【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2023年5月21日から2023年8月20日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、国内消費の回復が期待されています。一方、ロシアのウクライナ侵攻等による原材料・エネルギー価格の上昇や円安による輸入価格の上昇は国内物価を上昇させ、家計・企業の活動に影響を与えています。このような状況の中、当社グループは、前連結会計年度に達成した「売上成長カーブを変える」を継続しながら、2024年5月期では「利益成長カーブも変える」を最大のミッションと位置付け、中期経営計画(2022年5月期~2025年5月期)に掲げた最終年度の業績目標達成に向け、取扱い商品数の拡大に加え、BtoB事業での積極的な広告費・販促費の投下、本格稼働した新アスクルWEBサイトへのお客様の移行等、当社グループの成長に繋がる積極的な施策を進めております。この結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループの業績は、売上高1,130億74百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益28億27百万円(前年同期比4.4%減)、経常利益27億27百万円(前年同期比7.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益17億29百万円(前年同期比8.6%減)となり、概ね期初計画通り進捗しております。
セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。<eコマース事業>当社グループの主力分野であるBtoB事業につきましては、仕事場で働く全てのお客様のご要望にお応えすべく、飲料、日用消耗品等の生活用品商材、抗原検査キット等の新型コロナウイルス感染症関連商材、袋・梱包資材等のMRO(注)商材など、幅広く商品を取り揃えております。感染症法上の位置付けが5類に移行された新型コロナウイルス感染症関連商材については、抗原検査キット、消毒剤等の売上高が減少しましたが、ペットボトル飲料や日用消耗品等の生活用品の売上が順調であったこと等に加え、主力商品の一部等について価格改定を行ったこと等により購入単価が上昇し、売上高が伸長し増収となりました。2022年7月の新アスクルWEBサイト構築に関連する一部機能(中堅大企業向けのWEBサイトであるソロエルアリーナサイトのオープン化)のリリースの効果による検索エンジン経由での売上高の増加は継続しております。当連結会計年度は、2023年7月に本格稼働した新アスクルWEBサイトへのお客様の移行を計画通り進め、投資効果を高めてまいります。また、連結子会社である株式会社アルファパーチェスの業績が順調であることや、前連結会計年度末に連結子会社化した株式会社AP67の事業子会社であるフィード株式会社等の業績が当四半期累計期間を通じて寄与したことが、売上高の成長に貢献しております。この結果、BtoB事業の売上高は、前年同期比で83億43百万円増収の977億76百万円(前年同期比9.3%増)となりました。BtoC事業につきましては、当第1四半期連結累計期間の売上高は、Zホールディングスのコマース事業のコスト最適化によるキャンペーン変更も影響し、減収となりましたが、概ね計画通り進捗しました。当連結会計年度において商材拡大等により「LOHACO」の売上高再成長を進めております。この結果、「LOHACO」の売上高は、前年同期比で51億36百万円減収の88億22百万円(前年同期比36.8%減)となり、BtoC事業合計で、前年同期比で52億16百万円減収の130億41百万円(前年同期比28.6%減)となりました。以上の結果、両事業を合計したeコマース事業の売上高は1,108億17百万円(前年同期比2.9%増)となりました。売上総利益は、生活用品の売上高の増加や一部商品の価格改定等により売上総利益率が改善し、277億12百万円(前年同期比4.4%増)と大幅な増益となりました。販売費及び一般管理費は、投資を行ってきた新アスクルWEBサイトや「ASKUL東京DC」の稼働によりソフトウエア償却費や減価償却費が増加し、また、当連結会計年度の売上拡大施策の一つであるBtoB事業に係るインターネット広告出稿の増加等により、売上高販管費比率が前年同期比0.6ポイント増加し、248億20百万円となり、営業利益は28億91百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
<ロジスティクス事業>ASKUL LOGIST株式会社の当社グループ外の物流業務受託の売上高は概ね前年同期と同水準で推移したものの、原価高騰等の影響により採算が悪化し、減収減益となりました。この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は20億7百万円(前年同期比5.9%減)、営業損失は79百万円(前年同期は営業損失73百万円)となっております。
<その他>嬬恋銘水株式会社での飲料水の販売が堅調に推移し売上高は前年同期と同水準となりましたが、営業利益は生産性が向上し増益となりました。この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は5億52百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益は39百万円(前年同期比16.8%増)となっております。
(注) Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場・倉庫等で使用される消耗品・補修用品等の間接材全般を指します。
②財政状態の状況(資産の部)当第1四半期連結会計期間末における総資産は2,201億73百万円となり、前連結会計年度末と比べ73億32百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が28億80百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が10億21百万円、未収入金が10億19百万円減少したことによるものであります。 (負債の部)当第1四半期連結会計期間末における負債は1,532億39百万円となり、前連結会計年度末と比べ73億90百万円減少いたしました。これは主に、電子記録債務が25億86百万円、未払法人税等が20億31百万円、支払手形及び買掛金が15億41百万円減少したことによるものであります。(純資産の部)当第1四半期連結会計期間末における純資産は669億34百万円となり、前連結会計年度末と比べ57百万円増加いたしました。これは主に、非支配株主持分が84百万円増加したこと、親会社株主に帰属する四半期純利益17億29百万円計上に対し、配当金の支払いが17億54百万円あったことにより、利益剰余金が25百万円減少したことによるものであります。以上の結果、自己資本比率は29.1%(前連結会計年度末は28.2%)となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動該当事項はありません。