210億36百万円と前連結会計年度末と比べ28億9百万円の増加となりました。負債は、支払手形及び買掛金の増加等により247億43百万円と前連結会計年度末と比べ6億25百万円の増加となりました。純資産は、利益剰余金の増加等により962億93百万円となり前連結会計年度末と比べ21億83百万円の増加となりました。
④キャッシュ・フローの分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが51億71百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが55億88百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが19億82百万円の支出となりました。 当連結会計年度の詳細につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
2021年2月期
2022年2月期
2023年2月期
自己資本比率(%)
81.4
79.4
79.3
時価ベースの自己資本比率
(%)
62.0
60.6
68.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
△0.2
0.1
0.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
△189.7
1,055.3
337.3
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産 2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー 4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い 5.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。 6.いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。 7.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。 8.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としており
ます。 9.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当連結会計年度の運転資金及び資本的支出は、基本的に自己資金により賄いました。当社グループの重要な資本的支出は、主に店舗事業における出店コスト及び改装コストに係る設備投資であります。資金の調達源につきましては、主に自己資金により賄えるものと判断しておりますが、必要に応じ金融機関からの借入金等により対応してまいります。
⑤経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況
当社グループは、企業価値を持続的に高めていくことが経営上の重要課題であると認識しています。
当連結会計年度における、目標の達成状況は以下のとおりになります。
目標
2023年2月期
2022年2月期
2023年2月期
(実績)
(計画)
(実績)
売上高(百万円)
109,363
125,000
126,864
経常利益(百万円)
△1,478
2,500
3,466
経常利益率(%)
△1.4
2.0
2.7
⑥経営陣の問題意識と今後の方針
当社は、日本レストランシステム㈱と㈱ドトールコーヒーの両社の共同株式移転により設立された共同持株会社であります。 当社グループの経営陣は、近年の外食産業を取り巻く環境は一段と厳しくなっており、企業間の格差も鮮明になることが予想されると認識しております。 このような状況下、統合により、両社の持つ経営資源とノウハウの有効活用により、㈱ドトールコーヒーの強みである「飲」と、日本レストランシステム㈱の強みである「食」を更に強化・発展させていくとともに、㈱ドトールコーヒーの店舗展開力及び日本レストランシステム㈱の業態開発力の融合による新たな価値創造を最大限発揮できる体制を確立することで、グループ価値の最大化を推進していきます。 また、多様化したお客様の心の奥底にある期待感に応えることのできる「外食産業における日本一のエクセレント・リーディングカンパニー」の地位確立を目指してまいります。
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